関東地区各大学の、大学駅伝シーズン2020-2021を振り返っておきます。
今度は、箱根駅伝2021における、関東学生連合の戦いを振り返っていきます。また、過去にメンバー入りを果たしている4年生を中心に卒業生特集を行います(主に予選順位20位以下など)
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選ばれた16名ランナーの、箱根予選での走り詳細です。前方で勝負しに行っていたのが上武・村上、麗澤難波・亜大河村選手ですね。それぞれ5㎞14分36秒ほど、10㎞は29分22秒で通過しています。
さらに村上・難波選手が15㎞44分05秒で15位付近と浮上。難波選手ら思い切って勝負を仕掛けて61分47秒個人11位の激走!村上選手は62分01秒個人14位、河村選手は少しずつ下がるもそれでも62分39秒個人38位で、このチームで4番手と粘りも見せていましたね。
その少し後方からいい走りを見せていたのが、農大・高槻、中学・小島、東経・大川選手。5㎞14分49秒前後。10㎞29分45秒前後で通過しています。ここからペースアップを見せたのが高槻選手。5㎞14分50秒を切るペースをキープし、個人34位62分35秒とこのチーム3番手。ルーキー離れした走りでしたね。
中学小島選手も15㎞まではかなりいい走り。そこからは少しずつ下がっていったものの、67位63分03秒はこのチーム7番手はやはり実力がある選手です。東経大大川選手もそれに近い推移、スピード型タイプかなと思いますが、最後まで持ちこたえています。
5㎞通過は100位台ながら上位に食い込んできたのが、駿河台町田選手とのちにこのチーム主将となる慶大杉浦選手。10㎞30分00秒前後から、15㎞は44分50秒台、で1㎞3分切るペースにアップ。ここで一気に二けた順位に割り込むと、それ以降はさらにペースアップ!62分50秒台で個人でも50位台に浮上。うまく上位に割り込んできましたね。
ここからはわずかの差。10番手以内には秒差でしたが、ここは序盤非常にスローペースだった2名が入ってきました。話題になった芝工大松川選手は240位の15分09秒の入り。このチームでも15番目の入り。それが15㎞地点で44分54秒の個人77位まで上がるのですから凄いビルドアップ。63分04秒の70位まで上がりました。
もう一人上がってきたのが日大小坂選手。直前に1万m28分台を出していたので、10㎞通過175位30分06秒通過はチームの作戦。ここから懸命に吸アップし、81位63分10秒で何とかこのチーム10番手に滑り込んだ形です。
11番手~13番手は差は僅か。関学・厚浦選手、立大・中山選手が5㎞14分58秒前後の入り。そこから1㎞3分前後で我慢の走り、じわじわ浮上してきて、厚浦選手が63分12秒、中山選手が63分13秒。入りの5㎞が15分04秒でもう少し後ろだった育英大新田選手が92位63分17秒にく混んでいます。
5㎞の入りが一番遅かったのが大東菊地選手で273位15分15秒の入り、10㎞でも200位台というところから、1㎞3分切りにペースアップ。120位63分30秒まであがってきました。次年度は違う走りが見れるはずだ。
逆に攻めていったのが、桜美林大前山選手と流経大梶山選手で5㎞14分台。特に1500mのスピードがある梶山選手が51位14分42秒の入り。さすがに少しずつペースだスンするも、ギリギリ16番目に入る123位63分33秒。流経大歴代としても留学生に続く記録だったそう。
惜しかったのが前山選手で、5㎞91位14分51秒の入りから、15㎞地点で68位44分43秒に浮上。ここから息切れしてしまい100位63分23秒に。チーム2番目の箱根ランナーにあと少しでした。
1区難波選手…一つ大きな見せ場になったのですよね。トラックの方が強いランナーというイメージだったのですが、思い切って勝負に行った箱根予選で61分台好走!その後の記録会で5000m13分40秒台をマークしていました。
しっかりと先頭集団に食らいつくと、六郷橋付近では先頭付近に顔を出す見せ場を作ります。その後も上位集団にとどまった上で区間10位相当でトップと26秒差。難しい展開で見事な走りを見せました。
2区河村選手…ただ、往路は予定の選手で組めなかったのですよね。難波選手に続いてツートップと言われた村上選手が、29日4区エントリー。5区希望だった河村選手が2区に入っていました。1万m28分台は出していましたが、対策面で不安がありました。
上位集団から離れていくと、各ランナーのターゲットになってしまいました。中盤頃には19番目まで後退すると、その後も粘りが効かず区間最下位相当に。連合チームとしても、今年も2区で流れを失うことになりました。
3区小島選手…中央学院大のランナーとして、初めて選抜チームで出走となった小島選手。一時は山下りのうわさもありましたが、下りもある平地区間3区になりました。
ただ、序盤から中盤は中々ペースが上がらず区間18位付近のペース。後方からきた山学大の選手に交わされ一時突き放されます。最後の3㎞で意地を見せて抜き返して19番目はキープ。個人65分半ばはちょっと不満でしょうか?
4区中山選手…上武村上選手が入っていましたが、当日変更で中山選手。予選以降試合に出場していなかったので、やはり状態が思わしくなかったでしょうか。当日入った中山選手は予選12番手でしたが、その後1万m28分台を出したことで往路起用となったと思われます。
山学大の留学生選手とほぼ同時スタート、あっという間に視界から遠ざかっていく難しい展開でした。懸命に粘りますが、65分半ばで区間18位相当。20番目でのタスキリレーとなります。
5区杉浦選手…3年生ながら、このチームの主将に立候補した慶大杉浦選手。”目立ちたい区間希望”で復路終盤と思われましたが、5区山登り出走となりました。くしくも世間的には非常に名だたる私立校、立大⇒慶大の襷リレーでした。
序盤慎重な入りでしたが、大平台以降でがくんとペースダウン。区間最下位相当となってしまい戦えず。2区と5区が戦えないとやはり箱根は厳しい結果になってしまうと思い知らされました。
6区大川選手…復路出だし。ここ2年は山下りがスムーズにスタートすることで、復路は健闘するのですよね。任されたのは東経大2人目の箱根ランナーとなる大川選手。ストライドの広い走りは駅伝ファン話題になりました。1人目と同じ山下りなのもマニアがくすりとするところです。
一斉スタートで、途中までは、実力者中大若林選手に食らいつく積極的なレース。小涌園以降は息切れしてしまいますが、区間14位相当の60分04秒で走り切り、まずまずの結果。とはいえ、19番目と40秒ほどの差がある20番目のスタートとなります。
7区小坂選手…これをいい流れに変えてくれたのが日大小坂選手。二宮までに、スピードに乗ってこない山学大や法大の選手を視界に捉えます。そして二宮から大磯定点間は8番目のタイムで、一気に抜き去ります!
最終的に65分を切る区間12位相当の走り。18番目に浮上させ、各チームと前後する展開を作り、戦いやすい雰囲気にしたのは、駅伝として大きく貢献していますね。
8区高槻選手…ここにチーム3番手に入った農大高槻選手を起用。絶好調ではなかったでしょうが、予選で後半上がった走りが生かせる区間でもありました。
遊行寺坂付近で、1分離れていた国士大の選手を捉えます。国士大がここから粘るものの、高槻選手もしっかりと応じます。最終的にほぼ同時の17番目タイ、個人でも66分を切る区間12位相当。浮上の流れを繋ぎます。
9区町田選手…復路エース区間を任されたのは、駿河台大町田選手。ロードで非常に持ち味を発揮できる選手です。国士大をすぐに突き放して単独17番目に浮上します。
中盤以降もしっかりとペースをキープし、残り3㎞は7番目のタイム。全体区間12位相当とまとめて、16番目以降のチームも見えてくる展開のタスキリレーをしました。
10区松川選手…そして最後の区間がかなり映りましたね。芝浦工大2番目のランナーとなった松川選手。予選でのビルドアップから10区向きの声は非常に多かったです。
新八ッ山橋までに区間一桁相当のペースになると、以降は区間上位ペースで突っ走っていきます。終盤に、拓大と城西を捉えて15番目まで浮上します。
そして残り1㎞テレビで長い間、独特の髪型で激走する松川選手の姿が!監督車から、別の大学の弘山監督の檄も大いに話題になりました。失速する日体大にかなり迫ったところでゴール。
区間6位相当で70分50秒ということで本当に予選以上の走りだったのではないでしょうか。総合は20番相当浮上とはなりませんでしたが、ここ数年では複数区間で見せ場を作って、いいパフォーマンスだったのではと思います。
梶山拓郎④29分44秒47・流経大
≪20:予123位、日本IC1500m15位、19:予174位、17:関東IC1500m≫
今年度の関東学生連合に選ばれていたスピードランナーの一人ですね。高校時代に14分17秒54のベストを持っていて、流経大としては大物ルーキーでした。
いきなり関東インカレ1500mに出場しながらも、1万m30分半ばもマークし、高いポテンシャルをさっそく発揮していました。
その後怪我などもあり、足踏みの時期が続きましたが、3年6月に30分18秒をマークしてから軌道に乗り始めます。箱根予選についに初出場し、個人174位とまずまずの結果を残します。
4年生になってもう一度得意の1500mを強化。7月に3分49秒10のベストを残すと、9月日本インカレに初出場!決勝に進出するパフォーマンスを残します。
その流れで箱根予選にも登場し、関東学生連合16番目ギリギリで選出されました。出走はなかったものの、奈良監督に代わり上昇ムードのチームを引っ張りました。
前山晃太郎④29分02秒62・桜美林大
≪20:予100位(連合)、18:予208位、17:予239位≫
桜美林大からは2人が関東学生連合に選ばれていたのですよね。最終学年で選ばれていたのが前山選手です。
長距離適性は早くから見せていて、まだ無名だった1年時に予選239位で走り切っています。2年時には208位に浮上、その後1万m30分53秒、学生ハーフで65分台をマーク。徐々に頭角を現していきます。
3年時箱根予選エントリーなかったのですが、その後走力を上げて復帰。12月日体大記録会で29分02秒62を出したのは本当に驚きました。
4年時は東海大記録会で29分22秒まずまず走ると、箱根予選は攻めていって個人100位!最高の成績で学生連合のメンバー入りを果たしています。後輩へのいい指標になるのではないでしょうか。
永瀬 孝④29分41秒48・桜美林大
≪20:予174位、19:予242位、関東IChalf、18:予158位(連合選出)、17:予384位≫
桜美林大としいえば、この選手にも注目が集まったのですよね。4年連続箱根予選に出走し、2年時に学生連合に選ばれた永瀬選手です。
1年時は384位と下位となっていますが、2年時に一気に158位に浮上!全くノーマークだったので驚きました。学生連合に選ばれ、1万mでも30分19秒66をマークし、出走まであと一歩まで行っています。
その後も箱根予選に出走、残念ながら選ばれたのはその一度きりとなりましたが、3年時は関東インカレハーフで出走、4年時は1万m29分41秒48まで伸ばすなど、しっかりと伸びた選手です。
森 陽向④29分59秒26・東京経済大
≪19:予120位(連合)、関東IC1万m≫
3年時に関東学生連合に選ばれている東経大森選手も忘れてはならない存在ですね。入学時は5千m15分台ながら、トラックでの伸びは素晴らしく早かった選手。
1年時の冬に早くも30分18秒72をマークすると、2年時の冬に29分59秒26と29分台をマーク!3年時の関東インカレ1万m出場に繋げます。
箱根予選は中々選ばれなかったのですが、3年時についに初エントリー初出走!酷暑の中、終盤脚が攣りながらも、執念で16番目ギリギリで連合のエントリーに入ったのは印象に残っていますね。
箱根本戦出走はなりませんでしたが、12月に5千m14分15秒71のベストを残しています。4年時はホクレンに出るも不調、箱根予選への出走はなりませんでした。
山田直樹④30分14秒36・日本薬科大
≪20:予300位、19:予110位(連合)、全予2組30位、18:予221位≫
最後に紹介するのは日本薬科大の山田選手で昨年選ばれているのですよね。1年時はチーム内でも目立たない存在でしたが、2年時に予選221位と好走して主力としての活躍を期待されます。
3年時は、チームが初出場となった全日本予選にも参加。2組で30位という結果は当時の実績からすると健闘の部類でした。そして箱根予選では、酷暑の中粘りの走りで110位で連合メンバーに選ばれます。
選考過程で1万m30分14秒36のベストを記録をマーク。本戦出場はならずも、2月の守谷ハーフで65分38秒で走り、その実力を示します。
最終学年は、前年程の調子とならず予選は失速してしまいました。それでも、日本薬科大の育成力に一つ注目を集めたランナーなのは変わりありません。
※予選で、チームが比較的上位に入っているチームは、大学単位で卒業生特集を行います。