関東地区各大学の、大学駅伝シーズン2020-2021を振り返っておきます。
今度は、箱根駅伝2021で往路で沸かせる場面を作った13位神奈川大・14位日本体育大です。
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【神奈川大学】箱根駅伝2021を終えて
神奈川大など、箱根予選を振り返っていない大学はその振り返りなども行います。
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箱根駅伝予選会振り返り詳細
4位神奈川大学10:29:59
17位呑村大樹③62分06秒
26位井手孝一④62分28秒
50位高橋銀河①62分48秒
54位宇津野篤①62分51秒
68位佐々木亮輔①63分03秒
76位小笠原峰士④63分06秒
94位西方大珠③63分19秒
103位鈴木玲央②63分24秒
112位川口 慧③63分27秒
113位横澤清己③63分27秒
119位古市佑太②63分30秒
133位安田 響③63分43秒
5㎞通過-10km通過(5-10km)-15㎞通過(10-15km)-18㎞通過(15-F)
8位(8)-6位(3)-6位(8)-5位(4)
まず4年井手、3年呑村・川口選手が5㎞14分38秒と早めのペース、後ろで14分55秒前後で4年小笠原選手やルーキー3人組などが一斉集団でレースを進めていきます。
井手・呑村選手10㎞29分23秒、15㎞44分一けた台と1㎞3分切ペースをキープ、呑村選手がそこからさらに伸びて62分06秒の好タイム!トラックで台頭していたとはいえ、チームトップはびっくり!全体でも17位に入りました。井手選手も62分28秒と高速化にしっかり対応して見せました。川口選手は10㎞を過ぎてから1㎞3分オーバーへ。最終的にチーム9番手の63分27秒となります。
後ろの集団は素晴らしいペース。10㎞を29分56秒~58秒で一斉に通過。チーム12番手101位で通過。15㎞は44分56秒~58秒で、ほぼ1㎞3分ペースを維持。そこからヨーイドンとなった中、高橋・宇津野・佐々木選手が素晴らしいペースアップ。髙橋・宇津野選手は62分台、佐々木選手は63分03秒と初のハーフマラソンをしっかりと対応してみせました。
その後、チーム6番手小笠原・7番手西方選手までが個人100位内。チーム10番手でも113位63分27秒、2年連続箱根を走っている安田選手が伸び悩んだとはいえ、63分43秒の133位。暑い展開でも、涼しい&周回コースの超高速レースでも、予選はしっかりと対応して見せました。
箱根駅伝本戦振り返り詳細
往路8位5時間33分40秒/復路14位5時間35分15秒
1区(21.3㎞)4位呑村大樹③63分16秒[4]0:16
2区(23.1㎞)9位井手孝一④67分33秒[7]1:15
3区(21.4㎞)10位川口 慧③64分25秒[9]2:34
4区(20.9㎞)10位西方大珠③64分07秒[9]3:18
5区(20.7㎞)11位北﨑拓矢④74分19秒[8]5:32
6区(20.8㎞)12位宇津野篤①59分26秒[6]6:09
7区(21.3㎞)17位落合葵斗③65分47秒[11]8:44
8区(21.4㎞)11位安田 響③65分37秒[11]9:11
9区(23.1㎞)20位高橋銀河①74分27秒[15]15:24
10区(23.0㎞)2位佐々木亮輔①69分59秒[13]12:51
1区呑村選手…新戦力とロードに強い4年生を組み合わせて、往路は大善戦しました。1区を担った呑村選手の好走は非常に大きかったです。六郷橋の仕掛けで縦長になった段階で、3位集団より後ろの集団に位置していました。
それがじわじわと浮上してきて、3位集団に追い付き、一時先頭にも近づこうかという走り!最終的には区間4位、駅伝ファンには大いに衝撃の駅伝デビューでした。
2区井手選手…神大の頼もしいエース選手。2年時スピード区間の3区、3年時は山登り5区など色んなコースを走って全て区間一桁で走り切っている選手。満を持して臨んだエース区間2区、序盤単独3位を走っている姿が非常に印象的でした。
数キロして後方の集団に付きますが、10㎞28分台で通過する集団にもしっかりと対応。権太坂以降は東洋大のルーキーの選手と激しい競り合いに。下りで一時リードを奪ったそうですが、抜き返されて7位中継。それでも67分33秒の好タイムで区間9位。現状、決して強豪校ではない神大を、最後まで支え続けました。
3区川口選手…さて、神大としては久々に序盤で遅れず上位の流れに乗りました。3区に入った3年川口選手が懸命の力走。上位集団からは落ちますが、追い付てきた早大のエースランナーと競り合って一桁順位をキープ。総合9位で次の区間へ繋ぎます。
4区西方選手…前年も4区の予定だった西方選手を2年越しで起用へ。序盤突っ込んでいく積極的なレース。中盤以降は一人旅になりますが、最低限のペースはキープして区間10位の走り。総合9位のまま山登りへ入ります。
5区北崎選手…これは驚きました。神大の主力選手ですが、箱根予選は怪我でエントリーなし。そこから試合出場なしでぶっつけで山登りに調整していました。失速してきた早大を交わした以外は基本的に一人旅、中盤にペースが落ちかけた場面もありましたが、下りに入ってからの切り替えが見事でした。
後方がちらちら見えますが、前方も順大を追いかける形で往路フィニッシュ。8位は、大後監督の良い想定よりも2つ上の順位でのフィニッシュでした。
6区宇津野選手…とはいえ、強豪校の失敗もあった中での往路8位。シード権争いシビアな戦いに挑むことになりました。復路スタートは1人目の1年生宇津野選手。前の順大が区間賞ペースですぐに見えなくなる中、しっかりとペースを作っていきます。後半、ペースが上がらない帝京・東国大を交わして6位に浮上!最高の復路スタートを切ります。
7区落合選手…とはいえ、実は区間一桁が中々なかったため、後方とは差が無い展開。シードライン11位は1分程。トラックのスピードがある落合選手で勝負に出ますが、中々スピードに乗っていけず、じりじりと順位を下げていきます。後半は差し込みもきてしまい、大磯付近でついに11位に後退。中継所では10位早大と24秒差に開きます。
8区安田選手…何とか反撃に出たい神大。3年連続の8区となる安田選手に託します。中盤付近でぐっとペースを上げていき、勝負どころの遊行寺の坂で12秒差にまで迫ります。しかし、ここで痙攣が襲ってしまいます。後方から追ってきた明大には何とか逃げ切りますが、シード権とは1分05秒差にまで広がってしまいます。
9区髙橋選手…残りの長丁場2区間、神大はどちらもルーキーを起用するという思い切った戦法を取ってきます。復路エース区間9区は、予選でチーム内の1年生でトップだった高橋選手。どこまで食い下がれるかと思われましたが、最初の定点権太坂で11位明大にかなり差を付けられる展開。早い段階で差し込みがあったようで、思うような走りにならず。区間最下位で総合15位まで後退、無念シード権争いから脱落しました。
10区佐々木選手…ただこれで終わらなかったのが今季の神大。アンカー起用された佐々木選手が驚きの快走を見せます。最初から目立っていたわけではなく、鎌田定点では区間11位、それが新八ッ山橋の定点で区間2位に浮上はこちらがびっくり!一時は区間賞の駒大石川選手と10秒差まで迫る走り。
最終的には69分台の区間2位と10区を走ったルーキーとして過去最高の成績。城西大と日体大を交わして総合13位にまで浮上。シード権獲得とはならずも、例年より収穫を得てのフィニッシュとなりました。
収穫と今後に向けて
93回大会でシード権を獲得をしたときを除き、シード権落ちが続いていた神大。多くの場合、序盤もしくは山でブレーキがあり、復路スタート前にシード権獲得が厳しい状況になっていることが多かったのですよね。
それが井手・北崎選手と4年生がエース区間2区と山登り5区でびしっと決まり、呑村選手など往路で戦える選手の台頭という収穫がありました。復路は途中シード権争いから脱落したとはいえ、好走区間もありました。
2人の4年生の穴は大きいですが、今回出走した3年生5人と1年生3人が残ります。また、リクルート面も懸命に強豪校に追いつこうとしています。神大の次年度の戦いは要チェックです。
【日本体育大学】箱根駅伝2021を終えて
箱根駅伝本戦振り返り
往路15位5時間36分38秒/復路13位5時間33分46秒
1区(21.3㎞)8位藤本珠輝②63分22秒[8]0:22
2区(23.1㎞)3位池田耀平④67分14秒[4]1:02
3区(21.4㎞)11位岩室天輝④64分40秒[10]2:36
4区(20.9㎞)17位福住賢翔④65分31秒[11]4:44
5区(20.7㎞)16位村越凌太②75分51秒[15]8:30
6区(20.8㎞)17位菅沼隆佑④60分22秒[16]10:03
7区(21.3㎞)9位森下滉太④64分25秒[14]11:16
8区(21.4㎞)17位大内宏樹③67分06秒[16]13:12
9区(23.1㎞)5位野上翔太④69分49秒[14]14:47
10区(23.0㎞)17位名村樹哉②72分05秒[14]14:20
1区藤本選手…箱根予選・各記録会で大活躍を続けていた藤本選手が、ついに大学駅伝でも好走を見せます。六郷橋での仕掛けにもついていき、3位争いのすぐ後方で粘ります。最終的に区間8位でトップと22秒差、過去2度はうまくいかなかった駅伝ですが、ついに力のあるところを見せました。
2区池田選手…さて、大きく見どころになるだろうと思って、本当にそのまま最大のハイライトになった華の2区。前後の大学の選手で形成された上位集団を引っ張る走り。そして10㎞28分40秒前後で通過した後、すっと抜け出していきます。
中継所で先に出ていた東海大のエース選手に追いついてからは、激しい3位争い。そして争いながら2位走行の留学生の選手にじわじわと迫っていきます。ラストスパートの差で総合順位上は4位ですが、67分14秒で区間3位は日本人トップの力走!
1か月前日本選手権1万mに出場し27分台をマーク。ピーキングが難しかったようですが、あくまで箱根駅伝に標準を絞って無理のない範囲で調整していたそうです。今季の最強日本人ランナーは日体大池田選手でした。
4years.は大学スポーツにまつわるドラマにひとつでも多く寄り添っていきます。
おすすめ記事をごらんください。
「陸上・駅伝 – 日体大・池田耀平 箱根駅伝2区で日本人1位 「想定通り」に実力を発揮しきれた理由 」https://t.co/i9XxlL0FKf— 4years. (@4years_media) February 3, 2021
3区岩室選手…とはいえレースはまだまだ長い。この貯金を起用し、上位陣に食らいつきながらシード権内に留まっていく戦いの始まりでもありました。岩室選手は2大会前3区出走、この時は苦汁を舐めています。
今季復活しての箱根路、上位陣のスピードにはやや対抗できずも区間11位のまずまずの走り。総合10位に後退しますが、11位ははるか遠く前方が見える位置でのリレーになります
4区福住選手…今秋ブレイクした4年福住選手で食らいつきにかかります。序盤はすぐ前にいた神大と突っ込み気味入り、早大を捉えた場面もあったそうです。ただ、二宮を過ぎてから息切れ、失速してしまい、はるか後方だった青学大にも捉えられ総合11位に。最初で最後の箱根路は苦いものになりました。
5区村越選手…箱根予選出走していた2年生。その後、激坂王チャレンジで好成績を収めていました。本格的な登りに入ってから、前方苦しむ青学大を一時捉える勢いで走っていましたが、小涌園を過ぎてから息切れ。終盤は脚が止まり、総合15位に後退。シード権からは1分半以上後方となってしまいます。
6区菅沼選手…1500mで関東ICを戦ったことのあるスピードランナーが最終学年で距離に対応してきました。満を持しての箱根デビューでしたが、小涌園まで区間最下位に近いペース。終盤何とか持ち直しましたが、総合16位に。3区間連続で区間16位以下となり、このあたりはチームとしても力不足でした。
7区森下選手…シード権獲得が厳しくなってきた中、もう攻めていくしかありませんでした。残り4区間は、最初の定点は全員が区間一桁で通過していました。そこから耐え抜いたのが4年生でした。
7区は前年経験者の4年大内選手がエントリーしてしましたが、同じ4年森下選手と当日交代。その森下選手が区間一桁ペースをキープ。国士大を交わすと、ラスト拓大とのバトルを制して2人抜きで総合14位進出。個人としても区間9位と結果を残します。
8区大内選手…前回経験者で4年主将の嶋野選手からエントリー変更で、3年大内選手が入りました。全日本駅伝7区で起用されるなど期待の選手の一人です。
拓大のランナーと競り合いながら序盤突っ込んで入りますが、今回は遊行寺坂に入る手前で息切れ。終盤はかなり苦しんだ走りで区間18位。再び総合16位後退します。
9区野上選手…駅伝ファンとしては非常に注目となった野上選手のリベンジ走。前年の目前繰り上げはもう語らなくていいでしょう。この9区の為に1年間かけてきました。
序盤から区間一桁ペースで進んでいくと、終盤になっていく横浜駅前以降ぐっと区間順位が上がっていきます。拓大を交わすと、城西大や神大等苦しい場面で前に追いつきました。最後は城西大の選手と争う形で中継所へ。繰り上げ回避は勿論、個人としても区間5位69分49秒の好記録!見事な走りでした。
10区名村選手…アンカーは2年名村選手。箱根予選は未出走も全日本駅伝6区で出走、その後1万m28分台をマークしていました。その勢いそのままにぶっ飛ばしていきます。蒲田を区間3位ペースで通過すると、城西大を振り切り総合13位へ浮上、そのまま区間上位ペースで走り続けます。
ただ、田町付近で神大に捉えられてから息切れ。区間一桁をキープしますが、ラスト3㎞で区間9位から区間18位へ。それでも何とか総合14位をキープし、73年連続73回目の箱根路を終えます。
収穫と今後に向けて
池田選手という大エースがいて、そのほかにも4年生のメンバーが多く入っていたということを考えると、何とかシード権獲得したかったところ。ですが、昨年は総合17位で繰り上げスタートを食らったところから、成長できたということ。
そして中々決まらなかった首脳陣を、玉城監督でしっかり固めることができたばかりということを、まずは良しとする事が大事なのかもしれません。
また、今回の4年生は高校時代5千14分50秒台~15分台のランナーも多くいました。ここからの育成力はもっと注目されてもいいのかもしれません。多くの主力が抜けますが、幸いリクルートは復調傾向。まずは74年連続74回目の箱根路へ向けて、しっかりとしたスタートを切っていきたいところです。