箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、
いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。
コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。
その間に、箱根駅伝2021出場チームの現状のまとめを、全日本や箱根予選の戦いを振り返りながらしていきます。
続いて、大エースを活かす選手層づくり、4年生走力アップ間に合うか!?日本体育大と東京国際大です。
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【日本体育大学】箱根駅伝2021へ~箱根予選&全日本大学駅伝の振り返りから戦力分析!
日体大は12位、自分は3区12位でした。
耀平さんが最高の位置で渡してくれたにもかかわらず、全く活かせませんでした。タイムも内容も反省点ばかりです。4年生のためにも残り2ヶ月必死になります!
応援ありがとうございました!#全日本大学駅伝#日本体育大学#んっす pic.twitter.com/6QXpak7ThZ— 藤本珠輝 (@tamama_EKIDEN) November 1, 2020
箱根予選&全日本大学駅伝2020振り返り
10/17 箱根駅伝予選会
6位日本体育大学10:30:49
7位池田耀平④61分44秒
22位藤本珠輝②62分13秒
63位岩室天輝④63分01秒
72位菅沼隆佑④63分04秒
82位福住賢翔④63分10秒
85位大内宏樹③63分11秒
87位野上翔太④63分12秒
134位村越凌太②63分43秒
142位岡嶋 翼③63分44秒
149位森下滉太④63分47秒
232位嶋野太海④64分44秒
280位盛本聖也②65分31秒
5㎞通過-10km通過(5-10km)-15㎞通過(10-15km)-18㎞通過(15-F)
6位-8位(11)-8位(7)-7位(6)
毎年安定して予選会を通過している日本体育大。超高速だった今回やや順位的には低かったですが、各ポイント総合6位~8位あたりを行き来して7位通過でした。
作戦は非常にわかりやすく、大エースの4年池田選手が日本人トップ集団、続く主力選手2年藤本選手が第2集団、そのほかの選手は集団そ走りでした。
池田選手は終始日本人トップ集団で5㎞14分13秒、10㎞29分00秒、15㎞43分55秒と順調に推移。飛び出す選手や追いついてくる選手もいる中、日本人3番手の61分44秒と見事に他校のエースと戦い抜きました。
藤本選手も安定していました。5㎞31位14分38秒、10㎞25位29分22秒、15㎞15位尾44分05秒で徐々に順位アップ。もう少しで池田選手のいる日本人トップ集団に追いつくところからやや息切れしたでしょうか。それでも22位62分13秒と、面目躍如といったところ。
そして集団走りも凄かったですね。ほぼずっと1㎞3分ペースをキープして、15㎞地点で3番手~10番手が44分57秒~59秒でまとまり、ほぼ100位付近で固まっていました。エース選手以外は稼いでいませんが、こぼれている選手は11番手以降の2名にとどまっていました。
ここから一気に力の差が分かれ、4年岩室・菅沼選手が大幅にペースアップ!岩室選手は121位から63位と58人抜き!4年福住3年大内選手も順位アップ、安定感が非常に高い4年野上選手まで100位以内に食い込みました。
8番手からはやや差が離れて、140位前後64分40秒台で村越・岡嶋・森下選手が続きました。その後、15㎞手前で脱落した嶋野選手が64分台、10㎞手前で苦しくなった盛本選手が65分台に。
こうみるとしっかりビルドアップできた選手、15㎞で足が限界だった選手と差が分かれて、順位的にはあまり変わらないという状況だったようです。
11/1全日本大学駅伝
12位日本体育大学5時間19分35秒
1区(9.5㎞)17位岩室天輝④27分33秒[17]0:26
2区(11.1㎞)3位池田耀平④31分39秒[6]0:25
3区(11.9㎞)12位藤本珠輝②34分29秒[12]0:50
4区(11.8㎞)10位菅沼隆佑④34分49秒[10]2:16
5区(12.4㎞)10位福住賢翔④37分00秒[10]2:22
6区(12.8㎞)11位名村樹哉②38分46秒[10]3:03
7区(17.6㎞)15位大内宏樹③53分52秒[10]5:15
8区(19.7㎞)15位野上翔太④61分27秒[12]8:27
全日本大学駅伝では池田選手ら箱根予選でしっかり走れた上位7名の選手と、新たなメンバーとして名村選手を加えての出走。現時点でのベストメンバーに。特に、箱根予選チーム3番手の岩室選手を1区、1番手の池田選手を2区、2番手の藤本選手を3区と非常に攻めのオーダーでした。
1区岩室選手は区間17位と出遅れますが、トップとは26秒差にとどめます。これをエース池田選手が一気に返済。2区を走り始めて僅か3㎞で5位集団にとりついていたのですからびっくりです。一気にごぼう抜きしていました。その後は3位争いまでした上で6位中継。上位校の流れに乗ったかと思われました。
勿体なかったのは3区藤本選手。スピードエース区間に起用されましたが、後方の集団に追いつかれると、終盤にはその集団からも後退。最終的には悔しい走り、箱根予選からの調整は青学や駒大ら有力ランナーの前では渡したかったかなぁ…。
4区以降上位争いからじりじり引き離されてしまったのは力不足で仕方なかったですが、区間順位は4区から6区は10位10位11位はまずまず。しかも4年生になってついに戦力となった菅沼・福住選手、さらに箱根予選を走っていない2年名村選手はまずまずです。繋ぎ区間は戦えました。
終盤長距離区間は7区8区とも区間15位。主力選手は起用してしまっていたので仕方ないですかね。7区大内宏8区野上選手と主要大会でも安定して走れている選手でしたが、戦うのは厳しく総合12位に後退しました。
その後、
11/14 日体大記録会
6組
九嶋大雅②29分18秒43★
續木日向③29分24秒12★
村越凌太②29分24秒47★
太田哲朗④29分32秒61
古謝将大④29分37秒96★
7組
森下滉太④28分51秒26★
嶋野太海④28分53秒96★
大内一輝④28分57秒85★
野上翔太④28分59秒43★
齋藤晃太③29分07秒88★
組
名村樹哉②28分46秒96★
大内宏樹③28分48秒95★
福住賢翔④29分01秒90★
亀田優太朗④29分10秒47
菅沼隆佑④29分31秒27★
佐藤慎巴③29分35秒01★
9組
5位池田耀平④28分10秒57★
岩室天輝④29分15秒46★
戦力分析~エース主力新戦力選手・山登り下りの目途など!
①エース・主力選手
大エースがいるのは頼もしいですよね。池田選手が今季の学生長距離界の顔の一人に成長しつつあります。今年の箱根1区高速レース最後までしのぎを削って以降、本当に覚醒しています。
丸亀ハーフ・箱根予選連続で61分台を出すと、全日本大学駅伝では2区で11人抜きの激走!大学駅伝では、ずっと1区を任されましたが、箱根駅伝2区起用の目途が立ちました。直近ではトラック1万mで28分10秒!箱根2区67分切り…期待していいでしょう!
2番手は2年藤本選手。箱根予選で特に安定した走りを見せていますよね。まだ大学駅伝での好走経験がないのが気になりますが、5千mのスピードもついてきて、そろそろ覚醒なるか!?。
②山対策
山に関しては練り直しているところだと思います。
5区山登り:藤本珠輝②96回5区16位74分35秒
前回5区は当時話題のルーキーの一人だった藤本選手が出走。ただ、直前の怪我に泣き、区間16位と苦しみます。
万全の状態でもう一度走ってほしい気もしますが、12月頭に行われる日本選手権5000mエントリー…これは往路序盤の流れになりそうかな??
ロードで安定している選手は出つつあるので、その中で走力がある選手に踏ん張ってもらう形になるかもしれません。
6区山下りの選手は卒業してしまっています。前回候補と言われていた2年盛本選手は、箱根予選でチーム12番手。直近の大会もあまり目立っていない感じでしたが、果たして進んでいるか。ここはもう少し情報を待ちたいところです。
③新戦力&復活待ちの選手
箱根予選&全日本駅伝を見る限り、3番手以降はまだもう少しという印象でした。
2大会前駅伝区間一桁経験者の4年岩室選手が復調、同じく4年菅沼・福住選手に目途が立ちつつあります。長い距離では、前回9区で目前繰り上げ悔しい思いをした野上選手は安定感が増してきています。大内宏選手も戦力化してきていますかね。
それでも全日本大学駅伝は池田選手以外は区間二けたになりました。これは往路選手や復路9区あたりで苦戦する可能性が結構高いかも…ということでありますね…。
それでも復活の兆しは見えてきていて、11月14日に行われた日体大記録会では記録ラッシュ!全日本駅伝出走の名村選手が28分台!箱根予選は苦しんだ森下・嶋野選手も28分台を出して走力アップをアピールしています。
さらに前回箱根駅伝出走している4年大内選手が自己ベスト!同じく4年亀田・太田選手も自己ベストにもう少し、また選手層の薄い3年生世代から斎藤選手が29分一桁!一気にチーム全体が上向きですね!
まとめ~箱根駅伝2021へ向けて
左から、各学年エントリーに入りそうな選手を並べます。
大内宏樹③齋藤晃太③續木日向③
藤本珠輝②名村樹哉②村越凌太②盛本聖也②九嶋大雅②
全体的にみると4年生が非常に多いですね。4年生10人でもひとまず形になってしまいそうな…。逆に1年生は今年は苦しいかな?何とか今年シード権を獲得しないとちょっと厳しい未来もありえそうな…
チームとしては大エース4年池田選手がいます。これを2年藤本選手、さらに岩室・野上選手らそのほかの4年生が主力選手です。ただ、このあたりは上位校の主力選手と少し差がある印象です。特に往路で池田選手を活かせるかどうか。山もまだどうなるかというところです。
それでも名村選手ら新戦力が出てきて、他にも復調気味の選手がいて、平均的な走力は高くなってきています。10番手前後の争いのボーダーは一気にアップ!繋ぎ区間を中心に攻める区間が出てくるかもしれません。
今年途中に就任された玉城監督の指導はここまではうまくいっている模様です。一気に戦力アップし、シード校に突入したい。
【東京国際大学】箱根駅伝2021へ~全日本大学駅伝の振り返りから戦力分析!
10/17 東海大記録会
5000m
12組
川端拳史①14分13秒09★
村松敬哲①14分13秒41★
善田修平②14分13秒60★
野澤巧理③14分14秒94★
生田琉海①14分24秒14★
船橋飛尉④14分31秒97
宮村翔馬④14分34秒01
冨岡昇真②14分44秒02
13組
林 優策①14分09秒49★
加藤優斗①14分27秒95
14組
川畑昇大①14分47秒99
10000m
3組
宗像 聖②29分13秒94★
加藤純平④29分15秒39★
堀畑佳吾②29分35秒93★
草場大地④29分47秒13★
杉崎 翼④30分06秒37
熊谷真澄④30分28秒97
栗原卓也④30分33秒58
奥村辰徳②32分13秒67
4組
ルカ ムセンビ②28分20秒09★
山谷昌也②28分29秒36★
丹所 健②28分39秒63★
11/1 全日本大学駅伝
1区(9.5㎞)13位山谷昌也②27分30秒[13]0:23
2区(11.1㎞)8位丹所 健②32分00秒[8]0:43
3区(11.9㎞)15位内田 光④35分07秒[14]1:46
4区(11.8㎞)9位宗像 聖②34分40秒[12]3:03
5区(12.4㎞)13位加藤純平④37分09秒[11]3:18
6区(12.8㎞)12位堀畑佳吾②38分51秒[11]4:04
7区(17.6㎞)16位佐伯 涼④53分54秒[12]6:18
8区(19.7㎞)2位ルカ ムセンビ②57分54秒[10]5:57
前回は初出場・初シード権を4位で獲得するなど大暴れ、一気に台頭してきた新興勢力でした。直前の記録会では2年生を中心に自己ベスト者が出る一方、根3区で驚異的区間新をマークしたヴィンセント選手、エース候補だった芳賀選手や中島主将など複数の主力選手が外れた中迎えました。
序盤2区間は、直近で1万m28分台を出していた山谷・丹所選手を並べました。特に山谷選手のスタートダッシュに期待がかかりましたが、ピークがずれたのか今回も区間二けたに…
。一転、丹所選手が区間8位の好走!今年の箱根も粘っていましたが、確実に伸びています。この時点で総合8位、上位の流れに乗れそうな状況でした。
でしたが、3区で悔しい展開に。初駅伝となった4年内田選手が区間15位と失速。スピードはある選手でしたが、太刀打ちできず総合14位に後退します。一転、4区宗像選手が奮闘。前にいた立命・中学大に追いつき振り切って総合12位へ浮上。個人でも区間9位。有力選手も多い中、一番の収穫ですかね。
5区久々の大学駅伝となった加藤選手は区間13位、新戦力候補6区堀畑選手は区間12位。ほとんどが単独走となったのもあるので、ここは仕方ないですかね。とはいえ5区で落ちてきた城西大をかわして11位に浮上。
その次の区間が大事でした。アンカーには前回区間賞のムセンビ選手が残しています。2分までがリミットといわれる中、ここまで2分強。7区には今年の箱根駅伝4区出走している佐伯選手でした。
踏みとどまれるか注目でしたが、残念ながら区間16位と失速。シード権と4分以上の差がつき、事実上終戦でした。ムセンビ選手は頑張って追い上げますが、総合10位にとどまり、2年連続シード権確保はなりませんでした。
現状の戦力では頑張りましたが、4年生の選手がうまくいかなかったのが気にかかるかなぁ…。
戦力分析~エース主力新戦力選手・山登り下りの目途など!
①エース・主力選手
エース選手というと、留学生が2名いるのですよね。2年連続全日本駅伝アンカーを走っているムセンビ選手に、箱根3区で驚異的な区間記録を持っているヴィンセント選手ですね。
特にヴィンセント選手が絶好調だと、ちょっと今の日本人はかなわないかなぁ。どこのチームにもいないエース選手です。日本インカレ途中棄権以降姿を見せていないのが気がかりですが、楽しみなランナーです。
あとは候補は多くいますが、2年丹所選手が日本人エースといったところでしょうか。全日本駅伝2区区間一桁は往路主要区間で一定の目途が立ったと言えると思います。これに山谷選手が持ち前のスピードをロードで活かせるようになれば面白いです。
②山対策
山登り・山下りともに経験者はいます。その時はやや不本意な走りでしたが、今度はどうでしょうか。
5区山登り:加藤純平④95回5区21位77分37秒
6区山下り:大上颯麻②96回17位60分26秒
5区は前回出走選手(卒業)の粘りの走りのイメージが強いと思いますが、その前の年に走っている加藤選手が残っています。この時は区間21位で大きく順位を落としてしまいました。その時から、1万mの走力はかなり向上していますし、再度の出走はあるか。
6区山下りは、前回は大上選手が当時ルーキーながら出走していたのですよね。ほとんどレースに出ていなかったので、箱根のエントリーに入ること自体がびっくりでした。今年もレースに出ていませんが、準備しているでしょうか。
とはいえ、両区間とも走った時の成績は、決して良いとは言えません。他の選手も選考に含めて、練り直しているかもしれませんね。
特に5区山登りに関しては注目で、激坂最速王決定戦で東国大からも5名もの選手が出走するとか。ここで好走する選手が出てくると、チームのムードが一気に明るくなりそうです!
③新戦力&復活待ちの選手
全日本大学駅伝では2年生の選手が奮闘していましたよね。個人的には4区で宗像選手が区間一桁でまとめたのがびっくり!流れも決して良くはなかった中でしたし、今後のレースも楽しみです。堀畑選手も奮闘していましたね。
全体的に若手が元気でルーキーも林・川端選手ら5000mで自己ベストラッシュに沸きました。このあたりは育成力に定評がある東京国際大らしいですね。
とはいえ、箱根駅伝で戦うにはまだ心もとない。本来なら走るべき上級生が不調or試合に出ていないのですよね。1万m28分台を持っている4年中島選手、エース候補にもなった3年芳賀選手、出走はしたものの失速した内田・佐伯選手…。他にも一時長い距離で結果を出しかけた選手がいます。
たらればを言っても仕方ないのですが、彼らが万全なら全日本大学駅伝でもシード権獲得までいけたのではないかという気がしますが…。残り少ない期間でどのくらいあげてこれるかですね。
まとめ~箱根駅伝2021へ向けて
左から、学年ごとにエントリーに入りそうな選手を並べます。
芳賀宏太郎③野澤巧理③
イエゴン ヴィンセント②ルカ ムセンビ②丹所 健②山谷昌也②宗像 聖②堀畑佳吾②善田修平②
林 優策①川端拳史①川畑昇大①
2年生を中心に若手の選手が活気づいていますよね。両留学生はどちらが走ってもチームに貯金をもたらします。その留学生に食らいつくように丹所・山谷・宗像選手が育ってきています。これはいいことです。
山に関しても、1年間準備はしていますし、おそらく候補選手が間もなく判明するでしょう。経験者の加藤・大上選手そのままか、それとも変わるか。しっかりまとめられる選手が出てくると思っています。
だからやはり上級生なのですよね…。前回の箱根駅伝は強力な4年生がチームを引っ張りました。そこまでの走力はまだなくても、そこまで見劣りするようには見えないのですが…。残り期間は短いですが、上級生の選手の復調というのが、初の連続シード権に向けて非常にカギになるはずです。