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【東洋大&帝京大】箱根駅伝2021へ~全日本駅伝2020振り返りから戦力分析!

箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、

いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。

コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。

その間に、箱根駅伝2021出場チームの現状のまとめを、全日本や箱根予選の戦いを振り返りながらしていきます。

続いて、全日本駅伝で新戦力の収穫あり!やはり4強を追えるチーム!東洋大学帝京大学になります。

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【東洋大学】箱根駅伝2021へ~全日本大学駅伝の振り返りから戦力分析!

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全日本大学駅伝2020振り返り

10/11 トラックゲームズinTOKOROZAWA

3組
1位大澤 駿④14分05秒43
2位熊崎貴哉①14分07秒44★
久保田悠月②14分24秒09
大森龍之介④14分26秒20

対校
2位松山和希①13分48秒80★※対抗
5位蝦夷森章太③13分57秒99★
6位佐藤真優①13分58秒90★※対抗
7位腰塚遥人③14分00秒45★
10位児玉悠輔②14分04秒24※対抗
17位及川瑠音②14分15秒21※対抗
2組
1位前田義弘②29分14秒42★
2位清野太雅②29分17秒31
6位小田太賀④29分29秒80★
野口英希④29分38秒58
町 桟吾②29分42秒20
九嶋恵舜①29分55秒38★

対校
7位宮下隼人③28分37秒36★※対抗
20位鈴木宗孝③29分45秒97※対抗

10/17 宮崎県長距離記録会
西山和弥④28分03秒94★

11/1 全日本大学駅伝2020

6位東洋大学5時間13分15秒
1区(9.5㎞)9位児玉悠輔②27分25秒[9]0:18
2区(11.1㎞)7位松山和希①31分59秒[7]0:37
3区(11.9㎞)9位佐藤真優①34分14秒[7]0:47
4区(11.8㎞)4位前田義弘②33分54秒[5]1:18
5区(12.4㎞)3位大澤 駿④36分12秒[4]0:36
6区(12.8㎞)5位腰塚遥人③37分49秒[5]0:20
7区(17.6㎞)11位西山和弥④53分14秒[7]1:54
8区(19.7㎞)4位宮下隼人③58分28秒[6]2:07

 記録会で宮下選手がエースに成長、そして西山選手が1万m28分03秒を出して
復活!他にも勢いのある若手選手が台頭してきて、チームとして復調傾向がある中で行われた全日本大学駅伝でした。

 1区任されたのは2年児玉選手。入学時から期待されていた選手がついに大学駅伝デビュー!ラスト争いでトップ集団にこそつけませんでしたが、トップと18秒差でまずは繋ぐ役割を果たしました。

 そして2区松山3区佐藤選手と、前半の重要区間をルーキーリレー。ここは酒井監督、思い切った采配でした。結果的には松山選手が区間7位、佐藤選手が区間9位。上位集団の中で凌ぎ切る形になりましたかね。目立てなかった厳しい声もありますが、難しい区間をうまく繋いだと思います。

 彼らが最低限で凌いだので、ここから優勝争いに徐々に加わっていきます。2年になった前田選手が4区起用で成長を示します。上位集団の中でしっかり走り切り区間4位。僅差の中総合5位に浮上します。

 5区には駅伝経験豊富な4年大澤選手。ここは一気に前を追い上げる区間でした。区間3位の好走でトップが見える36秒差まで追い上げました。区間順位もここが一番良かったですね。6区今季急成長の3年腰塚選手も区間5位。終盤にトップ争いから零れ落ちましたが、20秒差で中継します。

 さて、長距離区間。7区に配置された西山選手の爆発力次第では優勝も…というところでした。勢いよく飛び出して、3位集団の中でレースを進めていきました。

 が…10㎞手前にしてその集団からじりじりと後退。距離が進むごとに前が遠のき、逆に早大・順大と後ろにいたチームに交わされます。どうも差し込みがあったようで、本来の力は発揮できず…。悔しい結果に終わりました。

 それでも東洋大もう一つ楽しみなのが2年連続アンカー宮下選手。前回は先頭が見える3位で襷をもらうも力不足で5位まで後退…その後の箱根駅伝で5区山登りで見事な区間新記録を樹立。一段と逞しくなって伊勢路に戻ってきていました。

 突っ込んでいき、すぐに順大を交わすと、かなり離れていた早大も渡会橋付近で追いつきます。そこから早大の激しい抵抗にあって抜ききれなかったのは悔しいですが、区間4位で58分38秒は箱根路も楽しみになる結果でした。

その後
11/4早大記録会
5000m
2組
熊崎貴哉①13分56秒69★
渡辺亮太①14分58秒12

10000m
2位清野太雅②29分03秒59★
九嶋恵舜①29分05秒99★
小田太賀④29分09秒53★
DNF吉川洋次④
DNF柏 優吾②

戦力分析①:エース・主力選手について

 とにもかくにもまずは4年西山選手がどうなるか。1年時の箱根駅伝1区区間賞の鮮烈デビューがあったのでどうしても期待値が高くなってしまう選手ですね。昨年は怪我の影響もあったので結果が伴わないのはある程度仕方ないにしても、今年は復調傾向があっただけに余計もどかしくなってしまいますよね。

 うまくいっているレース、うまくいかなかったレースを比べると、どうも前半から突っ込む展開の時に失速が多いような気がします。箱根で区間賞を取ったときとか今年の日本インカレなど終盤の叩き合いで強さを発揮するランナーなのかなという印象です。箱根は4年連続1区か、それとも他の区間で突っ込む必要が少なそうな区間を探すか…ではないでしょうか。

 その他の主力選手は故障気味?で何とも言えないのですよね。3年鈴木選手は10月のトラック対抗戦で1年4ヵ月ぶりの実践復帰も戦うにはもう少しか。吉川選手は全日本駅伝エントリーも3年連続で当日交代に。

 さらに順調に主力に階段を上っていると思われた3年蝦夷森選手が、全日本駅伝でまさかの補欠落ち。ちょっと主力は今年もばたつき気味かな…?

 とはいえ、全日本大学駅伝では、昨年揉まれた選手が一回り強くなっている例も。長身ランナー2年前田選手はアップダウンにも強く徐々に戦える力を身に付けつつあります。4年大澤選手は全日本駅伝では強さがついてきているようにも感じました。今年は彼らが往路を担うかもしれません。

戦力分析②:山登り・山下り面

 山登りは今年は非常に楽しみです。下りは3年連続走っていた選手が卒業していますが、候補者はいます。

経験者

5区95回田中龍誠74分16秒、8位72分52秒/96回宮下隼人選手1位70分25秒
6区なし

 5区に関しては勿論3年宮下選手。昨年は4区終了時でまさかの14位と出遅れ、シード権も危ないのではと思われるところでした。それが宮下選手が誰も予想していなかった区間賞の走り、しかも区間新記録の走りで一躍時の人となりました。チームも苦しい中、シード権確保に結び付けました。

 今年は平地の走力も上がりました。トラック1万mは28分37秒を記録、全日本大学駅伝アンカーでも昨年より1分以上タイムを縮めてきました。前回70分前半を出した事を考えると、69分台…そして参考ながら初代山の神の記録まで????ひとまず大きな貯金区間なのは確かです。

 6区山下りに関しては、候補は上がっています。前回の箱根駅伝アンカーで必死で10位シード権のゴールテープを切った及川選手です。前回も山下りの補欠としてエントリー。それが主力選手の欠場で急きょ出走。非常に苦しみましたが、一つ大学駅伝の雰囲気を味わう事ができたのは、大きいです。

 今年は5000mを中心に出場、自己ベストを更新するなどスピードを強化。おそらく候補には上がるはず。ここのところ、新戦力の台頭も多いので、まだまだ出場争いはあると思われます。

戦力分析③:新戦力や選手層面について

 ルーキーの突き上げは激しくなってきていますよね。入学前より、時期エース候補として期待が高かった松山選手がまずは順調にスタートしているようで何より。トラック対抗戦で自己ベスト、全日本駅伝でも2区でデビューし流れを繋いでいます。箱根駅伝でも前半を任される可能性は充分。

 さらに佐藤選手が著しく成長。10月に5000m13分台突入すると、全日本大学駅伝ではまさかのスピードエース区間3区。大役を果たしきっています。さらに熊崎選手が5千m13分台を出すと、九嶋選手が1万m29分一桁台!この世代は楽しみですよ。

 そして2年生もぐっと厚くなってきましたね。先の前田・及川選手以外にも、元々期待されていた児玉選手が軌道に乗り始め、清野選手が急成長で1万m29分10秒台。全日本も走るのかなと思ったくらい。他にも久保田選手ら淡々とエントリーを狙っている選手が結構いますね。

 上級生が苦しんですが、4年生では長い距離で地道に力を付けてきた小田・野口選手がいますし、高校時代の実力者大森選手も試合には出始めていますが果たして走れるか。3年は現状層が薄いですが、腰塚選手が全日本駅伝でデビューしています。

箱根駅伝2021へ向けて~まとめ

左から、各学年でエントリーされそうな選手を順番に並べてみます

大澤 駿④西山和弥④吉川洋次④小田太賀④野口英希④大森龍之介④田中龍誠④
宮下隼人③腰塚遥人③鈴木宗孝③蝦夷森章太③
前田義弘②児玉悠輔②清野太雅②及川瑠音②久保田悠月②町 桟吾②柏 優吾②
松山和希①佐藤真優①九嶋恵舜①熊崎貴哉①

 主力選手の復活と選手層がどうなるか春先は気になってきましたが、選手層ぐっと厚くなってきましたね。おそらく山登りでチームの順位を引き上げるだろう宮下選手以外に、箱根経験者の4年大澤・2年前田選手がしっかりステップアップしています。

 下級生のメンバー争いが激しくなってきていて、全日本駅伝で出走した2年児玉、1年松山・佐藤選手の他にも、持ちタイムは変わらない選手が複数人出てきています。繋ぎ区間や復路候補はかなりの人数の争いになります。

 あとは上級生の主力選手がどうなるか。走力は戻ってきた西山選手が最後に自身の力を発揮できるか。4年吉川3年鈴木・蝦夷森選手の状態はどうか。4年は野口選手らが最後にメンバーに食い込めるかどうかも気になります。

 山登り以降はある程度目途が立っていて、しっかり戦えそう。それまでの4区間でどのくらい上位陣に食らいつけるようになるか、東洋大の復活のカギになるはずです。

【帝京大学】箱根駅伝2021へ~全日本大学駅伝の振り返りから戦力分析!

全日本大学駅伝2020振り返り

10/4多摩川5大学対校長距離競技会
B組
6位山根昴希④14分18秒54
遠藤大地③14分34秒37
吉田律哉④14分56秒22

A組
2位小野寺悠④13分50秒65★
10位小野隆一朗①14分07秒19★
15位谷村龍生④14分25秒31
18位橋本尚斗③14分30秒31

10000m
B組
山田一輝②30分11秒38★
三原魁人③30分36秒40
北野開平②30分37秒84
安村晴樹③31分07秒05
元永好多朗②31分45秒40

A組
8位鳥飼悠生④29分10秒10★
11位増田 空④29分26秒46★
16位細谷翔馬③29分42秒34★
19位森田瑛介③30分39秒48

11/1 全日本大学駅伝
7位帝京大学5時間14分40秒
1区(9.5㎞)18位小野隆一朗①27分34秒[18]0:27
2区(11.1㎞)9位小野寺悠④32分08秒[11]0:55
3区(11.9㎞)4位鳥飼悠生④33分54秒[5]0:45
4区(11.8㎞)12位遠藤大地③34分56秒[11]2:18
5区(12.4㎞)8位橋本尚斗③36分42秒[9]2:06
6区(12.8㎞)3位増田 空④37分43秒[8]1:44
7区(17.6㎞)5位星  岳④52分14秒[8]2:18
8区(19.7㎞)9位細谷翔馬③59分29秒[7]3:32

 ここ2年シード権を獲得していた帝京大。20㎞未満のロードでも徐々に存在感を示すようになってきています。

 1区を務めたのはルーキー小野選手。高校時代からの実力者で帝京大としては史上最高レベルの走力を持って入学した選手です。トラック対抗戦で自己ベストを出して臨んだ全日本駅伝。区間18位はちょっと悔しいですが、トップとは27秒差。序盤が毎度苦手な帝京大として粘ったほうかもしれません。

 それが実績ある2区小野寺3区鳥飼選手の追い上げにつながります。昨年度一気に主力化した小野寺選手。出入りの激しい中7人抜いて11位へ浮上します。そして鳥飼選手がびっくり!スピードランナーのイメージは少なかったのですが区間4位快走!一気に上位戦線浮上で5位!さて強豪校との対決が楽しみになりました。

 ところが4区で落とし穴。今年の箱根駅伝3区で日本人最高記録を樹立した3年遠藤選手が失速。一気に上位戦線から後退、シード圏外に。ちょっと安定感に難がある選手ですが、今回は苦しく…。

 とはいえ、シード権を争うチームの中では最高レベルに選手層が厚い帝京大。5区は2年連続出走となる橋本選手。前回同様区間8位で悪い流れを止めると、6区4年生にして初出場の増田選手が頑張ります。遠く離れていた國學院大に追い抜く激走!成績も区間3位!繋ぎ区間の帝京大はやはりすごかった。

 さて、長丁場へ。2年連続7区の星選手でしたが、時期に國學院大に追いつかれました。10月対抗戦に不出場だったので調子がちょっと心配でした。どうなるかと思われましたが、中盤は逆に突き放してリレー。気づけば区間5位。上位の流れでない中、強豪校のエースと同等の成績でした。

 8位はキープしたものの、残すは最長距離。起用されたのは初駅伝となる3年細谷選手。後ろ國學院大の選手は箱根経験者。また前回同様ゴールまでもつれるかと思われましたが、どうやら秘密兵器だったようです。

 じわじわと引き離していくと、これまた箱根経験者の順大のランナーをかわしていくいぶし銀の走り。初駅伝らしからぬ粘りの走りでした。こうみると、繋ぎ区間と長い区間はしっかりと区間一桁、チーム力がついた7位入賞でした。

戦力分析①:エース・主力選手について 

 今年の箱根駅伝で往路1区2区3区で強豪校と対等に渡り合った小野寺・星・遠藤選手が揃えば強いと言われていましたが、鳥飼選手が加わってきてさらに注目度が上がりました。

 小野寺選手は、帝京大課題だった往路序盤区間で他校と対等に渡り合えるランナーに成長しています。星選手は単独走でもかなりのハイペースを維持して、最終的に他校のエースともそん色ない成績を残しますね。

 4年生2人が強かったですが、鳥飼選手が全日本駅伝3区で躍進。スピードエース区間であれだけごぼう抜きを見せるとなると、4年生トリオといってもよさそうです。ロードで堅実に…のイメージはもう払しょくされたと言っていいでしょう。

 これに遠藤選手が調子戻れば往路4区間はかなりいけるはずです。過去2度の箱根駅伝は3区で快走を見せているのですが、ここにきて波が大きくなってきているのが気がかり。彼が伸びのある走りができる状態になれるかは大きなポイントです。

戦力分析②:山登り・山下り面

 山に関してはなんとも言えないのですよね。前年度の経験者は卒業しています。そしてあまり安定感がないのですよね…。

山経験者

山登り:95回小野寺悠16位75分25秒
山下り:なし

 そしてびっくりしたのが、山対策はこれまであまりしていなかったとのこと。それでいて前回は4区まで強豪校とガチンコ勝負、山で遅れましたが、最終的に最後は3位争いまで浮上しているのですから、山の対策もできれば、本当に強豪校と最後まで渡り合えるはず。

 山登りは今回アンカーの細谷選手、下りはスピード駅伝の経験のある谷村選手らを今のところ予想にしていますが、さてどうなるか。また、3年安村選手が合宿の上り坂でものすごい走りを見せていたとのことですが、ここまでは平地はまだ目立ってませんかね…。平地は本当に強いだけに気になるところです。

戦力分析③:新戦力や選手層面について

 選手層は非常に厚く、平地の8区間は現時点でもかなり強いのですよね。復路はおそらく全日本駅伝6区で快走した4年増田選手が中心か。昨年度の時点でハーフマラソン62分台で走っていますし、最初で最後の箱根での爆発は楽しみ。細谷選手が平地に回れるなら、彼らでかなり優位に戦えるはずだ。

 他にも3年生には橋本・中村選手と駅伝を複数回経験し、区間一桁でも走っている選手がいます。ルーキーも小野選手が今度はもっといい区間順位で貢献するポテンシャルは持っています。

 他では、まだ駅伝未経験で4年山根3年三原選手ら虎視眈々と狙っている選手がいます。帝京大は、これ以降の記録会でも一気に台頭してくる選手が毎年出てくるので、それも楽しみです。

箱根駅伝2021へ向けて~まとめ

左から、各学年でエントリーされそうな選手を順番に並べてみます

小野寺悠④星  岳④鳥飼悠生④増田 空④山根昴希④谷村龍生④
遠藤大地③橋本尚斗③細谷翔馬③中村風馬③森田瑛介③三原魁人③安村晴樹③
山田一輝②北野開平②
小野隆一朗①

 一時はルーキー小野選手に注目が集まりましたが、帝京大はやはり育成で這い上がってくるチームだなぁと感じますね。必ずしも高校時代有力でなくても、4年生からは強豪校のエースと渡り合う選手が出てきます。

 小野寺・星・鳥飼選手の4年生3選手は順調なら往路主要区間で区間上位は取れる。増田選手も復路で非常に強力です。これに最大値は彼らを上回る遠藤選手、それぞれ味がある橋本・細谷・中村選手ら3年生選手がチームを固めています。

 山登り・山下りの人材さえ出てくれば、4強の中に十分に割って入れる程のチーム力になってきています。”世界一諦めの悪いチーム”を育成中の中野監督の執念がどこまでいくか、やはり注目校です。