箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、
いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。
コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。
その間に、箱根駅伝2021出場チームの現状のまとめを、全日本や箱根予選の戦いを振り返りながらしていきます。
続いて、全日本大学駅伝で8位と9位、シード権を隔てた順天堂大と國學院大になります。
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【順天堂大学】箱根駅伝2021へ~箱根予選&全日本大学駅伝の振り返りから戦力分析!
箱根駅伝2021予選会振り返り
1位順天堂大学10:23:34
5位三浦龍司①61分41秒 U-20日本記録
12位野村優作②61分51秒
21位石井一希①62分09秒
24位伊豫田達弥②62分22秒
27位吉岡智輝③62分29秒
30位内田柾冶①62分34秒
31位西澤侑真②62分35秒
32位近藤亮太③62分35秒
36位清水颯大④62分38秒
39位野口雄大④62分40秒
43位原田宗広④62分43秒
75位四釜峻佑②63分06秒
5㎞通過-10km通過(5-10km)-15㎞通過(10-15km)-18㎞通過(15-F)
1位(1)-1位(1)-1位(1)-1位(1)
見事ダントツでトップ通過。ルーキー三浦選手はまさかのU-20日本記録で日本人トップ、さらにチーム10番手が62分40秒と超ハイレベルでの集団走となったのですよね。そのペース配分をもう少し見てみたい。
最初は集団2つに分けての走りでした。前が三浦・野・石井・伊豫田・西澤・清水・野口選手が14分36秒~37秒で全体15位前後。後ろが内田・近藤・原田・四釜選手の全体81位で14分50秒通過でした。ただ、前のグループ故障明けだった野口選手はちょっと遅れ気味でした。
10㎞通過でまたじわり。前の集団は先の野口選手が後退するも、三浦・野村・石井・伊豫田・西澤・清水選手が29分21秒で13位付近で通過。6人がここまで上位は凄い。後ろも、遅れた野口選手を吸収し、29分44秒~46秒で60位前後付近。これでも高レベルです。
ここからさらに凄くなり、15㎞通過は三浦・野村・石井・伊豫田・清水選手が44分04秒の11位付近で通過。日本人トップ集団に迫っていきます。西澤選手が少し遅れますが、彼も故障明けでまだ秒差。さらに後ろの集団も44分33秒~35秒の40位前後で通過!野口選手らもついていて遅れていない中でどんどん順位を上げていきます。実際このあたりで2位以下を大きく突き放し始めていましたがやはりというデータです。
そして前の集団の中から、三浦・野村選手が爆上げしていくのですよね。ラスト3㎞でものの見事に日本人先頭集団に追いつきます。ラストの爆発力がある三浦選手がじっくりと後ろからいったのですからやはり強かった。滑走路最後の直線で脚力を爆発させ、先にスパートした他大の選手を最後の最後で追い抜いた瞬間は大いに盛り上がりましたね。
タイムも61分41秒はU-20日本記録!3000m障害にも力を入れていたので、まさかハーフマラソンでいきなりここまで伸びてくるとは個人的には予想していませんでした。とんでもないポテンシャルの持ち主でした!箱根6区希望ですが、果たして??
その後も続々とチームメイトがゴール。日本人先頭集団に追いついた野村選手も61分台でゴール。続いて上位集団の石井・伊豫田選手が62分前半でゴール。そこから西澤・清水選手に、後ろか追い上げた吉岡・内田・近藤選手が62分29秒~62分38秒で固まりゴール。これでもう9番目。
そして何とか最後まで食いついた野口選手が62分40秒10番手で全体39位、3秒差で原田選手。12番目四釜選手も最後は苦しくなったものの、それでも63分06秒の全体75位。箱根予選の高速化に最も対応したチームと言えます。
たしかに1万mの持ちタイム平均はトップ付近だったものの、若い選手もいてどうかなぁと思っていました。それが、周回コースで平坦だったということで、トラックのスピードが高いことが追い風になったかもしれません。また各選手の力も接近していましたので、集団走も非常に有効になりました。とにもかくにも素晴らしい戦いぶりでした。
10/25 順天堂大競技会
10000m
牧瀬圭斗③28分45秒10★※全日本エントリー
鈴木尚輝③28分46秒79★※全日本エントリー
荒木勇人②28分48秒87★※全日本エントリー
小島優作③28分55秒42★
原田宗広④29分03秒31※全日本エントリー
人見隆之③29分06秒81★
北村友也④29分20秒89★※全日本エントリー
堀内郁哉②29分21秒91★
11/1 全日本大学駅伝
1区(9.5㎞)1位三浦龍司①27分07秒[1]
2区(11.1㎞)14位伊豫田達弥②32分28秒[10]0:48
3区(11.9㎞)10位清水颯大④34分15秒[10]0:59
4区(11.8㎞)3位野村優作②33分34秒[3]1:10
5区(12.4㎞)5位石井一希①36分23秒[6]0:39
6区(12.8㎞)7位牧瀬圭斗③37分59秒[7]0:33
7区(17.6㎞)10位吉岡智輝③52分48秒[6]1:41
8区(19.7㎞)12位西澤侑真②60分09秒[8]3:35
全日本大学駅伝は、箱根予選から一部メンバーを入れ替えただけ、勢いある下級生は序盤を中心に、手堅いロードタイプの選手を終盤の長距離区間に置きました。その上で、昨年惜しくも9位で逃したシード権を、8位で獲得しました。振り返ります。
1区は、話題沸騰ルーキー三浦選手。ラストの爆発力を活かしやすい区間に配置だ。しっかりと集団に陣取り、ラスト2㎞からのペースアップにも難なく対応。中継所が見えた残り300mあたりから凄まじいスパートで一気に単独トップに躍り出ていきました。結果、大学駅伝区間賞デビュー。3000m障害も並行しながら、ポテンシャルが違いますね。
最高のスタートを切った順大ですが、流れ自体はいったん途切れています。2区抜擢された2年伊豫田選手が区間14位の走りで総合10位に後退します。勢いよく飛び出したのは良いものの、ちょっとオーバーペースだったか終盤苦しくなりました。1万m持ちタイムはチームトップレベルですがちょっと苦いデビューに。
2年連続3区になった4年清水選手は何とか繋ぐ走りで10位をキープ。トップとの差は59秒で次の区間が大事というところ、4区2年野村選手がやってくれました。前半から突っ込んでいき、青学大らが率いていた集団を追い抜いて行ったのは見事な走り!7人抜き総合3位に浮上させます。箱根予選も61分台でしたが、やはりエース選手になって来たでしょうか。
5区もう一人のルーキー石井選手は、箱根予選の疲れもあったかやや苦し気な走りでしたが最終的に区間5位。上位集団の中でリレー。6区は予選から唯一入れ替えの3年牧瀬選手。終盤に上位集団からこぼれるも、トップと33秒差に保ちました。昨年と同様上位に食いつく形でした。
終盤の7区8区。長距離型の選手ですがどこまで凌げるかというところ。昨年失敗した7区には初駅伝3年吉岡選手。上位集団からはじりじり引き離されていくも守りの走りで失速はせず。最後落ちてきた東洋大を交わして6位で中継しました。
アンカーは駅伝力がある2年生西澤選手。ただ箱根予選連戦は厳しかったか、東洋大に抜かれあとは徐々に苦しくなります。終盤には帝京大に追い付かれ、シード権ギリギリの8位へ。後ろには國學院大が見え隠れするプレッシャーのかかる状況に。
思ったような走りではありませんでしたが、懸命に逃げ切ってシード権8位獲得。思えば全日本駅伝でのシード権獲得は14年ぶり!中々難しいですね。見事な継走でしたが、今の大学駅伝のレベルの高さも思い知る結果でした。
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— stg(宗太郎峠) (@soutarou_t) November 16, 2020
戦力分析①:エース・主力選手について
エース不在の総合力チーム…春先はそんな印象でしたが、箱根予選・全日本大学駅伝を通じて、主に2名のランナーが出てきましたね。
まずはスーパールーキー三浦選手。3000m障害もハーフマラソンもU-20日本記録保持者と、ちょっと考えられないような次元の成績。あまり関係のない種目なだけに二刀流といってもいいところ。箱根でも快走が期待されますし、その前の日本選手権3000m障害も楽しみです。
そして2年野村選手がいいですね。箱根予選では61分台を出しますし、初駅伝となった全日本駅伝では強豪校をぶち抜いていきました。これは往路主要区間でやれる手応えを掴める結果ではないでしょうか。序盤が目途が立てば非常に面白い順天堂大は楽しみになってきます。
それ以降は比較的走力が均衡しているので難しいですが、脇を固める狩猟く選手としては、4年野口2年西澤選手があげられますかね。両者とも故障明けでここまでは不本意なレースが続いていますが、前回の箱根駅伝は野口選手4区・西澤選手8区、チームが流れに乗れない中、粘りの走りを見せました。彼が元気になれば、平地は穴が無くなります。
戦力分析②:5区山登り・6区山下り面
山に関しては、経験者はいるのですよね。
5区山登り:真砂春希④96回14位73分51秒
6区山下り:清水颯大④95回15位60分35秒、96回12位59分38秒
うち6区は現在の主力選手の一人清水選手が2年連続で経験しています。1万mの持ちタイムはチームトップクラスの28分30秒台。全日本大学駅伝はスピードエース区間の3区を2年連続出走、箱根予選も62分半ばでしっかりと成績を残しています。下級生のころは安定感面に課題がありましたが、現在はかなり良くなってきています。
最も、6区山下りに関しては、今のところ2年連続区間二けたでまだそのスピードを発揮しきれてはいない印象。いや、下りの部分、特に芦之湯から小涌園にかけては区間賞争いをするレベルで走っています。ラスト3㎞の平地の部分で足が止まってしまっています。ここの対策ができれば、区間一桁や58分台の成績が残せそうです。
5区山登りは、今年の箱根予選・全日本大学駅伝どちらもエントリーがなかった4年真砂選手がいます。前回の出走はちょっと驚きました。73分51秒区間14位は当時の平地の走力からすると食らいついたでしょうか?ここから走力アップができていれば彼でよさそう。
最も、今年は新戦力がどんどん出てきています。その中で適性がある選手が選ばれる可能性もまだ結構あるのかなと思います。
戦力分析③:新戦力や選手層面について
ここは記録会を見ていると相当いますよね。全日本大学駅伝では3年吉岡・牧瀬選手、2年伊豫田選手が駅伝デビューを飾っています。いずれも1万mもしっかり成績を残しています。
それ以外にもたくさんいて、今年の箱根1区を務めた4年原田選手に、ルーキー位石井選手は往路でも十分期待ができる選手ですし、どこでも対応する力があるように見えます。箱根予選好走組で3年近藤選手にちょっとびっくりの1年内田選手はどうか。2年四釜選手も確実にステップアップしています。
また1万mのタイムがあがってきている選手では3年鈴木・人見選手に、2年荒木・平選手がいます。平選手は特に春先28分台。一時状態が落ちましたが、また戻りつつあります。一気に箱根レギュラー獲りもある選手。
他にも最終学年急成長中の4年北村選手に、下級生時の勢いが戻りつつある同じく4年多久和選手、忘れてはならない5千m13分台1万m28分台スピードランナー3年小島選手。いやぁ、選手層は非常に厚くなってきました。
箱根駅伝2021へ向けて~まとめ
左から、各学年ごとにエントリーに入りそうな選手を並べてみます。
吉岡智輝③牧瀬圭斗③近藤亮太③鈴木尚輝③人見隆之③小島優作③
野村優作②西澤侑真②伊豫田達弥②四釜峻佑②荒木勇人②平 駿介②堀内郁哉②
三浦龍司①石井一希①内田柾冶①
こうみるとずらり選手が揃っていますね。ルーキー三浦選手が話題を一掃していますが、2年生が非常に選手層が厚い。エース化してきた野村選手に、ロード安定の西澤選手、1万m持ちタイムは彼らより良い伊豫田選手、箱根予選出走の四釜選手。彼らに持ちタイムは変わらない荒木・平選手。この学年は多く入るのではないでしょうか。
もちろん上級生も負けてはいません。チームを引っ張り続ける4年清水・野口選手は間違いなくポイント区間で仕事をすると思います。3年生は箱根のレギュラーがほぼ確約なのは、今のところ吉岡選手ですが、牧瀬・近藤・鈴木・人見選手ら1万m29分前後のランナーは揃っています。
ルーキーはおそらく往路序盤投入だろう三浦選手以外に、どこでも対応できそうな石井選手に、秘密兵器になりそうな内田選手と、一人ずつ楽しみです。
しいて言えば、2区4区といった往路ポイント区間がおそらく上位校に比べればまだ見劣りする可能性があるということ、山に関してはまだまだ凌ぐイメージというところ。選手層は厚いので、対策できるところ精いっぱい対策できれば、十分に箱根予選トップ通過の威力を発揮できるはずです。
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— stg(宗太郎峠) (@soutarou_t) November 12, 2020
全日本大学駅伝2020振り返り
10/4 多摩川5大学対校長距離競技会
B組
阿久津佑介②14分29秒01★
相澤龍明③14分37秒95
A組
1位藤木宏太③13分44秒94★(大学歴代2位)
14位徳備大輔④14分20秒23
17位島崎慎愛③14分27秒73
20位川崎康生②15分11秒08
10000m
B組
6位伊地知賢造①29分38秒99★
高嶌凌也④30分04秒78
田川良昌④30分06秒19
殿地琢朗③30分22秒13
坂本健悟②30分23秒64
森 秀翔④30分34秒77
A組
2位中西大翔②28分35秒70★
7位臼井健太④29分04秒20★
10位河東寛大④29分17秒69★
14位木付 琳③29分41秒21
10/24 平成国際大記録会
10000m
3組
木下 巧④29分33秒64★
阿久津佑介②29分34秒55★※全日本エントリー
田川良昌④29分36秒41★※全日本エントリー
高嶌凌也④29分48秒12※全日本エントリー
川崎康生②29分56秒63
坂本健悟②29分58秒61※全日本エントリー
石川航平③30分00秒28※全日本エントリー
相澤龍明③30分04秒90★※全日本エントリー
森 秀翔④30分29秒38※全日本エントリー
1区(9.5㎞)4位島崎慎愛③27分15秒[4]0:08
2区(11.1㎞)6位臼井健太④31分56秒[5]0:24
3区(11.9㎞)8位中西大翔②34分12秒[4]0:32
4区(11.8㎞)8位河東寛大④34分26秒[8]1:35
5区(12.4㎞)6位木付 琳③36分38秒[8]1:19
6区(12.8㎞)10位伊地知賢造①38分43秒[9]1:57
7区(17.6㎞)7位藤木宏太③52分21秒[9]2:38
8区(19.7㎞)10位殿地琢朗③59分45秒[9]4:08
過去2年連続でシード権獲得している國學院大。その時の主力選手の多くが卒業し、新メンバーでもシード権獲得できるかどうか、チャレンジの大会でした。
出足は非常に好調でした。2年連続1区起用の島崎選手が、今回は調子が合いました。残り2㎞でレースが動いてから、5人の先頭集団を引っ張る等主導権を握る展開に。最後のスパートが戦の末、4位で中継します。
続いて、2年ぶりの大学駅伝となった4年臼井選手が流れに乗って攻めていきます。3位集団に食いついていき最後は僅差で5位中継。前半のスピード区間で区間6位の成績はお見事です。
次の3区の新エース中西選手で一気に前に出たいところ…流れに乗っては走ったものの区間8位はもうちょっといきたかったかな?それでも4位には浮上します。その後が難しかった、。4区河東選手が区間8位、5区木付選手が区間6位とまずまず走るものの、上位集団にはついていけず、シード権ギリギリの総合8位に。
さらに6区ルーキー伊地知選手が、単独走の中区間10位で何とか粘るも、後方帝京大が好調でかわされてしまい、9位に転落。区間順位上はしっかりと継走しているだけに嫌な流れに…。
この流れを払しょくしようと、7区に配されたもう一人のエース藤木選手が思い切って突っ込んでいきます。すぐに帝京大に追い付きましたが、中盤以降引き離されてしまいます。アンカー殿地選手はロードに強いですが、スピードタイプではないだけに苦しい展開。序盤は前を行く帝京大の背中が遠のきます。
それでも諦めない、得意という上り坂で懸命に粘ります。終盤は落ちてきた順天堂大を視界に捉えますが、無念33秒及ばず。3年ぶりシード権を逃してしまいます。
区間順位的には8区間中7区間が区間一桁、もう一つの区間も10位と悪くなかっただけにショックな結果ですね…。とはいえ距離が長い区間で稼ぐことができなかったというところ、昨年ほどの勝負強さはなかったのでしょう。
11/14日体大記録会
8組
石川航平③29分34秒23
9組
河東寛大④28分26秒88★
木付 琳③28分27秒59★
戦力分析①:エース・主力選手について
エース選手は2人…から増えるかもしれないのですよね。元々言われていた3年藤木・2年中西大選手は全日本大学駅伝主要区間で区間一桁。チームの顔として走るのは初めてだったからか、やや硬かった印象ですが、まずは無事にこなせたところです。もう一つ爆発力が出せるような心身状態に持ってこれれば、十分にチームに貯金をもたらすことができます。
そして嬉しいのが4年臼井選手が夏前からの絶好調をキープ。この学年早くから台頭してきたのですが、2年全日本出走後長期離脱がありました。それが昨年末から徐々に記録会に出るようになりましたが、今年一気に本格化!2年分一気に成長してきたようです。全日本駅伝では出入りの激しい2区で流れを繋ぎました。往路でも楽しみになりました。
さらに最新で嬉しいニュース。4年河東・3年木付選手が、1万m記録会で28分20秒台と、柱の2人を上回る好タイムをマーク!全日本大学駅伝4区5区は上位校に引き離される悔しい走りでしたが、これは火が付いたと思ってもいいのかもしれません。彼らが中心で往路を担っていくかな?
戦力分析②:山登り・山下り面
現時点で、6区山下りは貯金候補、大砲が卒業した5区山登りも候補選手がいます。
6区山下り経験者:臼井健太④94回19位62分10秒、島崎慎愛③96回8位59分01秒
6区島崎選手は今回國學院大貯金候補ですね。前回区間8位59分01秒で、山下りの非凡なセンスを感じました。なお、今年度箱根駅伝出場チームの中では、2番目に良いタイムで前回駆け下っています。
そして、試合出場が少ないですが、基礎走力は全日本駅伝1区を見る限り上がっています。区間賞候補にもなりえます。近年6区山下りの成績が上がりつつあるので、一概には言えませんが、十分に注目区間です。
5区山登りは、春先から課題と言われていました。前々回区間賞・前回区間2位で、往路表彰台にチームを率いたランナーが卒業。どうするかは課題でしたが…、どうやらロード職人”ドンちゃん”こと、3年殿地選手が候補の模様。
殿地選手といえば、今年の箱根駅伝は印象的でした。目標の3位が遠のいたと思われた中、アンカーでタスキをもらうと、驚異的な追い上げで、3位まで追いつきます。ラスト4チームによる3位争い、決してスパートが得意とは言えないのですが、残り1㎞でロングスパート。逃げ切って3位を確保する勝負強さがあるんですよね。
一転、全日本大学駅伝アンカーでは、シード権追いきれず悔しい思いをしましたが、箱根駅伝で糧にできれば、チームに流れをもたらせるはずです。
戦力分析③:新戦力や選手層面について
基本的には育成で上がってきています。4年生世代が目立っていないのが心配と春先言われていましたが、臼井・河東選手が主力に成長して、じわじわ台頭してきています。夏前から記録会徳備選手が絶好調でトラックの対抗戦にも出場。駅伝で姿を見れなかったのは残念ですが、新戦力です。
さらに前回殿地選手と箱根10区を争った高嶌選手と、記録会好調の田川・木下選手と、エントリーに入ることも多い森選手も上がりつつありますかね。なんだかんだ育成であがってくる國學院大らしい形になりそう。
このほかでは3年石川・相澤選手、2年阿久津選手が記録会で上がってきていますかね。昨年勢いがあった川崎選手も調子を戻りつつあります。全体的に1万m29分半ばあたりまではじわじわ選手が増えてきています。ルーキーは伊地知選手が全日本駅伝でデビューしています。上位校に比べれば少し見劣りはしますが、10人以上は目途が立ってきています。
箱根駅伝2021へ向けて~まとめ
左から、各学年順に、エントリー候補選手を並べてみます。
藤木宏太③殿地琢朗③島崎慎愛③木付 琳③石川航平③相澤龍明③
中西大翔②川崎康生②阿久津佑介②坂本健悟②宮本大生②
伊地知賢造①
持ちタイムなどだけ見ていると、3年連続シード権を獲得できるかきわどいのですが、ある程度箱根駅伝の型はできているのですよね。往路は藤木・中西選手ら柱選手に、臼井・河東選手もめどが立ってきています。
山は登り候補はロードに強い殿地選手が上がり、下りは絶好調島崎選手が控えています。3年生主将の木付選手もここにきて面白い存在です。どこかポイントとなる区間で貯金を作れるか。
復路は全体的にまだまだ見通しが立っていませんが、まだまだチーム内の争いが激しいことも言えるところです。國學院大らしい上級生育成ランナーで踏ん張るか、勢いある若手が勝ち取るのか。ポイント区間で流れをつかめれば、十分にシード権以上が見えてくるはずです。