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【國學院大・東京国際大】箱根駅伝2021振り返り~収穫や今後に向けて

関東地区各大学の、大学駅伝シーズン2020-2021を振り返っておきます。

こちらは、箱根駅伝2021で、9位國學院大と10位東京国際大です。

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【國學院大學】箱根駅伝2021を終えて

國學院大學の全日本大学駅伝2020振り返り

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レース振り返り詳細

9位國學院大學11時間04分22秒
往路9位5時間34分52秒/復路6位5時間29分30秒
1区(21.3㎞)12位藤木宏太③63分34秒[12]0:34
2区(23.1㎞)15位中西大翔②69分14秒[15]3:12
3区(21.4㎞)7位臼井健太④63分54秒[12]4:00
4区(20.9㎞)15位河東寛大④64分47秒[12]5:24
5区(20.7㎞)8位殿地琢朗③73分25秒[9]6:44

6区(20.8㎞)4位島崎慎愛③58分39秒[8]6:34
7区(21.3㎞)7位徳備大輔④64分17秒[8]7:39
8区(21.4㎞)9位伊地知賢造①65分19秒[8]7:48
9区(23.1㎞)12位高嶌凌也④71分00秒[9]10:34
10区(23.0㎞)3位木付 琳③70分16秒[9]8:18

1区藤木選手…前回区間2位でさらに成長が見込まれていた藤木選手が連続で1区出走。どうやら、全日本大学駅伝後に肉離れなど、怪我があったようです。

 今回はあまり無理に前へ出ないつもりだったそうですが、中盤集団を引っ張る場面も。それが六郷橋上りでの息切れに繋がってしまったようですね。区間12位は悔しい結果ですが、何とか混戦の中で渡しました。

2区中西選手…前回4区で好走、今回も4区予定でしたがエース区間2区へ変更になりました。3人ほどの集団で10㎞28分50秒ほどで通過。その直後に駒大の選手が追いついてきて、ここで1㎞2分50秒ペースに浮上。

 単独走で一定のリズムで走るのが得意な中西大選手ですが、ここでリズムが狂ったか急失速。権太坂以降は非常に苦しみました。69分オーバーで総合15位へ。また14位との差がかなり広がりました。2本柱を使った中、シード権獲得に黄信号が灯りました。

3区臼井選手…このままだと後方の流れに取り残される危なかったところ。チームを救ったのが4年臼井選手です。しっかり区間一桁台の走りをキープし、失速したチームを少しずつ交わしていきます。最終的に青学大が目の前に見える総合12位に。

 1年時から箱根を走って、2年生半ば主力の一角になりかけたところで怪我で長期離脱。もう苦しいのかなと思う時もありましたが、4年夏に大復活。最後の箱根で見事な走りでした。

4区河東選手…前回は8区出走、種子島出身初の箱根ランナーとして話題になりました。今年は1万m28分20秒台を叩き出し、満を持して準エース区間4区となりましたが、厳しい走りとなりました。

 前の青学大がだんだん遠ざかる中、両足に痙攣が襲いました。そして、前田監督からかなり強い叱咤激励を受けていたとか…。区間15位ながら何とか総合12位をキープします。

5区殿地選手…そして”今年も”チームを救った殿地選手。過去2度は復路でしたが、実はかなり早い段階で山登り希望だったそうです。本格的な登りに入ってからしっかりギアチェンジすると、どのランナーも苦しくなってくる最高点付近からぐっと区間順位が上がってきます。

 青学大・早大など失速している強豪校のチームを交わしていき、区間8位ながら73分台の走りで、一気に往路9位へ位進出!序盤で遅れながら、ひそかに選手層自信があるという復路へ、一桁順位で折り返します。

6区島崎選手…ここは攻め区間ですね。前回も山下りを出走していた島崎選手が、走力を高めたうえで、2度目の出走でした。終盤に帝京大を交わすまで一人旅が続きましたが、しっかり区間上位をキープ。区間4位の力走で、総合8位に順位を引き上げました。

7区徳備選手…この夏に急成長、全日本駅伝でも出走候補に選ばれていた徳備選手。ついに最初で最後の箱根路で出走かないました。長距離ロードの実践が少ないのが気がかりでしたが、一桁の区間順位をキープ。青学に抜かれるも神大を交わして8位をキープします。

8区伊地知選手…全日本駅伝に引き続き出走メンバーに選ばれた1年生伊地知選手。途中で帝京大の実力者に並ばれますが、そこから粘りの走りを見せます。最後の3㎞で突き放したのは驚き!総合8位をキープ、そしてシード権も近づいてきます。

9区高嶌選手…危なかったのがこの区間。前回10区出走間近で初駅伝を逃し、今回は満を持して復路エース区間に登場した高嶌選手。

 後方帝京・早大に追いつかれ8位争いを展開しますが、横浜駅前で遅れ始めてから、一気に後退していきます。一時明治大に交わされ11位に下がりヒヤリ。すぐさま切り替えてスパート!明大を引き離すと、東国大を交わして総合9位浮上。難し展開の中、役割を果たします。

10区木付選手…意外なアンカー起用となった3年生主将木付選手。と思ったら、貧血明け、ギリギリ間に合わせた状態だったそうです。最初は後ろが気になる走りでした。

 それが区間3位付近をキープし続け、牽制した6位集団に詰め寄っていきます。一時は追いつく奮闘!最後は脚が残ってなかったようで9位のまま。本人は悔しさしかなかったですが、國學院大史上初3年連続シード権獲得となりました。

収穫と今後に向けて

 前回が総合3位、そこからすると大きく順位ダウンした9位だったので、数字だけ見れば後退です。とはいえ、学生駅伝は一年で大きくメンバーが入れ替わります。まして國學院大は一つ上の世代の穴は大きい方のチームでした。

 藤木・中西大選手という柱はいましたが、1区2区のその時点では上位の流れには乗れませんでした。その後、臼井・殿地・島崎・木付選手らが懸命に順位を引き上げて、全員駅伝で難しい展開を乗り切った、このチーム力は立派な強豪校の一角と言えるでしょう。

 次年度は、木付世代が最終学年になります。また、箱根3位を見た高校生たちが、國學院大を選んでくれ、史上最強世代が誕生しそうです。この刺激がまた、強豪校へ導いていきそうです。

【東京国際大学】箱根駅伝2021を終えて

東京国際大学の全日本大学駅伝2020を振り返る

レース振り返り詳細

10位東京国際大学11時間05分49秒
往路6位5時間32分06秒/復路12位5時間33分43秒
1区(21.3㎞)14位丹所 健②63分47秒[14]0:47
2区(23.1㎞)1位イエゴン ヴィンセント②65分49秒[1]
3区(21.4㎞)9位内田 光④64分06秒[4]1:00
4区(20.9㎞)13位宗像 聖②64分30秒[4]2:07
5区(20.7㎞)10位荒井雄哉④73分56秒[6]3:58

6区(20.8㎞)19位芳賀宏太郎③61分09秒[7]6:18
7区(21.3㎞)1位佐伯 涼④63分10秒[5]6:16
8区(21.4㎞)14位熊谷真澄④66分28秒[7]7:34
9区(23.1㎞)14位加藤純平④71分27秒[10]10:47
10区(23.0㎞)12位杉崎 翼④71分30秒[10]9:45

1区丹所選手…2年連続1区出走となった丹所選手。昨年とは大幅に走力が上昇した中での起用でした。ロケットスタートなるかと思われましたが、六郷橋からの叩き合いにつけず区間14位。昨年より順位を落としたのは悔しいですね。

2区ヴィンセント選手…前回3区で59分台ととんでもない区間新記録を叩き出したヴィンセント選手。今度は満を持して華のエース区間2区へ。やはり他の選手とは比較にならないスピード、特に2位集団を捉えていったシーンは、箱根駅伝2021史上に残るハイライトだろう。

 中盤過ぎに単独トップに立ってからは、専ら区間記録をどこまで更新できるかというところに興味が集まった。上りはややもたついていたものの、走力で押し切り、65分49秒と見事8秒更新!2年にして往路2区間で区間記録保持者となった。

3区内田選手…とはいえ、主力選手は起用は終わり。あとはどこまで凌げるかというところ。4年生にしてようやく箱根路を掴んだ内田選手がうまく繋ぎましたよね。

 追い上げてきた2位集団のペースが速く、中盤には先頭を譲りましたが、区間中位を常にキープ。混戦の中で、総合4位で繋ぎました。

4区宗像選手…全日本駅伝でいい走りを見せちていた2年宗像選手。強豪校駒大の同学年の選手と途中まで堂々と渡り合います。区間13位で後方には詰め寄られましたが、総合4位をキープして山へ繋ぎます。

5区荒井選手…大志田監督の秘蔵っ子でもある荒井選手。怪我で台頭が遅れたものの、秘密兵器だったようですね。山に実力のあるランナーに交わされるものの、東海大の選手に結構長い間食らいつく走り。区間10位の粘りで後方を引き離し、往路6位でゴール。流れをしっかり繋ぎました。

6区芳賀選手…過去2大会復路平地区間でいい走りを見せている芳賀選手。今回の山下り6区は苦しかった。上りはまずまずも下りに入ってからスピードに乗れず。じりじり順位を下げていきます。

 最後の平地で懸命に巻き返したところを見ると、下りが合わなかったか。61分オーバーの区間19位は勿体ない。総合7位に留まりましたが、シード権ラインは一気に1分を切ってきました。

7区佐伯選手…ここからはすべて4年生。とはいえ、攻め区間はもうない、どこまで粘れるかと思われたところ、まさかの激走を見せたのが佐伯選手。昨年往路4区を走って実績はありましたが、今年はまだ目立つ成績は残していませんでした。

 二宮定点で区間2位の通過でびっくり!その後も快走を続け総合5位に浮上して中継。青学大ら強豪校のランナーにも秒差で勝っての区間賞!

 ずっとヴィンセント選手のような走りをするにはどうすればいいか、研究し続けていたという佐伯選手。陸上人生ラストランで、その景色に辿り着きました。

8区熊谷選手…思わぬ貯金ができたところ、残り3区間耐え抜きたいところ。最初でい最後の駅伝出走となった熊谷選手。青学大・順大と立て続けに捉えられ、じりじりと後退。遊行寺坂以降は何とかまとめて区間14位、総合7位で復路エース区間に繋ぎます。

9区加藤選手…2大会前5区山登りで大苦戦、それ以来の箱根はシード権へ向けて大事な場面。しっかりとペースを刻んでいきますが、さすが復路エース区間。少しずつ順位を下げていきます。

 最終的に総合10位まで後退しますが、個人としては71分半ばでの区間14位。長丁場の区間を凌ぎ切ります。

10区杉崎選手…彼も最初で最後の大学駅伝。副主将でしたが、中島主将が怪我でエントリーに間に合わなかったので、臨時で主将を務めていました。

 後ろから明治大の選手が39秒差で追ってくる展開。抜かれたらシード権落ちします。緊迫した中で、箱根予選で粘走したこともあり、長い距離は少し自信がありました。

 距離を追うごとに少しずつ詰め寄られますが、一気に詰まる場面は作らせませんでした。残り5㎞で100m差になりますが、それよりは詰めさせず。最後に脚を残して、しっかり総合10位キープ。2年連続シード権の置き土産を交配に残します。

収穫と今後に向けて

 いやぁ東国大のシード権予想は少なかったのではないでしょうか。ヴィンセント選手という大エースに、伸び盛りの2年丹所はいました。ですが、続く芳賀選手が故障明け、スピードのある山谷選手に中島主将はエントリーもかないませんでした。

 その中、内田・荒井・佐伯・熊谷・加藤・杉崎選手と6人の4年生を起用し、区間10位前後でまとめて踏みとどめる。育成力と、作戦を実行する力…この戦国駅伝の最中、シード権を獲得できる新勢力チームは一味違いますね。

 4年生は卒業しますが、前回の5位シード権獲得を見て、これまた高校生の注目を一気に集めました。強豪校と変わらないスカウトになりつつあります。今年度の戦い方にも大いに注目です。