新年度になりましたね。
大学生駅伝は新しいチームになっていきますが、
その代わり、卒業して、大学駅伝チームを去っていくランナーもいます。
今年度を持って卒業していくランナーを大学別に振り返っていきます。題して、卒業生特集です。
なお、入学直前の箱根駅伝の成績順で振り返ります。
箱根駅伝2019(第95回)の22位とそれ以降に出場があったチーム
上武大学・専修大学・創価大学・筑波大学・駿河台大学・立教大学になります。
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【卒業生特集⑥】大学駅伝2019-2023の4年間の振り返り
多くの選手がスポーツ推薦で入学しています。だいたい高校3年の春~秋あたりに内定となります(一般受験性などは除く)。つまり、箱根駅伝の成績としては高校2年生時の大会が軸になります。そのため、今の4年生が、高校2年生時の成績から見比べていきます。
その①はこちら
その②はこちら
その③はこちら
その④はこちら
その⑤はこちら
上武大学
高3:箱根22位、予選11位
大1:予選13位
大2:予選14位
大3:予選14位
大4:予選21位
上武大は、箱根駅伝に出場できたのが、この世代が高校3年生の時まで。95回記念大会の増枠に救われた形で、戦力的にも厳しくなっていました。
この世代が入学した直後の箱根予選会で予選落ち。何とかして、復帰しようともがきましたが、予選14位付近から浮上できません。3年生の時に、9月の記録会で記録が出て復帰の雰囲気がありましたが、届かず…。
主力が卒業した、最後の年は、予選の順位が一気に下がり21位へ…。高速化や新興勢力の波にのまれる形になりました。上層部も日清食品OB勢に一新されていますし、再起を図っていく形です。
鉄川 歩④29分28秒12
上本青空④29分37秒83≪22予226位、全予2組21位、21:予243位≫
石田竜也④29分42秒32≪22予381位、21:予165位≫
阿部爽真④29分46秒09≪22予278位≫
後閑将太④30分51秒01≪22:関東IC3障8位≫
中島駿佑29分21秒95
1年目の箱根予選は先述通り13位予選落ち。85回大会初出場から続いていた連続出場が11で途切れてしまいました。とはいえ、収穫もあって、この世代トップの実力をもって入学した村上選手が、酷暑で66分22秒ながら、個人148位でチーム5番手の成績でした。
しかも、その後の記録会で、1万m28分38秒47の好記録!待望のスピードを持っているエースが誕生!ちょうど高速化が進み始めたところで、上武大もついていけるかも…そんな期待も持たせてくれました。
とはいえ、箱根駅伝復帰は簡単ではありませんでした。2年目の予選は、エースとなった村上選手が62分01秒の個人14位の激走で引っ張りますが、総合力一歩届かず予選は14位に。村上選手が連合に選ばれますが、直前の怪我で回避。その後長期離脱してしまいます。
冬前の記録会では、中島選手が29分21秒、鉄川選手が29分28秒、石田選手が29分42秒を出すなど、村上選手一人だけでなくなり、上昇気配がありました。3年時になって全日本予選は、石田・鉄川選手が実践を積みました。
箱根予選は、当時の4年生が主力で復帰のチャンス。村上選手も何とか間に合い、個人24位で奮闘。石田選手もチーム7番手の165位で踏ん張りました。ただ、10番手となった上本選手が243位。総合力として、もう少し上がり切りませんでした。
チームとして厳しい中、2年連続で連合に選ばれた村上選手が、トレードマークの鉢巻き姿で箱根駅伝をついに駆けました。4区で他校のエースと熾烈な争いをして区間15位相当とまずまず。来年こそ、チームでタスキをつなぐ姿がみれれば…と思いました。
4年目も村上選手が引っ張ります。関東IC5千mや全日本予選4組で先頭集団に食いつくなどチームを引っ張ります。他、後閑選手も関東IC3障で8位入賞、全日本予選では上本選手が2組21位の粘りをみせていました。
チームも必死。初の留学生選手を導入、上層部も、諏訪監督と佐々木コーチと日清食品OB勢で固めて強化を図りました。とはいえ、この年は育成のし直しの時期。その最中、箱根予選は村上選手が50位で踏ん張り、上本選手が226位と前回並みの順位もチーム5番手。2年連続出走の石田選手に、初出走の阿部選手らも踏ん張りましたが、予選21位へ…。箱根本戦出場の難しさを身に染みる4年間になりました。
専修大学
高3:予選14位
大1:予選14位
大2:箱根20位、予選10位
大3:箱根20位、予選9位
大4:箱根20位、予選8位
専修大は、しばらく苦しんでいたのですよね。90回記念大会で出場してから、中々出場できず。箱根予選では14位が壁になっている状況。毎年前残りを狙って、15㎞まで10位以内につけるも、そこから粘り切れませんでした。大学1年目も同じ感じ。
その壁を一気に打ち破ったのが2年目。コロナ禍の中、もともと試合に出場せず、じっくり調整する専修大のスタイルがあったか。それとも箱根予選が超高速化となり、前残りがより重要になったからか、
見事に10位で、7年ぶりに出場枠を勝ち取りました。本戦は最下位と、太刀打ちできませんでしたが、復活の第一歩となりました。
ただ、その後はもどかしい戦いだったかもしれません。留学生も導入して、予選会の成績は9位・8位と浮上するも、本戦は直前に故障者が続出する状況で3年間連続で最下位に…。悔しい経験も多かったかもしれません。
南 里樹④29分17秒13≪23箱9区19位、21:箱6区16位≫
小島光佑④29分29秒01≪23箱10区20位、21:予208位≫
成島航己④29分32秒59≪23箱3区15位、22予119位、21箱7区20位、20:予130位≫
冨永裕憂④29分41秒22≪23箱5区16位、22予182位≫
国増治貴④29分45秒96≪22箱7区9位、21:予163位、箱4区20位、20:予105位、19:予241位≫
吉岡拓哉④29分53秒92≪22予228位、21:予141位、20:予259位≫ ⇒ 警視庁
松本 薫④29分53秒97
寺井 望④29分57秒67
足立龍星④30分00秒49
安達勇人④30分08秒31
増田悠希④30分08秒88
1年目は届かなかったシーズンですが、それでも春先に1万m30分半ばを出すランナーも多くて、実践にも選ばれる選手が出ていました。全日本予選は成島選手が2組25位とまずまずの成績。箱根予選は国増選手が選ばれて、241位チーム11番手。エントリーに高瀬選手らの名前がありました。
その冬前の記録会で、多くの選手が記録更新!11月に、松本・吉岡選手が29分53秒、国増選手が29分57秒、足立選手が30分00秒と更新すると、12月には高瀬選手が29分45秒、成島選手が29分54秒に。育成の専大としては、早くも29分台に突入する選手が多かったです。
そして、コロナ禍で、初大会が実質の箱根予選。当時の有力ルーキーや4年生の選手が引っ張る中、この世代も踏ん張ります。高瀬選手が躍進の61位のチーム3番手で、いつの間にかエース格に成長!国増・成島選手も105位と130位でチーム7番手8番手。寒さで有力チームの失速もある中踏ん張り切り、7年ぶり通過!この世代も多く貢献していましたね。
箱根本戦は、エース格となった高瀬選手が1区へ。直前の開催となった関東ICでもスピードあるところを見せていましたが、ペース上げ下げの激しい展開に苦しみ区間19位。その後も4区国増7区成島選手も区間20位となるなど、7年ぶり復帰は甘くないと痛感することに。その中で、山下り秘密兵器だった南選手が、60分少しの区間16位とまずまず。山下りの目途が立ったのは一つ収穫でした。
何としても連続して出場したい3年目。国増選手が3年生首相になり、専修大初の留学生も導入し、自信をもって予選へ。その中、エース格の高瀬選手が、最後まで先頭集団で粘り個人10位の62分49秒躍進!大きな貯金を稼ぎます。
さらに、国増選手も163位で9番手、さらに2年連続出場の吉岡選手が141位の6番手と躍進していましたね。小島選手も11番手ながら走り切っています。結果は、9位通過。2年連続本戦へ出場しました。
本戦は、満を持して高瀨選手が2区を挑むも…思うような走りができずまさかの区間最下位。1区4位だっただけに、悔しい走りになってしまいました。その後苦しい中、7区に入った国増選手が区間9位好走。一斉スタート組の流れに乗ることができ、繰り上げは回避。総合最下位でしたが、一つ手ごたえは得ました。
4年目、全日本予選は、成島選手が久々に出場、また安達・寺井選手が新たな戦力候補に加わっていました。エース高瀬選手は4組で29分06秒の組13位で好走があり、全日本駅伝の選抜チームに選ばれる活躍でした。
箱根予選は、国増選手が間に合わず、エース高瀨選手が故障明けで、64分10秒の64位にとどまりますが、成島選手が奮起し64分台で119位チーム6番手。まだ箱根を走っていない冨永・吉岡選手も200位前後でチーム9番10番手でまとめて、3年連続の通過に繋げました。高瀨選手はその後、全日本駅伝で2区出走、スピード展開でしたが区間10位相当で踏ん張りました。
その後の記録会でも上昇ムード。冨永選手が激坂王で好走後、1万m29分41秒ベスト!さらに山下りの南選手が29分17秒と平地にもめど。小島選手29分29秒、寺井選手29分57秒、増田選手30分08秒など、多くのこの世代が自己ベストを出してまとめました。えーーすも強かったので、躍進の箱根になるかと思われました。
ところが、12月に入って暗転。力のある下級生が故障、さらに高瀨選手が疲労骨折。懸命に箱根を狙いましたが、ジョグでも痛みが出る状況に断念…。国増選手も状態を上げられませんでした。1区から苦しい展開ながら、急遽3区成島選手が63分台で区間15位奮闘、最初で最後が5区山登りになった冨永選手も16位と踏ん張ります。
でしたが、復路エース区間となった9区南選手で襷が途切れ、10区小島選手も区間最下位。まさかの総合最下位と苦しみました…。結果を出すのは、改めて難しいことを思い知らされました。
最後の箱根路/スタートラインに立てなかった専大・髙瀨桂「人間として成長させてくれた4年間でした」#箱根駅伝 でさまざまな思いを胸に臨んだ4年生たちの物語
直前の疲労骨折で無念の当日変更。前回大会は花の2区を走っていた。#髙瀨桂
|月陸Onlinehttps://t.co/dJO2SF53ml
— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) January 28, 2023
この中では、高瀬選手がトヨタ自動車九州と強豪チームへ進むことに。また、本戦は走れずも、予選で3年連続走った吉岡選手が警視庁で続けるということです。もう一つ上のレベルに到達できればと思います。
創価大学
高3:予選15位
大1:箱根9位、予選5位
大2:箱根2位
大3:箱根7位、出雲7位
大4:箱根8位、全日本5位、出雲6位
創価大は、本当に新興勢力の中心として、凄い活躍を見せた4年間だったのではないでしょうか。この世代が、高校時代の時は、まだ本戦出場が安定しない戦力。入学直前の予選は15位敗退でした。
大学1年時の予選会で、3年ぶり3度目の出場を5位とまずまずの成績で決めると、本戦では攻撃的な布陣で流れに乗ります。終盤にシード権争い劣勢になるも、10区区間新でひっくり返しての初シード権は、駅伝ファンに鮮烈な印象を残していますね。
コロナ禍の中、じっくり調整した2年目の箱根駅伝は、大躍進!まさかの往路優勝を果たし、最終区まで総合優勝の夢を見る展開での準優勝。一躍、大学駅伝の新興勢力の中心核となりました。
3年目以降は、有力校の一角というプレッシャーもかかり始めます。一時期ギグシャクしたこともありましたが、箱根駅伝はしっかり3年連続シード権、力があるところを示しました。
4年目は、なぜか縁のなかった全日本駅伝についに初出場。初の三大駅伝フル出場となりました。出雲6位健闘すると、全日本は5位でいきなりシード権獲得。箱根も、終盤まで3位争いをしながらの8位。上位常連校定着と言える成績でした。
嶋津雄大④28分14秒23≪23箱4区8位、22全5区3位、出6区5位、箱4区1位、21箱4区2位、20箱10区1位≫ ⇒ GMOインターネット
葛西 潤④28分21秒72≪23箱7区1位、22全2区1位、出2区5位、箱1区15位、21:箱3区3位、20:箱6区16位≫ ⇒ 旭化成
横山魁哉④28分33秒58≪23箱1区5位、22全1区5位≫ ⇒ トーエネック
濱野将基④28分37秒06≪23箱6区4位、22箱6区9位、21出4区9位、箱6区7位≫
緒方貴典④28分42秒44≪23箱9区2位、21:出1区11位≫ ⇒ トヨタ自動車九州
新家裕太郎④28分45秒93≪22全6区7位、出1区10位、箱7区4位、21出2区10位≫ ⇒ 愛三工業
村田海晟④29分17秒11
本田晃士郎④29分19秒42≪22:関東IChalf18位≫
松田爽汰④29分32秒49≪22:関東IC1万、箱10区5位≫
市原利希也④29分34秒56
甲斐治輝④29分50秒80
片岡 渉④30分21秒99
3年間箱根から遠ざかっている状況でしたが、留学生のムルワ選手に、高校時代から実力者の葛西選手が期待が高かったですね。葛西選手は全日本予選で早速3組抜擢で15位まずまずでした。なお、横山・甲斐選手も1組2組で走っていました。その中で12位でしたから、秋に弾みがつく結果でした。
迎えた1年目の箱根予選は、しっかり葛西選手が対応していて、酷暑の中65分少しながら56位好走。5位通過に貢献します。本戦は、葛西選手が当日変更で6区山下り。区間16位でしたが、初シード権に向けて一番の弱点の区間を何とか穴埋めしてみせました。1年生出走は彼だけでしたが、留学生控えのムルワ選手に、1万m30分切っていた横山・新家選手もエントリーしていました。
さて、シード校として挑んだ2年目。書類選考となった全日本予選を通過できなかった誤算はありましたが、秋以降の記録会で着々と力をつけていました。エースとなったムルワ選手は1万m27分50秒を出してすでに臨戦態勢。葛西選手に、もう一人実力者濱野選手が1万m29分39秒と成長。また、緒方選手のエントリーも色々話題を呼んでいた記憶があります。
この時も攻撃型布陣、1区3位で繋ぐと、2区ムルワ選手が初の駅伝ながら区間6位で繋いで上位をキープ。そして当日3区に入った葛西選手が区間3位好走で総合2位浮上!4区で首位に立つので、結果的に大きくおぜん立てした形になります。復路も、首位でプレッシャーがかかる中、6区濱野選手が59分を切って流れを作りました。この粘りが、10区終盤まで首位に繋がった形でしたね。
3年目、ムルワ選手が大きく成長し、関東IC、全日本予選など各大会、他校留学生相手にトップ争い、頼もしいエースになっていきます。ただ、一気に準優勝となったチームは前半戦はややちぐはぐに。葛西選手の故障がありましたが、全日本予選は14位大敗。
1組濱野選手の好走と、4組ムルワ選手の27分台の追い上げがありましたが、横山選手に、抜擢となった2組村田、3組新家選手も失速。新家選手は3障を中心に一気に成長株の選手でしたが、組最下位の苦い大会に…。とはいえ、これを機転に少しずつチームは立て直しに。
初出場の出雲駅伝では、3年生4人並びました。1区にロード型の緒方選手を起用して凌ぐと、2区5千m14分02秒を出していた新家選手で10位。3区ムルワ選手が他校エース選手を圧倒!一気に総合2位進出しました。ただ、4区濱野選手で順位を落とすなど、最終的に総合7位へ。ややエース頼みでした。
それでもその後、11月になってエース葛西選手が復帰。28分43秒を出して臨戦態勢。他にも濱野・緒方・新家選手が28分40秒前後をマーク、ロード型の本田・松田選手も調子を上げています。そして大エースとなったムルワ選手が27分35秒!一気に箱根に向けて仕上げてきたと評価が高まりました。
本戦は、1区間に合った葛西選手。区間記録ペースの集団に途中でつけずも何とか区間15位。2区は高い安定感を誇っていたムルワ選手が、区間2位で追い上げます。その後順位上げ下げしながら往路8位。
復路は2年連続山下り濱野選手が区間9位で滑り出すと、7区新家選手が区間4位で総合5位順位アップの活躍!さらに10区は秘密兵器的存在だった松田選手が区間5位!最終的に総合7位で、前回の準優勝がフロックではないことは証明しました。
迎えた最終学年、まずは鬼門となった全日本予選への突破が求められていました。春先に、個人選手権1万mで、葛西選手が優勝、留年となった嶋津選手が準優勝でワンツー!追い風が吹きました。でしたが、その後葛西選手が故障し予選欠場、ムルワ選手は故障明けぶっつけとなりました。
どうなるかわからない流れの中、毎年全日予選出場していた横山選手が1組で5位の好走。その後後輩が圏内で繋ぐと、4組ムルワ選手が、久々の試合ながら貫禄の全体トップ。嶋津選手も日本人トップが見える位置の12位。見事3位で初の全日本駅伝出場権を獲得しました。
迎えた秋、出雲駅伝。直前で5千m13分45秒を出した新家選手が1区で10位滑り出し。これを復帰した葛西選手が7位に浮上すると、絶対的エースムルワ選手が区間新の区間賞。ここで5位だったが、その後チームが粘ってアンカー嶋津選手が、最後まで5位を争って6位。ムルワ選手頼みではなくなっていました。
シード権をしっかり視野にいれた全日本大学駅伝は、初駅伝1区となった横山選手が区間5位好発進!すると2区葛西選手が区間新で区間賞!駅伝ファンびっくりの爆発的な走りでトップに浮上します!その後順位を落としかけますが、5区嶋津6区新家選手が堅実につなぎ、7区ムルワ選手が区間3位でしたが、ほぼシード権を決定づける走り。初出場ながら総合5位でシード権を獲得します。
その後、両駅伝では外れていた濱野・緒方選手が1万m28分台、トラック型だった横山選手も世田谷246ハーフで63分台、レギュラー争いが激しくなりました。一方、主力4年生選手にアクシデント。ムルワ選手はやや低調のまま、嶋津・葛西・新家選手が12月に故障、そのうち新家選手が間に合いませんでした。
それでもこの世代を中心にチームはたくましかった。全日本に続き1区抜擢となった横山選手が、箱根でも先頭集団につけ区間5位好発進。3年連続2区のムルワ選手は、不調ながらも区間6位で粘ります。3年連続4区となった嶋津選手も、万全な脚の状態ではなくも、区間8位と執念の走り。懸命に上位陣に食らいつきます。
10位スタートとなった復路、3年連続山下りの濱野選手が過去最高の区間4位!7位に浮上すると、7区は疲労骨折からギリギリ間に合った葛西選手が区間新ペースで猛追!どうせ終盤苦しくなるから、脚が動くうちに追い上げたそうですが、本当に鬼気迫る走り。区間3位で、総合3位争いに浮上しました。
そして、2年時からロードの鬼と注目された緒方選手が、4年目最初で最後の箱根路を満を持して復路絵のエース区間9区。4位争いの集団から抜け出し、懸命に総合3位の背中を追いかける区間2位激走!4年連続シード権に、この世代大変貢献していますね。
エースムルワ・嶋津選手は、もう強豪チームと言っていいGMOインターネットグループへ。葛西選手は、伝統の旭化成。他、横山・緒方・新家選手も実業団で続ける一方、濱野選手らはラストランでした。創価大の上昇を支えた世代の、次のステージを、また見守っていきたいです。
【葛西 潤】
最前線で走り続ける選手になれるよう、努力・感謝・笑顔で頑張ります!#葛西潤 pic.twitter.com/Fw8vypBsgD— 旭化成陸上部 (@ak_rikujo) April 3, 2023
筑波大
高3:予選17位
大1:箱根20位、予選6位
大2:予選11位
大3:予選13位
大4:予選15位
筑波大は、この4年間で1度出場があったのですよね。国立大というハンディがある中、クラウドファインディングで資金を作るなど、独自で強化を図っていました。
そして、この世代が入学した年の筑波大はいつになく戦力が揃っていました。前半シーズンは色々ありましたが、夏以降まとまる機縁に。見事に26年ぶりの箱根路を射止めました。
その後、もう一度出場を狙いましたが、2年目は惜しくも次点の11位。その後も、エース選手を中心に検討しますが13位、15位。国立大ならではの選手層の薄さに苦しみますが、流れが激しい中、狙える位置にはとどまりました。
福谷颯太④29分00秒66≪22予15位、22:関東IC1万11位、箱根5区10位相、21:予16位、20:予168位≫ ⇒ 黒崎播磨
小林竜也④29分34秒05≪22予88位、22:関東IC5千17位、21:予49位、19:予119位≫ ⇒ 富士山の銘水
國井辰磨④29分40秒02≪22予113位、22:関東IC1万、21:予182位≫
五十嵐優汰④30分42秒55≪22予391位、20:予256位≫
松村匡悟④30分48秒66≪22:関東IC3障3位、21:予232位、日本IC3障3位≫
永山龍吉④31分09秒70
村田修作④31分26秒44
1年目は色々ありました。当時の3年生を中心に、いつになく戦力が整っていましたが、全日本予選に出場できず。その後、トラック志望の選手が退部するなどがありましたが、結果的に箱根駅伝に向けては士気が高まりました。
前年の予選17位からスーパージャンプアップで、6位で26年ぶりの本戦出場は駅伝ファン湧かせました。また、受験などの関係で、1年生は難しい場合が多い箱根予選ですが、この時は小林選手が119位、岩佐選手が121位と早くに戦力になったのも大きかったですね。
本戦までに、小林選手は1万m29分56秒、岩佐選手は30分10秒に短縮。これに福谷選手も含めて3人がエントリー。小林選手が出場するかと思われましたが、故障で欠場。岩佐選手が急遽山下りを担い6区20位。とはいえ61分10秒なので、そこまで悪くないタイムでまとめていました。
この岩佐選手を含め、箱根出場者が9人残った次シーズンは、飛躍のチャンスでした。とはいえ、箱根予選は突破しなければなりません。周回コース&小雨で超高速となった箱根予選、1万m29分28秒まで伸ばした岩佐選手が57位、同30分00秒の福谷選手が168位、実績少なかった五十嵐選手が256位と踏ん張りますが、わずか18秒届かず予選落ち…。スタミナ型が多い中、食い下がりましたが、箱根の厳しさですね。
その後、岩佐選手が28分41秒71の記録を出して新チームのエースに。さらに3年生になって、小林選手がついに復帰。関東IC1500mや5千mで勝負できるまでになります。また、3障で松村選手が活躍。新戦力に國井選手の台頭もありました。
ただ、箱根予選前に岩佐選手が故障離脱。その中で福谷選手が健闘し日本人トップ集団内の16位、スピード型の小林選手も49位で稼ぎます。國井・松村選手が200位前後ですが、ここでチーム7番8番…選手層の薄さは否めず、予選13位となりました。
そんな中、福谷選手が学生連合で、5区山登りを担当することに。予選後に故障もあった中、区間10位相当の好走。やはりロードで頼りになる選手でした。4年目になって岩佐選手が関東ICハーフを走るなどひとまず復活。小林・松村選手らもトラックで活躍するなど、存在感を示していました。
最後の箱根予選、もう一度箱根路を駆けたかったですが…岩佐選手が離脱してしまいます。選手層が薄くなった中、福谷選手が2年連続10位台となる15位、小林選手も二けた順位の88位、國井選手が前回より大きく順位を上げ112位に。ここでチーム6番手でしたが、7番抵抗が大きく開いてしまい、総合は15位。届きそうで届きませんね…。
それでもエース格の選手は何人か強いですね。この世代も岩佐・福谷・小林選手が実業団内定を射止めて、次に向かって走り出しています。
駿河台大学
高3:予選18位
大1:予選12位
大2:予選15位
大3:箱根19位、予選8位
大4:予選19位
ここのところ、話題を賑わしている駿河台大。とはいえ、この世代が、駿河台大を志したときは、まだ箱根本戦に出場する雰囲気はなく、20位前後を漂っていた時です。
それが大学1年生の時に、予選12位になってから、ぐっとチームの雰囲気が変わってきます。2年生の時は、10㎞付近まで圏内につけての15位。初出場候補になってきます。
そして大学3年目、全日本予選で出場次点に迫る活躍を見せて確かな手ごたえをつかみます。箱根予選、プレッシャーもかかりましたが、この世代の活躍もあり、見事に8位で初出場!本戦は、最下位を走る場面もありましたが、繰り上げ回避し、最後に最下位脱出とさまざまなドラマを生みましたね。
継続して連続して出場したかった4年目、調整が合わず、予選19位と敗退…。ここは悔しいところでしたが、エース選手が最後に結果を出しています。一つ大きな時代を築いたのは確かです。
町田康誠④28分39秒82≪22予48位、全予4組37位、関東IC1万、箱3区12位、21:箱予85位、箱9区12位相当、20:予59位、19:予80位≫ ⇒ 中央発條
永井竜二④29分32秒45≪22予214位、関東IChalf12位、箱5区20位、21:箱予103位、20:予242位、19:予167位≫
小泉 謙④29分47秒36≪22予271位、箱6区3位、21:箱予101位、20:予137位≫
出仙龍之介④29分50秒41≪22予172位、関東IChalf、箱8区15位、21:箱予230位、全予2組31位≫
松本圭悟④30分03秒18
松岡龍生④30分34秒16
古澤拓樹④30分41秒57≪22予281位≫
入学直後に、全日本予選に初出場しているのですよね。上昇の気配はありました。この世代では、後のエース町田選手が早速出走。2組34位の成績、このほか松岡選手がエントリーに選出されています。チームとしては17位で、ここは出場するにとどまりました。
躍進が箱根予選。酷暑だったのもありましたが、終盤にじわじわと浮上し、予選12位の成績!20位前後が続いていたのが、ついに箱根に近づきました。しかも町田選手が3番手の80位、永井選手が167位の8番手。次に向けての新たな戦力が台頭していました。
2年目は初出場候補に加え、30歳ランナーの加入も話題になっていました。途中までボーダーライン上も、終盤に息切れし15位。ここは箱根の壁に阻まれました。とはいえ、町田選手が2年連続二けた順位の59位で学生連合へ。
さらに高校時代5千m16分ほどだった清野選手が急成長し93位、前年補欠だった小泉選手がが137位好走し、この世代が2番手から4番手を占めました。学生連合に選ばれた町田選手は9区12位と手堅い走り。しかも、清野選手とともに直前で1万m28分台をマーク。戦力が充実していました。
3年目、密かに突破を狙った全日本予選は、惜しくも8位次点。ここにきてトラックで台頭してきた出仙選手に、町田・清野選手が上位の組で戦いきりましたが、あともう少しでした。とはいえ、箱根駅伝出場校の中では確実に20番以内の成績でした。
勝負の箱根予選、10㎞までは上位通過を狙える位置にするも、15㎞でやや崩れてしまい通過ギリギリの位置。徳本監督の「粘り倒せ」の言葉を受け、清野選手が54位、町田選手が85位の走り。小泉・永井選手も100位少しのチーム6番手7番手で走り切りました。出仙選手は11番手ですが、230位…結果、8位で通過!初出場に湧いた予選会、この世代5人が走っていましたね。
【箱根駅伝】「区間賞獲得伝説」スタート第1コーナートップは初出場の駿河台大・清野太成…徳本一善監督の指示通り : スポーツ報知 https://t.co/UspFI9gAaQ
— 寺田的陸上競技WEB (@rikujouterada) January 1, 2022
初出場の箱根本戦。往路は厳しさを味わいました。強い希望で1区に入った清野選手は、区間記録ペースで進む集団につけたのは10㎞まで。その後は後退し17位スタート。2区で19位に落ちますが、3区に入った町田選手が冷静な走りで区間12位と奮闘します。ですが、4区で20位に落ちると、チーム事情で5区山登りとなった永井選手も区間最下位。往路は20位となります。
とはいえ、密かに復路の繰り上げ回避には自信あり。山下りの適正・大舞台での度胸ともに二重丸の評価だった小泉選手が、6区で激走!58分47秒の区間3位で走り、駅伝ファンを驚かせます。一斉スタート組の流れの中、8区出仙選手も区間15位と実績からすると粘り、繰り上げ回避。最後に総合19位に上がり、初出場を謳歌したと話題になりました。高校生の注目も大変大きかったと聞きますね。
しっかり次につなげなかった4年目。本気で通過を狙った全日本予選は、若い選手起用でいい流れとなるも、日本人エース町田・清野選手がやや調整不足。上位組で30分かかってしまい、13位と通過なりませんでした。
箱根予選は、清野・町田選手は38位と48位で過去最高の成績も、172位の出仙選手でチーム5番手。永井選手が214位、小泉選手が271位。最初で最後の予選となった古澤選手281位でチーム10番手…19位とボーダーから遠い敗退に…。徳本監督は、最後にポイント練習を1度多く入れすぎたと悔やむ調整でした。
その後、高校時代は無名だった清野選手が、1万mで28分10秒26のビッグパフォーマンス!一定の育成力は示すことができましたね。この清野選手や町田選手ら、初出場へ導いた世代の実業団生活も気になります。
立教大学
高3:予選28位
大1:予選23位
大2:予選28位
大3:予選16位
大4:箱根18位、予選6位
最後に紹介するのは、当時の予選会の順番で立教大になりますね。この世代の入学前の11月に、立教大が上野監督とともに、箱根駅伝再出場を目指すと、宣言したのですよね。
とはいえ、この世代は特にスポーツ推薦や勧誘を受けたわけではありません。一般入試として立教大に入学し、陸上部を志望した最後の世代ということになります。
最初は、箱根駅伝予選会の高速化に戸惑うこともありましたが、強い後輩たちと監督の指導もあって、大学3年目に急浮上。そして4年目に一気に本戦出場ラインを突破しています。
一般入試の世代なので、中々出場争いに絡むのは難しかったですが、彼らも奮闘しています。
金城 快④30分36秒95≪20:予369位、19:予285位≫
黒田航世④30分40秒61
石鍋拓海④31分18秒91
後藤瞭太④31分23秒75≪19:予324位≫
1年目は成績的にはそこまで目立たずでした。1500mでミラー千本選手が関東ICに出場しましたが、上野監督が個性を大事にするということで、ここは予選会無理はさせず。出走したのは金城・後藤選手。一般入試組だけで予選23位とここは健闘した部類になります。
2年目は、ミラー千本選手がホクレンで1500m3分50秒を切るなどの活躍。この年は箱根予選にも選ばれ出走。344位ながら66分台で走り切りました。金城選手も連続で出走、黒田選手も14人に選ばれています。ただ、チームは高速化に戸惑う形で28位へ後退します。
真価が問われる次の年、ミラー千本選手が関東IC1500m2部で優勝!スピードのある後輩が入った中、見事なパフォーマンスでした。
とはいえ、レギュラー争いは、徐々に激しくなっていきます。初出場となった全日本予選はエントリーに入れず。16位躍進となった箱根予選は、金城選手が14人のエントリーに入るにとどまりました。
4年目、ミラー千本選手が主将に。自身は怪我で離脱中でしたが、力のある後輩たちをまとめていきます。走力面では劣るも1万m30分36秒を持っている金城選手が食らいつきます。
全日本予選・箱根予選とも出走ならずも、エントリー入り。半世紀ぶり復帰に湧いた箱根本戦を本気で狙っていきます。金城選手が5区山登り、怪我から復帰したミラー千本選手が6区山下りを宣言することも。11月末には黒田選手が30分40秒ベスト更新するなど意地を見せます。
ただ、最終的には力のある後輩たちが16人のエントリーメンバー入り。4年生の名前はありませんでした。ここは競争の厳しい面ですね。スピードのあったミラー千本選手は、年明けの男女混合駅伝をラストランとして出場。競技人生を全うしました。
立教大・ミラー千本真章 箱根路へ主将の決意「みんなにかっこよく走ってほしい」 https://t.co/mqrYK3SIaC
— stg(宗太郎峠) (@soutarou_t) November 29, 2022
自分たちの下の世代が、強化生。走力的には劣る中でチームを支える…中々の貴重な経験をしていると思います。次の社会人へ、繋がっていけば幸いですね。
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