出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。
各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。
そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。
青学大・原監督が明かす“2分19秒の誤算”「今日は勝てると思えなかったね」箱根駅伝まで2カ月…青学大は“ノーミス”駒大に勝てるのか?(生島淳)#箱根駅伝 #ekiden #青山学院大学 #駒澤大学 https://t.co/ly1So9PzCI
— Number編集部 (@numberweb) November 9, 2022
続いて、
出雲・全日本は完敗!得意の箱根、逆襲の一手は!?青山学院大学です。
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【青山学院大学】箱根駅伝2023へ向けて
今年の箱根駅伝で、2位に10分以上の差をつけて、圧倒して総合優勝を果たした青山学院大。その多くが、今年もメンバーで残っていたため、今年度も三大駅伝の主役になると思われていました。
でしたが蓋を開けてみると、出雲駅伝は4位・全日本駅伝は3位…故障者や調整不足な面もありましたが、内容的には駒澤大に完敗してしまいました。
とはいえ、青山学院大といえば、箱根駅伝と言うほど、どこのチームよりも得意とする舞台です。果たして逆襲できるか、前哨戦を振り返りと、戦力分析をしていきます。
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全日本大学駅伝2022振り返り
原監督は珍しく自信を見せていました。”ここまで完璧に調整できたことはない”と。エース近藤選手ら自慢の4年生に、佐藤選手ら駅伝男が復活、練習が完ぺきにこなせていると抜擢した白石選手ら、選手は揃っていました。
3位青山学院大学5時間10分45秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップとの差 |
1区9.5㎞ | 2位 | 目片将大④ | 27分08秒 | 2位 | 10秒差 |
2区11.1㎞ | 16位 | 白石光星② | 33分32秒 | 13位 | 2分11秒差 |
3区11.9㎞ | 2位 | 佐藤一世③ | 33分52秒 | 11位 | 2分01秒差 |
4区11.8㎞ | 2位 | 横田俊吾④ | 33分44秒 | 5位 | 2分04秒差 |
5区12.4㎞ | 4位 | 岸本大紀④ | 36分15秒 | 6位 | 2分19秒差 |
6区12.8㎞ | 3位 | 中村唯翔④ | 37分21秒 | 4位 | 2分13秒差 |
7区17.6㎞ | 2位 | 近藤幸太郎④ | 49分52秒 | 2位 | 2分27秒差 |
8区19.7㎞ | 10位 | 宮坂大器④ | 59分01秒 | 3位 | 3分58秒差 |
1区目片選手…初っ端飛び出したのは、駅伝ファン多くがびっくりしましたよね。最初の1㎞2分43秒のペースに、後方集団は2分54秒。3㎞8分15秒で通過したころには100mほどの差ができていました。飛び出したのが、本意だったかどうかは定かではないですが、思い切った作戦に、ドキドキして見守っていました。
5㎞14分07秒で通過した頃からは、さすがにきつくなってきて追い上げを許します。8㎞過ぎに大東大の留学生に捉えられてから、一気に後方とも差が詰まります。
ですが、目片選手も残り1㎞からは切り替えて、総合2位確保。3位中大に5秒差、最大のライバルの駒大には9秒貯金。序盤から飛び出していなければ、ここまで離せなかったかもしれません。4年生主力として、初出場の2区にできる限りの事はしました。
2区白石選手…練習ができていると、満を持しての起用となった白石選手。1.5㎞で駒大らの集団に吸収されるのはともかく、3㎞過ぎに集団から零れると、そのままズルズルと後退。あっという間に、第1移動中継車から捉えるのが難しくなります。実績面で40秒差までなら…ということでしたが、それ以上の差に開きました。
どうも、最後の調整の仕方にミスがあったようで、出力が落ちてしまっていたようです。その後も下がるしかなく、最終的に区間16位の走りで総合13位中継。それ以上に、駒澤大に2分10秒差。総合優勝という面では、かなり厳しくなってきました。
3区佐藤選手…ここからは、自慢の主力で懸命に追い上げて、相手のミスがあれば…という戦いでした。3区に復活した佐藤選手が、懸命に前を追います。後方のチームが非常に早く、1㎞で関西学院大上田選手が追いついてきて並走。
8㎞付近で振り切りますが、入れ替わるように東海石原選手が追いついてきて激しいバトルに。ここは非常に熱いものを感じました。最後は振り切り、ちょうど中大に追いついたところが中継所。総合はまだ11位でしたが、スピードランナー揃いの3区で、区間3位!流れは変えてくれましたね。
4区横田選手…ここからは4年生のみのリレー。出雲2区でもしっかり前を追っていた横田選手が、その時以上にパワフルな走りを見せます。すぐに中大を引き離すと、2.4㎞で東国大と東洋大を交わし、4㎞で中学大を交わして7位に浮上します。6㎞定点で個人トップの走り、攻めていました。
その後も、手綱を緩めることなく追いかけ、8㎞で明大を交わして6位浮上、中継所直前で創価大を交わして5位に浮上!一気に6人を交わして上位争いに戻ってきました。
区間賞こそ、勢いに乗っていた駒大が獲得したものの、後方からの追い上げながら区間2位。昨年の出雲アンカーでキラリ光るものを見せていましたが、4年の今年一気に開花しましたね。
5区岸本選手…もう一人戻ってきた主力選手岸本選手。今年の箱根7区で単独走で区間賞を獲得しましたが、元々競り合ってペースを上げることによって、+αが出てくる選手。まだ混戦の争いの中で、良さが出ると思われました。
すぐ後ろにいた創価大がエース選手を起用したため、一緒に併走しながら、前の國學院大を追っていきます。5㎞14分一桁で入りますが、前との差がむしろ開いていく展開。追い風もありましたが、高速の展開でしたね。
その後も、創価大と抜きつ抜かれつの大接戦。この激しいバトルに、國學院大に交わされた順大と早大が落ちてきて、一気に3位争いの中に。最後、脚がのこっていなかったので、総合6位リレーとなりますが、表彰台圏内は社いて県に入りました。
6区中村選手…出雲駅伝アンカーを務めた中村選手が、全日本は中盤の6区。選手層の厚さは、本当に感じますね。すぐに単独3位に浮上し、3㎞8分22秒と突っ込んで入っていきます。5㎞で2位國學院大を10秒差の射程圏内に捉えます。
でしたが、そこから膠着状態。すると8.5㎞で区間新ペースで走る順大の選手に交わされ4位に後退。中村選手はつけずも、そのまま粘り続け、区間3位。前國學・順大の15秒差の総合4位に付けます。それにしても他校の勢いの凄さも感じました。
7区近藤選手…長距離7区は、昨年と同じく近藤選手。駒大のエースと戦うのは、前回と同じですが、2分以上前の相手と勝負していきます。最初の1㎞を2分40秒で突っ込むと、2㎞過ぎ早くも順大國學院大を捉えて、2位争いを引っ張っていきます。
そのまま3㎞8分12秒、5㎞13分52秒と超ハイペース。ここで先頭との差は5秒縮まっていました。中間点までに2校を振り切って、単独2位となっても、とにかく追い続けます。懸命に、駒大の背中を追いかけ続けました。両校とも区間新記録ペースでの争いに、一視聴者として胸を打った場面です。
15㎞42分08秒通過、ここで5秒程相手が上回りました。前半突っ込んだ分終盤厳しかったはずですが、最終的に49分52秒と従来の区間記録を上回る区間2位!ライバル選手とも14秒差で留めたのは、青学大エースとしてのプライドでした。本当に、学生長距離界を代表とする選手です。
8区宮坂選手…アンカーは4年生ながら、大学駅伝デビューとなる宮坂選手。1年時に高根沢ハーフで62分台、3年時には別府大分マラソンで2時間12分台で走るなど、長距離適性は抜群!ただ、故障が多く、中々大学駅伝に恵まれませんでした。ようやく掴んだチャンスでした。
1㎞3分ペースで刻んでいきますが、徐々に他校に追い上げられます。15㎞付近で國學院大に捉えられ3位に後退すると、最後の直線で大きく順大に追い上げられます。1秒差で踏ん張って総合3位確保したのは、主将としての意地か。区間順位は10番と、ややホロ苦デビューとなりました。
箱根駅伝2023へ【エース・山・選手層】
苦しんだ区間(2区8区)はありつつも、他6区間は駒大に対してほぼ互角で、優勝候補の一角としてしっかり戦いきっています。ただ、厳しく見れば、駒大を上回る明確な場面は作れなかったですかね(相手が流れに乗っているので、きちんとした評価ではないでしょうが)。
いつもなら、感情的に悔しがる原監督ですが、今回は本当にお手上げという仕草。相手に隙がなかったということと受け取っています。両駅伝、区間賞を獲得できなかったというところに、苦しさが現れています。
とはいえ、前回あれだけの圧勝劇を演じた箱根駅伝の記憶も、色褪せていません。なんだかんだで、箱根駅伝は青山学院大はないかとも思ったりします。もう一度、往路・山・復路と戦力分析をしてみます。
エースの強さ
大エースですね。近藤選手が、学生長距離界を代表する走力を身につけています。昨年の全日本大学駅伝から、すべてエース区間を担当して区間上位にまとめています。
彼がいるから、他の区間に、いわゆる”駅伝男”と言う、駅伝に強い選手を配することができ、青学大の総合力を生かすことができてます。次の箱根2区で、主役となっていくでしょうか。
前後の往路区間をどうするか。1区は、候補の鶴川・志貴選手が現時点で調子を落としています。とはいえ、出雲・全日本ともに4年目片選手が務めて、どちらも好位で襷リレーしています。目片選手でも十分良さそうな感じがします。
その他で、出雲・全日本駅伝を見て、往路でいけそうな走りをしていたのは、佐藤・横田選手です。佐藤選手はスピード区間にも対応できますし、アップダウンのあるタフなコースにも強いですね。
横田選手も勝負勘がありますので、しっかりチームの順位を引き上げることができます。単独走で前を追うこともできます。駒大ら他有力校相手にもしっかりと追っていけるでしょう。
これで、前回3区でとてつもないパフォーマンスを見せた太田選手が、復活すると面白い。あの時は本当にエースの走りでした。秋以降試合出ていませんが、昨年飛躍のきっかけとなった宮古サーモンハーフに登録。その走りに注目です。
山登り・山下り
原監督のコメントを聞いていると、山登りと山下りはかなり自信があり、アドバンテージが獲れるとの話ですね。
山登りに関しては、確かに前回”若の神”と言われた2年若林選手が快走を見せていました。前半戦でも1万mのベストを更新する活躍を見せていました。後半戦試合に出ていないのは怪我の影響だそうですが、ちょっとずつ上がってきているとか。
(追記)また、2年前の激坂王でまずまず走れていた4年脇田選手が、この1年間順調に練習を積み絶好調!夏合宿では、若林選手やエース近藤選手に、上り坂の練習で勝っており、非常に面白い状態だそうだ。
勿論、若林選手も諦めておらず、5区を狙っている。前回70分台の選手が、怪我明けながら外れるかもしれない、それくらいの高いレベルで行われています。確かに、自信ありと言える。
全日本大学駅伝3位の #青山学院大学 箱根駅伝連覇へキーマン5区候補は3大駅伝未経験の4年生・脇田幸太朗 https://t.co/qAccUDxYBM #箱根駅伝 #スポーツ報知 pic.twitter.com/VYlNEUT63E
— スポーツ報知・箱根駅伝情報 (@hochi_hakone) November 10, 2022
山下りは、前任者が卒業しているので、既にある程度準備が整っているという事でしょうか。主力一角の志貴選手が、候補に挙がっていた時期もありましたが、そうではなさそうな感じかなぁ?
以前は、ほとんど前情報がなかった中で、小野田選手がいきなり58分半ばを出してきています。外野からは、12月10日地点で、ようやくこの選手かなぁ?と目星がつくかもしれません。この区間は、青学大毎回強力です。
選手層の厚さ
選手層の厚さは言うまでもないのですが、本当に激しい争いになってくるでしょう。おそらく箱根2区経験者の選手が中心になると思います。
まずは箱根9区区間記録保持者となっている中村選手。出雲・全日本も他校の主力選手と概ね戦っていますが、少し下り気味のあの長距離区間が中村選手に、非常にあっていると思います。
往路で戦えるだろう岸本選手も、前回7区でしっかりと区間記録に近い走りをしています。全日本以降で故障しなければ、昨年以上の状態に仕上がってくるのは間違いないので、7区以降でどこでも区間記録を狙える状態と思われます。
そして、箱根10区区間記録保持者の中倉選手も虎視眈々と最後の箱根を狙っていることでしょう。これをもってラストランの予定です。そして、長い距離一定の目途が立っている中で、まだ箱根未出走の宮坂・西久保選手と言った4年生の選手もいます。畦地選手もいますし、本当に4年生だけでオーダー組めるのがお揃しいところ。
若手で言えば、今年の出雲駅伝で5区を走っている田中選手も、ハーフマラソンで何度も安定した成績を残していますので、十分に復路候補。そして全日本2区を走った白石選手だって、まだまだ候補。宮古サーモンハーフ連闘の予定です。どこまで記録を伸ばせるか。
と、ここまでいろいろ書きましたが、青学大は選手層厚いですからまだまだたくさん候補がいます。ここまで名前の挙がっていない1年生も黒田選手ら候補いますからね。
おそらく、昨年から始まったMARCH対抗戦に、大量出場するでしょう。ここでどのくらい仕上がっているかが、ある程度分かるでしょう。新星も出てくるかもしれませんし、非常に見物になります。
まとめ
・1区に目途、好調佐藤・横田選手に、昨年の太田選手は
・山は自信あり、復路は区間記録保持者登場か
少なくとも、出雲・全日本駅伝のように、一方的にやられるということはないはずです。目片選手が1区に目途が立ち、近藤選手は完全にエースなので、1区2区でかなり好位につける。駒大に前に行かれても、まだ射程圏内のはず。
そして、追走できるランナーをつぎ込んでいけるはずです。駅伝男佐藤選手や、横田選手もいますし、前回の太田選手も健在と思っています。山もメンバーは分からずも、自信あり。若林選手は準備していると思われます。十分にここまでに逆転している可能性があります。
そして復路は、自慢の区間記録保持者の登場になるでしょう。中村・中倉選手、さらに岸本選手も昨年以上の状態で控えていると思います。他にも若手で、メンバーに食い込んでくる選手がいるかもしれません。
やっぱり、青学大の箱根力で対抗することは十分可能なはずです。優勝候補本命かと言われると違うと思いますが、対抗一番手はやはり青学大な気がします。
出雲・全日本では一旦前に駒大に行かれたら、行かれっぱなしでした。箱根駅伝も、駒大が万全ならその公算が高いです。待ったをかける勢いのある走りをする選手が、往路で現れるかが大事なのかな。
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