出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。
各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。
そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。
駒澤大学が目標に掲げる「学生3大駅伝三冠」に王手! 大会記録で全日本3連覇 https://t.co/9yZHofcR9f
— stg(宗太郎峠) (@soutarou_t) November 8, 2022
まずは、大学駅伝3冠についに王手!!
駒澤大学です。
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【駒澤大学】箱根駅伝2023へ向けて
田澤選手が最終学年になって、戦力充実!さらに怪物ルーキー佐藤選手も入学して、一気に優勝の士気が高まっていました。
一つ目の出雲駅伝は2区佐藤選手でトップに立ち、3区エース田澤選手にトップで中継。4区以降の向かい風をものともせず首位を快走!アンカー、復活の鈴木選手が、涙のゴール!見事な一冠目でした。
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全日本大学駅伝2022振り返り
全日本大学駅伝は、今期の2冠は勿論、3連覇がかかっていたのですよね。プレッシャーもありつつも、駒澤大が非常に得意とする大学駅伝でもありました。
オーダー発表時から、2区佐藤・7区田澤選手などが入るなど万全に近いオーダー。当日に鈴木選手が走れないことが分かりますが、3区には主将の山野選手。さらにアンカー花尾選手が入るなど、前半区間も後半区間も強い選手が配されました。
1位駒澤大学5時間6分47秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップとの差 |
1区9.5㎞ | 4位 | 円 健介④ | 27分17秒 | 4位 | 19秒差 |
2区11.1㎞ | 2位 | 佐藤圭汰① | 31分13秒 | 2位 | 1秒差 |
3区11.9㎞ | 5位 | 山野 力④ | 34分01秒 | 1位 | -38秒差 |
4区11.8㎞ | 1位 | 山川拓馬① | 33分41秒 | 1位 | -1分01秒差 |
5区12.4㎞ | 2位 | 篠原倖太朗② | 36分00秒 | 1位 | -1分38秒差 |
6区12.8㎞ | 4位 | 安原太陽③ | 37分27秒 | 1位 | -1分58秒差 |
7区17.6㎞ | 1位 | 田澤 廉④ | 49分38秒 | 1位 | -2分27秒差 |
8区19.7㎞ | 1位 | 花尾恭輔③ | 57分30秒 | 1位 | -3分21秒差 |
1区円選手…4年秋になって大覚醒した円選手。出雲駅伝もエントリーに入り、出走メンバー外で行われる出雲記録会5千mで、強風の中14分04秒をマーク。その後1万mで28分29秒と主力並みの好記録!満を持して、全日本大学駅伝1区で、初の大学駅伝を迎えました。
じわじわスピードがあがる3位集団に、しっかりついていくと、8㎞過ぎの中大の仕掛けに、真っ先に対応したのが円選手。3位争いをしながら、先頭を追いかけます。最後の切り替えで、中大に離され、後方に追いつかれたものの、もつれるような形で、4位タイで中継。トップと19秒差、最大のライバル駒大とは9秒差、好位でリレー、1区の役目を果たしました。
2区佐藤選手…出雲駅伝に引き続き、2区を任された怪物ルーキー佐藤選手。出雲駅伝のように、先頭に立つなど流れを引き寄せる役割でした。とはいえ、出雲駅伝以上にエース級のランナーが集まり、かつ初の10㎞以上のレースということで、僅かに不安要素もありました。
でした、そんな不安はすぐ吹っ飛びました。前後のランナーで集団を形成し、1.5㎞で前にいた青学大を捉えると、そこから創価葛西選手と競り合いながら加速。2.7㎞で大東大を交わして、トップタイに躍り出ると、3㎞8分14秒のハイペースで通過します。
そのまま、葛西選手と激しい鍔迫り合いを展開。徐々に後方も突き放していく。9.8㎞付近で仕掛けて単独先頭に立ったシーンは大いに盛り上がったシーンだ。最後の100mで、差し返されるも、1秒差の2位中継。区間2位ながら従来の区間記録を上回る力走!失速があった青学大との差は2分以上、他優勝候補の一角と言われたチームの多くには、差をつけて、十分すぎるほどの役割を果たしたと言えます。
3区山野選手…3区に入ったのは山野選手。4年生で駅伝経験豊富ですが、前半区間に入るのは、今回が初めて。なおかつ、1年生からタスキをもらい、1年生にタスキを渡す展開に、少しプレッシャーを感じていたそうです。
駒澤大学・山野力主将「前半組でトップに立つ」 宿舎で立てた、伊勢路圧勝への目標 https://t.co/znF0TscaTA
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それでも逃げにかかる創価大を、2㎞過ぎで捉えると、5㎞までに10秒以上の差をつけて、単独先頭に立ちます。多くの有力選手が集まっている3区、後半の余力も考えながら走ったということで区間順位は5位。ですが、2位につけた順大と38秒差をつける十分な走り!まだ主力が後半にいる中で、本命駒大が単独トップになりました。
4区山川選手…前半区間の最後、4区に初出場の1年生を投入してきました。高校時代から、IH等高いレベルで戦ってきた選手ですが、大学ではまだ目立っていませんでした。他校の有力チームは、ここが唯一の穴区間になるのでは…という一種の期待??もありました。
それが蓋を開けてみれば大激走でした。序盤から軽快な走りをして、2位順大の実力あるランナーをジリジリ引き離していきます。5㎞通過はなんと、自己ベストに並ぶ14分01秒!苦しさも感じていたそうですが、いい流れも作れたそう。
6㎞で2位との差は55秒差まで開いて、もうほとんど後方は見えなくなってきました。夏合宿はほとんどこなせて、単独走も得意と言うルーキーらしからぬ力をつけていた山川選手。最後まで快走は続き、見事区間賞獲得!あの東海石原選手の区間記録に僅か3秒に迫る高パフォーマンス!
2位浮上早大との差は1分01秒差、後方追い上げにかかる青学大も2分差以上に開いたまま。穴区間どころか、ほぼ総合優勝を確定させる走りでした!
5区篠原選手…2年篠原選手も期待が高いのですよね。昨年当時1年生で日本IC5千m表彰台、そのまま出雲1区も担当しています。その後、故障もありつつ、この全日本大学駅伝5区で、2度目の大学駅伝出走となりました。
篠原選手も軽快なリズムで走り出します。5㎞通過は14分09秒と、ほとんど区間記録と変わらないペースでした。その後も、高いレベルの走りをキープして、見事にトップ中継。区間2位だったのが悔しいですが、2位浮上の國學院大に1分38秒差。着々と首位固めをしていきます。
6区安原選手…この3区間から、駒大が自信を持って臨んでいた区間。安原・田澤・花尾選手と、昨年逆転優勝劇を演じた選手がそのままエントリー。しかも、今回は断トツトップで襷が渡ってきました。
5㎞通過は14分30秒と、比較的抑えめのペース配分。そこからペースアップが遅れて区間4位になったのを反省していましたが、堅実な走りでトップ中継。2位との差は1分58秒に広がっていました。
7区田澤選手…大エース田澤選手、最後の全日本大学駅伝は3度目の7区。前回は日本人歴代トップ、区間記録に迫る走りで、逆転トップに立ったのですよね。出雲駅伝からぐっと調子も上がり、区間記録更新…そして初の49分台を目標にしていました。
最初の1㎞は2分46秒とそこそこのペースでしたが、5㎞通過は13分57秒と前回より20秒早いタイム。そのまま9㎞25分09秒通過、終盤15㎞も42分13秒と神がかりなペースを維持していきます。
そして中継所、全力を出し切ってトップで渡すと、49分38秒の大記録達成!50分21秒の区間記録を遥かに上回る記録を樹立しました!これ、今回11.1㎞の2区で樹立された区間記録と、ペースはほとんど同じ。それで17.6㎞走り切ったので、凄まじいパフォーマンス!他校監督がいう、これが”令和の駅伝”、最先端の走りだったのでしょう!
8区花尾選手…前回、大接戦となったアンカー対決を制している花尾選手が再びアンカーへ。安定感も大変魅力の選手ですので、堅実に刻んでいく…と思いきや、1㎞2分50秒ペースで推移。7㎞19分54秒、中間点(9.85㎞)28分18秒のハイペースをキープ。
安定感が売りだったのですが、長い距離を攻めていく花尾選手は新鮮でしたね。そのまま早いペースで推していき、堂々優勝のゴールテープへ。追い風の助けもありましたが、57分30秒と日本人歴代で上位に入る好タイムをマーク!他校の追い上げも凌ぎ、見事区間賞も獲得し、3連覇に華を添えました。
#全日本大学駅伝
圧倒的な強さを見せつけた駒大
学生駅伝3冠へ王手!1区 円 健介(4年)
2区 佐藤 圭汰(1年)
3区 山野 力(4年)
4区 山川 拓馬(1年)
5区 篠原倖太朗(2年)
6区 安原 太陽(3年)
7区 田澤 廉(4年)
8区 花尾 恭輔(3年) pic.twitter.com/FM9YWXosvU— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) November 6, 2022
箱根駅伝2023へ【エース・山・選手層】
出雲・全日本駅伝制覇し、駒大として”大学駅伝初の3冠”に王手をかけました。とはいえ、箱根駅伝は別物と言います。実は駒大は、過去2冠は8回あるのですが、3冠は手にしたことがないのですよね。
大八木監督になってから、駒大は大学駅伝勝率50%をキープしていますが、それでも未達成の大学駅伝3冠が、どれだけ難しいのかが分かると思います。
とはいえ、今年の駒澤大は本当に充実しています。往路などのエース級、山候補、復路の選手層面で、今一度分析しています。
エースの強さ
エースは言うまでもないのですよね。前回エース区間2区区間賞に輝いた田澤選手が、もう一度走る可能性が高いですね(僅かに3区もありますが)。前回はほとんど単独走で66分前半。気象条件や展開次第では、十分に区間記録も見えてくるほど充実しています。ここまでいければ、前回同様2区で単独トップに立つ可能性がありますね。
前回はその流れを活かせなかった。前半からハーフマラソンを走れる選手を置けませんでしたが、今年は出てきていますね。安心なのは、4年生山野選手は3年生花尾選手が、長距離ロードに自信をつけてきていますので、彼らを並べて活かすこともできます。
これに、全日本駅伝で大活躍していたルーキー佐藤・山川選手が往路の出場争いに加わってきそうな気配です。佐藤選手は距離が大丈夫なら3区、山川選手は4区でも面白そうな感じがします。これなら、山野・花尾選手どちらかを9区に残すことも可能になります。
懸念は、前回1区で区間記録に迫る走りをした唐澤選手が、全く試合に出ていないことですかね。とはいえ、全日本1区で初駅伝となった円選手は、関東ICハーフマラソンに出場するなど、長い距離も苦としていません。このまま順調なら、勤まる可能性は充分です。
山登り・山下り
箱根駅伝で欠かせない山。特に山登りでは、2分3分逆転は充分ありえて、平地区間よりも差がついたりします。
駒大は、この2区間に関しては、比較的計算が立つチーム。山登りは、前年区間4位で走り切っている金子選手が控えているはずです。途中まで区間賞を獲得した選手に食らいついての中ですので、成績以上に強さを感じます。
これに、前回の激坂王で、金子選手を上回った4年大坪選手もいますかね。主力を回すとすると…非常にロードでいい走りを見せていた山川選手も走れたりしないかな??
山下りは、主力選手が入ると思います。全日本5区を走っている2年篠原選手。前回も実は山下りの候補の一人だったそうです。他に候補がいなければ、満を持して出走あるはず。走るとなったら、かなり強力な一手になるかも?
選手層の厚さ
間違いなく昨年よりパワーアップしていると思います。オーダー次第では、山野・花尾選手どちらかが9区に入るかもしれませんが、他の選手でも十分埋まってきます。
往路優勝前提で、出雲・全日本駅伝でトップを堅実に走っている安原選手は第一候補ですね。往路もやれるでしょうが、高い安定感は復路に残したい選手。
また、出雲アンカーで復活を遂げた鈴木選手もいます。全日本駅伝は軽い怪我があったそうですが、箱根駅伝は”絶対に間に合う”とのこと。復路のどこかで、起用出来れば、他校は非常に苦しくなるでしょう。
ここまで出てきたランナー以外で、大八木監督の評価が高いのが、3年赤星選手と2年吉本選手。全日本駅伝は、彼らが走っても、レギュラーと同等の走りをしていたということだそうです。
彼らが復路を担えるのなら、山野・花尾選手など、往路から全力投球をすることもありそうです。こうなると、勝ち筋という面は出てきますかね。
全日本3連覇の #駒澤大学 、年明けの箱根へ始動…5校目の3冠獲得へ、早くもチーム内10枠争い始まる https://t.co/8jaIq0Oll7 #箱根駅伝 #スポーツ報知 pic.twitter.com/v58828buLe
— スポーツ報知・箱根駅伝情報 (@hochi_hakone) November 7, 2022
まとめ
・花尾&山野選手に、1年生新戦力も十分戦力
・山の準備も十分、総合優勝へ勝ち筋はありか
出雲駅伝・全日本大学駅伝とも、早い段階で先頭に立ち、エース田澤選手に先頭で襷が渡る、非常に強いレースで圧勝しました。
箱根駅伝は、さらに距離が延び、山もあります。エース区間も序盤になるので、また展開が変わってくるところが気になるところです。昨年は、2区田澤選手が先頭に立つも、すぐに先頭を譲ってしまいました。
なので、田澤選手のあとがどれだけ走れるかという事になります。メンバーは昨年よりはずっと揃ってきていると思います。
山野・花尾・安原選手が力をつけ、頼もしくなっています。新戦力の円・篠原選手も早速全日本駅伝で活躍しましたし、1年佐藤・山川選手も戦力として数えられる程、対応してきています。
今は怪我していますが、唐澤選手や鈴木選手と、エース級のスピードを持っている選手がいます。山も比較的計算が立つ方です。
大事になってくるのは、田澤選手の前後の区間。1区でしっかり出雲・全日本のように上位につき、3区でしっかり流れを活かしていく。このあたりができれば、十分勝ち筋が出てくるはずです。
箱根駅伝ファンのための情報集
【箱根駅伝ファンのためのリンク集】
【【結果も!】2022年度箱根駅伝ファンのための競技会日程】
姉妹サイトより
【箱根駅伝アニメ:風が強く吹いている完走】
ウマ娘【競走馬元ネタ解説シリーズ】
コメント
駒ファンが思い描く「こうなったら良いのにな」が実現した駅伝でした。
1区初駅伝の円が有力校と秒差で繋ぎ、2区佐藤圭が距離不安をみせず前に出る、3区実力者山野で他校エース格の追撃を防いで、4区期待のルーキー山川を楽に走らせる、5区篠原は離脱前の実力を発揮して、6区安原は昨年の経験と出雲の自信を活かす、7区田澤は区間新、8区花尾はピクニックランというのが、エントリー発表後に想定した最高のシナリオでしたが現実はそれ以上でした(山川、花尾の区間賞など)。出雲もそうですが今年は理想を現実が超えてきて戸惑うばかりですが、箱根もぜひそうであって欲しい。
管理人様のまとめ見直して思いましたが、駒大と青学の対比ですと3区山野:佐藤一、5区篠原:岸本、6区安原:中村唯の3区間合計タイムが両校同タイムなんですよね。試合後に原監督が「2区と8区以外では駒大と差はなかった」と仰ってましたが、逆に言えば駒大を追いきれなかったという事。今まで青学が強かったのは圧倒的な選手層とピーキング能力で繋ぎ区間で他校を圧倒していたのに、それを許さなかったという事になります。おそらく原監督の目算では、2区白石で多少遅れても、3~6区で逆転して種に立って駒澤を引き離し、7区田澤は近藤で相殺し、8区はセーフティリードで逃げ切る、だったと思いますのでそれを許さなかったのは大いに自信になると思います。
あとは好事魔多しですから好調組のアクシデントや、鈴木芽吹などの復調が順調にいく事願うばかりです。これは他大学にも言える事で、前々回の箱根優勝は大逆転の感動もあった半面、棚ぼたの一面もあったので、今回は青学や國學院、順大など有力校とがっぷり四つに組んで勝ち切りたい。
長文失礼しました。
>パトレーゼさん
本当に、駒澤大は全区間が流れに乗って走る、本当に全チームが目標・理想とするレースを、ほぼほぼ実現して見せましたよね。鈴木選手が走らなかったですが、それをも全く感じさせないところです。2区佐藤選手と言うのは、本当に強力ですね。これが全区間穴をなくしているなと感じます。
箱根駅伝は、やはり田澤選手を序盤に起用するという事で、流れが全く変わるところはあると思っています。2区田澤選手はある程度走るとして、3区以降しっかり継続させていけるチーム状況になることが大事だと思います。