出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。
各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。
そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
一駅伝ファンとして、戦力分析をしていきます。
#全日本大学駅伝#國學院大學 が10月の出雲駅伝に続いて2位に入りました。過去最高順位だった昨年の4位を更新。#前田康弘 監督は「箱根につながる価値のある2位かなと思います」と振り返りました。https://t.co/uxRFWjHmFW
— 4years. (@4years_media) November 8, 2022
続いて、
“令和の新時代”で、出雲・全日本駅伝ともに2位!箱根初制覇の可能性はどこまで!?國學院大學です。
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【國學院大學】箱根駅伝2023へ向けて
昨年の大学駅伝は、表彰台には届かなかったものの、エース選手の活躍で、随所見せ場を作っていた國學院大。多くの主力選手が残っていた今季は、本気で駅伝制覇を狙っていました。
出雲駅伝は、3区までに流れを作ると、4区エース中西大選手の起用が的中。強い向かい風の中、大きく追い上げて、一気に2位争いに浮上。アンカー伊地知選手が2位争いを制して、総合2位ゴール。とはいえ、優勝を狙っていたチームに、笑顔はありませんでした。
出雲駅伝の詳細はこちら
全日本大学駅伝も勿論総合優勝を狙っていきました。大本命の駒大、そして前田監督の師である大八木監督を、”エベレストのような高い壁”と表現しつつも、”何とか3連覇を邪魔したい”と意気込んで臨みました。
全日本大学駅伝2022振り返り
2位國學院大學5時間10分08秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップとの差 |
1区9.5㎞ | 18位 | 島崎慎愛④ | 27分45秒 | 17位 | 47秒差 |
2区11.1㎞ | 7位 | 山本歩夢② | 31分58秒 | 7位 | 1分14秒差 |
3区11.9㎞ | 6位 | 中西大翔④ | 34分13秒 | 6位 | 1分25秒差 |
4区11.8㎞ | 4位 | 藤本 竜④ | 34分04秒 | 4位 | 1分48秒差 |
5区12.4㎞ | 1位 | 青木瑠郁① | 35分50秒 | 2位 | 1分38秒差 |
6区12.8㎞ | 6位 | 坂本健悟④ | 37分47秒 | 3位 | 1分58秒差 |
7区17.6㎞ | 4位 | 平林清澄② | 50分58秒 | 3位 | 3分18秒差 |
8区19.7㎞ | 2位 | 伊地知賢造③ | 57分33秒 | 2位 | 3分21秒差 |
1区島崎選手…1区には4年連続となる島崎選手がエントリー。出雲駅伝はエントリー漏れ、記録会出走で5千m14分40秒台だったので、ちょっと出走は厳しいかと思われましたが、間に合わせてきました。
青学大が、すぐ飛び出して第2集団となった中、3㎞で大東大の留学生が抜け出そうとするところ、食らいついていく場面が!ただ、これが動き過ぎだったか、5㎞までに吸収されると、やや出遅れとなる総合17位トップと47秒差。ちょっと厳しいスタートになりました。
2区山本選手…この流れを変えたのが2区山本選手。序盤は、すぐ前でスタートした東国大丹所選手と並走していましたが、直に振り切ると、どんどん順位を上げていきます!
6㎞手前では、落ちてきた青学大を交わして9位浮上!さらに8㎞で中大を交わして8位、8.5㎞で大東大を交わして総合7位に浮上!区間7位ながら、混戦の中追い上げムードは作ってくれました。
3区中西選手…3区スピードエース区間に、中西大選手を当日変更で投入。出雲駅伝4区区間賞で、俄然注目が集まっていました。前方30秒の差で襷を受けたため、単独走を強いられますが、
数秒後ろだった東国大東洋大あたりを突き放していき、まずは単独7位確保。ペースの上がらない明大中学大を、7.4㎞の定点までに10秒前後の差に追い上げます。
9.4㎞でついに両校を捉え、中学大を突き放して、明大と5位争いを展開します。さすがエースですね。ラストは息を吹き返した明大に競り負けるも、区間6位の走りで、一つ順位を上げて、走り終えます。
4区藤本選手…出雲駅伝5区で、大学駅伝デビューを飾った4年生の選手。今度は、前半区間の4区に抜擢されました。すぐに明大と並走になると、定点6㎞までに突き放して、単独5位に浮上します!
その後、創価大も交わして、単独4位に浮上!青学大ら他校の追い上げも凌いで総合4位で中継します。個人としても、区間4位の力走!これは思っていたより力をつけていきましたね。追い上げムードをさらに加速させました。
5区青木選手…そして大爆発したのが5区抜擢の1年生青木選手。高校時代もIHに出場するなど早かったですが、大学に入ってから成長速度が加速。6月U-20の5千mで13分59秒の好タイムで2位。出雲駅伝1区抜擢され区間7位と上々のデビューでした。
後方、20秒弱後方だった青学と創価大のエース選手が追い上げてきて、一時9秒差に迫られますが、5㎞の地点で18秒差と再度開きました。両校が5㎞14分一桁で突っ込んだとの報なので、ほぼ同じくらいのペースで走った計算です。なお、区間新記録を狙えるペースでした。
青木選手はここからさらに躍進。8㎞付近で、中継所38秒前方だった順大を捉えて3位浮上すると、9.4㎞地点で早大も捉えて、一気に2位浮上!その順位を維持して中継。区間記録は惜しくも3秒届きませんでしたが、堂々の区間賞!鮮烈な印象を残した、初の伊勢路となりました。
6区坂本選手…いいムードで迎えた6区。任されたのは、2年連続となる4年生坂本選手。秋になって初の1万m28分台を達成するなど、走力は上がってきていました。
前にいるのはトップ駒大、1分38秒差ということで、完全に単独走でした。序盤から中盤は青学大が10秒ほど後方、終盤からは順大が5秒程後方に控えますが懸命に粘ります。最後順大に交わされますが、タイム差なしの総合3位リレー。区間6位で繋ぎの役割を果たします。
7区平林選手…2年連続長距離7区のエントリーとなった平林選手。ロードの強さは折り紙付きです。前回はシード権より外からの追い上げでしたが、今回は上位で他校のエースと真っ向勝負の位置でした。
すぐに順大と並走になりますが、2㎞過ぎ格上の青学大の選手が追いついてきて一気にペースが上がります。5㎞過ぎに、この集団につかず、単独4位に後退します。
結果的に、ナイス判断となりました。ついていった順大が、中盤にペースダウン。目視10㎞付近で交わして単独3位浮上。最終的に50分58秒の好タイムの区間4位の走りでリレー。表彰台キープしました。最も平林選手の視線は、1分以上ちぎられた駒大・青学の選手ですが…
8区伊地知選手…3年生して、最長距離区間は伊地知選手と、不動の位置を確立していますね。前回の区間賞で、一気に全国区の名前になりましたね。
1分近く前の青学大を少しずつ追っていくと、渡会橋で30秒を切ってきます。その先の上り坂で一気に勝負をかけ、15㎞で一気に捉えて2位浮上!
最後は、全く見えない駒大の選手を、懸命に追い上げる形で区間賞と3秒差の区間2位。57分33秒と日本人歴代の上位の記録でした。國學院大として、全日本駅伝2位は過去最高!また、序盤遅れての2位ということで、今回は笑顔も見られましたね。
箱根駅伝2023へ【エース・山・選手層】
これで、出雲駅伝・全日本駅伝連続して2位。特に全日本大学駅伝は、大会記録を大幅更新するような高速レースの中で、2位に入ってきたところ、かなりチーム力がついていると言えます。
今年度初期から、大学駅伝優勝を狙うと公言していたところの、この成績です。高いレベルでの有言実行ということになります。
エース選手が強いですし、箱根駅伝も優勝候補の一角になります。やはり表彰台に来るか、それともついに頂きを獲り切る力があるのか、もう一度戦力分析をしていきます。
エースの強さ
往路は、相当強いはずですよ。前回2区3区4区で好走している伊地知・山本・中西選手が、パワーアップしてきています。伊地知選手は繋ぎの2区から、攻めていく2区にできそうな気配が出てきています。
山本選手は当時1年生ながら、3区61分59秒の区間5位の好走で大きく順位を上げています。その後ハーフマラソンの好走にも繋げています。3区に滅法強いランナーです。
中西大選手は2度4区出走し、区間3位と区間4位。アップダウンが続く区間に適性があるのだろうと思っています。今年は今まで以上に調子がいいので、区間賞ということも十分ありえます。
1区に関しては、島崎選手がいますが、ここにきて出雲駅伝1区出走の青木選手も充分候補になりえます。全日本5区あれだけの走りが出来れば、箱根1区どのような展開になっても、対応できると思います。
順調なら、往路はかなり上位で流れていけそうな気がします。
山登り・山下り
山に関しは、現状はちょっと分からないですかね。山登りは2年連続務めた選手が卒業、山下りは前任者原選手がいますが、区間17位の成績。春に5千mベストを出すなど走力は上げていますが、そのままくるかどうか??
山登りは、伊地知・中西大選手など、タフな区間に強い主力選手がいますが、往路平地区間で威力を発揮できる選手なので避けたい。
個人的な意見として、4年藤本選手を推したい。出雲5区・全日本4区と比較的アップダウンがある区間で好走しています。夏前に1万m28分台に到達しているのもポイントです。
山下りは、1区候補の島崎選手が2年ぶり登板というのもありえなくはないです。全日本駅伝でひとまず復活、あと2ヵ月で仕上げ間に合うとみてますがどうでしょうか。
総合優勝を狙うなら、58分台が最低限のラインになっています。一番狙えそうなランナーというと、かなり限られてくるでしょう。今後の動向に注目ですね。
選手層の厚さ
復路に関しては、現時点では今年も平林選手を、復路に回す余裕がありそうな気がします。前回9区区間2位と新人離れした成績を残していました。
平林選手の軽快な走り、暑さなどタフな条件で+αが出るところといい、9区というのが合っていると思います。勿論、往路でもやる力ありますが、できれば9区、優勝に向けて最後の一手として残したい。天候によっては67分台、そして区間記録も視野に入るはずです。
選手層は、エース選手とそれ以外の選手で少し差があるかなぁと思ってきましたが、ここにきてかなり高いレベルで争られることになってきそうです。2年連続全日本6区の坂本選手は候補になってきますし、
前田監督の話によれば、1年生上原選手も非常に好調だったそう。全日本メンバーとそん色なかったとか。同じく嘉数選手もまずまず順調に走れているという事なので、ルーキーが一気に引き上げているそうです。
このほかにも関東ICハーフで力走している2年鶴選手や、4年川崎選手など最後の箱根を虎視眈々と狙っている大学生も控えています。山の人選次第では、藤本・青木選手らも回すこともできるかもしれません。
こうみると、主要区間で攻めつつ、10区間手堅く組むことも可能なのかなと思います。
まとめ
・藤本選手ら4年、青木選手ら1年生が総合力を底上げ
・あとは山の人選次第で、表彰台以上も
出雲・全日本連続で2位になるだけあって、やはり戦力は整っていますよね。前回も往路4位になっていますが、その時の2区伊地知選手、3区山本選手、4区中西選手が、そのまま残っているのは、非常に心強いですね。
これに平林・青木選手も、います。表彰台を争ううえでは、かなり優位に立てそうな気がします。彼らで、往路区間はほぼ全て攻める区間となっていくのだと思います。
夏前では、他の選手に少し差がありましたが、4年生藤本選手が前哨戦手堅く区間上位に入り、戦力として目途が立っています。坂本選手も堅実です。さらに上原・嘉数選手ら1年生もかなり走れているようです。箱根駅伝でデビューでも、十分楽しみなランナーです。
現時点での情報では、山がちょっと分からないですかね。山登りは前任者が卒業していますし、山下りは前回区間下位ですので、再考しているかもしれません。この区間を区間上位で走れる選手がいれば、10区間すべて埋まってくるかもしれません。
ここからの仕上げ次第で、悲願達成に近づいていけるかもしれません。
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