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2021.2.28結果詳細【第76回(ラスト!)びわ湖毎日マラソンについて】

 エリートの部は今年がラスト(一般市民大会としては残るそうですが)、来年からは大阪マラソンと統合されることとなったびわ湖毎日マラソン。

 寂しいですが、コロナ禍でそのほかの主要マラソンが中止や延期になった中、エリートランナーがびわ湖毎日マラソンに集結しました。その最後を祝うかのように、曇り空・湖からの風もないというランナー日和の気象条件となった中、とんでもない高記録ラッシュとなりました。

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【詳細に】第76回(ラスト!)びわ湖毎日マラソン

公式サイト

全結果

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上位50名結果について

1位鈴木健吾・富士通 2時間4分56秒(★★日本新記録★★)
2位土方英和・Honda2時間6分26秒
3位細谷恭平・黒崎播磨2時間6分35秒
4位井上大仁・三菱重工2時間6分47秒
5位小椋裕介・ヤクルト2時間6分51秒
6位大六野秀畝・旭化成2時間7分12秒
7位サイモンカリウキ・戸上電機2時間7分18秒
8位菊地賢人・コニカミノルタ2時間7分20秒
9位聞谷賢人・トヨタ紡織2時間7分26秒
10位川内優輝・AD損保2時間7分27秒 (8年ぶり自己ベスト)

11位村本一樹・住友電工2時間7分36秒
12位青木 優・カネボウ2時間7分40秒
13位市山 翼・小森コーポレーション2時間7分41秒
14位作田将希・JR東日本2時間7分42秒 (日本人初マラソン歴代1位)
15位足羽純実・Honda2時間7分54秒 (日本人初マラソン2位)
16位下田裕太・GMO2時間8分00秒
17位高久 龍・ヤクルト2時間8分05秒
18位山下一貴・三菱重工2時間8分10秒 (日本人初マラソン3位)
19位其田健也・JR東日本2時間8分11秒
20位内田健太・埼玉医科大G2時間8分12秒

21位土井大輔・黒崎播磨2時間8分13秒
22位大津顕杜・トヨタ自動車九州2時間8分15秒
23位細森大輔・YKK2時間8分28秒
24位藤曲寛人・トヨタ自動車九州2時間8分30秒
25位坪内淳一・黒崎播磨2時間8分35秒
26位小山裕太・トーエネック2時間8分46秒
27位林 奎介・GMO2時間8分52秒
28位久保和馬・西鉄2時間8分53秒
29位松村優樹・Honda2時間9分01秒
30位清谷 匠・中国電力2時間9分13秒

31位谷原先嘉・大阪府警2時間9分15秒
32位岡本直己・中国電力2時間9分25秒
33位セルオド バトオチル・NTN2時間9分26秒
34位片西 景・JR東日本2時間9分27秒 
35位野口拓也・コニカミノルタ2時間9分28秒
36位奥野翔弥・トヨタ自動車九州2時間9分30秒
37位高宮祐樹・ヤクルト2時間9分30秒
38位中村高洋・京セラ鹿児島2時間9分40秒
39位藤本 拓・トヨタ自動車2時間9分42秒
40位橋本隆光・小森コーポレーション2時間9分43秒

41位辻野恭哉・NTN2時間9分48秒
42位北島寿典・安川電機2時間9分54秒、以上サブテン
43位田中佳祐・富士通2時間10分07秒
44位鈴木洋平・愛三工業2時間10分11秒
45位兼実省伍・中国電力2時間10分17秒
46位富安 央・ラフィネ2時間10分29秒
47位小森稜太・NTN2時間10分33秒
48位松井智靖・中国電力2時間10分43秒
49位中村祐紀・住友電工2時間10分47秒
50位早川 翼・トヨタ自動車2時間10分49秒

優勝・上位者詳細

驚異の日本新記録!富士通・鈴木健吾選手

 超高速決戦、最たるトップに君臨したのが、富士通鈴木健吾選手!なんと2時間4分56秒と、日本人初となる4分台での日本新記録!大迫選手が昨年の東京マラソンで出した2時間5分29秒が、こうもあっさり短縮されるのは本当にすごいですし、衝撃ですよね。

 気象条件以外にも恵まれていました。コロナ禍で海外招待選手が呼べない中、日本記録更新向けにペース設定。1㎞2分58秒で5㎞14分50秒ペースで刻んでいきました。

 25㎞でPMが外れても、三菱重工の井上選手が飛び出して追いかける展開。吸収された後は、戸上電機製作所のカリウキ選手が引っ張り続けていました。彼は影のMVPといってもいいでしょう。

 その後の36㎞地点、ずっと後方に待機して、脚を残していた鈴木選手の脚力が爆発します。36㎞地点の給水を取り損ねていたのですが、他の選手が給水を取っている間にスパート!ここの勝負勘は天性のものでしょうかね。

 その後のラップが驚異的!ラスト5㎞は2分53秒-2分52秒-2分51秒-2分59秒-2分51秒と14分24秒のペースは、ラスト5㎞が一番早い…実況者も絶句する驚異的なスピードでした。

 宇和島東高の高校2年生までは全国的には無名でしたが、神奈川大の大後監督に早くから適性を見出されていたのは有名な話、神大時代は3年時に箱根駅伝エース区間2区区間賞、4年時に全日本大学駅伝でアンカーで優勝のゴールテープを切っています。

 在学時代に、一度フルマラソンに挑戦し、2時間10分21秒を記録し、マラソンも早くから非凡なものを見せています。ただ、しばらく故障も続きました。MGCは7位とまずまずの成績でしたが、35㎞以降の失速が続いていました。

 元々かなり走りこめるタフな身体でしたが、それに加えウェイトトレーニングなども行いました。結果、怪我が少なくなり、スピードも増したそうです。

 にしても自己ベストを5分以上更新してに日本新記録は衝撃でした。本人は「まだまだ」と謙虚に受け止めつつ、「2分台3分台が見えた」「色んなレースを経験したい」と意欲的。鈴木選手の今後に期待です。

2位Honda土方選手と3位黒崎播磨細谷選手!

 2位にはマラソン2度目のHonda土方選手!彼も國學院大時代からロードへの適性が抜群にあり、上級生の頃には箱根駅伝でエース区間2年連続67分台の好走、出雲駅伝では優勝のゴールテープを切っています。

 在学中にマラソンに挑戦し、初挑戦でサブテンを達成していました。昨年4月より実業団へ、一時苦しんでいた時期もありましたが、大幅に強くなって復活しました!35㎞まで日本記録ペースで進んだうえで2時間6分台!大きく自信がついたのではないでしょうか。

 3位の黒崎播磨の細谷選手は、後ろの1㎞3分00秒ペースの集団に付いた中で最上位の選手です。中央学院大時代に、箱根駅伝で山登り5区で好走、平地でも渋い走りをしていました。

 ですが実業団では、平地でのスピード持久力は大幅にアップ。ニューイヤー駅伝では、エース区間4区で区間上位!2度目のマラソンで一気に2時間6分台と才能を開花させましたね。この人の軽快な走りも今後侮れなくなります。

8年ぶりベスト川内選手ら4位~10位の選手!

 4位以下も続々とゴールしてきましたね。4位は注目選手の一人だった三菱重工の井上選手!レベルが上がってきていますが、2度目の6分台はやはりこれまで引っ張って来た一人です。ところで、彼が走ったレースで3度も日本記録更新なのは何の縁やら…(^^; いつか、井上選手本人の日本記録更新が見たいです。

 5位はヤクルトの小椋選手。昨年2月丸亀ハーフで、ハーフマラソンの日本記録保持者となってましたが、マラソンでもついに6分台まで上がってきました。毎年確実にレベルアップしていますし、また次回が楽しみになります。

 6位には、マラソン苦戦が続いていた旭化成から大六野選手が、今後の光となる2時間7分12秒。この直後には、村山紘選手のGMOへの電撃移籍も発表されました。現、旭化成の選手の今後に注目。7位は36㎞まで先頭集団を引っ張り、日本記録へ大きくアシストをした戸上電機カリウキ選手が見事にゴール。次こそ、自分の記録に専念出来れば。

 8位はコニカミノルタ菊地選手!ハーフで60分台を一時連続して出していましたが、ついにマラソンで2時間7分前半まで来ました。チームとしての低迷が気になっていましたが、エースは強いです。9位は何気にマラソン非常に強いトヨタ紡織聞谷選手。彼も今後注目。

 そして10位川内選手2時間7分27秒、久々の大幅ベストは感慨深い!悪条件下での魂の好走は何度も見てきていましたが、34歳間近でベストは嬉しい。高速レースは中々対応できず、プロ宣言以降はサブテンもできず、走力低下も囁かれてきていました。

 その中で、大阪国際女子マラソンでペースメーカーを務めたのは一つ練習見直す転機になったそう。奥さんや弟が厚底シューズで好走していて、起用に踏み切ったこと。料理で栄養も調整してもらったのは功を奏したでしょうか。また上のタイムに意欲が出たのは何よりです。

初マラソンとベテラン勢!

 いやはや10位台・20位台も2時間7分台8分台がわんさか。住友電工のベテラン村本選手に、カネボウ青木選手も堅実。昨年東京マラソン好走下田・高久選手らの名前もありますね。

 そして、初マラソン日本人歴代トップがついに更新されたというのが大きなニュースですね。2002年藤原正和さんが記録した2時間8分12秒を上回った選手が3名、あと1秒が1名…。

 JR東日本作田将選手が2時間7分42秒で歴代トップ!JR東日本といえば順大卒の作田直選手がいますが、こちらは今年話題の創価大卒の作田将選手!大学時代は3障や箱根山下りなどスピードランナーのイメージだったので、この転身はびっくり!これはまた話題になっていきそう。

 続いて、ゴールしたHonda足羽選手が歴代2位となる2時間7分54秒。彼も実業団に入ってぐっと伸びましたね。三菱重工の山下選手が歴代3位、黒崎播磨の土井選手が歴代5位にあたります。西鉄の久保選手も初マラソンだそうですね。チームが苦しい中、頑張りました。

 NY駅伝初出場ながら中位で健闘した埼玉医科大Gから内田選手が2時間8分12秒、昨年の途中までそのチームだった小森コーポの市山選手が2時間7分41秒好記録…。まだまだ触れるべき選手、記録がたくさんありますが、伝えきれない程です。

 また、ベテラン勢の意地のサブテンが目立ちますね。32位中国電力岡本選手、33位NTNバトオチル、38位京セラ鹿児島中村選手見事!リオ五輪代表の安川電機北島選手2時間9分54秒の42位までがサブテン…圧巻のレースでしたね。

 コニカ野口選手やトヨタ藤本選手ら以前の有力選手がサブテンでも埋もれてしまうほどの記録ラッシュでした。男子マラソン大いに流れが来ています。

主な引退レースとなった選手

早川 翼・トヨタ自動車2時間10分49秒
佐藤 歩・長崎重工2時間10分56秒
深津卓也・旭化成2時間12分23秒
高井和治・九電工2時間13分32秒
中本健太郎・安川電機※2012年日本人2位でロンドン五輪へ

 そして、このびわ湖毎日マラソンを最後に引退をする選手もいますね。その中ではトヨタ自動車の早川選手が若いなぁという…。自己ベストを更新しながら引退というのも一つ手なのでしょうか。

 旭化成の深津選手は、昨年の別府大分マラソンでも引退と言われましたが、プレイングコーチでもう1年頑張りました。

 また、九電工の高井選手は、昨年になってから初めてフルマラソンに挑戦。そして今回大幅ベストの記録。持ち前のスピードはまだまだ健在の中、寂しいです。

 そして…ここで触れるべきかどうかはともかく、2012年のこの大会でロンドン五輪を決め、さらに6位入賞を果たした安川電機の大ベテラン中本選手がひっそりと引退…。

 今期の駅伝はNY駅伝エース区間4区でまだまだ通用する走りを披露!またマラソンを走る姿が見れるとばかり思っていましたが…。今後はコーチとなって、また日本の実業団やマラソン界を支えていくそうですね。

大学生主な結果と詳細

河村 悠・亜大③/2時間13分11秒
水野優希・麗澤大④/2時間13分35秒
畝 歩夢・中央学大④/2時間15分07秒

雲井崚太・城西大④/2時間15分44秒
平山寛人・皇學館大④/2時間16分07秒
濱田祐知・日本大②/2時間16分41秒
河合陽平・早稲田大③/2時間16分49秒
花井秀輔・皇學館大②/2時間17分04秒
河原洋太・広島経済大/2時間17分50秒
宮城 響・皇学館大④/2時間18分40秒
野口英希・東洋大④/2時間19分07秒
上村直也・皇學館大④/2時間19分55秒

田中龍之介・関東学大③/2時間20分35秒
森田雄貴・東京理科大/2時間20分50秒
池田悠司・松本大/2時間20分56秒
北村尭之・学習院大④/2時間21分48秒
荒幡寛人・東京理科大/2時間22分03秒
古謝将大・日本体育大④/2時間22分51秒
國司寛人・名古屋大/2時間23分20秒
小西竜矢・東京経済大/2時間23分59秒
松元 響・麗澤大②/2時間24分02秒
井上昂明・順天堂大④/2時間24分17秒
千田悠人・亜細亜大/2時間25分32秒
坪井響己・信州大/2時間25分51秒

石澤由祐・高崎経大④/2時間28分11秒
佐々木達平・関西学大④/2時間28分21秒
河野脩司・兵庫県立大/2時間28分45秒
重岡慶彦・同志社大/2時間29分13秒
貴田勇斗・城西大④/2時間29分24秒
大野裕貴・麗澤大/2時間29分31秒
塩田 匠・東工大院/2時間31分53秒
辻川 諒・九州大院M1/2時間32分12秒
武野内恵介・芝浦工大/2時間32分15秒
中川侑斗・亜細亜大④/2時間33分08秒
菊地駿弥・城西大④/2時間33分28秒
久我浩正・徳島大/2時間38分33秒

PMチャールズ カマウ・武蔵野学大②/30㎞1時間30分02秒
DNF
廣田海心・麗澤大③/35㎞1時間56分09秒
北村友也・順天堂大④/ハーフ64分52秒、30㎞1時間43分04秒
疋田和直・日本大③/30㎞1時間44分27秒
野上亮祐・城西大④/30㎞1時間46分32秒
山形祥貴・芝浦工大④/30㎞1時間47分57秒
矢野直幹・順天堂大④/25㎞1時間25分04秒
竹林宏斗・城西大④/ハーフ63分19秒
ルベル斗磨・城西大④/15㎞52分00秒

 学生は今回は上位には来ませんでしたが、例年以上に多く参加していましたね。1万m28分台を出していて、今年の箱根駅伝関東学生連合でエース区間2区出走していた亜大河村選手が学生トップの2時間13分11秒。1年時からハーフマラソンに対応していましたが、長距離はいいですね。

 2番目に麗澤大は毎年箱根予選に出場していた水野選手が2時間13分35秒でまずまず。そして中央学院大の畝選手が、大学が箱根出場する前から残っていた大学記録を、ついに更新する2時間15分07秒!長い距離に強いところを見せてくれましたね。

 この他にも箱根復路出走していた城西大雲井選手や東洋大野口選手もまずまず、早大は昨年末の漢祭りを制した河合選手がスタミナのあるところを見せました。

 また、大学2年生の出走も目立ち、日大濱田選手や皇学館大の花井選手が出走。もう2時間20分切れるのは本人も自信になるかな?皇学館大が本気で出走していて、全日本駅伝で地区枠に貢献した平山・上村選手だけでなく、出場機会のなかった宮城選手も2時間18分台。こういう選手の頑張りも嬉しいですね。

 2時間20分台以降でも本当に多くの大学の選手の名前がありますね。城西大の4年生の選手が非常に多く出走していますね。雲井選手以外にも、エントリーしていた貴田選手や、エースの菊池選手の名前もあります。麗澤大や順天堂大の選手の名前も結構あります。

 最後にカマウ選手にも触れないとですね。11月記録会で話題になった武蔵野学院大カマウ選手が、第2集団のペースメーカーに。これがまた非常に素晴らしいペースメイクでした。30㎞1時間30分02秒でしっかり走り切っています。