そろそろ箱根駅伝2021の余韻が冷めつつありますかね。
レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。
続いて、遊行寺坂の難所で大きくレースが動く8区!
他の区間
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トップを逃げる創価大は3年生永井選手を投入。前回の箱根駅伝では出番がなかったが、箱根予選で酷暑の中好走。ロードで期待できる選手だ。2位で追う駒大もトラックよりロードの3年佃選手を投入。主力の4年伊東選手からのエントリー変更は驚いた。ここで差がどうなるか読みにくいところがありました。
他上位陣を見ると4年生が多い。東洋野口・東国熊谷選手は初出場の4年生、青学岩見・帝京鳥飼選手が連続出場の経験者だ。また3位東海濵地選手は今季1万m28分55秒を出すなど勢いある2年、順大西澤選手も2年だが彼は2年連続8区。國學伊地知選手は全日本駅伝に続いて登場するルーキーだ。
シード権争いでは10位早大千明選手は故障明けながら実力者、11位神大安田選手は3年連続8区。さらにかなり後方ではありますが、全日本6区2位好走で話題になった明大大保選手や、中大のスピードランナー三浦選手がどのくらい迫ってくるか、このあたりの攻防もみどころでした。
平塚中継所
茅ヶ崎6.7㎞
遊行寺坂15.6㎞(定点間8.9㎞)
影取18.4㎞(定点間2.8㎞)
戸塚中継所21.4㎞(定点間3.0㎞)
合計4定点間です。
茅ヶ崎6.7㎞
参考:95回3位小松(東海)20分02秒
創価大永井選手がトップを行く。1㎞ほぼ3分のイーブンペースで刻んで最初の定点を通過。20分11秒は区間11位相当ですが、まずは手堅く入った印象です。追う駒大佃選手は1㎞3分を切っていたとの報道の通り、19分54秒の入り。17秒詰めてきました。序盤は追う方が詰まるものなのでここからが大事だ。
なお、19分54秒は、区間記録の20分02秒の入りよりも早いが、序盤は全体的に入りが速い。区間7位の選手までが区間記録を切るペースで推移しています。とはいえ、区間記録が出た時は、遊行寺の坂手前までイーブンペースで選手の背後に付く事ができたもの。簡単ではない区間記録ですが、上回れる選手が出るか注目だった。
上位で早いのは2年連続で8区起用となった青学岩見選手で19分39秒の2番目の通過。序盤で順大西澤選手を捉えると、中継所で45秒先に出ていた東国熊谷選手を早くも捉え総合5位に浮上。一気にまた青学大が上がって来ました。
またシード権上の総合9位につけている帝京鳥飼選手は、19分45秒の3番目のペース。後方の10位早大千明・11位神大安田選手を突き放し、8位國學伊地知選手の背後に迫っていく。
シード権の後方がもっと早く、明大大保選手が19分45秒3番目対タイ、その後ろ中大三浦選手が突っ込んで19分38秒は一番早いタイムだ。中継所で見た目で1分以上先に出ていた城西新井選手を早くも突き放している。三浦選手はおそらく万全ではなかったと思われますが、突っ込んだのは公約通りとのこと。明大にも20秒差、ここからさらに追っていけるのか気になった。
また15番争いとなっている日体大内・拓大江口選手も区間記録より早い入り。残り距離からして、徐々にシード権獲得の可能性が薄くなっていくところ、2人で競り合って前を追っていこうという姿勢が見れませすね。
茅ヶ崎6.7㎞
遊行寺坂15.6㎞(8.9㎞)
参考:95回1位小松(東海)26分27秒<2>46分26秒
ちょうど遊行寺坂を登り始める所で定点で9.1㎞とかなり距離が長い。単独走も徐々に多くなっていく中、ペースを維持するのが難しいところ。一番早いタイムで駆け抜けたのは、最終的に区間賞を獲得する明大大保選手。
この定点間だけでも26分26秒で区間記録より1秒早い、通算でも15秒も早い46分11秒で通過しています。後方ペースが落ち着いた中大三浦選手は53秒まで突き放し、シード権10位との差はまだまだ遠いものの、1分09秒差まで詰めました。遊行寺坂が勝負とはいえ、ちょっと勢いづいてきましたかね?
そのシード権争いは、10位早大千明選手が少しずつペースを上げてきて定点間8番通過。後方、臙脂のユニフォームが見えている11位神大安田選手が頑張って定点間5番目。12秒差まで追い上げて、懸命に食い下がろうというところ。このあたりはドキドキの展開でした。
上位争いも緊迫した展開が続きます。トップ創価大永井選手が1㎞3分ほどのイーブンペースをキープしていますが、後方の強豪校の繋ぎ区間はやはり強い。2位駒大佃選手は定点間3番目。ここで1分24秒差に迫ってきます。
また3位表彰台争いが盛り上がってきて、東洋野口選手が定点間2番目の快走で、東海濱地選手を捉えて3位へ浮上!前回途切れた総合3位以内の記録、ここで再浮上です。
遊行寺坂15.6㎞
影取18.4㎞(2.8㎞)
参考:95回1位小松(東海)8分25秒<1>54分54秒
遊行寺の急坂以降もだらだらと上っていくのですよね。苦しくなっていくところから上っていくので余計しんどい。区間記録の小松選手はここを駆け上がっているのですよね。ここまで区間トップの大保選手の貯金も4秒に減ってきています。
さてトップ争いはやはり駒大がじりじり迫ってくる展開。一気には詰まってはいませんが1分19秒差になってきます。残り3㎞で1分まで詰まれば、前が見える状況でタスキを渡せることになります。
3位に上がった東洋野口選手はさらに勢いを増して、この定点間トップ!こののぼりで苦しくなった東海濱地選手は、もう肉眼では確認が難しくなるくらいの差に。
シード権争い上も動きがあり、8位國學伊地知選手が脚を残していて、9位帝京鳥飼選手から懸命に逃げています。全日本駅伝では帝京大に抜かれていたのですが、この奮闘はナイス。前方、東国熊谷選手が徐々に見えてきていて、上にいくチャンスも出てきました。
また10位争いは急に決着。早大千明選手がこの定点間3位と奮闘。序盤は腹痛でペースが上がらなかったそうですが、無理しなかったことで脚が残っていました。神大安田選手が痙攣を起こしてしまい一気に失速。10位との差は一気に39秒差に。後方明大大保選手も迫ってきて、ここも混とんとしそうだ。
後方は、序盤突っ込んだ拓大江口・日体大内選手が息切れ。大内選手が特に厳しくなんと定点間最下位に。後方の農大高槻、国士清水、法大糟谷選手らがこのあたりは健闘。また見た目で差が詰まってきそう。ただ、山学篠原選手が低調で零れ落ちてしまったのも、結果的に留意しなければならなかったですかね…。
影取18.4㎞
戸塚中継所21.4㎞
参考:95回1位小松(東海)8分55秒<1>63分49秒
トップ争いは創価大永井選手が最後までしっかりとペースを刻みましたね。区間8位ですが65分10秒の好タイム。今年は例年以上に主力級のランナーが多かったですし健闘しました。最後は1分29秒と少し押し戻しています。
駒大佃選手は追う立場、上りの前でちょっと力を使ったかもしれませんね。それでも5区山登りの準備をしながら、平地でもここまで走れるとは…。当時の1万m持ちタイムは30分台。ここも駒大ファンとしては嬉しい誤算でした。
3位は最初で最後の箱根路東洋野口選手が64分15秒の区間2位快走で飛び込んできました。16人目ギリギリで滑り込んでからの逆転出場でこの走り。素晴らしい走りでしたね。4位東海濱地選手は後半失速。15㎞以降で1分半ついたのは、ちょっと厳しい走りでした。
5位は青学岩見選手が区間3位64分29秒の力走で飛び込んできました。序盤順位変動があったあとは単独走ですが、ここはさすが4年生の力。気づけば4位東海大が26秒前に見えています。2年連続8区だった6位順大西澤選手は最後に好走。好調ではなかったように思いますが、まとめたところは経験者らしいですね。
この後ろから点々とランナーがやってきました。7位東国熊谷選手はじりじり後ろに追いつかれていましたが、最後の3㎞は定点間9番目で7位キープ。8位は國學伊地知選手が頑張って区間9位好走。復路いい流れでシード権内キープです。
9位争いがびっくり!帝京鳥飼選手に、早大千明選手が猛然と追い上げてきて並びかけてタスキリレー。なんとラスト3㎞で25秒を追い詰めた。鳥飼選手が伸び悩んだのもありますが、千明選手が最後の定点間トップのタイム!故障明けですが、苦にしないという上り以降急浮上、スピードランナーらしさも見せました。
気になる11位争いは、ペースを上げきれない神大安田選手に、明大大保選手が2秒差にまで追い上げる力走。最終的に63分59秒と区間記録は逃すも、歴代2位の好タイムで区間賞。シード権との差も1分08秒。残り46㎞強で逆転の望みが出るナイスな走りでした。
後方は、1分半ほど離れて13番目中大三浦選手。序盤突っ込み、中盤息切れしたものの区間7位でまとめています。往路19位でしたがいつのまにか総合14位に浮上。しかも見た目14番目の総合13位の城西大とは2秒差となった。
その城西大を挟んで、拓大江口・日体大内選手が総合15位・16位で通過。その後ろの争いが激しい。国士清水選手と連合の農大高槻選手が並んで通過。清水選手はラスト定点間は8番。全体区間17位なのがちょっと惜しまれるところか。法大糟谷選手も終始安定した走りで前が見える19番目で通過。
ここで見た目14分13秒差。その後ろが離れてしまいました。山学篠原選手が、高速化が進む中68分近くかかってしまい。見た目16分08秒差へ。続いてやってきた専大ルーキー水谷選手が17分26秒差。ここは否が応でも、最終鶴見中継所での繰り上げの危険が高まってしまいました。
・創価永井VS駒大佃、力を出し切り1分29秒差へ
・最初で最後東洋野口選手が区間2位好走で総合3位へ
・青学岩見選手区間3位力走で総合5位浮上へ
・早大千明選手が終盤上昇、11位との差を開ける
・明大大保選手63分台区間賞でシード権へワンチャン
1位と2位の差は終始1分以上、見えない位置で創価大と駒大の攻防がそれぞれありましたね。区間タイム上は駒大佃選手が上回りましたが、ラスト3㎞で創価永井選手が突き放し、流れは引き渡さなかった印象です。
後方ではハイレベルな区間賞争いが繰り広げられていました。東洋野口選手が、最初で際の大学駅伝登場で区間2位力走。総合3位の座を再び奪い返しました。
3度目の箱根路となった青学大岩見選手も64分前半のタイムで、総合5位浮上。青学大も着々と順位を上げてきています。順大・國學院大らもまだシード権に向けて予断が許さない中、うまくまとめています。
シード権争い渦中の大学としては、早大千明選手が後半うまくペースアップ。苦しいのぼりで、後方神大との争いに蹴りをつけました。
その後ろからやってきた明大大保選手が史上2人目の63分台の激走で追い上げて、大逆転シード権に向けてワンチャン。ついにシードボーダー校にとって脅威の存在に。
少し差があいてから13番目から19番目のチームまではある程度競っている展開、ただ20番目21番目は繰り上げスタートが心配になるタイム差に開きました。
まだ多くの争いに決着が見えていない中、復路のエース区間9区にレースは移ります。