そろそろ箱根駅伝2021の余韻が冷めつつありますかね。
レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。
続いて、ラストラン創価石津選手の快走!優勝争い決着か!?9区です。
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トップを逃げる創価大は、ここで9区経験者の石津選手を投入。1万m持ちタイムは目立たずも、前回区間6位の経験がありロードに強い。1分29秒差で追う、駒大は勢いのある2年山野選手で追いかけていく。どちらに分があるか、非常に注目だった。
3位東洋大は、前回9区の大澤選手が入らず、エントリー通り4年小田選手のまま。これをロード実績のある東海長田・青学飯田選手が追いかける展開に。表彰台の争いもまだ分からない。
まだ混とんのシード権争いは10位早大、12位明大が小指・富田選手とスピードのある2年生を投入。早大小指選手は12月頭に日本選手権5000mに出場した選手でやや意外な起用だがどうか。東国加藤・國學高嶌選手ら4年生のロードランナーが懸命に逃げる。
下位では、総合16位日体野上選手が2年連続9区起用。前回、眼前の繰り上げスタートにあったが、果たしてどこまで成長を遂げているか。その繰り上げが心配なタイム差の山学・専大は、それぞれ遠藤・辻選手と4年生に託す形。それぞれの争いが気になる展開だ。
戸塚中継所0.0㎞
権太坂7.8㎞
横浜駅前14.5㎞(定点間6.7㎞)
生麦20.2㎞(定点間5.7㎞)
鶴見中継所23.1㎞(定点間2.9㎞)
以上の4定点間になります。
戸塚中継所0.0㎞
権太坂7.8㎞
参考:84回篠藤(中学)22分30秒
創価大石津選手が物凄い突込みを見せました。見た目のフォームでもかなり力感があるなぁと思っていましたが、タイムも早かった。権太坂定点22分17秒の通過は、区間記録の22分30秒よりも13秒も早い通過だ。後方駒大山野選手もまずまずの入りも、2分05秒差と一気に開きました。石津選手の実力か無謀な突込みなのか、このあたりは凄くざわついていたのを覚えています。
続いて早いのが5位スタートの青学飯田選手。今年は山登り5区ではなく9区に回りましたが、彼もロードは非常に強い。4位スタートの東海長田選手に一気に追いつき併走状態へ。後方、順大鈴木選手もまずまずの入り。箱根予選走っていない選手ですが、復路エース区間9区へ。順大も層が厚いです。
シード権争いは、早大小指・帝京橋本選手が、國學高嶌選手を捉え、3人による8位集団へ。後方、明大富田選手が突っ込んで入り定点間3番目のタイム。シードラインとは46秒の差。3人の背中が見える位置に入って来た。明大とほぼ同時スタートだった神大高橋選手は、既に1分離されわき腹を抑える仕草もあり、ちょっと苦しいか。
後方では、見た目13番の中大手島選手が定点間4番目と早い入り。総合でも13位に浮上してきた。日体野上選手もまずまずの7番目、山学遠藤選手も中位程、このあたりもまだまだ変動がありそうな状況でした。
権太坂7.8㎞
横浜駅前14.5㎞(定点間6.7㎞)
参考:84回篠藤(中学)19分52秒<42分22秒>
創価大石津選手はこの定点間はほぼ区間記録の19分52秒のタイムに近いタイムで推移。区間記録に対して11秒の貯金を保持しています。また、駒大山野選手がこの定点間は石津選手とほぼ同じタイム。どうやらここは、差が開いているとの報を受けてペースアップしていたのではと思われます。
3位東洋小田選手はイーブンペースをキープ、4位青学飯田5区長田選手は定点間4番とお互い譲らず。実力者同士で牽制していない様子がうかがわれます。なお、飯田選手は、故障で走れなかった主将神林選手から給水を受けていましたね。一番長く映るからという原監督の配慮で決めたようですね。後に次期主将となるのは偶然かな?
シード権の争いは、早大小指・帝京橋本選手の勢いがよくともに定点間4番。小指選手がかなり引っ張っている様子だった。國學高嶌選手がついていけず単独10位へ後退。さらに定点間直後に東国加藤選手を捉えて7位集団に。どんどん浮上していく。
10位に下がった國學高嶌選手は、明大富田選手の追撃を受ける形に。なんと富田選手、この定点間の19分54秒は石津選手と並びトップタイのペース。一気に18秒差まで迫ってきました。走力は高いですが、これはもう勝負をかけているといってもいいペース。これはどこかで並びそうだがどうか。
下位では日体野上選手がまずまずのペースで拓大竹蓋選手に並びかけて15番が入れ替わりそう。その後ろ駿河台大町田選手も単独走ながらいいペースだ。その後ろからぐっとペースが落ち込んでいていずれも定点間最下位争い。専大辻選手は見た目20分オーバー、山学遠藤選手も気になるペースダウンとなっています。
横浜駅前14.5㎞
生麦20.2㎞(定点間5.7㎞)
参考:84回篠藤(中学)17分14秒<59分36秒>
創価大石津選手の快走が止まらない。生麦の時点でもまだ区間記録を11秒上回るタイムで通過。前回が69分55秒で、今回は69分切を目標ということでしたが、さらに1分上回っているペースだ。区間記録はここからが速いので微妙ですが、後方駒大山野選手は息切れし定点間9番。2分49秒差となり、残り3㎞でどこまで開くかという様相だ。
4位争いは決着がつき、青学飯田選手が東海長田選手を突き放し単独4位浮上!区間2位のペースをキープした飯田選手がやはり強い。前3位の東洋小田選手が手堅く走っているので、まだ1分10秒の差がありますが、表彰台浮上なるか。
後方では、帝京橋本選手がここにきて早大小指選手の前に出る走りで定点間2位の快走!順大鈴木選手を捉えて6位タイにまで浮上した。長い距離に不安があったということですが、満を持して9区登場。持ち前のスピードを存分に生かしている。早大小指選手もついてきていて定点間3番。スピードある選手がここで有利になっている。
9位東国加藤選手を挟んで、10位の攻防が非常に激しかった。明大富田選手が國學高嶌選手をついに捉えて総合10位浮上!ただ、それは一瞬のことで、少し目を離した隙に高嶌選手が息を吹き返してスパート!再び國學院が総合10位に浮上した。富田選手はやや息切れだ。山本監督が監督者の中で「とみたー…」と嘆いた場面だ。
後方、中大手島選手が好走で一けた順位をキープ。中大は復路ここまで全選手好走でなんと総合12位浮上。10位は差がありますが、ここは見事な継走。13位争いが詰まっていて、城西宮下選手に日体野上選手が定点間4番の走りで追いつき、さらにうまく乗れなかった神大高橋選手が落ちてきてちょうど並んだ場面だった。やはり競り合いが多い。
拓大竹蓋・駿河町田選手を挟んで、ここから流れに取り残されているグループ。法大川上・国士三代選手も苦しいが、残り3㎞で見た目17分台の差。これなら繋がるか。山学遠藤選手が苦しくこの間定点間最下位。この6㎞で2分近くトップと開くとは…。見た目19分55秒と苦しくなった。
生麦20.2㎞
鶴見中継所23.1㎞(定点間2.9㎞)
参考:84回篠藤(中学)8分25秒<68分01秒>
石津選手は最後まで力強い走りをキープ。20㎞以上走ってきて、まだ1㎞3分を切るペースまであげられるその走力は凄いもいのがありましたね。区間記録のラスト3㎞がものすごいので、更新はなりませんでしたが、68分14秒と区間記録から13秒遅れるだけの走り。これで引退はあまりにも惜しいです。
これだけ爆走されるのは、駒大としても予想していなかったでしょう。山野選手は最後の定点間は二けた順位と力尽きる形に。トップとの差3分19秒差は万事休す、大八木監督も「今回は2位」と腹をくくったのですが…。
続く3位東洋小田選手が頑張った。ラスト3㎞定点間は4番の8分54秒の好走で全体でも区間7位。4年生の秋になって急成長した選手、16人に入るかどうかと思われた選手が復路エース区間でここまで走るとは…。最後僅かに青学大飯田選手を突き放したのは、10区に向けて大きかったのでは…?
5位東海長田選手を挟んで、6位争いのバトルが凄まじかった。逃げる帝京橋本選手を、早大小指選手が渾身のスパートで追い込んでいく。中継所まで続いたその争いは、ラスト定点間石津選手を上回りワンツーとなるほど。総合区間も69分20秒台を共にマーク。両者の走りでシード権はだいぶ近づいたかな?
すぐ後ろ、定点間10番前後で粘り通した順大鈴木選手が8位で通過、一瞬11位に下がった國學高嶌選手が息を吹き返してラストで9位に浮上。最後に苦しくなった東国加藤選手は何とか総合10位リレー。2大会前5区山登り最下位に沈んだ姿からは確実に成長した。
攻めた明大富田選手はラスト脚はのこておらず定点間最下位。前の東国大が良くなかったので何とか38秒差と前が見える位置。このあたりの大学でどうやら最後のシード権の枠を争うことになりそう。
続いて、ほぼ単独走でしっかりペースを作っていた中大手島選手が全体区間7位の好走。総合12位まで浮上して確かな総合力、シード権までは1分56秒を詰めてさらに30秒前に出ないとならない状況ですが、いい流れできています。
2分以上あいて総合13位争い。城西宮下・日体野上選手がラスト3㎞で激しいバトル。宮下選手が最後は4番目のタイムで通過。野上選手は全体で69分49秒区間5位好走!見事に昨年のリベンジを果たす好走だった。
ルーキー高橋選手が最下位に沈んでしまった神大は総合15位に。シード権争いから、定位置の15位に下がってしまった。後ろ、定点間15番前後だった拓大竹蓋選手が16位で通過。そのすぐ後ろ、連合駿河町田選手が最後うまくまとめて16分09秒差。総合は20番相当だが、復路は一つ上のステージに浮上してきた。
ここからまた2分離れて、トップと見た目18分以上へ。法大川上・国士三代選手が苦しみながらもなんとか母校のタスキをつなぎます。その後、山学・仙台の10区のランナーが繰り上げ用の母校のタスキをつけてスタートラインに…。
山学遠藤選手が懸命にもがきながら進んでいく。序盤突っ込んで後半粘れるということで9区起用。目標タイムは69分30秒だったので繰り上げは意識なかったものの、単独走がたたったか10㎞を過ぎて急失速してしまった。
飯島監督から「間に合う、絶対に諦めるな!タスキをつなぐぞ!」という激も届かず、繰り上げスタート。最後の3㎞でも大きく引き離され51秒間に合わなかった。2年ぶりの箱根路でも山学大は鶴見復路は繰り上げとなった。
続いて意外と差がなく、専大辻選手が中継所へ。23㎞という距離をうまくまとめて最後は定点間12位。専大も7年ぶりの出場、その7年前も復路鶴見で繰り上げ。久々に戻ったチームがやはりこの中継所は関門となった。
創価大が石津選手に渡るまでトップを保っていれば、創価大にも総合優勝のチャンスがあるのではないか。これは箱根ファン思っていたことではあると思います。
そして実際に渡ったところ、区間記録レベルの爆走をしたわけですから、本当に驚きですよね。駒大山野選手もペースが乱れてしまうほど。これで一気に創価大の総合優勝への期待が高まりました。
このほかの区間上位者を見ると、今年故障が多かった青学飯田選手の意地の力走、早大と帝京両者の叩き合いの激しさも非常に印象に残りましたね。
シード権争いでは明大富田選手の決死の追い込みも大きくインパクトを残しました。一時は掴みかけた10位のしっぽ、何とか前が見える範囲でとどまっています。
懸命に逃げた國學院高嶌選手は最初で最後の大学駅伝レースでしたが、その4年生のそれぞれの走りも印象に残りましたね。
東洋小田選手は単独走で区間7位見事な繋ぎ、東洋大は2連続で最初で最後の4年生が好走です。逆に山梨学院大遠藤選手のように悔しい繰り上げスタートにあったり、ドラマがありましたね…。
彼の場合は、もう後輩に託すしかないのですが、個人としてリベンジ日体大野上選手区間5位の好走、また東国加藤選手は最低限の総合10位のラインで踏みとどまったり…それぞれドラマがあります。
最終区、さらにまた大きなドラマが待ち受けていました。