箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、
いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。
コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。
その間に、箱根駅伝2021出場チームの現状のまとめを、全日本や箱根予選の戦いを振り返りながらしていきます。
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9/21 平国大記録会
5000m
6組
佐藤俊輔②14分07秒56★
入田優希①14分08秒14★
松崎健悟③14分18秒11★
7組
石原翔太郎①13分51秒03★
本間敬大③13分53秒33★
長田駿佑③13分54秒35★
佐伯陽生①13分55秒89★
竹村拓真②13分58秒29★
9/27 東海大記録会
11組
宇留田竜希②14分20秒75
12組
市村朋樹③13分48秒35★
喜早駿介①13分54秒52★
10000m
3組
名取燎太④28分10秒51★
西田壮志④28分37秒37★
濱地進之介②28分51秒80★
10/17 東海大記録会
13組
川上勇士②14分01秒68★
神薗竜馬①14分03秒97★
14組
佐藤俊輔②13分58秒83★
入田優希①14分10秒81
吉井来斗①14分15秒47★
2位東海大学5時間11分31秒
1区(9.5㎞)7位佐伯陽生①27分23秒[7]0:16
2区(11.1㎞)19位市村朋樹③33分09秒[17]1:45
3区(11.9㎞)2位塩澤稀夕④33分45秒[11]1:26
4区(11.8㎞)1位石原翔太郎①33分16秒[6]1:19
5区(12.4㎞)4位本間敬大③36分18秒[7]0:43
6区(12.8㎞)1位長田駿佑③37分22秒[1]
7区(17.6㎞)6位西田壮志④52分19秒[2]0:39
8区(19.7㎞)3位名取燎太④57分59秒[2]0:23
王座を守る立場ではありながらも、大きくメンバーが入れ替わって言わばチャレンジャーでもあった東海大。惜しくも連覇ならずも、新戦力選手の2区間の区間賞を初め、よくぞ最後まで優勝争いをしたとも言えました。
初っ端びっくりしたのですよね。1区はルーキー佐伯選手。確かに直近で5千m13分台をマークし成長株でしたが、偵察要因と思われていました。当日変更なしで出走を果たすと、ラスト争いでトップ集団には付けずも、次の集団のトップとなる総合7位、トップと16秒差とまずまずの位置に付けます。
2区にはスピードのある市村選手。流れをしっかり繋いで…かと思いきや中間点を前にして失速し始めます。青学大以外にも他関東チームにも次々と交わされ、一気に総合17位に。最後は集中するのも苦し無ほどの走りで区間19位。直前の記録会からすると信じられない結果となります。
まだ序盤とはいえトップと1分45秒差。前の集団もやや遠い状況の苦しい展開でした。はねのけたのが3区4区。3区はスピードエース塩澤選手。すぐに16位には浮上するものの、中々前が近づいてこない展開でした。それでも一人で追っていくのが4年生エースの姿。終盤についに11位付近の集団を捉えて6人抜き!区間2位で走り切ったのはさすがでした。
そして4区ルーキー石原選手がびっくりの走り!まだまだ前とは離れていましたが、5㎞13分54秒と凄まじいペースで突っ込み、日体大・城西大・帝京大と遅れてきたチームを次々と交わしていく走りを披露!10㎞も28分10秒台で通過すると、青学駒大東洋らの集団にまで追いつきます。2区間で一気に上位戦線まで戻ってくる力には驚きました。なお、あの順大塩尻選手の区間記録を塗り替えるとは…末恐ろしいルーキーです。
5区6区はロードで鍛えてきた3年生。ついに大学駅伝デビューとなった本間選手。上位争いの集団の中でのレース。終盤に離されますが、数秒差で食いとどめる区間4位の走り。総合7位ながらトップと43秒差まで追い上げます。
そして6区びっくり!夏を超えて急成長してきていた3年長田選手が快走!すぐに明大順大の集団に追いつくと、前にいた駒大と東海大に追いついてあっという間に3位集団の中心に。9㎞過ぎに落ちてきた青学大をかわして2位争いに浮上。残り1㎞でトップ早大に追いつき、明大とのトップ争い!最後のスパートで前に出てトップ中継!2区で19位まで遅れながら、トップ浮上はチームとしての勝利の執念。そして長田選手の努力が大きく報われる区間賞でした。
大事な7区。過去2年間4区だった4年西田選手を、平地のスピードがついたと勝負の7区。明大とともに首位とひた走るも、後方の青学大らの追い上げが激しくトップ争いから後退。それでも後半はスタミナで粘りを見せ、総合2位でリレー。トップ青学と39秒差、後方3位駒大と2秒差というきわどい位置だった。
アンカーは2年連続名取選手。昨年は逆転で優勝のゴールテープを切っています。すぐに追いついてきた駒大を引き連れる形でトップを追随。8.8㎞で東海大・駒大・青学大の3強が重なったのは駅伝ファン大いに沸いたところ。
ここでペースを落とさなかったことで青学大をすぐに振り切り、駒大とのマッチレース。スプリント力を上回る相手に、渡会橋以降の上り坂で細かい仕掛けで相手のスタミナを削っていくが中々離れない。逆に残り1㎞の仕掛けられると、対応する脚は残っていなかった。エースの責務として最後まで勝負を仕掛けたものの、悔しい走りとなりました。
主力選手は決まってるのですよね。4年生の3人の柱がいます。スピードエースで日本選手権トラックで出場する脚もありながら、箱根2区をこなせるタフさがある塩澤選手。全日本駅伝アンカー2年連続57分台でロードで鬼と化す名取選手。山登り5区に4年間ささげながら平地の走力を上げていった西田選手。
この3人の4年生が往路に入るなら、往路優勝候補に名乗りがあがってきます。全日本大学駅伝2区で19位まで下がりながら、3区塩澤選手を境に、一気に優勝争いまで浮上する爆発力を見るとやはり強いです。塩澤・名取選手の入る位置は、残りの往路2区間の状況次第か。1区が固まれば、再度2区塩澤4区名取選手の配置が取れます。
候補はやはり全日本駅伝で区間賞を獲得した1年石原選手と3年長田選手になってくるでしょうか。全日本4区の石原選手の追い上げは、東海大ファンも驚いたのではないでしょうか。劣勢の中、他の強豪校の選手に追いついて追い越したわけですから…。
しかも、更新はなかなか難しいと言われた区間記録までいきなり更新しました。10㎞ロード28分10秒台通過も強烈な印象です。そして本人は山下り6区に興味があるというのがまた区間は位置悩みどころですが…。
全日本6区の長田選手の区間賞も驚きでしたよね。基本的にはチーム7~8番手の選手を置く区間とはいえ、自分でガンガン攻めて他校を追い抜いて行ったのは魅力ですね。とはいえ、できれば9区に残したいタイプでもあるので、もう一人出てくれば…。
前回7区で好走している松崎選手が回復して戻ってくれば、非常のオーダー編成が楽になりますが…。秋になってまだ姿を見ません。さてどうか…。
山登りに関しては、駅伝ファンおなじみの西田選手になりますよね。早いものでもう最終学年です。
”山登りの適性は出会い”とも言われますが、両角監督が高校時代から適性を見出して勧誘したのは語り草。2年目に満を持して登場し区間2位好走でトップを追い上げ優勝に貢献したのは有名です。
前回もそれ以上の走りが期待されていましたが、最後の1週間の調整に失敗。昨年よりも区間タイムと順位を落としてしまい、総合優勝を逃す一因に。
西田選手本人は、これを最後に平地のエース区間争いに参戦するそうでしたが、これでは辞められないとということで、おそらく再々登板になると思われます。平地の走力も上がりました。70分台は少なくともターゲットになってくるはずです。
驚愕の区間新記録が前回生まれた6区は、候補は一人はいるのですよね。前回も候補に挙がった3年市村選手は全日本駅伝2区で苦しい走りに。トラックのスピードは非常に魅力の選手ですが、駅伝でいけるかどうか?
他ではどうでしょうか。先の石原選手はさすがに平地と思いますが、同じくルーキーの喜早・佐伯選手や、1万m28分台を出している濵地選手らどうでしょうか??いずれにせよ、総合優勝を考えると58分台は最低限のノルマというところです。
全日本駅伝を走っている選手では、もともと高校時代からロードに強かった3年本間選手がついにデビュー。復路なら粘りの走りができそうでしょうか。1年生では急成長中の佐伯選手、ポテンシャルはナンバーワンといわれる喜早選手が登場するかどうか。
2年生では松崎選手のみが唯一の経験者ですが、選手は多く出てきているのですよね。先に出てきた濵地選手や、川上選手も1万m28分台。長い距離に自信のある竹村選手、持ちタイムが主力に追いつきつつある佐藤選手、忘れてはならないインカレ上位者宇留田選手も仕上げつつあるはず。下級生は非常に勢いがあります。
こう見ると上級生は主力が強いですが、選手層はもう少しなのかなぁ。4年生は米田・鈴木選手が、長い距離で実績を残しつつありましたが、比較的おとなしいか。3年は市村・松崎選手がもう少しというところで足踏みかな。優勝候補の中ではやはりエース頼みなのは確かなのでしょう。
左から、エントリーする可能性が高い順番
塩澤・名取・西田選手の4年生トリオの最後の箱根駅伝は、駅伝ファン誰もが注目しますよね。高校駅伝のエース区間で区間賞争いをした3選手がそのまま入学。3選手とも紆余曲折ありながらもチームの中心選手に。プレッシャーは否が応でもかかってくるとは思いますが、おそらく往路の主要区間だと思われますが、それぞれの区間で役割を全うしたい。
勿論総合優勝へは中堅選手や山、選手層も大事になってきます。強力な新戦力が全日本大学駅伝では登場、3年長田・1年石原選手が区間賞を獲得して一気に主力選手に名乗りを上げてきました。他2年・1年は持ちタイムを伸ばしていて、伸び盛りの選手が多い。まだ大学時代の主要大会の実績は少ないですが、チームの流れが良ければ面白くなってくるでしょうか。
山は最後となる西田選手がどれくらいタイムを稼ぐか。ここは大いに注目。6区山下りは適任者を見つけてくれると思います。上級生の主力選手が少ないゆえに、選手層は決して厚くはない。それでも強力な流れを作るチャンスは多い。2年ぶりの派遣奪還の可能性は十分にあると言えます。