新年度ももう前半戦が終了しました。各大学ある程度の収穫と課題があったのではないでしょうか。当サイトでも、大学長距離各チームの2025年度のメンバーの紹介と実績、簡単な戦力分析を行いたいと思います。もちろん、新入生も紹介していきます。

【動画】「日本の選手は陸上ロボットのよう…」早稲田大学・山口智規が豪州で感じた“世界との差”、駅伝主将が見る鈴木琉胤らの「際立つ個性」とは？《箱根駅伝優勝へ》（和田悟志）#工藤慎作 #早稲田大学 #名探偵コナン #八千代松蔭 #箱根駅伝 #NumberPREMIER https://t.co/ez06kMTO9a

— Number編集部 (@numberweb) June 25, 2025

あと一歩で3強崩しの前回
エース・山も揃って、いよいよ強豪校へ
早稲田大学です。

【早稲田大学】第102回箱根駅伝2026へ～新入生情報や戦力分析＆持ちタイムなど！

　花田監督体制になってから、早稲田大が着々と整えてきている。三大駅伝6位前後で安定していましたが、今年の箱根駅伝は少し上昇気配。2区や3区序盤のスピード区間でW山口選手で上位に乗ると、5区山登りで、自ら”山の名探偵”と名乗った工藤選手が区間2位の好走、6区山下り山崎選手も好走で、最後まで國學院大と競り合って総合4位と、強豪校に迫って見せた。

　今年の箱根6区までのメンバーが残っているので、ワンチャンスあるのではと言われていました。その中で4年山口選手が1500m・5000mなどスピード種目で大活躍し1500mは日本選手権2位、さらに3年工藤選手は平地のハーフでも結果を残しユニバハーフで優勝しています。学生のトップで活躍しています。

　これに、既にシニアの日本選手権に出場できるレベルの新入生佐々木・鈴木選手がいるのですから、楽しみが多くなります。勿論トラックとロードは違いますし、推薦枠の関係で選手層はギリギリですが、ひとまずメンバーを見てみましょう。

新チーム各学年戦力分析

※持ちタイムは8月1日地点
※関東ICは1部

4年生主力選手について

山口智規④27分52秒37／13分16秒56≪25日本1500m2位、関東IC1万3位、箱2区12位、24全2区5位、出1区12位、全予4組4位、関東IC5千4位、箱2区6位、23全2区4位、出2区3位、関東IC5千3位、22全4区3位、予289位≫
間瀬田純平④29分13秒46／13分55秒61≪25箱1区4位、24全1区19位、全予1組19位、関東IC1万、箱1区12位、23全1区2位、出5区5位、関東IC1500m、箱1区14位、22全1区11位、予114位、U-20世陸1500m、関東IC1500m10位≫
伊藤幸太郎④29分44秒34／14分16秒44≪25関東IChalf15位≫
宮岡凜太④29分46秒31／14分16秒96≪24関東IChalf11位≫
須山向陽④30分33秒06／14分15秒33
門馬海成④30分46秒17／14分33秒20

　4年生は山口智選手が、日本トップレベルのスピードを手に入れかけていますね。日本インカレ1500m&5000mを制すると、勢いが止まらない。日本選手権で1500m2位と表彰台に立つと、ホクレンで5千m13分16秒56と日本人学生歴代3位の大記録！！箱根駅伝は2年連続2区で好走していますが…3区に回すことができるだろうか？

　スピード区間で、毎年活躍している間瀬田選手。春先は試合出場がありませんでしたが、夏前に試合復帰していますね。箱根は3年連続1区ですが、やはり同区間なのか。あとは長い距離で目処が立っている叩きあげ宮岡・伊藤選手。宮岡選手はあと一歩で箱根9区逃しましたが、その後学生ハーフで61分台。伊藤選手は関東ICハーフで食らいつく走り、早大が優勝するには、こういう学生が必要です。

3年生主力選手について

工藤慎作③28分31秒87／13分54秒36≪25ユニバhalf1位、関東IChalf2位、箱5区2位、24全8区3位、出6区2位、全予4組19位、関東IC1万13位、箱5区6位、23全4区13位、出4区10位、関東IC1万6位≫
山﨑一吹③29分39秒35／13分50秒40≪25箱6区5位、23全予1組15位、関東IC5千16位≫
武田知典③29分41秒30／14分06秒44
長屋匡起③29分42秒54／14分05秒64≪25箱4区8位、24全7区5位、出5区3位、23出6区6位≫
小平敦之③30分24秒42／14分09秒87

　工藤選手が、学生駅伝界の顔となりつつある活躍でしたね。69分台の山登りから約1か月後の日本学生ハーフで、60分台で優勝！ユニバハーフ代表の座を得ると、そのユニバハーフでは序盤で抜け出すと、そのまま逃げ切って優勝！高いロード力と勝負勘が研ぎ澄まされています。箱根2区でみたくなりますが、やっぱりアドバンテージが取れる5区山登りか。

　その他の選手がどこまで整ってくるか。山崎選手は山下りに適性を見出しましたね。過去、山下りは不得手だったこともあり、チーム内でプロジェクトを組んで山下り対策に取り組んでいます。一気に成長で57分台があれば面白い。

　それと、トラックシーズンはいつもいませんが、長い距離は安定感が非常に高い長屋選手が復活しているかどうかは、鍵。走れさえすればどの区間でも渋い走りができます。あとは、記録会で少しずつベストを縮めている武田選手が、伸びるかどうか。少数精鋭ですが、非常にいい学年です。

2年生主力選手について

吉倉ﾅﾔﾌﾞ直希②28分46秒86／14分16秒01≪24関東IC1500m7位≫
山口竣平②29分11秒26／13分32秒53≪25関東IC5千8位、箱3区3位、24全5区3位、出3区11位、全予3組7位、関東IC5千15位、全国5区1位、23高校3区3位、IH5千10位≫
瀬間元輔②29分20秒39／14分04秒97≪25関東IChalf20位≫
佐藤広人②30分14秒81／14分34秒20
立迫大徳②／13分57秒98
大和田春②／14分40秒85

　2年生は楽しみですよね。今年の箱根3区では山口選手が、駒大ら他校をどんどん追い上げていく走りを披露。1年生で61分台の区間3位はかなりのもの。関東ICでも5千m8位入賞していますし、着実に地力が上がってきています。上りに苦手意識はないそうなので、この夏が順調なら、彼が2区候補にもなってくるでしょうか。こうなると4年山口選手が3区入れるので往路強力です。

　そして、吉倉・瀬間選手も少しずつですが、軌道に乗ってきていますね。吉倉選手は年末に1万m28分台を出すと、関東IC1500m7位と力が上がっています。迫選手も冬に1万m29分20秒ベストを出すと、関東ICハーフで一つ経験を積みました。彼らの2年目の成長も注目です。

1年生主力選手について

早大のダブル大物ルーキーが大舞台で躍動！

5000m・鈴木琉胤＆3000m障害・佐々木哲が日本選手権で感じた悔しさと充実感とは？

「この日本選手権での悔しさを糧にまた頑張りたい」https://t.co/jIhr5tFTLZ

— 集英社スポルティーバ (@webSportiva) July 14, 2025

鈴木琉胤①13分25秒59≪25関東IC5千2位、全国5区2位、24高校1区1位、24IH5千2位≫
佐々木哲①13分40秒02≪25日本3障3位、全国5区1位、24高校3区1位、24IH1500m3位≫
山田晃央①14分05秒40≪25関東IC1500m11位、全国1区20位≫
堀野正太①14分08秒70／30分10秒69≪24高校3区14位≫
冨田拓臣①14分25秒51≪24高校5区22位≫
多田　真①14分26秒60／29分45秒30
神先強志①14分30秒93

　1年生が凄い勢い…というか、もう世界を見据えて走っています。高校駅伝では鈴木選手が日本人記録で1区1位、佐々木選手が3区1位と区間賞。都道府県では5区で激突して、区間新の争いでワンツー。これは強いと大いに話題になりました。

　勢いは止まらず、佐々木選手は3000m障害で8分30秒を切る走りをすると、日本選手権でも3位。ユニバでも積極的に引っ張るレースが象徴的でした。鈴木選手は、いきなり13分25秒59の社会人レベルの記録を出すと、日本選手権も途中まで率いる程でした。夏の走り込みはここからになりますが、箱根にあわせていければ、凄いことになりそうです。

　さらにこの2人だけではないのですよね。全国経験のある山田選手が、関東IC1500mで決勝に残る活躍をすると、堀野・多田選手らも5月のロードレース5㎞で好記録を出しています。高いレベルの選手が集まって、いい感じで下級生も上がってきているように見えます。

【まとめ！】箱根駅伝2026へ向けて

　エースたちは本当に自分の得意種目で羽ばたいていますよね。4年山口選手は1500mとも5000mとも日本学生トップならび、社会人に入っても見劣りしない活躍をしています。3年工藤選手は、平地でも高い走力があるうえに、毎度高いレベルでまとめる調整力もありますね。これに2年生山口選手も往路で区間上位を取れるスピードがありますので、往路はかなり強力になりそうです。

　これに怪物ルーキーたちがどの駅伝で、どの区間でデビューするか。佐々木選手は3000m障害で、鈴木選手は5000mで、既に世界を見据える活躍をしています。夏の走り込みがどうなるかは分かりませんが、最終的に箱根駅伝にピッタリ合う調整で、どういう活躍になるでしょうか。

　メンバー的にはギリギリになってきますかね。前半戦は調子を落としていた間瀬田・長屋・山崎選手らの復活して、今年の箱根1区から6区が元気なのは必要不可欠ですし、あとは宮岡選手ら長い距離一本勝負の選手が、最後にどこまで仕上がってくるか。花田監督になって、着実に選手も成長していますし、スカウトも良くなっています。花田監督率いる早大が表彰台に復帰する日は近そうです。

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