当日変更で驚いたのが國學院大でしたね。6区予定だった2年後村選手がけがをした影響で、全日本に引き続き1区予定だった嘉数選手が6区へ。そこから玉突きでオーダー変更を余儀なくされました。箱根駅伝初優勝を、大学駅伝三冠で狙いに行った國學院大ですが、やや誤算が生じていたようです。

　1区野中選手は、スローの大集団の中へ。一人でも追っていける選手だっただけに難しい判断でした。混戦の中で2区エース区間へ。3年連続2区出走の平林選手は、12月に入ってから思ったほど調子が上がってこなかったそう。その中で、留学生のペースに食らいついていって、後半伸びきれず区間8位。それでも66分38秒では走り切っているので、箱根駅伝の高速化を思い知ることになった気もします。

　3度目の3区山本選手が、懸命に追いかけますが、前にいた駒大には追いつききれず、61分台ですがおそらく悔しい区間5位だったと思います。4区に回った青木選手は区間2位の意地。区間賞の青学とは差を付けられたものの、早大を交わし、駒大を追い上げる形で山に繋ぎます。

　山登りには、國學院大屈指のロード巧者3年高山選手が挑みました。最初の平地から突っ込んでいきましたが、大平台でかなり苦しい走りに。ここは少し気負いがあったかもしれません。何とか往路6位で走り込みましたが、区間14位と優勝が遠のく状況に…。続く、急遽の山下りとなった嘉数選手も、身体が動かず区間16位。総合3位争いからもかなり後退してしまいました。

　それでも、7区から切り替えます。出雲・全日本の前半区間でもしのぎを削っていた辻原選手が、格の違いを見せる走り。62分21秒の区間2位で反撃ののろしを上げます。すると、8区佐藤選手も得意のロードで粘っていく走り。この1年ほとんどレースに出ていない中、64分台の区間7位で走り切り、一気に総合4位へ浮上します。

　9区は、次年度の主将が決まったばかりの3年上原選手。あっという間に早大を交わして3位に浮上、区間賞争いを演じます。後半腹痛で失速して、早大に交わされますが、その差を1秒に留めます。アンカーに入った吉田選手は、早大の後ろにピタリ。早めのペースでしたが、その中で残り5㎞からロングスパート。総合3位には最終的に浮上し、國學院大として過去最高タイ。注目を浴び続けた1年間を終えました。

来年度の戦力分析

　箱根駅伝を走ったランナーが、丸亀ハーフで結果を出していましたね。上位3名に食い込んでユニバ代表を得た上原選手が60分30秒、これに同学年の青木選手に、2年生のエース候補辻原・野中選手までが61分を切ってくる好走を見せています。これはエース格かなり強くなってきていますね。

　さらに、長い距離に強い高山選手は、平林選手とともに別府毎日大分マラソンに参戦し、なんと2時間8分50秒の記録で走り切っています。主力はさらにロードで伸びています。

　また、大学駅伝未経験の選手では、1年生尾熊・飯國選手が61分台マークし、既に戦力の目途が立ってきていますし、神奈川ハーフでは2年児玉選手が62分台をマークしていました。この世代は後村・田中選手もいますので、非常に戦力は充実しています。箱根経験者の3年鎌田選手もいますので、平地区間は非常に強いです。

　新入生は、高知県から秘密兵器になりそう高石選手が入ってきます。出雲・全日本駅伝は連覇がかかっていますが、全日本駅伝は特に射程圏内になりそうな感じがしますね。

　箱根駅伝に関しては、どうも苦手な山対策が必須になってくるのかなと思いますが、選手層は分厚くなってきています。ぐっと短縮することが出来れば、今度こその初優勝も見えてきます。