ついに最終区、神大が2位以下に大差をつけ最終区に。アンカーはこれまで主要大会の実績は少ない今泉勝彦選手。ゴールテープの喜びはまた格別だったはず。この他、2位~5位争い・復路優勝など最後の最後まで注目。
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第73回(1997年)箱根駅伝10区
皆様の情報により、追記は赤文字、修正は青文字で行います。
第73回(1997年)箱根駅伝10区走者経歴
名前・学年 | 大学名 | 主な戦歴 |
今泉勝彦④ | 神大 | 29分59秒 |
野呂康一④ | 山学 | 30分57秒 |
川上大輔② | 大東 | 29分57秒 |
石本文人② | 中大 | 29分00秒、全2区15位、出2区5位、箱1区11位 |
前田泰秀① | 早大 | 30分33秒、全3区4位、出4区3位 |
松本直人③ | 駒大 | 29分43秒、箱10区9位 |
神田哲広③ | 東洋 | 30分34秒、全5区2位、予25位 |
長谷川淳③ | 東海 | 29分35秒 |
大橋真一② | 順大 | 30分45秒、箱8区7位 |
宇野 淳③ | 日体 | 29分54秒、箱10区4位 |
小栗康良④ | 専大 | 30分04秒、予99位 |
黒田高正② | 亜大 | 29分39秒 |
吉田和央① | 拓大 | 29分49秒 |
八張友宏① | 農大 | 31分06秒 |
遠藤英典④ | 法大 | 30分08秒、箱7区6位 |
蒲田6.8㎞
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
7位 | 今泉 | 神大 | 20分35秒 | ① | |
1位 | 野呂 | 山学 | 20分13秒 | ②7:09 | |
3位 | 松本 | 駒大 | 20分27秒 | ⑥13:19 | [3]8:18 |
5位 | 川上 | 大東 | 20分33秒 | ③8:18 | [3]8:18 |
2位 | 石本 | 中大 | 20分20秒 | ④8:40 | |
5位 | 前田 | 早大 | 20分33秒 | ⑤10:03 | [6]9:59 |
8位 | 小栗 | 専大 | 20分42秒 | ⑪23:50 | [7]10:54 |
11位 | 大橋 | 順大 | 20分59秒 | ⑨18:42 | [8]13:54 |
13位 | 神田 | 東洋 | 21分14秒 | ⑦15:07 | [9]15:07 |
14位 | 長谷川 | 東海 | 21分19秒 | ⑧18:40 | [10]15:44 |
4位 | 宇野 | 日体 | 20分31秒 | ⑩23:01 | [11]15:44 |
10位 | 吉田 | 拓大 | 20分46秒 | ⑬32:43 | [12]16:24 |
9位 | 黒田 | 亜大 | 20分43秒 | ⑫28:03 | [13]16:54 |
12位 | 遠藤 | 法大 | 21分05秒 | ⑮38:19 | [14]19:41 |
15位 | 八張 | 農大 | 22分13秒 | ⑭36:16 | [15]21:38 |
今泉選手がしっかりした足取りで進んでいく。主要大会の実績はあまりないのだが、そういう選手を最後において優勝のゴールテープを…と、できるのがこの時の神大の選手層だ。
その後ろ、現在2位の山学・野呂選手と前回優勝の中大・石本選手が突っ込んで入っていく。こういうのは個人的には好きだ。大差が付いている中、最後まで前を抜こうとする姿勢。石本選手は全日本2区の失速の分もあるのでしょうが、とにかく前かすかに見える駒大・松本、大東・川上選手の争いにまずは加わろうとしている。
あとは大差がついてしまったシード権争いだが、ここまでは9位順大・大橋選手より、10位日体・宇野選手や11位専大・小栗選手の方が早く、少しでも前を追っていこうという展開になっている。
田町16.6㎞-蒲田6.8㎞=9.8㎞
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
1位 | 今泉 | 神大 | 30分37秒 | ① | |
4位 | 野呂 | 山学 | 31分09秒 | ②7:41 | |
3位 | 松本 | 駒大 | 31分00秒 | ⑥13:42 | [3]8:41 |
2位 | 石本 | 中大 | 30分49秒 | ③8:52 | |
7位 | 川上 | 大東 | 31分27秒 | ④9:08 | |
5位 | 前田 | 早大 | 31分19秒 | ⑤10:45 | [6]10:41 |
14位 | 小栗 | 専大 | 32分46秒 | ⑪25:59 | [7]13:03 |
11位 | 大橋 | 順大 | 32分06秒 | ⑨20:11 | [8]15:23 |
6位 | 宇野 | 日体 | 31分24秒 | ⑩23:48 | [9]16:31 |
8位 | 長谷川 | 東海 | 31分37秒 | ⑧19:40 | [10]16:44 |
12位 | 神田 | 東洋 | 32分14秒 | ⑦16:44 | |
9位 | 吉田 | 拓大 | 32分00秒 | ⑬34:06 | [12]17:57 |
13位 | 黒田 | 亜大 | 32分17秒 | ⑫29:43 | [13]18:34 |
10位 | 遠藤 | 法大 | 32分03秒 | ⑭39:45 | [14]21:07 |
15位 | 八張 | 農大 | 35分08秒 | ⑮40:47 | [15]26:07 |
今泉選手があがってきた。いや、一定のペースで走っていたら自然に浮上したといった方が良いかもしれない。4年間かけて脚づくりをした選手としては非常に走りやすい展開だ。もう何も心配はなさそうだ。
さて、2位野呂選手を挟んだ後ろ、3番手争いが熱い。ここまで山学と神大と約1分半の差をつけて復路総合トップの駒大・松本選手が大東・川上選手を突き放したが、その11秒後ろに中大・石本選手が迫り、ゴール手前5㎞弱で白熱した展開になっている。
シード権争いは、10位日体・宇野選手はペースをキープ。総合8位の東海・長谷川選手と見た目の争いで競い合えたのも良かっただろう。総合7位の東洋・神田選手を交わしていく。専大・小栗選手はここで大きくペースダウン。スタート時に前を目標にできた早大・前田選手を追うことも難しくなった。
下位では最終ランナーの農大・八張選手が一人かなりのスローペースとなり、総合でも法大・遠藤選手に交わされ、最下位に落ちてしまった。
大手町FINISH21.3㎞-田町16.6㎞=4.7㎞
順位 | 名前 | 大学 | タイム | 総合・トップ差 | [通過]トップ差 |
1位 | 今泉 | 神大 | 15分13秒 | ① | |
3位 | 野呂 | 山学 | 15分50秒 | ②8:18 | |
2位 | 松本 | 駒大 | 15分29秒 | ⑥13:58 | [3]8:57 |
5位 | 川上 | 大東 | 15分52秒 | ③9:47 | |
13位 | 石本 | 中大 | 16分51秒 | ④10:30 | |
4位 | 前田 | 早大 | 15分51秒 | ⑤11:23 | [6]11:19 |
12位 | 小栗 | 専大 | 16分45秒 | ⑪27:31 | [7]14:35 |
10位 | 大橋 | 順大 | 16分11秒 | ⑨21:09 | [8]16:21 |
7位 | 宇野 | 日体 | 16分01秒 | ⑩24:36 | [9]17:19 |
6位 | 長谷川 | 日体 | 15分56秒 | ⑧20:23 | [10]17:27 |
8位 | 神田 | 東洋 | 16分06秒 | ⑦17:37 | |
9位 | 吉田 | 拓大 | 16分07秒 | ⑬35:00 | [12]18:51 |
14位 | 黒田 | 亜大 | 17分27秒 | ⑫31:57 | [13]20:48 |
11位 | 遠藤 | 法大 | 16分22秒 | ⑭40:54 | [14]22:16 |
15位 | 八張 | 農大 | 18分19秒 | ⑮43:53 | [15]29:16 |
今泉選手自身も4年間かけ、初の大舞台が箱根駅伝のアンカーととても感動的ですよね。4年生の選手アンカー起用というのは何となくこの頃から主流になった気がします。
2位は山学・野呂選手が8分18秒後にゴール。神大とともに昨年途中棄権、同じ立場で優勝を狙いましたが、残念ながら4度目の制覇とはなりませんでした。インフルエンザが無ければ…そんなことも思ってしまいます。
その40秒後には次の世代になろう駒大が見た目3番で戻ってきました。山下選手も区間2位で復路5区間すべて区間2位という珍記録、そして神大から逃げ切って復路優勝を達成しました。見た目だけなら上位3チームが予選上がりというこれまた珍しい出来事ですね。
続いて、4位は終始上位を保った大東・川上選手。見事な表彰台です。続いて、ラスト5㎞はかなり失速してしまった中大・石本選手。残念ながら連覇、そして表彰台も最後に逃してしまいました。伝統校でも厳しい箱根路になってきています。
続いて、最後は無難に20㎞を走った早大・前田選手。これからの成長に期待がかかったのですが…腰痛の影響でこれが箱根ラストランとなったのは惜しまれます(他の大学駅伝は出場あり)。
続いて、見た目6番で総合11位の専大・小栗選手。兄弟揃っての快走とはなりませんでしたが、4年連続で走った兄とは違い、最後でようやく走れた弟、勝負とは別の喜びがあったに違いないでしょう。続いて、一定のペースで走り続けた順大・大橋選手が総合9位へ。あまり知られてませんが、この年はシード権争いだったのですよね。ただ、この2年後…ですね!大橋選手のこともちょっとエピソードにあがったりします。
その後ろ、日体・宇野選手が力走を続けていた。東海・長谷川選手との見た目の争いも制したが、シード権には3分27秒届かなかった。日体大はこの後もシード権との戦いが続くことになります。東海大は今回はしっかりと走れています。
続いて2人抜かれてから粘った東洋・神田選手が見た目11番ながら総合7位へ。復路はちょっと目立てませんでしたが、往路の貯金をしっかりと活かしました。その1分少し後に久々の出場だった拓大・吉田選手がゴール。最初の2区間の出遅れがありましたが、そのあとは結構戦えていた感じがします。吉田選手も1年生でしたが踏ん張ったと思います。
残り3チーム。亜大・黒田選手が20分を超えてフィニッシュ。続いて法大・遠藤選手が悔し涙を浮かべながらゴール。そして21.3㎞で75分かかってしまった農大・八張選手が辿り着きました。この3校は翌年は箱根出場権を逃してしまいますね…。ちなみに74回予選は帝京大が初出場、関東学院大が4年ぶり2回目の出場、そしてどのくらいの人が気づかれていたでしょうか、今回出場していなかった日大が上がってきます。
なお、法大は2年で返り咲きますが、亜大の次の出場は5年後、東京農大の次の出場は7年後になります。本当に激しい争いです。
早めに終わらせるつもりだったのですが、時間がかかってしまいました。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。