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【国士舘大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。

続いて、
ついにシード権獲得の下地整ったか
国士舘大学です

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【国士舘大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 箱根駅伝には、93回大会から出場を続けている国士舘大ですが、それ以降の最高順位は15位。シード権争いには中々絡むことができていませんでいた。往路序盤のスピード勝負で後方に位置していまい、早い段階で下位の流れに取り残されることが多くなっていました。

 そんな中、前半戦から国士舘大の活躍がありました。全日本予選を7年ぶりに突破!留学生カマウ選手しか1万m28分台のランナーがおらず、1組で失速があったのですが、山本龍・生駒選手らが堅実に走り、トラック型の中島選手が最終組で踏ん張った結果、大逆転に繋がりました。

 箱根予選では、直前でメンバー外の選手が、トラックで大幅な自己ベストを出していて、上位通過もあるのではと噂されたほど。結果的に8位通過となりましたが、上位とは僅差。カマウ選手以外に、山本龍・生駒・西田選手らが好成績となりました。

 そこから調整が難しかった全日本駅伝は、繰り上げスタートにあっての15位、その後1万m記録挑戦会は29分台あたりに留まっていましたが、例年以上に箱根駅伝に向けて虎視眈々と構えていました。

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第100回箱根駅伝2024振り返り

12位国士舘大学11時間01分52秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 22位 山本龍神④ 63分10秒 22位 2分08秒差
2区(23.1㎞) 17位 ピーター カマウ③ 68分22秒 18位 4分10秒差
3区(21.4㎞) 12位 生駒直幸② 63分45秒 15位 7分46秒差
4区(20.9㎞) 10位 西田大智③ 62分45秒 15位 9分21秒差
5区(20.8㎞) 7位 山本雷我④ 72分18秒 11位 12分07秒差
6区(20.8㎞) 18位 勝部愛大② 60分47秒 14位 14分40秒差
7区(21.3㎞) 11位 瀬川翔誠② 63分51秒 12位 15分45秒差
8区(21.4㎞) 13位 生田目惇③ 65分48秒 13位 17分33秒差
9区(23.1㎞) 13位 川勝悠雅② 70分26秒 12位 19分08秒差
10区(23.0㎞) 15位 鈴木伸弥③ 70分40秒 12位 20分27秒差

1区山本龍選手…4年連続の箱根駅伝出場。特に国士舘大が苦手としている往路の1区や3区を担当している選手もあり、往路の厳しさは分かっている選手です。直近の箱根予選の42位は、箱根予選過去最高成績。1区は1年時の区間19位以来と気合を入れて臨みました。とはいえ、第2集団でも区間記録に近いペースで進む中、蒲田の手前で集団から遅れていきます。先に遅れた選手にも交わされ苦しい中、小川監督の激に懸命の奮起。区間22位ながら63分10秒と何とか前が見える位置に留まります。

2区カマウ選手…国士舘大のエースの3年カマウ選手が、2年連続で2区を務めました。前年は序盤から飛ばさずうまくペースマイクして、上位が見える位置で襷リレーをした姿が印象的。今年は箱根予選で日本人トップを上回る61分31秒の個人6位など、安定して走れていました。すぐ前に見えていた立大と神大を交わしますが、そこから中々ペースを上げていけず。終盤に落ちてきたチームを拾いましたが、68分22秒の区間17位の不完全燃焼。この時点で総合18位と、今年は厳しい戦いになる…とこの時は思われました。

3区生駒選手…その流れを変えたのは2年生駒選手。1年生の時は怪我が多く、結果が残せませんでしたが、継続した練習ができるようなって急上昇。春に1万m29分03秒を出すと、初ハーフの箱根予選でも63分04秒のチーム2番手でゴール。国士大鬼門の区間ともいわれる3区に抜擢となりました。

 序盤からある程度リズムに乗れている感覚がある中、10㎞通過予定29分00秒のところ、29分01秒程で通過できたところで、自信を深めて攻めていきます。後ろから区間一桁ペースの神大が追いついてきましたが、併走状態に。終盤に、中大と中学大・東農大を交わして、総合15位に浮上!後方でタスキをもらっての63分45秒の区間12位はある程度攻略できた内容ではないでしょうか。2区留学生が順位を上げても3区で逆噴射を繰り返していましたが、違う流れになってきます。

4区西田選手…不安のあるスピード区間をの越えたならば、国士舘大は本来やれるメンバーを揃えています。4区には今年大きく伸びた3年西田選手を起用。前年は7区で苦しい走りとなりましたが、箱根予選では集団走から大きく上がってきての72位63分38秒。直後の全日本駅伝では、チーム全体が苦しむ中、4区区間12位の健闘。4区はここ最近国士大手堅くまとめていた区間なので、密かな期待がありました。

 選手が前後する中、山学大らと争いながら、区間一桁を狙えるペースで入っていきます。終盤に入って、立大や中学大が追いついてきますが、凌ぎ切って、総合15位のまま中継。個人としては62分45秒の区間10位の健闘、シード権との差は1分31秒差でした。

5区山本雷選手…この1分31秒差から、今回の国士大最も自信のあった5区山登りへ。3年連続山登りとなる4年山本雷選手が追い上げにかかります。2年時初挑戦で区間15位、前回の3年時に区間11位、そして最終学年は箱根予選こそ体調不良で欠場しますが、激坂王で強風が吹く中優勝。駅伝ファンからも区間上位候補に名前が上がるほどの存在でした。

 序盤こそ単独走でしたが、徐々に前のらんながー見えてきます。大平台までに、日大と東海大を交わして13位へ、小涌園までには帝京大と中大を交わして11位に浮上、前方順大を視界にとらえます。最後の平地でその順大を追い込んで、10位と僅か3秒差の往路11位でゴール!個人としても72分18秒の区間7位の過去最高の走り、シード権を狙える位置で見事にゴールしました。

6区勝部選手…大事な出足とな復路スタートとなる山下り。2年勝部選手が初チャレンジとなりました。関東IC1500mにも出場するスピードランナーで、前回も当日変更要員ながら6区にエントリーされていました。一斉スタート組の中で、真ん中付近の順番を維持しますが、ラスト3㎞の平地で脚が止まってしまいました。60分47秒の区間18位、総合も13位でシード権とは1分50秒差と広がってしまいました。

7区瀬川選手…見た目19番でタスキを受けたのは2年瀬川選手。2年連続箱根予選を走っていて今回が初の箱根。予選は184位に留まりましたが、その後1万mで29分18秒と国士大エントリー内でも上位となるベストを出していました。すぐ前にいた順大を交わして、中学大に追いつき併走、二宮を過ぎたところで立大を飲み込み、徐々にポジションを上げていきます。ラストスパートの争いにしっかり勝ち切り、見た目16番目でリレー。個人としても、63分51秒の区間11位の走りで、追い上げムードを作ります。

8区生天目選手…長い距離を中心に、徐々に台頭してきた3年生天目選手が8区へ。3年目で箱根予選初出走ながら、チーム7番手の139位と通過に貢献。手堅い走りに期待があっかりました。一斉スタートの影響もあり、見た目の順位変動がある中、区間中位のペースを維持。遊行寺坂を超えても脚は動いていて、結果的に区間13位65分48秒。見た目順位も15位に浮上しました。他の大学のブレーキもあり、総合13位ながらシード権まで30秒差にまで迫っていました。

9区川勝選手…追い上げたい復路エース区間9区。前回10区を走っている2年川勝選手が抜擢、長い距離はこの世代の中で対応は早い選手で、1年時から106位とまずまず。今回は箱根予選はよくなかったものの、その後1万mで29分26秒とベストに迫る走りで調子を上げてきていました。立大を交わして、14番目に浮上すると終盤には中大と日体大を交わして見た目12番目に浮上!70分26秒の区間13位の走りで、総合も12位に浮上しました。白熱したシード権ラインとは、34秒差でした。

10区鈴木選手…前回8区を走った3年鈴木選手がアンカーにエントリー。前回は後方単独走の展開でもまとめる走りをしていて、長丁場を安定して走れる選手でした。中大や日体大に、後方から立大らが猛追してくる中、中盤にじわじわ区間順位を上げていく走りをします。ただ、10位チームが区間一桁の走り、70分40秒の区間15位の走りでタイム差は開いてゴール。34年ぶりのシード権獲得は、1分10秒届きませんでした。また、総合タイム上、11位の東海大に追いつきましたが、区間最高順位との比較の規定で、総合12位となりました。

 シード権を獲得できなかったチームの中では、最も健闘した、戦前の予想を覆したといっていいチームでしょう。特に2区である程度上位にいる必要があると思った中、2区までは想定を下回っていたと思います。

 その中で、3区生駒選手で流れを作ると、比較的得意ともいえる4区5区で西田・山本雷選手が頑張り、前と僅差の往路11位でゴール。復路は一斉スタートの流れはありましたが、他校と最後まで戦いきった。93回大会以降で最も健闘した箱根路となりました。

次年度へ向けて

メンバーを見ると、次年度は大勝負をかけられそうです。

残る今年の箱根メンバー
ピーター カマウ③28分19秒48≪24箱2区17位、23全2区14位、予6位、全予4組5位、箱2区9位、22予22位、全予4組3位≫
生駒直幸②29分03秒85≪24箱3区12位、23全3区15位、予42位≫
瀬川翔誠②29分18秒09≪24箱7区11位、23予184位、22予259位≫
川勝悠雅②29分21秒46≪24箱9区13位、23予177位、箱10区17位、22予106位≫
鈴木伸弥③29分28秒59≪24箱10区15位、23予127位、箱8区15位、22予200位≫
西田大智③29分33秒44≪24箱4区10位、23全4区12位、予72位、箱7区19位、22予116位≫
生田目惇③29分36秒33≪24箱8区13位、23予139位≫
勝部愛大②29分46秒60/64分41秒≪24箱6区18位、23予186位≫

残る補欠メンバー
横田星那②29分25秒59≪23全8区17位≫
松井遼太③29分33秒14≪21予355位≫
渡辺大喜③29分33秒22≪23予112位、22予163位≫
富岡晃世②29分40秒87≪23予151位、全予2組15位≫
水野龍吾②29分48秒93

その他有力選手
中島弘太③29分14秒04≪23全予4組21位、関箱6区19位、22全予2組13位≫
小林瑠偉③29分23秒12≪23全6区16位≫
岩下翔哉②29分26秒47≪23全5区24位≫
齋藤正剛③29分28秒26
江上天晴①29分29秒42
佐藤佑紀①29分32秒93
榎本蒼空①29分40秒74
永峯良祐①half64分03秒
宮崎暖大②half64分32秒

 新4年生の世代が、2年連続2区を務めているカマウ選手を中心に集大成になってきます。カマウ選手は今回こそ区間17位に留まりましたが、前の年は上位が見えている中区間9位と好走しています。流れの中なら走れる選手というので、彼を中心にして、往路で突進したいですね。

 この学年で往路を務めた西田選手が中心になってくるでしょう。往路4区で区間中位でまとめることができましたので、最後の年に往路で区間上位に入れるスピードが付いてくると面白い存在です。他にも、復路で堅実な走りを見せている鈴木・生天目選手に、箱根予選では彼らを上回り激坂王を走っている渡辺選手なども、次年度箱根駅伝が決まれば秘密兵器になるはずです。

 またスカウトが一番良かった新3年生の世代はやはり育っています。往路3区で区間12位の好成績を残した生駒選手は、その後の学生ハーフも62分台で入賞ラインに迫っていますので、やはり力がついてきています。復路で他校に食らいついた川勝・瀬川選手に、スピードのある勝部選手、予選では彼らと同等の成績を残している富岡選手も復路で通用する可能性あります。

 新2年生の世代は、上級生の層が分厚いですが、江上選手が秋に29分29秒のベストを出して、全日本駅伝の出走メンバーに迫りました。冬前には佐藤・榎本選手が29分半ばの成績、さらに日本学生ハーフでは永峯選手が好成績を残していますね。

 そして、ここまであげていない箱根駅伝メンバー外では、現3年中島・現2年岩下選手がいますね。中島選手はトラックでは完全にエースで、全日本予選では最終組でも中位に付ける程の実力者。岩下選手は、この世代ではトップレベルの実力者、1年時の全日本予選では3組に抜擢されるほどでした。故障など長くなっていますが、彼らの復活、シード権へ向けてカギになるはずです。

まとめ

・2区カマウ選手今年は苦戦も、
・鬼門の3区生駒選手が流れを作った!
・4区西田選手が追撃し、激坂王山本雷選手の奮闘で往路11位!
・シード権は届かずも、復路堅実リレーで総合12位!
・93回大会からの連続出場で最高の区間順位!
・次年度は、35年ぶりシード権へ勝負の年

 大健闘でしたね。7年ぶり全日本予選を突破するなど力はついていましたが、箱根駅伝でも下馬評を上回る総合12位。序盤区間こそ苦戦がありましたが、毎年区間下位となる3区生駒選手が区間12位ながら、総合順位を引き上げたところから流れができました。

 4区西田選手が手堅くまとめると、3年連続山登りとなった山本雷選手が、シード権ラインに大きく迫り、10位と3秒差の往路11位でゴールします。復路は、区間一桁こそなかったものの、

 7区瀬川選手が区間11位、8区生天目選手と9区川勝選手が区間13位と、堅実な走りを披露。シード権は取れませんでしたが、総合12位。ここ数年で最高の順位を獲得することができました。

 次年度は、エースカマウ選手が最終学年となりましたし、往路メンバーの生駒・西田選手に、復路は川勝選手ら全員残ります。山登りの選手が卒業しますが、他に激坂王でまずまず走っていた選手もいますので、箱根本戦の出場さえ決まれば、楽しみなメンバーになります。

 また、故障などが多いですが、中島・岩下選手と言ったスピードランナーが戦線復帰できれば、非常に面白くなってくるはずです。次年度、35年ぶりシード権獲得へ向けて、大勝負をかけられます。