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【東海大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。

続いて、
シード権は惜しくも…エース頼みから脱却!
東海大学です

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【東海大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 95回大会に、箱根駅伝初優勝を飾りましたが、その後成績が右肩下がり。98回大会99回大会でシード権を獲得できなかったところに、学生スポーツの難しさを感じます。前回はエース選手が走った序盤区間での健闘こそありましたが、山以降はぐっと順位下がり、総合15位。総合力アップが課題でした。

 まず、年度が替わるタイミングで大きな動きが。現3年生多くの選手が退部。一部有力選手が他校に移ってしまいましたが、それでもチームを引き締めるのには大事となりました。

 春のトラックは自己ベストが続出!エース4年石原選手だけでなく、2年花岡選手も関東IC1万m日本人トップになるなど活躍。他にも5千m13分台のランナーが多くなり、上昇気流に乗ったかと思われました。

 でしたが、秋口には石原選手が故障で、箱根予選など秋のレースは出場できず。また続く花岡選手も体調不良明けという状況。箱根予選は2年鈴木選手のみ単独走、あとは非常に安全に集団走を行い、10位通過でした。

 全日本駅伝も選手の入れ替えこそあれ、エース格は不在もしくは不調から回復途上の状況。1区で遅れますが、徐々に挽回して、シード権次点の9位は、全体不調は脱した感じでした。

 その後は、兵頭・野島選手が新たな戦力として台頭する1万m28分前半台。他にも、ロホマン選手が上尾ハーフで62分台など新戦力が出てきました。そして、エース石原選手がギリギリ間に合うかどうか、何とか総合力整えて箱根駅伝に臨みました。

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第100回箱根駅伝2024振り返り

11位東海大学11時間01分52秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 5位 兵藤ジュダ② 61分33秒 5位 31秒差
2区(23.1㎞) 13位 花岡寿哉② 67分37秒 10位 1分48秒差
3区(21.4㎞) 15位 鈴木天智② 63分59秒 10位 5分38秒差
4区(20.9㎞) 16位 野島健太③ 63分04秒 9位 7分32秒差
5区(20.8㎞) 22位 喜早駿介④ 75分20秒 16位 13分20秒差
6区(20.8㎞) 9位 梶谷優斗③ 59分06秒 11位 14分12秒差
7区(21.3㎞) 15位 石原翔太郎④ 64分36秒 13位 16分02秒差
8区(21.4㎞) 7位 南坂柚汰① 65分01秒 10位 17分03秒差
9区(23.1㎞) 11位 竹割 真② 70分22秒 10位 18分34秒差
10区(23.0㎞) 20位 ロホマン シュモン② 71分14秒 11位 20分27秒差

1区兵頭選手…この秋一番の成長株の2年兵頭選手が先陣を切りました。もともと高校時代から強かったものの、大学入学前後に怪我をして、2年の春まで中距離を中心に活動。怪我が癒えて、夏合宿を乗り越えたら、箱根予選・全日本駅伝2区と活躍、その後1万m28分14秒を出して、あっという間に東海大の代表的な主力選手になりました。

 前についていきたかった気持ちもありつつ、5位集団に控えます。1年目中距離だったとは思えないほど、高速レースに対応。六郷橋を過ぎても、上位集団の中についていきます。残り1㎞を切ってから集団から遅れますが、先頭グループから落ちてきた選手も拾って、区間5位中継。トップと31秒差、2位とは8秒差と上々のスタートを切ります。

2区花岡選手…東海大の新たなエースとなった2年花岡選手。前年の箱根駅伝の3区でも好走していましたが、2年になって関東IC1万m日本人トップの2位、28分15秒のベストを出したのがとても印象的です。夏も順調でしたが、9月末に体調不良。箱根予選・全日本駅伝7区は本調子ではない中出走、箱根に向けてもう一度仕上がっているかでした。

 前後に選手が前後する展開でしたが、帝京大の選手とともに突っ込んでいき、5位グループを形成。ペースが落ち着いてからは徐々に後方から選手が追いつく展開。最大9人くらいの集団になります。権太坂で集団がばらけ、さらにまた選手が前後する展開になる中、何とか総合10位に踏みとどまりリレー。区間13位ながら67分37秒と、エース区間を乗り切りました。

3区鈴木選手…2年連続箱根予選で好走している2年生の選手。特に今回は、チーム全体が調子上がっていない中、一人だけ単独走を任されたほどです。でしたが、大学駅伝は今回が初出場。2年連続で予選後に捻挫してしまったためです。今回も捻挫していましたが、今回は箱根には何とか間に合いました。区間中位のペースで単独10位を走行していきます。道中で農大を交わしますが、帝京大に交わされ10位のまま。この帝京大を追いかけますが、最後は少し脚が止まりました。63分59秒の区間15位でしたが、何とか順位はキープしました。

4区野島健選手…この選手も今年度急成長しましたね。夏前に1万m28分50秒を出すと、全日本駅伝は前半のエース区間3区に抜擢され、後方ながら区間11位とまずまず。その後1万m28分27秒のベストを出していました。単独走となりますが、区間中位のペースを刻み続けます。後半にペースの上がらない日大を交わして総合9位に浮上。区間16位ながら63分04秒で走り切り、後方の追い上げを凌ぎました。

5区喜早選手…この山登りが鬼門になってきている東海大。山巧者がいないときは苦しんでしまっています。今回は走力の高いルーキー南坂選手らが準備をしていたとのことでしたが、残り1週間を切って突如4年喜早選手に変更。2年時に全日本1区を走っている選手で、直近上尾ハーフ64分を切っていましたが、ほぼぶっつけでした。本格的な上りに入ってから、やはりペースは上がらず。区間最下位争いで順位を落としていきます。ラストの平地で盛り返して、何とか往路16位。シード権ラインとは1分16秒と、思ったほど差はついていませんでした。

6区梶谷選手…すぐ追い上げムードにしたい、復路のスタート6区。3年連続出走した選手が卒業しましたが、スピード自慢の3年梶田選手を抜擢。調子の波がありますが、いい時は全日予選4組でも通用するほど爆発力がある選手。併走した方が力が出るタイプですが、一斉スタートが今回は非常に多く、利用できる状況でした。

 序盤の上りは、一斉スタートの真ん中あたりとなりましたが、下りに入って区間一桁ペースで追走。神大の選手と一緒に前を追っていきます。最後の平地で脚が止まってしまいますが、59分06秒の区間9位とまずまず。前が点々とする見た目13番目、そして下りで苦戦したチームもあって、総合11位と、5人のごぼう抜きとなりました。

7区石原選手…総合10位とは約1分半の差がありましたが、ここに大エース4年石原選手を起用。1年の時から目覚ましい活躍をしてエースになりましたが、2年の夏に故障して長期離脱。3年全日本で復活し、箱根駅伝2区でごぼう抜きした姿は印象的でした。今年も夏までは順調でしたが、9月に故障。全日本復活を目指しましたが、また故障を繰り返し…間に合うかどうか五分五分の状況でした。

 すぐ前に見えていた早大に追いついて12番目争いをしますが、思ったほどペースがあがってきません。二宮地点で苦しそうな表情で区間16位付近のペース。なんとか前見えていた神大・明大に追いつきますが、後方区間賞争いの帝京大が追い抜いて、縦長になったところつけず。64分36秒とタイムは悪くなかったですが区間15位。繋ぎの7区でも、1㎞3分ペースで通用しなくなったところに、今の箱根のレベルを感じました。

8区南坂選手…見た目14番目、総合13位の状況でタスキを受けたのは、スーパールーキー南坂選手。高校時代からロードに手堅い選手で、箱根予選後は山登りの候補にも挙がったほど。直前になり、8区に回りましたが、一つポイントとなりました。

 前に明大・早大・帝京大が見えていますが、区間一桁ペースで走っていて、中々追いつけない状況。それでも南坂選手も区間一桁で走り続けます。すると遊行寺坂で、大きく失速した中大や大東大を見た目で捉えます。終盤もペースが落ちず、65分01秒の区間7位の走り。さらに、先のチームの失速で、なんと総合10位に浮上!一時は遠のいたシード権が手中に入ってきました。

9区竹割選手…思わぬ総合10位、死守できるか長丁場の2区間。まずは長い距離を中心にトレーニングを積んで早くから9区を希望していた2年竹割選手が入ります。春先に1万m28分50秒を出しましたが、その後故障。それでも秋には間に合わせ全日本アンカーから、満を持して復路のエース区間9区に入りました。

 前に早大や帝京大らの併走が見えているところ、突っ込んで入り権太坂で区間4位のタイム。そのまま追いついて、見た目9番目の争いの中に入ります。そのまま区間一桁ペースで逃げ切りを図りますが、ラスト3㎞で足が止まってしまい区間11位70分22秒。総合10位はキープするも、見た目ではかなり後方となる大東大が粘っていて、4秒差に迫られます。

10区ロホモン選手…最後を託されたのは2年ロホモン選手。今年の秋以降伸びてきた選手、箱根予選・全日本駅伝は未出走も、上尾ハーフ62分40秒の好走で台頭。コースも平坦で合っているはずだとアンカーに入りました。序盤突っ込んでいき、前落ちてきた創価大を捉えて、蒲田で見た目10番目争い。区間上位ペースでこのまま逃げ切りを図りますが…

 創価大の選手のペースも早く、これについていけず。単独走の難しさも相まって、ペースが大きく落ちて、新八ツ山橋で総合11位に後退。この差が埋まることなく、最終的に1分10秒シード権に及ばず。またとうかいだいとしては、3年連続で10区が区間下位に沈んでしまうなど、鬼門の区間となってしまいました。

 元々トラックなチームであり、箱根駅伝に関しては強いエースなど、めぐりあわせが無いと中々上位安定は難しいですね。特に長丁場の5区と10区が鬼門になって終いっている状況に。

 それでも、1区2区3区や9区が2年生の選手が繋いで、シード権争い上をすることができたのは今回収穫です。また、石原選手が無理に走りましたが、故障明けのエースを復路に起用する必要があるかどうか、また考えるところかもしれません。

次年度へ向けて

 上位校に戻るのに、勝負年となりますね。

残る今年の箱根メンバー
兵藤ジュダ②28分14秒75≪24箱1区5位、23全2区9位、予62位≫
花岡寿哉②28分15秒65≪24箱2区13位、23全7区7位、予58位、関東IC1万2位、箱3区6位、22全1区7位≫
野島健太③28分27秒63≪24箱4区16位、23全3区11位≫
梶谷優斗③28分27秒77≪24箱6区9位、23予231位、箱1区19位、22全2区18位、全予4組7位≫
竹割 真②28分50秒39≪24箱9区11位、23全8区13位、予90位、箱7区18位、22予146位≫
鈴木天智②28分56秒95≪24箱3区15位23予37位、全予3組14位、22予58位、関東IC5千m≫
ロホマン シュモン②29分07秒48≪24箱10区20位≫
南坂柚汰①29分08秒31/63分15秒≪24箱8区7位、23全4区9位、予55位、全予2組6位≫

残る補欠メンバー
越 陽汰③28分48秒72≪23関東IChalf12位、箱4区9位、22箱7区3位≫
湯野川創②29分21秒40≪23全5区11位、予152位、22予236位≫
永本 修①29分22秒16≪23予131位、全予1組9位≫

その他有力選手
五十嵐喬信③28分44秒38≪23関東IC5千7位≫
水野龍志③28分48秒28≪23全予2組2位、21出4区10位≫
大内 瞬②29分32秒03
本村翔太②29分33秒78
中井陸人②half64分17秒≪23予203位≫

 先ほど書いたように、新3年生の世代が充実していますよね。華の2区エース区間を走った花岡選手は勿論として、兵頭選手が爆発的に伸びて、さらに中距離上がりのスピードで1区など序盤区間を安心して任せられる存在になっています。

 他にも、2年連続箱根予選で好走している鈴木選手も、故障が減れば往路でやれる力があることは証明できましたし、竹割選手は長丁場の区間を安心して任せられる存在になってきています。ロホマン選手も、これで終わる選手ではないはずです。このあたりの選手が元気なら、十分上がっていくチームです。

 これをまとめるのが新4年で主将となっていく梶谷選手。スピードという面では、チームでもかなり上位となる選手ですね。東海大得意の面で引っ張っていけそうです。また、今年主将として引っ張った越選手は、選手として専念。2年連続箱根で好走していた選手ですが、今年は走ることができず。能力はチームでも屈指なので、これで走れるようになればと思います。

 新4年生の世代は他にも選手がいます。今年になって伸びて、往路4区を担った野島健選手もまだ健在。さらに、関東IC5千m7位に入賞し驚いた五十嵐選手も怪我がなければ、パフォーマンスを期待できる選手。一度出雲駅伝を走っていて、前年全日本予選で2組2位好走した水野選手も復活が待たれます。

 新2年生の世代は、やはり南坂選手が中心になっていきそう。箱根山登りはお預けとなりましたが、復路8区で確かな安定感ある走りをしていました。駅伝なら、現時点で困った区間どこでも走れそうな気がします。もう一人、全日予選・箱根予選を走っている永本選手も非常に安定していますし、今年の走力の伸びに期待です。毎年そうなんですが、メンバーを見ると、予選突破は楽にできる戦力に見えるのですよね。

まとめ

・2年生3人で序盤3区間を10位で繋いだ往路
・ポイント野島健&梶谷選手の3年生締める
・4年生エース石原選手は、7区出走も…
・8区南坂選手総合10位へ、9区竹割選手キープ
・鬼門となりつつある5区山登りと長丁場10区
・出走メンバーが8人、上位校へ戻るチャンス

 シード権は3年連続で獲得は出来ませんでしたが、収穫は非常に大きかったです。1区急成長の兵頭選手が担い、2区花岡選手と3区鈴木選手と、序盤3区間を2年生が担って、中位当たりの流れに乗ることができました。

 また、今年成長した野島健選手も往路4区を凌ぎましたし、スピードはチーム有数の梶谷選手も山下り6区で活路を見出していました。

 長い距離が得意な選手も出てきていて、8区南坂選手や9区竹割選手が、スピードランナーが多い東海大において貴重な存在になっていきそうです。

 5区山登りや長丁場10区が鬼門になってきていますが、今回出場できなかった越・五十嵐選手や、もう一人安定感のある永本選手らが台頭すると、ぐっとチーム力が上昇するはずです。上位校に戻るチャンスは迎えているので、今年はさらに注目といったところですね。