2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
続いて、
8区間はシード校と戦えていた!
日本体育大学です
第99回東京箱根間往復大学駅伝競走
開催にご尽力いただきました関係者各位の皆様、誠にありがとうございました。
沿道やTVなどから、たくさんの温かいご声援ありがとうございました。#日体大駅伝部 #nssu #んっす #箱根駅伝 pic.twitter.com/I1bpicZb5D
— 日本体育大学 男子駅伝部 (@nssu_ekiden) January 4, 2023
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【日本体育大学】第99回箱根駅伝2023振り返りと、次年度へ向けて
長い間、連続出場を続けている伝統校ですが、ここのところ厳しい戦いが続いていました。シード権争いに加われず、繰り上げスタートの憂き目にもあっていました。
今年度は、関東ICハーフでエースの藤本選手が優勝しましたが、その後に故障。エースを欠いた全日本予選は、予選落ち。ボーダーラインから、差がありました。
夏を明けて、箱根予選でも、エントリーに藤本選手の名前がありませんでした。もしかすると連続出場が途切れるのでは…、そんな声も囁かれました。
そんな中、チームは逞しかったです。10㎞までは出場圏外でしたが、15㎞で10位に浮上すると、残り6.195㎞は全校1番の早さで駆け抜けました。結果、危なげない5位通過、鬼の集団走でしっかりと連続出場を繋ぎました。
その後、藤本選手が戦線復帰、ルーキーの台頭や中距離ブロックからの新戦力も話題に。にわかにレギュラー争いが激しくなった中での、76回目の箱根路を迎えました。
箱根駅伝2023振り返り
17位日本体育大学11時間06分32秒
往路18位5時間36分33秒・復路11位5時間29分59秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 9位 | 山崎 丞① | 63分08秒 | 9位 | 0:24 |
2区(23.1㎞) | 12位 | 藤本珠輝④ | 68分11秒 | 12位 | 1:55 |
3区(21.4㎞) | 10位 | 漆畑徳輝③ | 62分36秒 | 11位 | 2:40 |
4区(20.9㎞) | 20位 | 分須尊紀② | 66分06秒 | 16位 | 7:36 |
5区(20.8㎞) | 19位 | 吉冨純也③ | 76分32秒 | 18位 | 13:23 |
6区(20.8㎞) | 11位 | 内山俊一③ | 59分53秒 | 18位 | 14:54 |
7区(21.3㎞) | 11位 | 名村樹哉④ | 64分03秒 | 17位 | 15:39 |
8区(21.4㎞) | 12位 | 廣澤優斗④ | 65分29秒 | 16位 | 16:31 |
9区(23.1㎞) | 14位 | 盛本聖也④ | 69分50秒 | 16位 | 17:55 |
10区(23.0㎞) | 14位 | 大森椋太③ | 70分44秒 | 17位 | 19:21 |
1区山崎選手…日体大期待のエース候補の1年生。箱根予選の残り6.195㎞は全選手でもトップレベルの上がり。その後、1万m28分半ばを出して走力アップを示していました。5区山登りに興味を示していましたが、チーム事情で1区に回りました。
スローとなった大集団の中で、しっかり脚を溜めます。明大・駒大が飛び出して、3位集団となった後も、残り1㎞までその集団に付けます。最後に少し遅れを取るも、トップと24秒差の区間9位。上位で戦える位置で、2区エースにタスキを繋ぎます。
2区藤本選手…日体大頼りの大エース4年藤本選手。2年連続エース区間2区ですね。昨年は1区の出遅れの中、冷静に走って67分台にまとめたのが印象的。今年は、故障明け間に合わせた中ですが、他校のエースと勝負できる形でした。
序盤から、激しい順位争いの中に揉まれながら、横浜駅前では東国大や城西大のランナーと三つ巴の11位争いの展開。その後も、他校のエースとの争い、
終盤は、日体大と国士大に前にいかれるも、城西を振り切り、明大を交わす。そして、落ちてきた順大と上がってきた東海大と激しいバトル。混戦の中、総合12位で中継。個人としても68分10秒でまとめました。
3区漆畑選手…この区間は、多くの駅伝ファン予想外だったのではないでしょうか。3年漆畑選手。前回7区を走るも区間下位、今年度は箱根予選のエントリーに名前がありませんでした。その後トラックでいい結果を出していましたが、往路3区当日変更で入るのは予想外でした。
それでも、入ったからには調子が上がっていたということ。スピードランナーが揃った中、区間中位の走り。その後、定点間一桁の場面もあり、上位の流れに食らいついていきます。ラストスパートもまとめて62分36秒の区間10位。接戦の中、総合11位と流れの中でリレーします。
4区分須選手…4区には2年連続となる2年分須選手が出走。前回もまずまずまとめていただけに主力候補となっていました。ただ、今期は箱根予選を初め、うまくいかないレースがあったのが、気になっていました。
スタートしてすぐ、東国大の留学生に抜かれたのはともかく、前のチームとも少しずつ離れていく展開。中盤以降は、大きくペースダウンしてしまい、次第に順位ダウン。16位まで下がっての襷リレー。個人タイムは66分オーバー。前回より2分半以上遅れるタイムとなってしまいました。
5区吉冨選手…5区山登りも2年連続となる3年吉冨選手が出走。今年は試合にあまり出場していませんでしたが、その中で山登りに絞って、エントリーされました。
区間中位のペースの入り、前を追っていく姿勢を見ていました。でしたが、徐々に区間順位が下がっていきます。終盤はジョギングに近いペースに…。76分半は、前回より2分かかってしまいました。最終的に往路18位。3区までシード権争い上だっただけに、勿体ない2区間になりました。
6区内山選手…復路は一斉スタート。前回は、現4年盛本選手が走るも、リズムに乗れず大きく出遅れました。今回選ばれたのは、3年内山選手。事前の記録会にはあまり出場していなかったのですが、密かに練習を積んでいました。
比較的早いペースで進む一斉集団の流れについていき、小涌園で区間6位の走り。途中ペースを落としかけますが、最後の平地で追い上げ、59分53秒の区間11位。前が点々と見える17番目での襷リレーで、流れの中で襷リレーします。
7区名村選手…ここから4年生リレーとなります。7区には、2年時の10区以来となる名村選手が出走。箱根路は2回目ですが、箱根予選は毎年確実に力になっていて、長い距離の経験は豊富な選手でした。
ほぼ同時スタートの山学大の選手と並走しながら、前を追います。二宮の地点では、前にいた大東大に追いつき3人で14番目の争いで通過。その後もペースを保って争い、山学大に次いで15番目でリレー。個人でも区間11位64分03秒と、まずまずのタイムでまとめます。
8区廣澤選手…4年時の秋まで中距離ブロックから移籍してきた廣澤選手が8区へ。もともと箱根駅伝を目指していましたが、日体大入学時にレベルの高さを感じ中距離の道を歩んでいました。でしたが、3年時秋に1万m28分台突入。コーチの後押しもあり、再度箱根駅伝を目指しました。
箱根予選では、スピードを生かすため、集団走ではなく、個人走でチーム2番手。往路候補にも挙がったほどですが、最終的に後半遊行坂があるスタミナ区間の8区になりました。
すぐに大東・山学大と並走に。序盤は区間下位でしたが、徐々に順位アップ。遊行寺坂までに大東大を突き放し、さらに落ちてきた東海大を交わして13番目の争いへ。山学大には遅れるも、14番目リレー。65分29秒の区間12位と流れの中で好走。総合順位も16位に上げました。
この秋から突如日体大の主力として現れた廣澤選手に取材しました!1年のはじめに一度はあきらめた駅伝。中距離で力をつけ、今は箱根駅伝に手が届くところまで来ています。話を聞いていると、タイミング、人の巡り合わせ、ご縁が彼をここへ導いているんだと思わされました。https://t.co/j9ol74cvpR
— 藤井みさ🫠Misa Fujii (@misaxxfujii) December 23, 2022
9区盛本選手…今年の日体大の主力選手。箱根予選は4年連続出場していて、今回はチームトップの力走で、チームを出場に導きました。一方、箱根路は前回の6区が初。区間下位に終わったリベンジを誓いましたが、最終的に復路のエース区間9区に回りました。
序盤はすぐ前にいた山学大に追いつき併走へ。途中で振り切ると、徐々に区間順位浮上。区間14位でしたが、69分50秒。横浜駅前以降は、一桁順位の走りでまとめ、見た目13番目の位置をキープしてリレー。一斉組では、トップに立ちます。
10区大森選手…アンカーは3年大森選手。2年時の全日本駅伝で出走していて、その後少しずつ走力を伸ばしていていました。見た目で、前とのは3分以上離れていて、どちらかというと追われる展開でした。
見た目13番目を淡々と走りますが、田町地点で区間18位。大東大ら徐々に後方が追い上げてきます。それでも終盤に脚を残していて、懸命に逃げにかかります。大手町、後方が点々と見える中、13番目をキープしてゴール。総合は17位、個人としては区間14位で終えました。
総合17位とはいえ、往路序盤戦えたこと、復路も6区が好走したことにより、一斉スタート組でトップで帰ってこれたのは、ここ数年に比べて戦えたと言えるのではないでしょうか。
特に1区1年生山崎選手が、最終盤まで上位争いの中に残って区間一桁でリレー。2区エース藤本選手が上位争いの中で走れたのは、駅伝ファンも嬉しかったのではないでしょうか。さらに3区漆畑選手が、往路で戦えるまで力をつけていたのも、大きな収穫です。
経験者を投入した4区5区が、前年よりトータル5分ほど遅れてしまったのが誤算でしたが、復路は6区内山選手が好スタートを切り、7区名村8区廣澤9区盛本選手と4年生の頑張りで、一斉スタート組トップに押し上げたのは見事でした。手応えもあるのではないでしょうか。
次年度へ向けて
次の、第100回箱根駅伝で、久々のシード権といきたいですね。
残る今年の箱根メンバー
山崎 丞①28分38秒33
≪23箱1区9位、22予60位、関東IC1500m、21高1区19位、20高1区28位≫
分須尊紀②28分59秒82
≪23箱4区20位、22予138位、関東IC3障2位、箱4区15位、21:全7区12位、予157位≫
大森椋太③29分01秒32
≪23箱10区14位、22予73位、21:全5区16位≫
漆畑徳輝③28分59秒31
≪23箱3区10位、22箱7区19位、21:全3区16位、予120位≫
吉冨純也③29分18秒77
≪23箱5区19位、22箱5区15位≫
内山俊一③30分28秒45≪23箱6区11位≫
残る補欠メンバー
平島龍斗①29分19秒86
≪22予87位、関東IC5千決勝≫
田中槙梧③29分22秒49≪22予80位≫
山下大毅②29分28秒89≪22予99位≫
田島駿介①29分32秒57≪22予86位≫
その他有力選手
高濵大志③28分55秒78
二村昇太朗①29分04秒88
杉本訓也②29分13秒50
水金大亮③29分18秒40
植松孝太②29分21秒86≪22予264位≫
渡野幹大①29分25秒07
溝上賢伸②29分25秒80
纓坂倭人(高岡向陵)≪23全国1区39位、22高校1区30位≫
やはり現1年生に勢いがあるのですよね。特に山崎選手は、秋以降本当に好調ですね。1万m28分38秒ベストを出して、往路1区戦い切りました。箱根本戦の話は、本来通過してからとはいえ、次のエース区間2区候補に挙がってくるのではないでしょうか。
箱根を走ったのは彼一人ですが、箱根予選では平島・田島選手も箱根予選二けた順位で走り切っています。他にも、1万m29分04秒までタイムを伸ばした二村選手もいますので、これから中心格になて行く学年、2年目が楽しみです。
現3年生も戦えるランナー出てきましたね。漆畑選手が急成長して、スピードエース区間ともいえる3区を戦い切りました。山を2年連続になった吉冨選手、山下りワンポイント活躍した内山選手もこの学年です。
他にも箱根アンカーを走った大森選手に、箱根予選二けた順位でゴールした田中選手も力を付けつつありますし、選手が揃ってきていますね。
現2年生がちょっと苦戦気味ですが、1年時から往路4区を走っている分須選手が、足踏みしているところから脱却していけるか。他にも箱根予選走っている山下選手や植松選手、杉本選手も力をつけています。この学年が上がるとぐっと選手層厚くなりそうです。
まとめ
・1区山崎選手が上位!2区藤本選手が他校とがっぷり四つ
・3区漆畑選手好走で、ここまでシード権争い戦えた!
・経験者を置いた4区5区で落とし穴…往路18位へ
・6区内山選手が好走、7区名村8区廣澤選手が一斉組トップへ浮上
・総合17位も、前年よりた戦える区間多い
・現1年生に勢いあり、一気にチーム力が上がるチャンス!
箱根駅伝は総合17位以上に収穫がありました。1年山崎選手が、1区で戦い切り、区間9位と上位の流れでリレー。怪我明けながら2区に間に合わせた藤本選手が、上位の流れの中で戦い切りました。
さらに大きな収穫が、当日変更3区に入った漆畑選手。まだ大混戦だったシード権争い上位残る好走。ここまでは本当に他校と戦えたのですよね。4区5区連続失速で往路18位となったのが、惜しかった。
そんな中、復路も一斉スタートの中内山選手が区間中位で繋ぐと、7区名村8区廣澤9区盛本選手の4年生3人が、見た目ながらじわじわ順位を上げていき、一斉スタート組トップとなる13番目でリレー。アンカー大森選手も順位を保ちました。
ちょっと、戦える雰囲気が出てきていますよね。そんな中で、山崎選手をはじめとした1年生の世代が非常に勢いがあります。現3年生も戦える選手が出てきていますね。チーム力がぐっと上がるチャンスを迎えているのかなと、外から見ていて感じます。一気に上昇する年度にしていきたいですね。
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