2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
順番は総合順位順から変えます。
途中まで戦ったからこその悔しさ
山梨学院大学です。
なお、この特集ラストになります。
【箱根駅伝】#山梨学院大 オニエゴ区間4位も往路15位 復路の4年生に期待― スポニチ Sponichi Annex スポーツ https://t.co/Qn1CAvlFwg
— スポニチ記者ツイート スポーツ (@sponichisports) January 2, 2022
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【山梨学院大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて
昨年度の箱根駅伝は、復活の年度。序盤から出遅れてブービーの19位だった。しっかりと連続出場を繋げたい今年度、箱根予選の下馬評は決して高くなかった。前回の箱根メンバーの一部が外れてしまい、当落戦ではと予想されたのだ。
それが蓋を開けてみると、上位の4位通過。”努力の星”オニエゴ選手が、他校の留学生とも対等に渡り合って、貯金を稼ぐと、松倉・木山選手ら日本人の主力ランナーも力走。総合力で連続出場を勝ち取りました。
その後の自己ベストを出していて、チームは好調。直前に松倉選手が故障で外れましたが、シード権が狙っていける、そこまでいかなくてもどこまで迫っていけるか、という勢いは感じていました。
箱根駅伝2022振り返り
18位山梨学院大11時間11分21秒
往路15位5時間31分42秒・復路20位5時間39分39秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 14位 | 木山達哉③ | 62分14秒 | 14位 | 1分34秒 |
2区(23.1㎞) | 4位 | ポール オニエゴ④ | 66分49秒 | 7位 | 1分31秒 |
3区(21.4㎞) | 19位 | 髙田尚暉① | 64分07秒 | 12位 | 3分36秒 |
4区(20.9㎞) | 16位 | 伊東大輝③ | 63分43秒 | 13位 | 5分33秒 |
5区(20.8㎞) | 17位 | 成毛志優④ | 74分49秒 | 15位 | 9分36秒 |
6区(20.8㎞) | 11位 | 矢島洸一④ | 59分25秒 | 15位 | 9分58秒 |
7区(21.3㎞) | 16位 | 川口航士郎④ | 65分29秒 | 16位 | 12分48秒 |
8区(21.4㎞) | 20位 | 橘田大河③ | 69分16秒 | 16位 | 17分15秒 |
9区(23.1㎞) | 20位 | 石部夏希③ | 74分44秒 | 18位 | 24分44秒 |
10区(23.0㎞) | 14位 | 篠原 楓③ | 70分45秒 | 18位 | 27分39秒 |
1区木山選手…今年一気に成長した3年生木山選手が、1区を任されました。前回は7区で区間下位に沈みましたが、今年度は関東ICで1万m28分台を出すなど急成長!確実に走力をつけての箱根路でした。
区間記録並のペースで進む第2集団に、しっかり食らいつく走り。六郷橋の上り坂の仕掛けで遅れてしまいましたが、この時点で10番目。このあとやや順位は落としたものの、区間14位。2位と1分以内でエースに繋ぎました。
2区オニエゴ選手…箱根ファン密かに注目していたオニエゴ選手の2区ですね。これまでの山学大の留学生と違って、入学時は力が無かった選手です。それが4年間かけて走力をつけて、今回満を持して華の2区登場でした。
中継所で8秒後方だった、創価大の留学生のランナーと一緒に、一気に前を追いかけていて横浜駅前の時点で8位集団を引っ張る形に。その後も落ちてきたランナーを交わしなていき、終盤は創価大と帝京大で激しいバトルに!
僅かに遅れは取りましたが、5位と2秒差の7位で中継!連合を含めて8人抜きの好走でした。個人成績も、66分49秒の区間4位!67分台の目標をはるかに上回る走りでした!4年間の努力が報われましたね。
3区髙田選手…1年生ながら実力で往路3区を掴み取った選手です。全日予選・箱根予選両方ともに出場、箱根予選では83位64分03秒のチーム4番手、その後5千mで14分08秒の事故べ巣を出して臨みました。
序盤は前後にいた東洋・法大・創価大あたりと競り合っていましたが、浜須賀に出る前あたりから徐々に後れを取ります。終盤もペースが上がらず、順大らの追撃も受けてしまい総合12位。64分07秒にまとめるも、区間19位。3区の、往路のレベルの高さを痛感する結果となりました。
4区伊東選手…今年になって大きく伸びてきた選手ですね。ポテンシャルは高かったのですが、腕の持病があり、手術もした選手です。箱根予選で64分04秒をマークした後、1万m28分台をマークして、主軸の一人となっていました。
すぐ前を走っていた創価・順大らが一気に飛ばして遠ざかる難しい展開に。中盤以降は苦しんでしまい、早大に交わされ総合13位に後退。63分43秒区間16位とやや力及ばずの結果でした。
5区成毛選手…4年間かけて力をつけた選手ですね。2年連続箱根予選に出場し、本戦はこれが最初で最後でした。かねてから山登りを希望していました。
でしたが、後続の追い上げにあいましたね。神大や東海大・連合に交わされて、徐々にポジションダウン。74分49秒区間17位とまたじわりと話されましたかね。最終的に、往路15位でのゴール。シード権は2分24秒と差がつきました。
6区矢島選手…昨年もエントリーしていた4年生の選手。おそらく前回も山下りで準備していたと思われ、2年越しの出場となりました。序盤の上りはやや突っ込んで入ります。
中盤に、後方から一斉スタートの中学大・駿河台大が交わしていきますが、自分のリズムはキープ。終盤にしっかりまとめる走りで59分25秒の区間11位。前見える範囲で走り、復路はスタートはまずまずでした。
7区川口選手…4年生の選手、しかも最初で最後という選手が3区間続きました。川口選手は4年目に台頭、関東IC5千mなどでも戦っています。箱根予選はチーム11番手66分台でしたが、その後の努力で掴み取りました。
後方区間賞ペースの明大は見送るも、10秒程前にいた中学大・駿河台大に追いつき集団を形成。二宮後に、自ら仕掛けるシーンもあったそうですが、突き放すにはいたらず。最後は突き放されて、20番目でリレー。区間16位65分29秒の個人成績でした。
仲間思って集団を飛び出したけど「実力足りなかった」…山梨学院大、箱根駅伝シード権ならずhttps://t.co/88wtITNcct#箱根駅伝
— 箱根駅伝速報(読売新聞) (@YOL_hakone) January 7, 2022
8区橘田選手…2年生の時伸びてきた橘田選手が、3年生になりついに起用へ。前々回の箱根予選好走で復帰に大きく貢献していました。今期は故障がちでしたが、実力は織り込み済でした。
前、4チームが見えている展開でしたが、このグループからは徐々に引き離されていきます。中盤以降は、ガクッとペースが落ちてしまい、区間最下位ペースへ。区間中位が66分ほどの中、69分オーバーと完全に失速。襷は繋がりましたが、トップと17分15秒と離れました。
9区石部選手…タスキを受けたのは力をつけてきた3年石部選手。箱根予選はチーム9番手で走り切り、1万mでも29分22秒と自己ベストを出していました。
慎重に走り出しましたが、中盤からペースが急落。終盤は、ややアクシデントがあったような形の失速。断トツの区間最下位となってしまい、襷は繋がらず。総合もいつの間にか18位まで落ちていました。
10区篠原選手…前回8区を走っている3年生篠原選手が、繰り上げスタートのタイミングで走り始めました。全日本予選・箱根予選など、主要大会はコンスタントにこなしていく安定感がある選手でした。
一緒に走り始めた日体大と区間中位のペースで競り合っていきます。この競り合いは最後の最後まで続き、激しいデットヒートで大手町のゴールへ。一瞬前に出た場面もありましたが、最後は交わされ19番目ゴール。個人成績は、14位70分45秒とまずまずでした。
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前回は、あまり他校との争いに参加できず19位。今回は他校の争いに参加しながらも18位。一歩前進しましたが、悔しさもひとしおではないでしょうか。
2区エースの力で上位校の争いの中に参加しながら、少しずつ順位を下げていくということで、だいたいの区間で力負けしてしまった形になりました。
上位通過だった箱根予選がピークで、その後故障者が出てしまった影響もあるかもです。次回こそ、本戦で戦えるチームを作り上げたいですね。
次年度へ向けて
僅かな手ごたえを繋げたいですね。
残る今年の箱根メンバー
伊東大輝③28分42秒54≪22:箱4区16位、21:予84位≫
木山達哉③28分43秒31
≪22:箱1区14位、21:予27位、箱7区19位、19:予227位≫
橘田大河③29分18秒22
≪22:箱8区20位、20:全3区22位、予46位、19:予236位≫
石部夏希③29分22秒27≪22:箱9区20位、21:予159位≫
篠原 楓③29分26秒37≪22:箱10区14位、21:予178位、箱8区20位≫
髙田尚暉①5千14分08秒91≪22:箱3区19位、21:予83位≫
残る補欠メンバー
新本 駿②29分17秒59
≪21:予97位、箱1区20位、20:全4区10位、予138位≫
北村惇生②29分24秒38
髙木翔瑛②29分34秒38
岩谷 翼③29分35秒44
その他有力選手
ボニフェス ムルア③28分08秒10≪19:予10位≫
砂川大河①29分16秒68≪21:予260位≫
川原正輝②29分31秒94
島津裕太②29分47秒70≪21:箱3区16位≫
星野一平③29分48秒83≪21:箱5区15位≫
栗原光弘③29分49秒06
横山竜之介②29分50秒15
都築勇貴③30分03秒36
小野寺陣③30分05秒06
木山克哉③30分07秒46
大西 陸①30分19秒13
品田滉人5千14分22秒72≪21高4区25位、20高2区28位、19高6区44位≫
こうみると、残る箱根メンバーは新4年生のメンバーが多いのですね。一つの集大成へとなっていくはずです。幸い、往路で頑張った伊東・木山選手が残りますし、安定感が高い篠原選手がいますね。彼らがまず中心でしょうか。
新4年は結構メンバーがいて、復路を走った橘田・石部選手他に、大阪ハーフで64分台で走破した岩谷・栗原選手がいます。また、今期は好不調の波が激しいですが、留学生ムルワ選手は非常に重要な戦力になってきます。
新2年生が面白くて、箱根往路を早くも経験した髙田選手以外に、砂川選手も63分台マーク、さらに大西選手も65分を切ってきて、ここは育成が早く進んでいる印象です。
新3年は、新本・島津選手という素質の高い選手がいるのですが、ちょっと故障がちですかね。この間に北村・髙木選手といった別の選手も伸びてきています。主力が揃えば、十分層が厚くなってきます。
まとめ
・レベルの高さ痛感した新主力3区髙田4区伊東!
・5区6区7区は最初で最後の4年生リレー
・10区篠原選手も、前年より成長した姿
・次年度はムルワ選手ら新4年生が中心のチーム
往路序盤は戦ったのですよね。今年急成長した木山選手に、4年間かけて力をつけた留学生オニエゴ選手の1区2区が、ハイレベルのスピード展開、真っ向勝負で戦い抜きました。この時点では上位校と台頭でした。
ただ、その後は今回は続かなかったですね。髙田・伊東選手が奮闘しますが、じわじわと順位を落としてしまいました。5区6区7区最初で最後の4年生リレーも頑張りましたが、最終的には繰り上げスタート、総合18位でした。
箱根予選の時のような走りとならない選手が複数人出てしまいました。力不足だったり、箱根予選にピークがいってしまっているなど様々原因があるでしょうか。
次年度は4年生が非常に中心のチームになってきます。上位校と戦っていけるチャンスが訪れていますね。
~2022Team Spirits~
『変化への挑戦』
現在、チームは変革の時です。
変わりゆく時代に私達は対応していきます。
2022年は一味違う山梨学院大学を魅せます!#変化への挑戦 pic.twitter.com/xOK4i9vnJA
— 山梨学院大学陸上競技部 (@YGU_Prussian) January 25, 2022
箱根駅伝ファンのための情報集
【箱根駅伝ファンのためのリンク集】
【2021年度箱根駅伝ファンのための競技会日程】
コメント
新年初めの唯一の楽しみを毎年味わいながら観戦させていただいているOBです。後で感じることなのですが、事前に故障者が出て主力が外れ苦戦を強いられていますね!是非、フィジカルは勿論ですがメンタル面の強化をお願いします。一年間の努力が無駄にならない様な2023年大会を期待し、手を握る接戦を楽しみにしています。監督さん、コーチの方、そして選手諸君の奮闘を祈願しております。初夢が叶いますように!
>haranfoさん
山梨学院大は、ここ2年間は、総合順位以上に主力選手が万全で臨めなかったところ、もどかしかったのではと思っています。本戦で悔いなく戦いたいですね。