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【中央学院大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて

2月中は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。

順番は総合順位順から変えます。

続いて、
思わぬ出遅れも…粘りは見せた
中央学院大学です

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【中央学院大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて

 昨年度、第79回大会から続いていた箱根駅伝連続出場が途切れてしまった中央学院大。今年度は、もう一度這い上がる年でした。全日本予選では、一人の選手がブレーキ。でしたが、直後に3年小島・武川選手らが巻き返す走りを見せるなど通過。

 箱根予選は、小島・武川選手が怪我で欠場するピンチを迎えますが、エース栗原選手がチームをけん引。懸命のスパートで日本人トップで貯金を稼ぎます。すると新戦力も奮起、レース終盤に出場圏内に入ってくる粘り。2年ぶりの出場にこぎつけました。

 3週間後に行われた全日本駅伝では、まだ本来の調子ではない選手もいて、前半遅れますが、6区以降巻き返して総合11位へ浮上。このあたりはの粘りは、かつての中央学院大らしさも感じました。新しいユニフォームで2年ぶり箱根路に参戦しました。

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箱根駅伝2022振り返り

16位中央学院大学11時間07分33秒
往路18位5時間36分04秒・復路14位5時間31分29秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 20位 栗原啓吾④ 64分47秒 20位 4分07秒
2区(23.1㎞) 18位 吉田礼志① 70分13秒 20位 7分28秒
3区(21.4㎞) 10位 武川流以名③ 63分10秒 19位 8分36秒
4区(20.9㎞) 19位 伊藤秀虎② 64分37秒 18位 11分27秒
5区(20.8㎞) 10位 吉本光希③ 73分17秒 18位 13分58秒
6区(20.8㎞) 4位 工藤巧夢① 58分47秒 18位 13分42秒
7区(21.3㎞) 11位 松井尚希④ 65分15秒 18位 16分18秒
8区(21.4㎞) 11位 馬場竜之介④ 66分08秒 17位 17分37秒
9区(23.1㎞) 15位 吉田光汰④ 70分53秒 16位 21分15秒
10区(23.0㎞) 8位 中島稜貴③ 70分26秒 16位 23分51秒

1区栗原選手…中央学院大のエース4年栗原選手を、いきなり1区に投入。2大会前ハイペースでの区間5位、最近の箱根予選の走りも記憶に新しいところでした。シード権を獲得するため、スタートダッシュをもくろんでいました。

 でしたが、最初から集団最後方につけると、6㎞付近で一番早く先頭集団から脱落。その後は、体を揺らしながら懸命に力走を続けるも、64分47秒で区間最下位。19位のチームも50秒程離れての襷リレーでした。

 箱根予選の激走の代償は大きく、中々疲労が取れず、チーム内の練習でもかなりのきつさを感じていたそうです。そのうえでの区間記録ペースは、かなり堪えたようでしたね。厳しい出足となりました。

2区吉田礼選手…華の2区には、1年生の吉田選手が抜擢されました。入学直後にいきなり1万m28分台を出すと、関東IC2部5千・全日本予選4組で他校のエースと対等以上に戦っていました。早くも次のエースと言われていました。夏に肺気胸にかかり、秋の大会は不振でしたが、懸命に状態を上げてきていました。

 少しでも前との差を詰めるためチャレンジ!最初の1㎞2分44秒で入ると、横浜駅前は区間11位でした。ですが、権太坂以降は苦しい走りになったようですね。最終的に70分13秒の区間18位。最下位脱出とはなりませんでした。

3区武川選手…2大会前6区山下り1年生記録で走った選手。それ以上に、本格的な陸上は高校までやっていなかったというのも話題になりましたね。3年生になった今季は、全日本予選3組で激走し通過に貢献。ですが、兼ねてより痛めていた左足親指の疲労骨折も判明。10月から練習を開始するも、まだ痛みがある状態だったそうです。

 それでも全日本6区好走し、希望の箱根3区となりました。下りの部分は余裕を持って走れて区間中位で走ります。本人談、海岸線に出てから苦しくなるも、失速した専修大を交わして総合19位へ浮上。個人としても63分10秒区間10位、最下位から走り始めたと考えると好走しています。

4区伊藤選手…2年生将来期待の伊藤選手が、準エース区間4区に抜擢されました。1年時は箱根予選190位、全日本6区14位でした。2年時は130位の4区10位。ぐっと成績を上げてきた中での抜擢でした。

 二宮通過前に、ペースの上がらなかった駿河台大を捉えて18位に浮上します。ですが、個人としては小刻みなアップダウンが続く4区独特のコースに大苦戦。1㎞3分05秒でいっぱいいっぱいとなり、64分37秒の区間19位と追い上げとはなりませんでした。

5区吉本選手…今年になって大きく台頭してきた3年生の選手。箱根予選はチーム2番手43位で、主力不在の穴を埋めました。その後、初駅伝の全日本駅伝アンカー区間8位好走で実力を証明。上りに自信があると強い希望を持っての5区抜擢でした。

 走り始めた時点で、前17位との差は4分以上。完全に単独走の状態でしたが、登りに入ってからは区間一桁をキープする走り。登りは本当に強かったですね。一転下りに貼ってから苦しむ走りになり、最終的には区間10位73分17秒でした。目標よりは2分遅くなったそうですが、走る位置からするとかなり粘ったと思います。

 ただ、トップとの差は13分58秒差で復路一斉スタート。シード権10位との差は、6分50秒差。復路は、一つでも上を目指す走りになりました。

6区工藤選手…山下りは1年生工藤選手を抜擢。箱根予選は出走していたものの、まだ大きな実績は少なかった選手です。それが物凄い走りでした。

 5校一斉スタートでしたが、遅いと感じ3㎞で集団を抜け出して、一人でどんどん前を追っていきます。上り部分は区間4位。下りに入ってもいいリズムで区間3位付近のペースをキープ。見た目で山学大を交わして16番目で浮上します。

 ラスト3㎞の平地が伸びず、駿河台大の追い上げを許しますが、ほぼ同時中継で見た目16番目タイで中継。なんと58分47秒の区間4位の大激走!非常にいいスタートを切ります。

7区松井選手…4年生松井選手が選ばれました。関東IC1500mで通用するスピードも魅力ですが、2年連続箱根予選で好走、長距離の安定感こそ大きな魅力でした。序盤は、駿河台大と山学大の集団で走りますが、10㎞30分オーバーとスローペース。明大にも先行されました。

 中盤以降自分でペースを上げて、大磯の時点で単独17番目で通過。区間14位65分15秒でしたが、ラスト3㎞は全体8番目のタイム。目の前連合チームも見える位置に引き上げてリレーします。

8区馬場選手…4年生リレーとなりました。馬場選手は、これが初駅伝でした。箱根予選は走っていませんでいたが、川崎監督は8区以降は早い段階で決めていたとのこと。秘密兵器の一人だったようですね。

 序盤から連合・駿河台大・専大と4チームの集団に。早くに専大が脱落、遊行寺坂まで3チームでしたが、その上りで連合が仕掛けます。これに反応した馬場選手。遊行坂からは5番目付近のペースで走り抜け、17番目でリレー。66分08秒区間12位とほぼ設定どおり走り切りました。なお、総合でも日体大を交わして17位に浮上していました。

9区吉田光選手…3度目の箱根路となる4年生吉田光選手。3区間連続で4年生リレーとなりました。3障で毎年IC上位に入りながら、コンスタントに駅伝にも選出されていました。直近、全日本駅伝7区7位と好走して、満を持して復路エース区間起用となりました。

 後半勝負を見据えて、序盤は抑えて入りましたが、後半リズムを作ることはできず。70分53秒区間17位はやや悔いの残る走りだったでしょうか。とはいえ、繰り上げは回避。そして山学大を交わして、総合16位に浮上していました。

10区中島選手…アンカーは3年生中島選手。苦しかった前年度伸びてきていた選手です。今シーズンはあまり試合に出てませんでしたが、向かい風に自信があると10区を志願していました。

 序盤から区間中位にで推移していましたが、みんな苦しくなる15㎞付近からうまくリズムを切り替えることに成功。最終的に区間8位70分26秒と好走といえる成績。また、2分17秒離れていた国士大を、29秒差と視界に捉える位置まで追い上げてのゴールでした。

******

 前回予選落ちから、今回本戦出場。川崎監督曰く、チームとしてほっとしまった面もあり、シード権を本気で狙うチームに引き上げることができなかったとのことです。

 また、3年生小島主将や川田選手が走れないなど、故障者は年間通じて悩まされていました。このあたり改善されれば、また上位にチャレンジにできるチームに上がてくるはずです。

次年度へ向けて

 1月4日学内記録会までが、中央学院大チームとしての箱根駅伝、その次の日から次年度へスタートを切りました。

残る今年の箱根メンバー
武川流以名③28分40秒48
≪22:箱3区10位、21:全6区8位、全予3組2位、20:全1区15位、予186位、箱6区5位≫
吉田礼志①28分41秒60
≪22:箱2区18位、21:全4区10位、箱予130位、全予4組10位、関東IC2部5千7位≫
伊藤秀虎②28分52秒15
≪22:箱4区19位、21:全5区9位、箱予115位、全予1組9位、20:全6区14位、予190位≫
工藤巧夢①29分21秒52≪22:箱6区4位、21:箱予262位≫
吉本光希③29分34秒69
≪22:箱5区10位、21:全8区8位、箱予43位、20:予132位≫
中島稜貴③29分39秒69≪22:箱10区8位、20:全5区10位、予101位≫

残る補欠メンバー
小島慎也③28分42秒41※2年連続主将
≪21:全予3組1位、箱3区18位相当、20:全2区15位、予67位、19:出2区5位≫
堀田晟礼①28分49秒05≪21:箱予186位≫
堀田捷仁①29分15秒78
荻沼直人③29分29秒45
飯塚達也②29分37秒95
井潤翔太②30分07秒21

その他有力選手
松島 匠③29分05秒81
瀬沢瑛洋②29分25秒61
米山奏楽③29分33秒14
前新城羽信②29分34秒24
蒲田陽生①29分43秒65
上野航平③29分46秒13
川田啓仁③29分46秒71≪21:全3区17位、予63位、20:予184位≫
鈴木吟河③29分47秒80
鞍野陸人③29分49秒89
谷口唯翔③5千half64分37秒≪21:予124位≫
芳賀利紀①half64分39秒≪21:予128位≫

 序盤で出遅れましたが、ポイントポイント好走する区間があったのは良かったですね。調子が上がってくれば、間違いなくエースになっていくだろう吉田・堀田晟選手の新2年生は、今年が楽しみになってくる選手。

 この新2年の世代楽しみで、山下り58分台激走の工藤選手に、堀田捷選手は1万m29分20秒付近。学内TTでは、芳賀・安藤選手が29分20秒台好走しています。この世代は今後中心になっていきそうです。

 また、新4年も様々な選手がいますよね。長い距離と上りに強い吉本選手に、出場できれば安定している中島選手がいます。怪我が多いですが、2年連続主将が決定している小島選手や、川田・松島選手も主力として計算が立つ選手です。

 新3年がやや遅れていますが、箱根4区出走した伊藤選手が28分52秒を記録して主力となってきています。また、実績少ないながら箱根エントリーに入ってきた、飯塚・井潤選手や、最近好調の瀬沢選手も注目ですね。選手は育ってきていると思います。

まとめ

・大エース栗原選手1区投入も最下位スタート
・1年生、2区奮闘吉田&6区山下り工藤選手激走
・3区武川5区吉本10区中島選手、3年生ポイント好走
・7区8区9区4年生リレーで総合16位へ浮上
・小島選手2年連続主将決定、再び上位挑戦へ

 2年ぶりの箱根路は険しいものだった。1区にエース栗原選手を投入するも、箱根予選後の経過が思わしくなく、大きく遅れる最下位スタート

 その中でも少しずつ収穫がありました。将来のエース候補吉田選手が華の2区を早くも経験。次年度最終学年になる3区武川5区吉本10区中島選手が後方ながらいい走りをしています。

 山下り起用1年工藤選手の区間4位の激走もありました。7区8区9区起用の4年生も頑張って、この2区間で2つ順位を上げています。

 他校も強いので、2年連続出場できるかは、現時点では分かりません。とはいえ、新2年を中心に育成で上がってきた選手もいますし、

 怪我離脱が続いていますが、2年連続主将となった小島選手など力のある選手は他にもいます。上位にチャレンジできるチームに仕上げていきたいですね。