2月中は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
順番は総合順位順から変えます。
続いて、
古豪復活への道はまだ遠く
明治大学です
箱根駅伝14位の明治大・山本佑樹監督「私の采配ミス」、レースを作る難しさを痛感 https://t.co/Y5ut38eHFo
— 寺田的陸上競技WEB (@rikujouterada) January 8, 2022
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【明治大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて
前年度は、全日本大学駅伝で表彰台の3位に入りながら、箱根駅伝で11位シード権落ちと、両駅伝で対照的な結果となった。序盤で出遅れたのは確かだが、巻き返すことが出来なかった。”強さ”を求めての1年だった。
トラックシーズンは4年生鈴木・手嶋選手らが、走力で牽引。箱根予選は、多くの選手が日本人先頭集団に付き、圧倒的なトップ通過を果たした。
迎えた全日本大学駅伝は、箱根予選後一部の選手が不調・欠場ながらも、アンカーまで3位の可能性を残しての6位。その後の、MARCH対抗戦でも好記録が出て、箱根路リベンジで、確かな歩みを進めていた…はずだった。
箱根駅伝2022振り返り
14位明治大学11時間00分28秒
往路17位5時間32分20秒・復路🥉位5時間28分08秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 13位 | 手嶋杏丞④ | 62分13秒 | 13位 | 1分33秒 |
2区(23.1㎞) | 16位 | 鈴木聖人④ | 69分11秒 | 15位 | 3分52秒 |
3区(21.4㎞) | 14位 | 児玉真輝② | 63分39秒 | 16位 | 5分29秒 |
4区(20.9㎞) | 7位 | 小澤大輝③ | 62分23秒 | 14位 | 6分06秒 |
5区(20.8㎞) | 18位 | 下條乃將③ | 74分54秒 | 17位 | 10分14秒 |
6区(20.8㎞) | 12位 | 杉本龍陽③ | 59分28秒 | 16位 | 10分39秒 |
7区(21.3㎞) | 🥈位 | 富田峻平③ | 63分02秒 | 14位 | 11分02秒 |
8区(21.4㎞) | 11位 | 櫛田佳希③ | 66分01秒 | 14位 | 12分14秒 |
9区(23.1㎞) | 11位 | 加藤大誠③ | 70分26秒 | 15位 | 15分25秒 |
10区(23.0㎞) | 4位 | 橋本大輝④ | 69分11秒 | 14位 | 16分46秒 |
1区手嶋選手…4年生エースの一人ですね。これまではスピード主要区間で稼ぐ役割が多かったものの、兼ねてから希望していた1区を任されることに。全日本では1区9位でした。
第2集団で積極的な走りを見せていたものの、勝負所六郷橋の上りで後れを取ってしまう。先に遅れていた選手の一部にも追いつかれてしまい区間13位のスタートに。
夏以降思うように調子が上がらず、箱根10日前もポイント練習を外してしまった状態だった。その中での精いっぱいのまとめでした。
2区鈴木選手…4年連続の箱根路。1年時から1区、5区、5区を担当して、最後の箱根路で華の2区を任されることになりました。春に1万28分09秒を出して堂々学生トップクラスへ。全日本駅伝では、故障気味ながら6区3位の粘りの走りでチームの順位を引き上げました。
後半の上りに重きおき、前半は比較的イーブンペースを刻むことを意識していたそうです。でしたが、権太坂以降も大きくペースアップをすることはできず。早大らに交わされ総合15位で中継。個人としても、69分11秒区間16位と他校のエースからは離される結果に。今夏も序盤で後手を踏む展開となりました。
3区児玉選手…今年ぐっと成長した2年生の選手。前半シーズンは、肺気胸で棒に振ったものの、秋シーズンは活躍。全日本駅伝2区2位と好走し、チームを流れに乗せていました。
まず、突っ込んで前を追い上げる走り。巻き返そうとしますが、中盤以降脚が止まってしまいました。63分39秒区間14位と伸び悩んでしまいました。総合も16位となり、前がやや遠のいてきました。
4区小澤選手…劣勢の中で襷をもらったのは、今期絶好調の3年生小澤選手。1年時から主力の期待が高かった選手ですが、怪我などで大学駅伝は3年全日本が初。4区3位の好走で、見事順位を上げていました。
初の箱根路も、力強い走りで区間5番争いあたりのタイムで押していきます。途中、日体大と神大に追いつき、三つ巴のデットヒートを繰り広げます。最後の叩き合いも、見事制して総合14位に浮上。個人としても、区間7位62分23秒。ようやく区間一桁が出ましたね。
とはいえ、前回は5区山登りで巻き返す予定でした。今回は序盤稼いで、山登りは凌ぐ作戦。こう考えると、今回の箱根駅伝がいかに計算から狂ったかが分かります。
5区下條選手…その5区山登りは下條選手。入学時から狙っていたそうですが、今年度3年生秋になって急浮上。激坂王で7位に食い込むと、世田谷ハーフ・MARCH対抗戦と連戦で結果を出し。5区山登りを任されることになりました。
追い上げるしかないと序盤の平地は、神大らと並走しながら突っ込んで入ります。でしたが、本格的な登りになってから一気に脚が止まりました。区間最下位に近いタイムに落ち込み総合17位に後退。下り以降何とか頑張るも、74分54秒区間18位。シード権の10位とは3分06秒と厳しくなってきました。
6区杉本選手…またトップと10分14秒だったため、復路は一斉スタート。任されたのは3年杉本選手。箱根予選72位のあと、1万m28分46秒を記録。チーム内佐久間・漆畑選手との争いを制しての、6区山下りでした。
序盤の上りはやや苦しい走り、下りに入って少しずつ巻き返して、最後の平地で残っていた脚を爆発させた走りになりました。区間12位59分28秒とまずまずの走り、総合も16位にあげての中継でした。
7区富田選手…富田選手が良かったのですよね。思い切り突っ込んで入ると、二宮定点で区間賞争いの走り。見た目先行していた、山学大・駿河台・中学大をあっという間に捉えていきます。
前回は9区飛ばしていき、一旦10位に追いつかれながらも引き離された悔しさがありました。箱根予選前にも故障して、チームに貢献できず。ですが、全日本駅伝3区間に合わせて、その後調子が上がっていました。
中盤には、連合を捉え、終盤の争いで国士大をも交わして、一気に総合14位に浮上。区間2位63分02秒の快走でした。シード権との差も2分23秒として、僅かではありますがチャンスが出てきました。
8区櫛田選手…ロードオールマイティという3年櫛田選手が8区を任されました。前々回8区8位、前回4区7位と過去2度は区間一桁で走っています。今回は、箱根予選後に故障があったということで、2大会前に走っている8区になりました。
単独走の中、ペースを上げようと試みますが、大きくはいききれなかったですかね。何とか区間中位のペースをキープしての中継。66分01秒区間11位、怪我明けでしたので、今回はこれが限度でした。
9区加藤選手…2年連続2区を務めた加藤選手が、今回は9区に回りました。伸び悩みが続いていましたが、箱根予選では日本人2番手に入るなど、ロードで力強い走りをする選手です。2区から外れた悔しさもあったと思います。
2分55秒のイーブンペースで押していく走りを目標としましたが、区間二けたのペースに留まります。中盤以降に、国士大の追撃を許してしまい総合15位に後退。70分26秒区間11位にまとめますが、シード権との差は3分以上。苦しくなってきました。
10区橋本選手…アンカーを任されたのは4年生夏を超えて一気に主力となった橋本選手。中学時代活躍したものの、高校時代伸び悩み、入学時代の5千m持ちタイムは15分09秒。明治大には一般入試で入学しています。4年かけて総合力をつけ、箱根予選好走すると、全日本駅伝7区4位と好走。一人でも押していけると早くから10区候補でした。
早くに国士大を捉える14位に浮上すると、後方10秒前後追ってくる連合の選手を意識しながら、ペースを保ちます。区間2位争いをしながら、前神大・早大をじわじわ追い上げていきます。ラストの追い上げ僅かに届かず、総合14位でのゴール。
それでも、69分11秒個人4位は立派に胸を張れる結果ですね。強豪実業団への道も開けたようです。また、復路は総合3位だったそうなので、何とか意地を見せた形になりました。
最後の箱根路/明大・橋本大輝が示した「強さ」高校時代15分台が積み重ねてつかんだ10区
きらりと光った4年生たち幾人かの物語――。#明治大学 の10区を駆け抜けた#橋本大輝 選手
「15分台でも箱根で活躍できると証明」#箱根駅伝
|月陸Online https://t.co/R81lRBa7v7— 月陸Online/月刊陸上競技 (@Getsuriku) January 26, 2022
とはいえ、昨年の次点シード権落ちを受け、強さを求めた1年間でした。さらに順位を落とす結果には、関係者は中々受け入れがたいものがあったと思います。
時間がたつにつれ、トラック1万mのスピードと、箱根駅伝で求められるスピードは違うものがあるとの話もありました。幸い3年生以下に主力が多かった今回のチーム。上位は次回に持ち越しとなりました。
次年度へ向けて
3区から9区を走ったメンバー、特に4区から9区は今回3年生の選手が走っているのですよね。
残る今年の箱根メンバー
櫛田佳希③28分19秒77
≪22:箱8区11位、21:予18位、20:箱4区7位、19:箱8区8位≫
小澤大輝③28分20秒67※新主将
≪22:箱4区7位、21:全4区3位、予26位、関東IC2部half5位、19:箱予47位≫
児玉真輝②28分22秒27
≪22:箱3区14位、21:全2区2位、予17位、箱1区16位、20:全1区5位≫
富田峻平③28分35秒41
≪22:箱7区2位、21:全3区10位、20:箱9区10位≫
杉本龍陽③28分46秒29
≪22:箱6区12位、21:予72位≫
下条乃將③28分47秒86≪22:箱5区18位≫
加藤大誠③28分56秒81
≪22:箱9区11位、21全8区15位、箱予9位、箱2区17位、20箱2区10位≫
残る補欠メンバー
漆畑瑠人③28分53秒09≪21:予168位≫
杉彩文海②28分57秒51≪21:予75位≫
曳田道斗①29分06秒83
新谷紘ノ介①29分34秒96
その他有力選手
尾崎健斗①29分09秒96≪21:全5区10位、予114位≫
吉川 陽②29分11秒83
安部柚作②29分16秒08
島田 拓①29分22秒43
鈴木祐太①29分23秒46
三上晋弥③29分33秒81
甲斐涼介①29分35秒38
東原豪輝①29分35秒41
森下翔太5千13分57秒16≪21高1区1位、20高1区9位≫
堀 颯介1万m28分40秒90≪21高3区15位、20高6区1位≫
次年度は、4年生主体のチームになっていきそうですので、一つ集大成となってきます。新主将となる小澤選手に、区間2位好走した富田選手が総合力が高いと言えるでしょうか。故障がなければ、櫛田選手も往路をやれる力があります。
他に、3年連続箱根路を走っている加藤選手、山を務めた下條・杉本選手も、1万m28分台の走力がありますので、まだまだ十分チャンスがあります。他には箱根6区を争ったという漆畑選手もいます。彼らがいるうちにシード権を取りたいですね。
新3年生以下では、2年連続往路を走っている児玉選手が一抜けています。これに箱根予選二けた順位の杉選手、他にも1万m29分10秒台を一度出している選手がいますので、本格化してくるかどうか。
新2年も面白くて、すでに全日本駅伝を経験している尾崎選手、箱根エントリーに入った曳田・新谷選手、他にも島田選手ら1万m29分中盤を出している選手が複数人います。この世代が伸びてくるとぐっと選手層が厚くなります。
ルーキーは、大注目、世羅高校の森下選手。2年連続都大路で1区を担当し、前回は区間9位、今回は区間賞を獲得!同同世代の代表格の選手が加入します。他にも1万m28分台経験者の堀選手ら、レベルの高い選手が入学します。今度こそ、チームとしてまとめあげていきたいですね。
まとめ
・4区小澤&7区富田選手が快走!上位へ一撃
・一般入試10区橋本選手の猛追区間4位で復路3位
・4区~9区が新4年生、集大成の次年度
・スーパールーキーも加入、上位復活はあるか
4年生手嶋・鈴木選手を1区2区に投入し、攻撃型のオーダーで臨みました。でしたが、不調明け・故障明けだったこともあり、前回同様に出遅れてしまう形に。
4区小澤選手や7区富田選手と単発で好走する区間はあったものの、流れを作るまではいたらず。9区終了時でシード権はかなり厳しい状況になりました。
その中で、一般入試4年生10区橋本選手が区間4位好走を見せ、総合14位。復路だけで見ると3位の成績。何とか一矢を報いる戦績でした。
次年度は、今回4区~9区を走った3年生が、最上級生になる集大成の年になります。森下選手らスーパールーキーの加入もあります。箱根路で求められるスピードを身に着け、上位復活なるか注目です。
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