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【神奈川大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて

2月中は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。

順番は総合順位順から変えます。

続いて、
2年生中心、強かに戦い抜いた
神奈川大学

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【神奈川大学】第98回箱根駅伝2022振り返りと、次年度へ向けて

 前回の箱根路は13位。往路は一桁順位で久々にシード権争いに加わることができた。ある程度のメンバーも残り、シード権奪回に向けて、士気を挙げたかった前半シーズンは故障者続出。狙う実力があったはずの全日本駅伝も予選落ちした。

 箱根予選でも、一部の主力は戻らなかった。10㎞通過で低空飛行の時は、予選落ちもちらついたが15㎞で一気に圏内へ。最終的に5位通過を決めてきたのは、神大の底力を見た形だった。

 2年生を中心に上がってきて、その中で上級生がまとまっている形。現状組める精いっぱいのオーダーで精いっぱいの戦いだった。

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箱根駅伝2022振り返り

12位神奈川大学11時間00分00秒
往路12位5時間29分26秒・復路11位5時間30分34秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 11位 巻田理空② 62分03秒 11位 1分23秒
2区(23.1㎞) 13位 西方大珠④ 68分39秒 12位 3分10秒
3区(21.4㎞) 13位 宇津野篤② 63分37秒 15位 4分45秒
4区(20.9㎞) 10位 小林政澄② 63分08秒 15位 6分07秒
5区(20.8㎞) 7位 山崎諒介③ 71分59秒 12位 7分20秒
6区(20.8㎞) 15位 横澤清己④ 59分35秒 12位 7分52秒
7区(21.3㎞) 12位 川口 慧④ 64分39秒 13位 9分52秒
8区(21.4㎞) 10位 大泉真尋② 65分56秒 13位 10分59秒
9区(23.1㎞) 9位 小林篤貴② 69分57秒 13位 13分41秒
10区(23.0㎞) 9位 有村祐亮③ 70分27秒 12位 16分18秒

1区巻田選手…今年の成長株ですね。春に1万m28分台を記録すると、関東ICや全日本予選最終組でも他校のエースと戦いきった。箱根予選でも29位とチーム上位。前回の箱根は走っていない選手が、いきなりチームのエース格になるのですから、分からないものです。

 1区を任され、区間記録に近いペースで進む第2集団にしっかりついていきます。六郷橋の上りの手前で遅れ始めてしまい、その時点で12位。それでも後から脱落した山学・明大を捉えて10位へ浮上。最後に国士大に交わされますが、区間11位。まずまずのすたーとをきります。

2区西方選手…4年生の主力選手。前々回は1区、前回は4区で区間中位。往路でもしっかりまとめる力がありました。また3000m障害も強い選手、日本IC2年連続表彰台、その後の箱根予選もしっかりまとめていました。

 最後の箱根駅伝で、初のエース区間2区。留学生のいるチーム等に抜かれ、14位まで後退します。ですが、淡々と刻んでいき、イーブンペースをキープ。落ちてきた専大・東海大を交わし、早大らの追い上げを凌いで12位でリレー。68分39秒区間12位の粘りで、難しい区間を凌ぎます。

3区宇津野選手…主要区間で一定の安定感がある2年生ですね。前回の箱根は6区山下り、箱根予選は2年連続二けた順位でまとめています。今回は、往路のスピード区間3区を任されました。

 比較的抑え気味で行きますが、順大・早大のエース格の選手に交わされます。中盤以降粘りますが、最後に日体大に交わされ総合15位で中継。少し力不足だったか。とはいえ、個人としては63分37秒の区間13位。ギリギリ中位の流れに踏みとどまりました。

4区小林政選手…29日の区間エントリーで4区に。1万m29分17秒の持ちタイムはありましたが、箱根予選の順位は123位。当日変更ではないかと思われていましたが、出走!これは失礼しました。

 序盤は、すぐ前にいた日体大と並んで通過。二宮以降に追いついてきた法大が区間一桁ペースで、これに食らいつく形。中継所直前まで三つ巴は続き、明大に次ぐ総合15位でリレー。個人としては63分08秒の区間10位、往路区間でこの結果は自信になりそうな気がします。

5区山崎選手…箱根予選でびっくり!3年生の選手ですが、今年の箱根予選までは、大学でほとんど出番がなかった選手です。それでも鳥栖高時代からロードで強かった選手です。勿論初挑戦の箱根予選は53位まずまず。その後、レースの出場はなかったですが、山登りへ着々と準備を進めていました。

 競り合っていたこともあり、最初の平地から飛ばして入ります。登りに入ってから、一旦はペースが落ち着きますが、小涌園からまた力を発揮。連合と山学大と国士大を交わして12位に浮上します。下りに入ってから、追いついた早大と追いついてきた東海大と三つ巴の対決に。

 ラストのスピード勝負で置いていかれますが、失速気味の法大を交わして12位でゴール。71分59秒の区間7位の好走。また、10位東海大とは僅かに12秒差。シード権が見える位置にまで浮上して見せました。

6区横澤選手…シード権獲得に向けて大事な区間となった6区山下りには4年横澤選手。一般入試から上がってきた選手。関東IC・全日本予選・箱根予選と連続して結果を残して、最初で最後の箱根路を掴み取りました。

 東海大と早大を捉えて、総合10位で小涌園を通過します。ですが、後方から法大、さらにペースを上げてきた東海大に抜き返されまた12位に。このあたりから、ペースが落ちてしまいます。59分35秒ながら区間15位。シード権との差は54秒差に開きました。高速化を感じる結果となりました。

7区川口選手…戻ってきた4年生の主力選手ですね。2年時に1万m28分台を記録、その後の箱根で7区8位の成績、前回は3区でまとめています。最終学年の今シーズンは怪我で長期離脱していましたが、11月に5千m13分台。ギリギリ間に合いました。

 単独走が続きますが、二宮は区間一桁で通過。その後、早大に追いつかれますが、これに付くことはできず。最終的に区間12位64分39秒、シード権との差は1分27秒差となり、少しずつ可能性が低くなっていました。

8区大泉選手…チーム内で、今季最も成長した2年生の選手と取り上げられていましたね。Bチームで練習も、箱根予選出走。その後1万m29分16秒の好記録を出して、箱根8区へ。なお、3年連続8区を走っていた4年生の選手がいましたが、その競争にも勝っての出場でした。

 序盤落ち着いて入ると、中盤ペースを上げて前の早大に迫る走りを見せます。遊行寺坂から前がペースを上げて引き離されますが、崩れることなく走り切りました。区間10位65分56秒と粘りの走り、今後の飛躍を感じさせる走りでした。

9区小林篤選手…今年になってぐっと伸びてきた選手です。箱根予選は個人112位でしたが、1万m29分35秒にベストを更新していました。前も1分、後ろも1分開いている状況。単独走の状況でしたが、しっかりペースを刻みます。

 中盤以降になってから、じわじわ区間順位を上げていくレース展開。このあたりはうまくペース配分していましたね。最終的に区間9位69分57秒の好走、前から落ちてきた早大と12秒差の13位に付けました。

10区有村選手…ここまで大きな実績が少なかった3年生有村選手が、アンカーを託されました。箱根予選はエントリーなし、12月日体大記録会29分28秒を出したのが、初めて名前を知ったくらいでした。

 序盤は、前突っ込み気味の早大につかず区間下位。少し心配でしたが、少しずつ区間順位をあげていく走り。20㎞までに早大に追いつくと、ラストの叩き合いで勝利!70分27秒区間9位の好走、シード権には1分14秒届きませんでしたが、下馬評よりは高い総合順位でした。

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 悪くて区間15位、あとは区間13位以内でした。ただ、最高で区間7位、区間一桁は3区間に留まったのが、もう少し届かなかった要因かな。とはいえ、箱根予選5位通過ですから、それより上がった結果でもあります。

 神大は、一昨年までは、往路終了時でシード権が難しい状況になっていることが多かったです。それが、昨年、そして今回と、復路途中までシード権が狙える位置に踏みとどまっています。高速化が顕著になってきているところ、上がってきているの吉報ですね。

次年度へ向けて

順調なら、神大は次年度から有力校になってくると思います。

残る今年の箱根メンバー
巻田理空②28分52秒30
≪22:箱1区11位、21:箱予29位≫
宇津野篤②29分00秒44
≪22:箱3区13位、21:箱予65位、箱6区12位、20:予54位≫
大泉真尋②29分16秒77≪22:箱8区10位、21:予156位≫
小林政澄②29分17秒33≪22:箱4区10位、21:予123位≫
有村祐亮③29分28秒21≪22:箱10区9位≫

小林篤貴②29分35秒58≪22:箱4区9位、21:予112位≫
山崎諒介③half63分49秒≪22:箱5区7位、21:箱予53位≫

残る補欠メンバー
高橋銀河②28分57秒71

≪21:予132位、箱9区20位、20:予50位≫
佐々木亮輔②29分28秒40≪21:箱10区2位、20:予68位≫
鈴木玲央③29分45秒25≪20:予103位≫※新主将
中原優人①29分45秒99≪21:予199位≫

その他有力選手
島崎昇汰③29分01秒15
大岩歩夢②29分47秒40
端羽 星③30分03秒19
國本大生②30分06秒56
園田 勢①5千14分01秒08
小原快都①5千14分10秒23
宮本陽叶5千14分06秒75≪21高4区1位≫

 今大会の箱根路、2年生がとても多かったですよね。1区巻田選手、3区宇津野選手、4区小林政選手、8区大泉選手、9区小林篤選手と5名走っています。彼らが全員区間中位でまとめています。全員が上級生になっていきますので、今後が楽しみですよね。

 なお、この世代は他にも有力ランナーがいます。前回の箱根9区を走り、秋に1万m28分57秒を記録した髙橋選手、前回の箱根路10区2位と激走している佐々木選手。彼らが本格化してくればさらに戦力アップします。直近では、大岩選手にも勢いがありますね。

 下級生では、現1年生で中原選手が箱根予選を走り、唯一16人エントリーに入りました。また、小原選手が、先日の大阪ハーフ64分台と目途が立ちつつあります。新入生も楽しみで、高校駅伝4区1位の宮本選手が加入。大後監督の指導で、どのように羽ばたいていくでしょうか。

 新4年の世代が、遅れていると言われていましたが、今年は2人も出走。しかも5区山崎・有村選手ともに区間一桁で走り切りましたし、十分走りで引っ張れるように。新主将となった鈴木選手も、長い距離で結果を出したこともあります。縁の下の力持ちになっていけるか。

まとめ

・新エース1区巻田、3障得意の2区西方選手繋いでいく
・4区9区区間中位でまとめたW小林選手
・5区山登り山崎選手の走りで、一時見えたシード権
・Bチームの星の大泉選手も8区に登場
・2年生出走5人、さらに高橋・佐々木選手で次こそ上位へ!

 総合力チームと言われていましたが、新エース1区巻田選手に、往路3度目の西方選手が2区でしっかりまとめきって、中位の流れで推移することに成功。小林政選手らも耐えて、秘密兵器だった5区山登りへ。

 山崎選手が区間7位の好走で、10位と18秒差の往路12位に付けます。6区以降やや引き離されましたが、8区大泉選手が区間10位、9区小林篤・10区有村選手が区間9位でまとめて、総合12位。昨年より、一歩シード権に近づきました。

 今回出走者のうち、2年生が5名。全員が区間中位でまとめています。同学年では、他に高橋・佐々木選手が力があります。下級生も、宮本選手ら楽しみな新入生が入部します。これから本格化するであろう選手が多数、来年度神大は必ず来るはずです。