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【箱根駅伝2022】5区を定点別に振り返る~柏原選手以来の出来事

そろそろ箱根駅伝2022の余韻が冷めつつありますかね。

レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。

続いて5区山登り
青学・東海大など1年生の活躍が光る中…久々2年連続区間賞でした

当ブログで毎年行っている通り、

定点間ごとの分析をしていきます。

トップ争いだけでなく、それぞれの選手の走りに注目できます。

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【箱根駅伝2022】5区定点間分析

まずは出走者を持ちタイムと、過去の実績とともに見てみます。

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5区走者走順&実績

①青学・若林宏樹①28分27秒72/全6区12位、出4区6位、関東IC2部5千12位、20高1区3位

②1:37東国・倉掛 響①29分56秒51/20:高3区6位
③1:46國學・殿地琢朗④29分43秒64/関東IC2部half16位、箱5区8位、20箱10区4位、19箱8区12位

④2:50帝京・細谷翔馬④28分53秒90/全8区13位、関東IC2部1万4位、箱5区1位
⑤2:52創価・三上雄太④29分03秒20/全予3組30位、箱5区2位
⑥2:55駒大・金子伊吹②29分29秒64
⑦3:06順大・四釜峻佑③28分36秒03/全8区2位、出6区4位、関東IC1部half4位
⑧3:07中大・阿部陽樹①28分37秒35/全2区12位、箱予32位、全予2組2位、20:高1区21位
⑨3:43法大・細迫海気②29分24秒60/箱予131位、全予2組5位

⑩4:31早大・伊藤大志①5千13分36秒57/全1区7位、出5区12位、20:高1区5位
⑪4:39国士・山本雷我②30分19秒40
⑫4:52東洋・宮下隼人④28分37秒36/全8区6位、箱5区3位、20箱5区1位

⑬5:33山学・成毛志優④29分24秒05/箱予134位
(14)5:54筑波・福谷颯太③29分11秒71/箱予16位、20:予168位
⑭6:06明大・下條乃將③28分47秒86
⑮6:07神大・山崎諒介③half63分49秒/箱予53位
⑯6:17日体・吉冨純也②29分18秒77/全予2組18位

⑰7:10東海・吉田 響①29分42秒42

⑱11:27中学・吉本光希③29分34秒69/全8区8位、箱予43位、20:予132位
⑲11:36専大・野下稜平②30分01秒73/箱予117位、全予1組22位、箱5区20位
⑳12:52駿河・永井竜二③29分32秒45/箱予103位、20:予242位、19:予167位

 トップ青学大はルーキー若林選手に山登りを託しました。直近1万m28分27秒自己ベスト好調で、2体構え区間2位飯田選手を押しのけての出場。とはいえ、前哨戦の結果は必ずしもよくなく、その実力が疑問視されていた。2位東国大倉掛選手も1年生で、上位2校はいずれも1年生がスタート。

 その後方を実力者がスタート。3位1分46秒差で、激坂王学生トップの國學殿地選手、4位2分50秒差で前回区間賞の帝京細谷選手、5位2分52秒差で前回2位で往路優勝のテープを切った創価三上選手、

 それ以外にも、7位3分06秒差で実力者順大四釜選手、12位4分52秒差で区間記録保持者東洋宮下選手がスタート。果たして大幅な順位変動があるか。このメンツの中、選ばれている駒大金子選手はまだ実績少ない選手、上り適性が気になった。

 下位のチームも、山に適性がある選手次第では、十分にまだまだ上位争いに加わることが可能な差でした。

定点間分析①:小田原中継所~函嶺洞門

レース経過
2㎞:1位青学若林選手1㎞2分58秒、2㎞6分10秒で通過
2.5㎞:東国倉掛選手の後方、國學殿地選手が3秒差へ

箱根湯本2.8㎞
2位東国と3位國學院が1秒差
4位帝京駒大創価揃って通過
⇒7位順大四釜12秒⇒8位中大阿部8秒

10位早大伊藤⇒11位東洋宮下5秒、12位国士山本も後方に
13位山学成毛⇒14位神大明大連合15秒
18位中学吉本⇒19位専大野下16秒

参照:【撮影】2022箱根駅伝5区、箱根湯本駅前通過(Youtube:ライラch 様)

函嶺洞門3.5㎞

区間記録:96回宮下(東洋)10分31秒

14位若林(青学)10分52秒①
12位殿地(國學)10分48秒②1:42
16位倉掛(東国)10分57秒②1:42
5位細谷(帝京)10分38秒④2:36
3位三上(創価)10分36秒④2:36
2位金子(駒大)10分33秒④2:36
1位四釜(順大)10分32秒⑦2:46
7位阿部(中大)10分41秒⑧2:56
17位細迫(法大)10分59秒⑨3:50
19位伊藤(早大)11分05秒⑩4:45
10位宮下(東洋)10分45秒⑩4:45
20位山本(国士)11分13秒⑫5:00
18位成毛(山学)11分00秒⑬5:41
4位山崎(神大)10分37秒⑭5:52
5位下條(明大)10分38秒⑭5:52
13位福谷(筑波)10分49秒(14)5:52
10位吉冨(日体)10分45秒⑯6:10
8位吉田(東海)10分42秒⑰7:00
9位吉本(中学)10分43秒⑱11:18
15位野下(専大)10分55秒⑲11:39
21位永井(駿河)11分26秒⑳13:26

最初の平地は指示通りゆったり入った”若の神”
 注目青学若林選手は、1㎞2分58秒、2㎞6分10秒の入り。近年の高速化を考えると、ゆったり入ったような印象を受けます。とはいえ、原監督は「最初の平地は飛ばさず、本格的な登りに入ってからギアチェンジ」と指示があったそうです。函嶺洞門までは。全体14番目だ。

 後方、國學殿地選手が箱根湯本付近で、東国倉掛選手を捉えていていますが、10分48秒の区間12位。僅かに差は詰まったものの、ギアチェンジはこれからという印象だった。

順大四釜選手が定点トップ!4位争いが定点間上位を独占
 その後方が早くも熱かった。4位で走り始めた帝京細谷選手は昨年区間賞の選手、これに秒差で続いていた創価三上選手、駒大金子選手が追いついている。三上・金子選手も定点間2位3位の走りだ。

 三上選手は、昨年の経験者だが、駒大金子選手は駅伝初出場。強豪駒大の中では、目だっていた存在ではなかっただけにびっくり。ここまだ実力か、飛ばし過ぎか判断が付かないところ。

 その後方、10秒差で続いている順大四釜選手が、函嶺洞門の地点で区間トップの10分32秒。トップ青学大も20秒詰めた計算だ。同時スタートの中大阿部選手も突き放しているが、阿部選手も7番目のタイムで通過。4位から8位のチームは全員突っ込み気味に入っていた形、本格的な登りでどうなるか気になった。

東洋宮下選手ら中位スロー、神大山崎選手ら下位が早め
 対して、9位~13位のチームは、総じてスローの入り。単独走の法大細迫選手はともかく、僅差の早大伊藤・国士山本選手は近づかなかった。このあたりは11分オーバー。13位山学成毛選手もスローだ。

 4区で下がった東洋宮下選手が10位早大に早くも追いつているが、区間10位10分45秒。自信の区間記録から14秒遅れているのはちょっと気になるところだだった。

 その後方が早い。神大秘密兵器と言う山崎選手が10分37秒の定点4番のタイムで突っ込んで、これに明大下條選手がついていく形。箱根湯本で8秒前にいた連合筑波大福谷選手に追いついて、この3選手が並走する形。16位日体吉冨・17位東海吉田選手も区間中位の走り、

 先頭スロー、上位ハイペース、中位スロー、下位ハイペースと結構顕著に分かれたのは流れなのでしょうか。この次、またガラリと展開が変わります。

定点間分析②:函嶺洞門~大平台

レース経過
3.6㎞:10位早大伊藤選手が、追いついた東洋宮下選手を突き放す
  14番争い連合筑波福谷選手と神大山崎選手、明大遅れ気味
4.0㎞:2位國學殿地、その後ろ3位東国倉掛選手 殿地3㎞9分02秒
5㎞:2位国学殿地15分44秒 4~6㎞3分32秒・3分34秒
5.4㎞:4位帝京細谷・駒大金子選手並走、6位創価三上選手付けず
  中野監督「上り切ってから勝負 前と54秒差、青学とも追いつけるぞ お前が一番練習してるんだからね」
6.0㎞:青学若林選手19分09秒通過 国学殿地5㎞15分44秒

青学若林選手LAP
2-7km3分02秒、3分09秒、3分26秒、3分25秒、3分18秒

大平台7.0㎞
函嶺洞門3.5㎞
定点間3.5㎞

区間記録:96回宮下(東洋)11分43秒<22分11秒>

2位若林(青学)11分44秒<5>22分36秒①
6位殿地(國學)12分00秒<8>22分48秒②1:58
17位倉掛(東国)12分26秒<16>23分23秒③2:24
3位細谷(帝京)11分45秒<2>22分23秒④2:37
3位金子(駒大)11分45秒<1>22分18秒④2:37
5位阿部(中大)11分52秒<4>22分33秒⑥3:04
12位四釜(順大)12分13秒<7>22分45秒⑦3:15
19位三上(創価)12分38秒<14>23分14秒⑧3:30
8位細迫(法大)12分05秒<11>23分04秒⑨4:11
8位伊藤(早大)12分05秒<13>23分10秒⑩5:05
16位宮下(東洋)12分23秒<12>23分08秒⑪5:24
14位山本(国士)12分15秒<18>23分28秒⑫5:31
8位福谷(筑波)12分05秒<op>22分54秒(13)6:12
11位山崎(神大)12分11秒<9>22分48秒⑬6:19
15位成毛(山学)12分22秒<15>23分22秒⑬6:20
12位吉冨(日体)12分13秒<10>22分58秒⑮6:39
20位下條(明大)12分46秒<17>23分24秒⑯6:54
1位吉田(東海)11分42秒<3>22分24秒⑰6:58
6位吉本(中学)12分00秒<6>22分43秒⑱11:34
18位野下(専大)12分36秒<19>23分31秒⑲12:31
21位永井(駿河)13分15秒<20>24分41秒⑳14:57

青学若林選手一気に切り替え、定点間2番に!
 ここからが青学若林選手の真骨頂だった。力感はなくとも、広いストライドのスムーズなフォームで、スイスイと山を駆け上っていく。ラップも遅くても3分25秒程となっているので、かなり早い。

 実際、函嶺洞門~大平台間は11分44秒、全体2番目のタイムで推移した。単独2位となった國學殿地の切り替えているが、定点間6位12分00秒でむしろ差が広がった。5㎞地点で前田監督が「往路優勝を狙おう」と声かけしていたが、ちょっと怪しくなりつつあった。

4位争い明暗、帝京細谷・駒大金子選手順調、創価三上選手後退

 4位争いは大きく変動していた。まず順調なのが、帝京細谷・駒大金子選手。細谷選手はさすがといったところですが、金子選手が食らいついているのは驚いた駅伝ファンも多かったのではないでしょうか。この地点で区間トップも駒大金子選手。駒大に上昇気配が出てきた。

 その後ろは、創価三上選手ではなく、27秒後に中大阿部選手が6位に浮上してきた!この定点間は5番目だった。順大四釜選手が7位に落として通過。12月に入ってきて思ったほど状態が上がってこない中、突っ込んだそうですが、ここは息切れか。

 その後方8位に落としたのが創価三上選手。なんとこの定点間19番12分38秒擁してしまった。ここは、創価大ファンだけでなく駅伝ファンヒヤッとした失速だったでしょう。

 おそらく昨年は、断トツトップで襷をもらい、自分のペースで走れたのに対して、今回はハイペースの他の選手についていってしまったことで、上りでリズムが合わなくなったのかなと思います。経験者でもこういうことが起こるのが山登りの怖いところ。後方、切り替えた法大細迫選手が追い上げています。

早大伊藤選手切り替え、東洋宮下選手身体動かず
 テレビでは映らなかったものの、ここも映っていたらざわついていたのではないでしょうか。早大伊藤選手が、一旦並ばれた東洋宮下選手を突き放して単独10位に再浮上。とはいえ、伊藤選手は定点間8位12分05秒。切り替えたが、全体で早かったわけではない。

 やはり東洋宮下選手が、この定点間動いていなかった。12分23秒で16番目のタイム。自信の区間記録より57秒遅れているタイムとなっていた。本人も前半は身体が重たい感覚があったとのこと。後ろ国士山本選手が迫っていた。

 その後ろの争いも動きがあり、13番目に筑波福谷選手が浮上。山学成毛選手を交わして、並走していた神大山崎・明大下條選手を振り切った形。福谷選手は比較的抑えて入っていた中、しっかり浮上してきた。

 逆に明大下條選手が一気にペースダウン。この定点間12分46秒の20番となった。日体吉冨選手にも交わされ16位に下がった。明大は、基本的に凌ぐ区間のはずが、最初から突っ込まざるを得なかったところ、息切れしてしまったかもしれません。明大がまた苦しい展開となりそうだ。

定点間トップ東海大吉田選手!中学吉田選手も切り替え
 その僅か4秒後、17位東海大吉田選手が通過。まだテレビでは映っていませんでしたが、この時点で区間3位ということで、「おおっ」と思った駅伝ファンも多かったはず。定点間を図ると、なんとトップとなる11分42秒!

 11月中頃には、東海大内では区間賞獲れると言われた秘密兵器。前が点々と見ていて、一気に開花しそう。後方3チームでは、ずっと上りに自信があると話していた中学吉本選手が、定点間6番目のタイム。どうやら抜け出してきそうな気配だ。

定点間分析③:大平台~小涌園

レース経過
8㎞:3位に帝京細谷・駒大金子選手が、東国倉掛選手を交わして浮上
9㎞:青学若林選手29分48秒、國學殿地選手30分19秒で通過

宮ノ下9.3㎞
1位青学、2位國學2分19秒、3位帝京駒大2分40秒、5位東国2分50秒
6位中大3分19秒、7位順大3分30秒、8位創価4分02秒

10㎞:2位国学殿地選手の後ろ、帝京駒大が見えるようになった
  殿地選手は昨年より40秒早い模様 また、帝京細谷選手が単独3位へ

小涌谷踏切10.7㎞
1位青学、2位國學2分33秒、3位帝京2分41秒
4位駒大2分48秒

11㎞:青学若林選手36分52秒
7-11㎞:3分42秒、3分36秒、3分06秒、3分50秒
11㎞:3位帝京細谷選手が単独3位、駒大金子選手を突き放す
11.3㎞:2位帝京細谷選手を浮上、國學殿地選手を捉える
11.4㎞:5位に中大阿部選手浮上、6位東国大へ 7位順大四釜も見える

小涌園11.7㎞
大平台7.0㎞
定点間4.7㎞

区間記録:96回宮下(東洋)17分33秒<39分47秒>

1位若林(青学)17分04秒<3>39分40秒①
2位細谷(帝京)17分09秒<1>39分32秒②2:42
14位殿地(國學)17分55秒<11>40分43秒③2:49
4位金子(駒大)17分26秒<4>39分44秒④2:59
5位阿部(中大)17分33秒<5>40分06秒⑤3:33
18位倉掛(東国)18分16秒<17>41分39秒⑥3:36
5位四釜(順大)17分33秒<6>40分18秒⑦3:44
16位三上(創価)18分08秒<14>41分22秒⑧4:34
7位細迫(法大)17分34秒<9>40分38秒⑨4:41
7位宮下(東洋)17分34秒<10>40分42秒⑩5:54
14位伊藤(早大)17分55秒<13>41分05秒⑪5:56
12位山本(国士)17分54秒<14>41分22秒⑫6:21
9位山崎(神大)17分40秒<8>40分28秒⑬6:55
11位福谷(筑波)17分47秒<op>40分41秒(13)6:55
3位吉田(東海)17分15秒<2>39分39秒⑭7:09
17位成毛(山学)18分14秒<16>41分36秒⑮7:29
12位吉冨(日体)17分54秒<12>40分52秒⑮7:29
19位下條(明大)18分24秒<18>41分48秒⑰8:14
10位吉本(中学)17分43秒<7>40分26秒⑱12:13
20位野下(専大)18分47秒<19>42分18秒⑲14:14
21位永井(駿河)19分01秒<20>43分42秒⑳16:54

青学若林選手が定点間トップ!帝京細谷選手と区間記録ペース!
 青学大若林選手がが快調に進んでいく。大平台で1分58秒だった2位国学殿地選手との差は、宮ノ下で2分19秒、踏切で2分33秒とどんどん開いていく。最も殿地選手も思うように走れておらず、10㎞過ぎから視界が狭くなるなど低血糖ぽい症状もあったとか。

 11.3㎞では、単独3位となっていた帝京細谷選手が交わして2位浮上。1位青学若林・2位帝京細谷選手がそれぞれ、定点間1位と2位。この定点間は区間記録の宮下選手の17分33秒をはるかに上回る17分04秒と17分09秒。区間タイム上も39分47秒よりも早いタイムとなってきた。このあたりは相当な早いタイムでの決戦だった。

 3位國學殿地選手の後、4位駒大金子選手も定点間4位。10㎞過ぎに差し込みがきて、帝京細谷選手にはつけなくなったものの、まだまだ上位のペースを維持。しっかり上位に向けて走っている。

順大四釜選手・東洋宮下選手が定点間上位に
 単独5位には中大阿部選手が浮上。上位勢が早いが、阿部選手もこの定点間5位と非常にいい走りをキープ。準備期間は決して長くなかったはずですが、さすが中大期待のルーキーだ。直前で、東国大倉掛選手を交わして5位浮上。東国大は2位から6位へ順位を下げた。

 続いて、粘っている順大四釜選手。この定点間は5番目の17分33秒で走っていて、少し走りが戻ってきたようだ。8位創価三上選手の次、9位法大細迫選手も定点間7番17分34秒、ぐっと前が近づいてきた。

 気になる10位争いは、東洋宮下選手が再浮上。宮ノ下付近からようやく身体がう動き出したそう。定点間7番ながら、17分34秒は自身の区間記録と1秒ほどの差。ここから巻き返していけそうか。

東海吉田選手が17位から14位に進出!
 後方からの東海大吉田選手の追撃はまだまだ続いています。明大下條選手、日体吉冨選手、山学成毛選手を、この定点間で交わして14位に進出。定点間では17分15秒と3番目。区間順位は39分39秒で2位です。

 青学若林・帝京細谷・東海吉田選手に、区間賞争いはこのあたりで完全に絞られてきた形になりました。

定点間分析④:小涌園前~芦之湯

レース経過
13.2㎞:3位國學殿地選手の背後に駒大金子選手。
13.3㎞:駒大金子選手が3位に浮上
13.8㎞:5位に順大四釜選手浮上、中大阿部選手を捉える
15㎞:原監督「70分切れるぞ」
 帝京細谷選手52分09秒 中野監督「頭から突っ込んでいくぞ」
風がここにきて強くなってきた

芦之湯15.8㎞
小涌園前11.7㎞
定点間4.1㎞

区間記録:96回宮下(東洋)15分05秒<54分52秒>

1位若林(青学)15分11秒<1>54分51秒①
4位細谷(帝京)15分25秒<2>54分57秒②2:56
6位金子(駒大)15分36秒<4>55分20秒③3:24
12位殿地(國學)15分54秒<11>56分37秒④3:32
2位四釜(順大)15分21秒<5>55分39秒⑤3:54
7位阿部(中大)15分40秒<6>55分46秒⑥4:02
17位倉掛(東国)16分14秒<17>57分53秒⑦4:39
10位三上(創価)15分50秒<13>57分12秒⑧5:13
11位細迫(法大)15分53秒<10>56分31秒⑨5:23
8位宮下(東洋)15分45秒<9>56分27秒⑩6:28
18位伊藤(早大)16分17秒<14>57分22秒⑪7:02
3位山崎(神大)15分23秒<7>55分51秒⑫7:07
14位山本(国士)16分04秒<15>57分26秒⑬7:14
5位吉田(東海)15分27秒<3>55分06秒⑭7:25
9位福谷(筑波)15分47秒<op>56分28秒(15)7:31
15位吉冨(日体)16分06秒<12>56分58秒⑮8:24
16位成毛(山学)16分10秒<16>57分46秒⑯8:28
21位下條(明大)16分44秒<18>58分32秒⑰9:47
13位吉本(中学)15分58秒<8>56分24秒⑱13:00
19位野下(専大)16分29秒<19>58分47秒⑲15:32
20位永井(駿河)16分41秒<20>60分23秒⑳18:24

青学若林選手、連続定点間トップ!70分切りを狙う!?
 青学若林選手が、ずっと安定した走りを続ける。先ほどの定点間に続き、連続でトップのタイムで走破。区間順位も、帝京細谷選手を逆転して、ついに区間トップのタイムに。2位帝京細谷・3位浮上した駒大金子選手とも差が開き、3分前後。青学大が箱根山中気持ちよく逃げていく。

 この時点で、区間記録を1秒上回っているタイム。原監督から70分きりを狙おうという言葉も軽快。芦之湯での映像で、風が強く吹いているのが気になったが…。

順大四釜選手が奮闘!定点間2位で5位に浮上!
 4位國學殿地選手を挟んで、5位には順大四釜選手が浮上!小涌園では7位だったので、中大阿部・東国倉掛選手の1年生をまとめて交わしていた。なんこの定点間は2位となる15分21秒。

 決して調子が良くなかった中、前半突っ込んで、一旦は失速しそうになったところ、巻き返してくるのはやはり実力者か。調子のよいときの山登り、来年見たい。

神大山崎選手が定点間3位!総合12位まで浮上!
 後方で、この間力走していたのは、神大山崎選手。定点間3番の15分23秒の好タイム。並走していた筑波福谷選手を振り切り、国士山本選手を交わして12位に浮上。さらに、東洋宮下選手との争いで消耗し、失速気味の早大伊藤選手に秒差へ。神大の秘密兵器が順位を上げていく。

 後方は少しずつ差がついていき、ここで大きく遅れたのが明大下條選手。なんとこの定点間は最下位。16位からも1分20秒離れての17位。ここまでの苦戦は予想できず。むしろ、下條選手に何かあったのか気になるほどの遅れだった。下りでさらに離されると、この時は思われた。

定点間分析⑤:芦之湯~元箱根

レース経過
16.1㎞:青学若林選手、同級生の野村選手から給水を受ける
17.1㎞:東海大吉田選手が5人抜きで13位、14位国士山本選手

元箱根18.7㎞
芦之湯15.8㎞
定点間2.9㎞

区間記録:96回宮下(東洋)8分51秒<63分43秒>

12位若林(青学)9分20秒<3>64分11秒①
2位細谷(帝京)8分53秒<1>63分50秒②2:29
5位金子(駒大)9分09秒<4>64分29秒③3:13
4位殿地(國學)9分08秒<9>65分45秒④3:20
8位四釜(順大)9分15秒<5>64分54秒⑤3:49
7位阿部(中大)9分14秒<6>65分00秒⑥3:56
10位倉掛(東国)9分16秒<16>67分09秒⑦4:35
14位三上(創価)9分26秒<13>66分38秒⑧5:19
20位細迫(法大)9分52秒<11>66分23秒⑨5:55
3位宮下(東洋)9分05秒<8>65分32秒⑩6:13
8位伊藤(早大)9分15秒<12>66分37秒⑪6:57
1位吉田(東海)8分52秒<2>63分58秒⑪6:57
6位山崎(神大)9分10秒<7>65分01秒⑪6:57
13位山本(国士)9分25秒<14>66分51秒⑭7:19
15位福谷(筑波)9分28秒<op>65分56秒(15)7:39
17位成毛(山学)9分35秒<17>67分21秒⑮8:43
21位吉冨(日体)9分54秒<15>66分52秒⑯8:58
11位下條(明大)9分17秒<18>67分49秒⑰9:44
18位吉本(中学)9分43秒<10>66分07秒⑱13:23
19位野下(専大)9分49秒<19>68分36秒⑲16:01
16位永井(駿河)9分32秒<20>69分55秒⑳18:36

6区もいけるらしい帝京細谷選手が定点間2位!
 この向かい風の影響か、下りが苦手か判断は付かないものの、青学若林選手は、定点間12位の9分20秒のタイム。下りの部分に関しては、後続の追撃を受けることとなった。

 一気に差を詰めたのは、2位を走っている帝京細谷選手。この定点間は、8分53秒の定点間2位。この2.9㎞だけで、青学若林選手を27秒も追い上げた形。そして区間賞争いも一気に逆転した。昨年もここで区間賞を手中にしたが、今年も稼いだ。

 そういえば、どこまで本気かは分からないが、11月細谷選手の調子が上がり切っていなかったときは、中野監督は「6区もある」と発言されていた。下りも得意なのだ。この定点間は見事だったということだ。

国学殿地選手と東洋宮下選手も定点間上位好走
 下りになってぐっと定点間上位に浮上する選手は毎年何人かいる。驚いたのは国学殿地選手が定点間4番に!昨年も下りで稼いでいたのですが、今年は10㎞から苦しい走りになったという話ですが…昨年通りだったかもしれない??3位駒大金子選手らに食らいついている。

 また、10位を走っている東洋宮下選手も、この定点間で巻き返して9分05秒の3番目のタイムで走破。後半になっていくほど、本来の走りとなっていった模様・色々主将として重責もあったと思いますが、何とかまとめられそうか。

東海吉田選手が定点間トップ!一気に11位争いへ!
 なお、定点間トップは東海大吉田選手!8分52秒と、帝京細谷選手よりも1秒早かった。彼も登りだけでなく下りも早いタイプだった。

 17.1㎞バイク映像で、国士山本選手を交わしていく映像が映っていたが、元箱根では、構想を続ける神大山崎選手に、下りは巻き返していた早大伊藤選手と、3選手三つ巴に!タイながら11位、連合を含めて7人抜きに。17位から一気に順位を上げていた。

法大細迫選手と日体吉冨選手が大きく失速
 逆に下りで一気にタイムを落としてしまった選手もいます。9位走行していた法大細迫選手が下りは20番目の走り。概ね区間中位で、創価三上選手を視界に捉えながらの走りでしたが、ここにきて苦しくなった。

 また、日体吉冨選手が9分54秒かかり定点間最下位に。激坂王で、一気に名前をあげたが、下りの部分で苦しくなった。ぐっとシード権から遠ざかることに。下位、中学吉本・専大野下選手らも苦戦、下りで差が開くのは、高速化になっても変わらないようだ。

定点間分析⑥:元箱根~芦ノ湖FINISH

レース経過
20.5㎞:10位東海吉田・早大伊藤選手で激しい争い
  12位神大山崎選手が法大細迫選手を交わす
中学川崎監督「ここ切り替えないと、次につながらないぞ」
駿河徳本監督「襷は繋がっているから、しっかり走ろう
   お前はまだ来年がある 次につなげよう」

芦ノ湖FINISH20.8㎞
元箱根18.7㎞
定点間2.1㎞

区間記録:96回宮下(東洋)6分42秒<70分25秒>

1位若林(青学)6分35秒<3>70分46秒①
2位細谷(帝京)6分43秒<1>70分33秒②2:37
6位金子(駒大)6分50秒<4>71分19秒③3:28
10位殿地(國學)6分58秒<9>72分43秒④3:43
6位四釜(順大)6分50秒<5>71分44秒⑤4:04
10位阿部(中大)6分58秒<6>71分58秒⑥4:19
5位倉掛(東国)6分49秒<14>73分58秒⑦4:49
9位三上(創価)6分54秒<12>73分32秒⑧5:38
6位宮下(東洋)6分50秒<8>72分22秒⑨6:28
3位吉田(東海)6分46秒<2>70分44秒⑩7:08
4位伊藤(早大)6分47秒<11>73分24秒⑪7:09
10位山崎(神大)6分58秒<7>71分59秒⑫7:20
21位細迫(法大)8分10秒<16>74分33秒⑬7:30
13位山本(国士)6分59秒<13>73分50秒⑭7:43
15位福谷(筑波)7分05秒<op>73分01秒(15)8:09
19位成毛(山学)7分28秒<17>74分49秒⑮9:36
20位吉冨(日体)7分38秒<15>74分30秒⑯10:01
15位下條(明大)7分05秒<18>74分54秒⑰10:14
17位吉本(中学)7分10秒<10>73分17秒⑱13:58
18位野下(専大)7分14秒<19>75分50秒⑲16:40
14位永井(駿河)7分04秒<20>76分59秒⑳19:05

最後の平地は青学若林選手トップ!帝京細谷選手も2番目で区間賞!
 最後の平地はまた定点間変わっていますね。青学若林選手が、しっかりラストスパートをかけていて、6分35秒全体トップのタイム!こうみると登りとラストの平地が凄まじかったのですね。70分46秒のハイレベルのタイムで、往路優勝のゴールテープ。きっちり「若の神」になりました。

 2位を走っている帝京細谷選手も6分43秒の全体2番目のタイムで走り抜け、70分33秒しっかり区間賞!芦之湯から風が強かった中、区間記録からそれほど離れなかったのが見事。中野監督も「世界一あきらめない走りを体現」しています。

 そして気づいたことがあります。なんと帝京細谷選手は定点間トップは一度もなかったのですよね。最初の平地は順大四釜選手、上りは東海吉田・青学若林選手、下りは吉田選手、最後の平地は若林選手。帝京細谷選手は、全体的に高いレベルで安定して、区間賞をもぎ取ったのですよね。

 2年連続区間賞を獲得したわけですが、同じ選手が2年連続区間賞を獲得したのは、85回~88回4年連続区間賞の東洋柏原選手以来!青学神野選手も法大青木選手も國學浦野選手も東洋宮下選手もできなかったこと。こう思うと大偉業ですよね。本格的な陸上は引退ですが、市民ランナーとしての姿もまたみたいです。

駒大金子選手健闘3位でゴール!6位チームまで僅差
 3位に入ってきたのは、駒大金子選手。序盤は区間賞争い、10㎞からペースは落ちても定点5番目程をキープ。区間4位71分19秒は、大八木監督の想定以上の走りだったそう。トップとは3分28秒差となって、連覇はやや苦しくなったものの、新戦力で往路3位。何とか戻してきた。

 そして点々とランナーがやってくる。何とか区間9位にまとめた國學殿地選手が3分43秒差、不調ながら区間5位71分44秒で登ってきた順大四釜選手が4分04秒差。1年生堂々渡り合った中大阿部選手が6位4分19秒差。個人としても、区間6位71分58秒だ。

 中大阿部選手は、今後は走るかは何とも言えないですが、準備期間を考えるとやはりかなりの好走だった。10年ぶりシード権に向けて視界良好。順大も四釜選手がなんだかんだ2人抜いて5位。本当によく巻き返しました。

最後は定点間5番目の7位東国倉掛選手、前回往路覇者創価は8位
 続いて往路7位東国大倉掛選手も4分49秒差。2位から徐々に順位を下げていって、芦之湯の時点では一気にシード権争いまで下がりそうな雰囲気だったのですが、下り以降で巻き返し、ラスト平地は5番目のタイム。少し差を詰めての往路7位だった。

 8位では創価三上選手。序盤でリズムが作れず、前とやや差が空いてしまったものの、中盤からは区間中位でまとめて区間12位では走り切った。不本意で悔しい結果でしたが、激しい往路の流れを耐えたともいえる。

 9位東洋宮下選手も、懸命に上げてきて、72分22秒区間8位。自身の区間記録からは2分遅れたものの、怪我が多かった今年の状況や流れを考えると、精いっぱいの走りだったでしょうか。3つ順位を上げて、エースの役割は果たした。

激しいラストバトル!東海吉田選手が10位へ!法大が13位へ
 次が物凄いバトルでしたね。元箱根で並んでいた東海吉田・早大伊藤・神大山崎選手が、3選手とも物凄い絞り出し。ラスト200mで東海吉田選手が一歩前に出て、往路10位でゴール!なんと連合を含めて8人をゴボウ抜き。苦しかったチームを、一転シード権争いへ浮上させた。

 最後の定点は、6分46秒で定点間3位。青学若林選手の区間タイムを2秒抑え、区間2位70分44秒の激走だった。こうみると70分台の3選手は、最後の平地でも勢いが衰えなかったことが分かりますね。

 1秒差で早大伊藤選手。早大鬼門だった区間ですが、何とか区間11位にまとめて、凌いだ形でしょうか。ラスト定点間4番は、5千m13分30秒台の脚力を見せたのかなと思います。これに往路12位に、神大山崎選手が食い込む展開。区間7位71分59秒で走り切りました。駅伝ファンからすると想像以上??

 その10秒後に法大細迫選手が13位重い足取りでゴール。芦之湯で9位通過だったので、びっくりしたシーン。冷たい風で低体温症になってしまったそうで、ヒヤリとしたところだ。定点間最下位ですが、何とかシード権が見える位置でとどまったのですよね。繋がっています。

 その後、国士大山本選手と、連合筑波大福谷選手もそこまで差がついていない範囲でゴール。ひとまずは、このあたりまでがシード権を狙っていける位置でした。

下りから粘るも明大往路17位、駿河永井選手がラスト粘走
 そこから1分半以上差が離れていましたね。往路15位で山学成毛選手がゴール。続いて、16位で日体吉冨選手。ここで10分01秒と、一斉スタートのタイム差となりました。ともに粘ったのですが、この区間でぐっとシード権との差が開きました。箱根予選善戦も、山はまた違いますね。

 そのあと、もっと差があいていたと思っていた明大下條選手が10分14秒差の往路17位でゴール。下り以降は懸命に巻き返していた形でしょうか。とはいえ、1年かけて強さを求めて準備したはずですが、さらに前回より順位が落ちるとは…。箱根駅伝の走りに必要なことはまた違ったということか。

 その後は差が離れました。往路18位に中学大吉本選手。上りで健闘していて区間10位で走り切りました。1区から苦しい中で、うまく走りました。19位は専大野下選手。2年連続5区山登りでした。前回よりはタイムを短縮しています。

 最後にやってきたのは駿河台大永井選手。最初から中盤まではずっと定点間最下位。最後の平地は14番目のタイム。登りの適性は何とも言えなかったかなぁ。ここは徳本監督も「申し訳ない」と言っていたところ。復路重視するために、4区5区を彼らに任すしかなかったとのことです。往路に関しては、初陣らしく最下位となりました。

5区まとめ

・区間賞帝京細谷選手は、定点間トップなし
・5区山登り2年連続区間賞は、東洋柏原選手以外
・登りとラスト平地の青学若林選手
・登りも下りもどちらもこなせる帝京細谷・東海吉田選手
・青学2年ぶり往路制覇、帝京大過去最高往路2位
・駒大金子選手健闘で、往路3位に巻き返し
・往路健闘!國學院大4位、中大6位シード権内
・順大は1区18位からの往路5位
・東洋宮下選手も意地の往路9位
・東海大吉田選手、8人抜き往路10位
・7位から13位まで、約3分差のシード権

 定点間別にみていくと、まとめが多くなりましたね。区間賞を獲得した細谷選手は、実は定点間トップは無し。全体的にまとめていた形。2年連続区間賞は柏原選手以来というのも驚きでした。

 また、70分台3選手を分析すると、青学若林選手は上りと最後の平地がとても強かった。帝京細谷・東海吉田選手は、上りも下りもどちらも走れる選手という形でした。

 他にも國學院殿地選手や東国倉掛選手らのように、下り以降で踏ん張った選手もいたり、色々と覇権がありますね。

 あとは事実を並べます。2年ぶり総合優勝へ向けて視界良好な青山学院大。エースと1年生の活躍が凄かったですね。2位帝京大は予想していなかっただけに、鮮烈な印象。往路凄かった。駒大は勿体ない区間ありつつも3位にまとめました。

 國學院大は若い選手の活躍もあり往路4位、順大は3区から物凄い巻き返しで往路5位でした。中大は100点と言える走りで往路6位。1区吉居選手だけでなく、3区以降の巻き返しも凄かった。

 往路を沸かせるかと思われた東国大と創価大は7位と8位。東国大は山がやや苦戦。創価大はジェットコースター駅伝でしたが、それでも往路一桁は立派。4区が穴になった東洋大が9位に続きました。

 10位は芦ノ湖ゴール時点で驚き。17位スタートの東海大吉田選手がここまで順位を上げていました。早大・神大・法大ら伝統校も秒差で続き、シード権の争いはまだまだ激しそう。往路17位の明大も復路は力がある大学。どこまで迫れるか、

 といったところ。大激戦の往路でした。