箱根駅伝2021予選会と全日本大学駅伝2020が瞬く間に終わり、
いよいよ箱根駅伝2021が近づいてきました。
コロナ禍の影響により、例年より数は少なめですが、記録会などで各チーム最後の仕上げにかかります。
その間に、箱根駅伝2021出場チームの現状のまとめを、全日本や箱根予選の戦いを振り返りながらしていきます。
今週は、優勝候補特集!
多くの大学駅伝ファンが一喜一憂!やはり優勝候補筆頭となるだろう青山学院大学になります。
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10/31国士大記録会
5000m
2組
小原 響①13分59秒31★
大澤佑介②14分06秒84
鈴木竜太朗①14分18秒62
松並昴勢①14分19秒53
久留戸黛良③14分19秒82★
10000m
3組
竹石尚人④28分50秒63★
関口雄大②28分56秒09★
中倉啓敦②28分56秒13★
目片将大②28分57秒61★
髙橋勇輝③28分58秒28★
松葉慶太④29分01秒07★
飯田貴之③29分01秒40
志貴勇斗①29分01秒62★
脇田幸太朗②29分03秒66★
横田俊吾②29分03秒99★
新号健志④29分04秒69★
西久保遼②29分16秒48★
西川魁星②29分19秒14★
大藏洋人④29分20秒40★
4位青山学院大学5時間12分42秒
1区(9.5㎞)10位湯原慶吾③27分26秒[10]0:19
2区(11.1㎞)13位近藤幸太郎②32分25秒[14]1:04
3区(11.9㎞)3位中村唯翔②33分46秒[6]0:46
4区(11.8㎞)4位岩見秀哉④33分54秒[4]1:17
5区(12.4㎞)1位佐藤一世①35分37秒[2]0:10
6区(12.8㎞)9位山内健登①38分18秒[6]0:23
7区(17.6㎞)1位神林勇太④51分17秒[1]
8区(19.7㎞)11位吉田圭太④59分49秒[4]1:34
一部主力選手は欠いたものの、全日本大学駅伝前日に行われた記録会では補欠の選手やメンバー外の選手が記録祭り。相当仕上がっている雰囲気でした。
1区は2年連続の湯原選手。10位という位置がもう少しでしたが、トップと19秒差と前が見える位置でリレーはいつも通りのところではまとめましたかね。
さて注目の2区は近藤選手。直前の記録会で5000m13分40秒台大幅ベスト。原監督からも主力の穴を埋められる選手として送り出されたのですが、区間14位と失速し、総合13位にダウン。悔しい大学駅伝デビューになりました。
これを同じく大学駅伝デビューとなった中村選手が巻き返します。序盤から前を行くランナーをどんどん交わしていくと、強豪校駒大や東洋大がいる集団まで追いつく激走。区間3位の力走で一区間で上位争いに戻します。このあたりはさすがですね。
4区はロードで安定感のある岩見選手。抜きつ抜かれつある中、順位はアップしています。ただトップとの差はこの時点で1分17秒ありました。
これをルーキーが追い上げます。元々世代トップと期待された佐藤選手が、集団から一人抜け出し追い上げにかかります。順大の高校同級生の選手も突き放して、一気に先頭が目の前に見える位置へ。区間新記録を出して、原監督からも「駅伝力あり」との評価。青学大が一気に優位に立ちます。
ここからうまくいかないのがまた難しいところ。ルーキーリレーとなった6区山内選手が中盤から苦しい走りになります。4日前に出走が決まったのですが、そこからかなりの緊張感に襲われたとか。最終的に6位と順位を落とし、厳しい大学駅伝の洗礼受けてしまいます。
有力校が前にいる難しい状況を打破したのが7区神林選手。スタートしてから時期に3位集団を形成すると、そこから単独で抜け出し、中盤付近で一気にトップに躍り出ます。他の大学もエース級を起用している中、気迫の力走。40秒の貯金を作ってアンカーに繋げます。
何とか青学大へ流れを…とまではいきませんでした。アンカー抜擢の吉田選手が中盤付近で駒大東海大に追い付かれると、そのペースにはつけず。終盤には明治大にも交わされる苦しい走りで総合4位まで後退。エース区間を乗り切る事はできませんでした…。
凸凹駅伝と原監督が評価する駅伝に。トラックの記録会ではかなり順調そうに見えましたが、コロナ禍でのピーキングが僅かに狂いが生じたか。また、選手層豊富がゆえに、メンバーを早く決められなかった点も課題となりました。
11/23 10000m記録挑戦会
9組
7位吉田圭太④28分32秒34
8位近藤幸太郎②28分35秒28★
中村唯翔②28分45秒92★
岩見秀哉④28分53秒15
佐藤一世①28分54秒66★
神林勇太④29分01秒43★
湯原慶吾③29分53秒45
中倉啓敦②30分01秒40
横田俊吾②30分08秒67
10組
大澤佑介②29分07秒82★
飯田貴之③29分17秒47
新号健志④29分32秒13
関口雄大②29分56秒36
西久保遼②29分58秒06
目片将大②30分34秒65
山内健登①31分52秒56
11月23日の10000m記録挑戦会を経て、にわかに駅伝ファンがざわつきました。その大会で良かった選手と悪かった選手がはっきりして、青学大らしからぬ…ということ。
まあ、優勝候補に挙げられている駒大がまとめていたので気持ちは分からなくもないですが、風が強く、直前でシューズの条件が変わる等、難しい条件でした。上がってきている選手がはっきりしたくらいでいいのだと思います。
4年生主力選手は健在。全日本駅伝アンカーで元気がなかった吉田選手もチームトップの力走で復調。これなら往路のスピード区間で行けそう。続いて安定感増した岩見選手も3度目の28分台、どこでもそつなくいけそうな雰囲気だ。
箱根9区区間賞、全日本7区区間賞の神林選手が意外にも29分01秒にとどまりましたが、おそらくシューズが非ヴェイパーだったことがあるとみます。高いポテンシャルを持ちながら、大学で競技を引退する神林選手。ここからまた牙を研ぎ澄ましていくでしょう。
とはいえ、優勝するにはまだまだ戦力が必要です。吉田・神林選手は往路であればできれば1区や3区で使いたいスピードタイプ。岩見選手はオールラウンダーでしょうが、できれば4区以降で起用したい。エース区間2区が空いていて、昨年出走した岸本選手がここまで試合登場なしでやや厳しい見方が強まっています。
記録を伸ばし駅伝でも力を発揮し始めている勢いのある下級生が入るとみられています。候補は3名ほどでしょうか。5千13分45秒・1万28分35秒記録会絶好の2年近藤選手。全日本駅伝2区で失敗しましたが、信頼は回復したか。
駅伝好走の2年中村唯・1年佐藤選手も勿論候補。全日本駅伝前半区間で好走した中村唯選手が一番の候補ですが、駅伝力評価のある佐藤選手もあり得る話です。彼らを中心に優勝を目指していきます。
山登りは候補者の名前ははっきりしています。竹石・飯田・脇田選手のいずれか。山下りは分かりませんが、例年通りなら、10000m記録挑戦会に出場していない誰かになります。
基本的には飯田選手が本命です。前回初めて山登りを担当して、いきなり70分台の区間2位。同等以上の走りができれば、相当他校には手ごわい存在になります。強いて言えば、一時期故障していて、試合復帰はしているものの、まだ絶好調とまでいってなさそうというところでしょうか。
2番手候補になるのが5年生となる竹石選手。3大会前と前々回で山登り5区を担当しています。3大会前は下りで足を痙攣させながら区間5位にまとめますが、2大会前は当日の調整に失敗し区間13位のブレーキ。5連覇が遠のきました。前回も出走候補でしたが、怪我で離脱。エントリーにも入れませんでした。
4年目の箱根が引退レースの予定でしたが、強豪実業団入部を目指して留年を決意。一転、最終的に5年目の箱根駅伝を最後にやはり引退とのこと…。現状では実績上は後輩の飯田選手が上、出場できない可能性が高いのも覚悟の上だそうだ。
ただ、難しいのが、現時点では竹石選手が絶好調。全日本駅伝前日の記録会では1万m28分50秒の大幅自己ベスト。先日の激坂王では、登りのセンスがあるという脇田選手を鼓舞しながら完走。余裕の調整ぶりでした。とはいえ、現状では青学大ここは区間一桁はいけそうかな?
下りは現時点ではわからないですかね。国士大記録会以降姿を見せていない主力候補選手では、3年髙橋選手や4年松葉選手あたり。実力者2年宮坂選手もですが、全日本補欠外れて国士大記録会も出ていないのは気がかりですが…。
とはいえ、小野田選手・谷野選手と連続で初挑戦の選手が58分半ばを出していることを考えると、基本的には青学大得意区間と思っておいたほうがよさそうだ。
選手層としては2年生が非常に抜けているのですよね。元々豊富なスカウトが出来た世代。中村・近藤選手が往路候補、脇田選手が登り候補の一人として挙がっているほかでは、大澤選手が調子よく直近でベストの29分07秒で上り調子。他では、関口・中倉・横田・西久保選手らも一度は秋の大会で好走があって、レギュラー争いの選手層を非常に厚くしています。
他の学年でも長距離ロードに標準を絞っている新号・松葉選手ら4年生。スピードランナーの湯原選手。1年生では全日本出走山内選手とエントリーの志貴選手に、直近の大会では鈴木・小原選手も29分台でエントリー可能性を残したでしょうか。
復路の選手層としては非常に分厚いものがありますね。場合によっては、山登り候補ですが竹石選手も出走メンバーに絡んでくる可能性もありそうで、部内競争は激しいものになりそう。全日本のように選ばれた選手がプレッシャーにならないようにすることが不安ですが、青学大の選手層から選ばれたのだから、自信を持って走れるように、うまくコントロールしたい。
選手層は本当に申し分ないですね。爆発力のある吉田・神林選手に、手堅い岩見・飯田選手ら上級生がいますし、ここにきて一気に往路主要区間候補にも挙がってくるようになった中村・近藤・佐藤選手といった下級生の突き上げもあります。これに2年生の世代中心に1万m28分50秒台~29分一桁台ベストの選手が大勢います。
山登りはわずかに不安はありますが飯田・竹石選手らが激しく争っていますし、山下りもおそらく裏で準備しています。優勝争いの中心にいるのは間違いないでしょう。
全日本駅伝・記録会と引き続き凸凹だったのが、青学大らしくないというところが気にはなりますが、ここからの調整ノウハウは青学大の見せどころでもあります。どのような仕上げになるのか、駅伝ファンとして楽しみなところです。