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【東京農業大学】箱根駅伝2021へ~新入生情報や戦力分析&区間オーダー予想も!

大学長距離&駅伝2020-2021新シーズン…開幕していますが、

 新型コロナウイルスの影響で、多くの春のトラックの主要大会や記録会が、

 中止及び延期になってしまいま、寂しい限りです。

 その中で、各チーム見えないところで、走力アップの鍛錬、

 そして箱根駅伝2021へ向けて、まい進しています。

 今一度、各チームの、学年別の主力選手や駅伝成績や新入生情報のまとめ、

 チーム全体の特長や戦力分析、そして…区間オーダー予想的なものもやってみたいと思います。

続いて、
上昇気流の兆し、一気に6年ぶりの箱根路復帰へ…東京農業大学

ページコンテンツ

【東京農業大学】箱根駅伝2020年3月卒業生特集と進路

 チームとして長い長いトンネルの中、多くの選手が、箱根常連校の選手と対等に戦うのに、苦労しました。そんな中、最終学年に大きく羽ばたいた選手がいます。

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川田裕也選手

川田裕也14分04秒23/28分51秒25/63分02秒

高3:14分34秒26
大1:
大2:予選104位
大3:予選101位、日本IC1万17位、全日予選補欠、
大4:全日本8区10位、予選42位、全日予選4組16位、関東IChalf6位
進路:埼玉医科大グループ

 最終学年に大いに話題になりましたよね。高校時代は14分34秒の持ちタイムで中堅どころでした。2年生秋に1万m29分44秒を記録して、箱根予選の出走メンバーに初めて選ばれます。チームが苦しむ中、104位はまずまずの成績でした。その後1万29分16秒まで一気に伸ばし、農大のエース候補になります。

 ただ、その後故障があってか、3年春シーズンは主要大会出走せず。夏の間に調子を戻してきて、日本IC1万m出走すると箱根予選に間に合わせました。前回より少し順位を上げて101位という成績でした。

 ここから急成長を遂げます。11月に29分14秒・29分05秒と連続で1万mベストを更新すると、冬には丸亀ハーフで63分38秒・新潟ハーフで63分02秒とこちらも連続自己ベスト。一気に逞しくなり、注目選手となってきました。

 そして飛躍の4年、初挑戦となった関東インカレは得意のハーフマラソンで6位入賞!長距離ブロックに明るいニュースをもたらします。こちらも初挑戦となった全日本予選は最終組で16位。留学生がかなりの人数がいる事を考えるとかなりの好走でした。

 これならチームとしては厳しくも学生連合で箱根を…と思われたのですが、暑さにやられたかベストならがら42位にとどまり、さらにチーム内2番手となってしまい、箱根路は夢と消えます…。

 でしたが、全日本駅伝の全国選抜チームにエントリー!最長区間のアンカーを任されると、区間10位の力走。明治大など箱根常連校チームに競り勝ってのゴール。久々に東京農業大のユニフォームが輝きました。

 その後1万m28分51秒。チームメイトとともに28分台のベスト。そして、実業団の道も拓けました。まだNY駅伝未出場ですが勢いのある埼玉医科大グループへ。必ず力になれるはずです。

西野匠哉・高田悠太選手

西野匠哉14分27秒08/30分15秒02/66分24秒

高3:14分27秒08/全国4区22位、高校3区26位
大1:予選193位
大2:
大3:予選227位、全日予選2組25位
大4:全日予選2組32位

 西野選手がこの世代トップの持ちタイム・実績があったのですよね。全国的な駅伝も主要区間で戦っています。1年目で早速箱根予選の出走メンバーに選ばれて、193位を記録しています。

 次年度の飛躍が楽しみになりましたが、状態が上がらなかったか、2年目は主要大会に選ばれない時期が続きました。 ただ、年末に1万30分15秒のベストを出して復調してきます。

 3年には初めて全日本予選に出走し、2組25位と踏ん張ります。ただ、夏以降また調子を落としてしまい、227位の成績。1年時の順位を下回ってしまいます。

 最終学年、再度全日本予選2組を担当し32位。中々足踏みしてしまった印象ですかね。その後調子を落として7月5千15分オーバー、秋以降はあまり姿を見かけませんでした。

高田悠太14分22秒64/29分50秒55/66分57秒

高3:14分32秒99/高校2区16位
大1:全日予選2組18位、関東IC5千
大2:予選補欠、関東IC5千1万
大3:
大4:

 入学直後に5千mベストを出して、結構注目を集めたのですよね。そのままの勢いで関東インカレ5千に出出場。全日本予選にも進出し、2組18位の好成績。1万mベストも早い段階で29分台を記録、将来を期待されました。

 ただ、ここから伸び悩みましたかね。1年秋は調子を落としたか箱根予選エントリーなし。2月ハーフマラソンに出場し、66分57秒の記録をマーク。これがハーフのベストですかね。

 2年春は関東インカレ5千1万ともに出場しています。秋口1万30分20秒の成績で箱根予選メンバーに選ばれましたが出走はならず。冬に入っても30分台でちょっと上がり切らなかったですかね。

 3年になると状態が落ち、6月記録会5千m記録し15分オーバー。私のブログに残っているのでは、これが最後のレースかな?最終学年は、マネージャーとなってチームを支えています。

吉田蒼暉・那須野幸佑・今井優作選手

吉田蒼暉14分34秒40/29分56秒38/65分47秒

高3:14分57秒17
大1:
大2:
大3:
大4:予選265位、全日予選補欠

 吉田選手は、高校時代5千14分57秒と15分をやっと切るレベルから、4年間かけてコツコツ伸びてきた選手ですね。大学2年の秋口に1万30分40秒を記録してから、少しずつ存在感が増してきましたかね。

 主要大会のエントリーには縁がなかったですが、3年の秋に1万29分56秒を記録。一気にレギュラーの争いに近づきました。長いロードも3月の新潟ハーフで65分47秒と伸びてきました。

 そして4年生になり、全日本予選で初めて主要大会エントリー。そして箱根予選で初めて主要大会出走を果たします。復活出場を目指す中で265位はやや厳しい結果でしたが、4年間の成長は示しています。

那須野幸佑30分37秒30/66分52秒

高3:14分51秒62
大1:
大2:
大3:予選242位
大4:予選補欠

 那須野選手も高校時代5千ベスト14分50秒台から懸命に伸ばしてきた選手ですね。トラックの記録は目立たないながらも、長い距離を中心に少しずつタイムを伸ばします。

 3年9月記録会で30分59秒の記録ながら、箱根予選エントリーに。当日までに調子が上がったか出走メンバーに選ばれます。242位の66分52秒の記録、これがハーフベストの記録ですね。

 その後、1万30分37秒とベストを伸ばします。4年次は必ずしも記録会のタイムは良くなかったですが、2年連続で箱根予選でエントリー。苦しいチームを支えていました。

今井優作29分55秒83/66分34秒

高3:14分54秒95
大1:
大2:
大3:予選補欠、全日予選補欠
大4:

 今井選手も高校時代5千14分50秒台。無名に近い存在から這い上がって来た選手が、この世代の農大には多いですね。今井選手はその中でタイム上は一足先に伸びています。

 2年までは主要大会などエントリーは無かったのですが、冬に大幅ベストで1万29分55秒を記録。ハーフも66分台の記録を持っていますね。それもあってか3年は全日本予選・箱根予選ともにエントリーしています。

 その後もレギュラーを狙いますが、4年時は残念ながらエントリーならず。6月記録会5千mで14分50秒台だったのが、最後の大会かな?

高橋健留・高木才叶・村田享之・小西伊吹選手

高橋健留14分38秒98/29分59秒45/67分03秒

高3:14分56秒04
大1:
大2:
大3:
大4:全日予選補欠

 他にも選手紹介をします。高橋選手も高校時代14分50秒台、このくらいの選手が農大は多いですね。高橋選手は3年生の途中まではほぼ無名に近いところで足踏みしていまいたが、11月ハーフで29分59秒を記録、ハーフも67分少しまで伸ばしました。

 4年生の春にも記録会で5千m14分40秒前後の記録をキープ、全日本予選のメンバーに選ばれていますね。箱根予選は残念ながらエントリーなりませんでしたが、レギュラーに少し近づいた最終学年でした。

高木才叶30分20秒87/66分52秒

高3:15分台
大1:
大2:予選補欠
大3:
大4:

 高木選手は5千m15分台の選手でしたが、頑張って伸ばしているのですよね。2年時9月に一気に30分20秒まで1万mベストを短縮。箱根予選の補欠メンバーに選ばれています。ハーフでも66分52秒を記録し、レギュラーを伺いますが、主要大会エントリーは一度きりでした。

村田享之9分03秒42/69分33秒

高3:
大1:
大2:関東IC3障
大3:関東IC3障
大4:関東IC3障

 さて、1500mや3障も強化するなど、陸上全体で1部昇格を目指す農大。3障専門の選手もいるのですよね。村田選手が2年生から3年連続で3障で関東インカレに出場しています。

 最も、見せ場はインカレではなくて、3年日本学生個人選手権。1組に登場すると組1位の成績で9分03秒42の大幅ベスト。インカレでは予選落ちだったので、とてもびっくりした記憶があります。これが自己ベストにもなっています。

小西伊吹14分28秒35/29分51秒10

高3:14分35秒81
大1:
大2:
大3:
大4:

 あともう一人紹介したいのが小西選手。高校時代14分35秒とこの中ではいい方でした。ただ、台頭するのは少し時間がかかりましたかね。3年生の9月に記録会出場も31分オーバー。あと一歩で箱根予選のメンバーを逃します。

 最も、その後調子を上げ、予選直後に行われた記録会で5千14分28秒の自己ベスト。さらに11月に29分51秒の自己ベストをマーク。一気にレギュラーに近づきます。ただ、ここがピークでしたかね。

 4年4月にも14分37秒の記録を出してレギュラーのチャンスを伺いますが、全日本予選のメンバーには選ばれず。箱根予選も縁ありませんでした。

【東京農業大学】箱根駅伝2021へ向けて~戦力分析や新入生情報等!

 東京農業大は第90回大会を最後に、チームとして本戦から遠ざかっています。もう6年間も出場していないのですよね…。予選の順位は徐々に低下。ここのところは16位が指定席となっていました。

 それが、今年度からはまた上昇に転じていきそうな気配があるのですよね。選手個人の努力はもちろんの事、新たに就任された小指監督の指導でトラックのタイムが伸び、またスカウトも中々面白いことになっています。6年ぶりの復帰なるか、今一度戦力を見直してみたいと思います。

新チーム各学年戦力分析

4年生主力選手について

工藤 颯④28分50秒30≪19:予94位、18:予155位、17:予194位≫
山口 武④28分51秒49≪20:箱2区20位相当、19:予17位、18:予170位≫
櫻井亮也④29分02秒77≪19:予68位≫
平井陽大④29分05秒28≪17:予123位≫
平間大貴④29分26秒48≪19:予86位、18:予201位≫
福脇昭也④29分27秒65≪19:予260位≫
小山日颯④29分42秒68≪19:予316位≫
徳永翔三④29分57秒43
尾辻 颯④30分53秒68
星野元気④30分55秒23
藤原 慎④31分28秒72

 まずは4年生ですよね。箱根予選の経験者がなんと7人もいます。結果が出ている選手とまだもう少しという選手と差がありますが、これだけ経験者がいるのは、大きいと思います。

 一気に主力格に成長したのは、山口選手。2年時の予選170位から前回は63分台の17位とスーパージャンプアップ。その後1万m28分台を出して走力がしっかりついていることを見せました。学生連合で箱根駅伝エース区間2区も経験。最終学年が楽しみな選手。

 これに1年時から箱根予選解禁している工藤選手も28分台。ロードがもう少しでしたが、前回の箱根予選では初めて二桁順位の94位をマークしています。これに、順位を上回った櫻井・平間選手がここにきて急成長。自信がつく結果ですね。

 他にも予選は結果を出せませんでしたが、福脇・小山選手が1万29分半ばをマーク。徳永選手も29分台に乗りました。これは中々面白いかも…?隠れた実力者の平井・藤原選手らも復活できれば。いいチームに仕上がるはず。

3年生主力選手について

緒方俊亮③29分54秒68
畠山流大③30分08秒57≪19:予281位≫
佐藤海斗③30分15秒12
繁村和希③30分31秒31
松阪胆宥③30分47秒11
盛田和輝③30分51秒19
笹村雄斗③30分58秒01

 3年生がまだレギュラーになれる選手が少ないのですよね。その中で3障・全日本予選で活躍した畠山選手が、まずは一番期待の選手でしょうか。

 他には緒方・佐藤選手あたりも1万mのベストが伸びつつあり、今後の経過が気になってきています。また、インカレなどを考えると3障専門の盛田選手の走力も気になりますかね。

2年生主力選手について

山田雄喜②29分40秒21≪19:予116位≫
杵渕竜弥②29分48秒94
水村竜己②29分57秒54
北田大起②29分57秒95≪19:予296位≫
野嶋大佑②30分21秒97
松田真宙②30分43秒03
大塚稜介②31分28秒15≪19:予261位≫

 このあたりの世代から、スカウトに力が入り始めたのですよね。北田・大塚選手にまずは注目が集まりました。箱根予選は苦しい結果でしたが、今後に期待です。

 さらにコモディイイダ時代に富士登山マラソンで有名になった山田選手もしっかりと対応しつつあります。ひとまずは彼がこの学年中心になってきますかね。

 また、杵渕・水村選手が早くも1万m29分台をマークして急成長中です。この学年はひとまず注目になってきそうです。

1万m上位10人平均:18位29分20秒2

 トラックの全日本予選が比較的上位にきて、ロードの箱根予選で苦戦している…。この傾向が気になりますが、現時点で1万m平均タイムが18位と、出場ボーダー20校の圏内に入ってきているのは嬉しいし、自信になるデータです。あとは昭和記念公園内からどこまで粘れるか…でしょうか。

新入生情報~5000m持ちタイムと全国大会成績も!

高橋光晃(藤岡中央・コモディイイダ)14分14秒24/29分05秒28
長谷部慎(学法石川)14分22秒75/31分27秒29≪19:高校6区8位≫
高槻芳照(学法石川)14分22秒82/31分16秒13≪19:高校4区20位≫
田中莉生(笛吹)14分25秒07
並木寧音(東京実業)14分29秒71/29分59秒19
5千m上位5名平均:14位14分22秒9
松本虎太郎(西武台千葉)14分29秒77
奥田祥弥(鳥栖工業)14分32秒36≪19:高校2区22位≫
高塲冬弥(遊学館)14分46秒71≪19:高校2区30位≫
浅海祟志(流経大柏)14分53秒71
吉村颯斗(鎌倉学園)15分00秒75
大和李成(佐野日大)15分25秒85
 そしてやはり、昨年から有力ランナーの入部が増えてきています。注目は、2年連続実業団コモディイイダ経由からとなる高橋選手の加入です。農業大と、生鮮食品を中心とするスーパーコモディイイダと不思議な関係があるようで??

 高橋選手自身も、一時は東京国際大に入部するも数か月で退部退学し、コモディイイダで走りを継続した異質なランナー。そこで1万m29分05秒まで走力を伸ばしています。ロードはやや実績が少ないのが気になりますが、どこまで対応可能でしょうか。

 他にも、高校駅伝で上位常連となっている学法石川から、駅伝レギュラー陣の長谷部・高槻選手を獲得、他にも5千14分台となる選手が田中・並木選手ら3名かくとくできています。この中から、早く戦力になるランナーが現れれば、非常に活性化してくるはずです。

今から考える三大駅伝オーダー予想

※予選通過できれば

箱根:工藤④-山口④-長谷部①-櫻井④-山田② 畠山③-福脇④-小山④-平間④-高橋①

 4年生中心…と言いつつももう少し下級生も戦力になってきますかね。往路は新エースになってきた山口選手に、1万m持ちタイムがぐっとあがった工藤・櫻井選手も外せません。そして山登りは期待の山田選手に。あと往路はもう一人若手のスピードのある選手が入れればと。

 復路は平間選手は外せないとして、あとは1万mの持ちタイムが良い選手をひとまず並べた格好。とはいえ、伸びてきている若手もいますので、まだまだチーム内競争はこれからです。

 もちろん、箱根予選を7年ぶりに通過せねばなりません。前回17位の山口選手は勿論として、前回上位に食い込んだ櫻井・平間・工藤・山田選手がどこまで成長幅があるか。彼らが前回は箱根予選で通用しています。

 そのあとは実績面では差がついていますが、持ちタイムはあがってきた福脇・小山選手ら4年生、即戦力でもおかしくない高橋・長谷部・高槻選手らルーキーら、他にも1万29分台に乗せてきた選手も候補になってきます。選手層は確実に上がってきているはずです。

【東京農業大学まとめ!】箱根駅伝2021へ向けて

・エース山口選手ら4年生が中心、1万平均も18位
・スカウティングもよくなり、競争激化!?
・前回予選通用者5名!どこまで底上げできるか

 4年生のチームで、山口選手をはじめ手ごたえをつかんでいる選手が複数いるのは箱根復帰へ向けて非常に心強いですよね。3年生のうちに箱根予選で二桁順位をマークした選手はやってきたことに、確かな自信がついているはず。

 全体的にも少しずつ走力が向上しています。主力選手が、28分台~29分半ばに。他にも30分を切る選手が増えてきています。ややタイム先行は否めないですが、1万mの持ちタイム上20位以内に入ってきているのは嬉しいデータ。

 山口選手をはじめ、前回の予選で健闘した選手が複数います。あとはどれだけその選手を増やせるか。ルーキーから即戦力が出てくることもあるかもです。久々に大根踊りを見る機会を、見れるのか注目です。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。