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MGC出場選手紹介⑤【大塚祥平・高久 龍・竹ノ内佳樹・福田 穣・谷川智浩】

参照サイト:マラソングランドチャンピオンシップOfficial Site

気が付けば、マラソングランドチャンピオンシップ:通称MGCが、もうまもなく迫ってきていますね。

この大会で、上位2名の東京オリンピックマラソン代表内定、3人目は日本記録相当の記録が、今後のマラソンで出ない限りは内定と、非常に重要な大会となります。

ここでは、男子のマラソンの部に出場する選手を紹介していきます。

続いて、学生時代から長いロードでクレバーな走りを見せいてた:大塚祥平・高久 龍・竹ノ内佳樹・福田 穣・谷川智浩選手の紹介です。

MGC出場選手紹介①【大迫 傑・設楽悠太・井上大仁・服部勇馬】

MGC出場選手紹介②【山本憲二・佐藤悠基・中村匠吾・今井正人】

MGC出場選手紹介③【中本健太郎・岡本直己・園田 隼・山本浩之】

MGC出場選手紹介④【木滑 良・宮脇千博・岩田勇治・上門大祐・橋本 崚】

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ページコンテンツ

大塚祥平選手について

プロフィール
生年月日:1994年8月13日
出身地:大分県大分市
所属:駒澤大 ⇒ 九電工
身長:170㎝
体重:54㎏

自己ベスト
5000m13分55秒41
10000m28分28秒14
ハーフマラソン1時間2分32秒
フルマラソン2時間10分12秒

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長い距離と山登りに適性を見出した駒澤大時代

 中学時代は全日中、高校時代は全国IHと、ジュニアの頃からかなり走力が高かった選手です。ロードでも評価が高く、大学1年時に早くもハーフマラソンで62分台を記録します。この時は、優勝争いの2位でタスキを受けるも、大きく引き離される悔しい走りに。

 一つ大きな糧となったでしょうか。翌年も、8区に起用されると今度は追いすがる相手を引き離す走りで区間2位。ぐっと評価が高くなります。3年時以降は、出雲駅伝と全日本大学駅伝は最長距離のアンカー、箱根駅伝は山登り5区に起用されます。

 長い距離になると分が良くて、全日本大学駅伝で8区で連続で区間3位、58分台の好走をしているのがとても印象に残っています。山登りは3年時は後半やや落ちて区間4位でしたが、4年時は見事リベンジを果たす初の区間賞を獲得。この時、やや苦戦気味だった駒大を浮上、シード権確保に貢献しています。 

マラソン2戦目で2時間10分台、夏の北海道マラソンでMGC権利獲得に

 長い距離に自信を深めた中、卒業直前にびわ湖毎日マラソン2017に挑戦。この時は、2時間15分10秒。やはり非凡な適性を感じました。九電工に入ってからは、全体的に走力がぐっと伸びていきます。

 2度目のマラソンとなった別府大分マラソン2018で、終盤まで上位争いをして2時間10分12秒。駅伝長距離ファンを沸かせました。約半年後の北海道マラソン2018でも終盤まで優勝争いをして2時間12分07秒の日本人3位の成績でMGC出場権を獲得します。

 記録的には本命視されている選手と比べるとまだ物足りないとはいえ、大卒2年目・マラソン3戦目でMGCレベルまで、マラソン力を高めたのはポテンシャルが高いですね。東京マラソン2019での4度目の挑戦はやや失敗の2時間12分台でしたが、2019年の春に1万m28分25秒のベスト、そして4戦連続28分台半ばでまとめています。走力で自信を付けて、暑さと登りに強い大塚選手が東京五輪に挑戦します。

高久 龍選手について

プロフィール
生年月日:1993年2月18日
出身地:栃木県
所属:東洋大学 ⇒ ヤクルト
身長:168㎝
体重:54㎏

自己ベスト
5000m13分57秒87
10000m28分36秒71
ハーフマラソン61分58秒
フルマラソン2時間10分02秒

中学時代からロードで強く、東洋大時代は箱根駅伝で優勝経験も

 高久選手は、東洋大時代からロードで覚醒するイメージがありますが、それはジュニア時代からのようですね。中学時代もチームのエースとして関東中学駅伝で区間賞の走り、高校駅伝でも主要区間の3区でしっかり他校の選手と戦い抜きます。

 大学駅伝は、東洋大黄金時代ということもあり、激しいレギュラー争いの中で揉まれます。その中で2年生は大学駅伝フル出場。出雲5区、全日本5区、箱根7区と繋ぎで重要な役割を果たしますが、残念ながらあと少しで優勝は取れませんでした。

 3年時は、箱根駅伝のみ登場。8区トップで襷をもらうと、先の紹介の2位駒大大塚選手を大きく引き離す区間賞の走りで総合優勝に貢献!ロードでの怖さを多くの駅伝長距離ファンに知ら締めました。一転、4年時は最後の箱根出走ならず、悔しい思いも味わっています。

2018年別府大分から2019年4月までマラソン5戦、急ピッチ仕上げ間に合う

 卒業後は、ヤクルトに入社。じっくり力を付けると、2018年2月別府大分マラソンでマラソンデビュー、2時間12分12秒とまずまずの記録を残します。2戦目7月ゴールドコーストで2時間11分45秒を記録。この記録なら、ワイルドカード(2戦平均2時間11分00秒)そしてここから怒涛のマラソンラッシュとなります。

 2018年福岡国際マラソン出場、この時は大失速に。続く2019東京マラソンに挑戦。35㎏まで2時間10分切ペースで推移するも寒さで失速し2時間11分台。中2ヵ月弱で4月末ハンブルクマラソンに挑戦。ここで2時間10分02秒の大幅ベスト!最後の最後のチャンスでMGC出場権利を獲得しました。

 これだけマラソン連戦を重ねて、アベレージを上げてきているのが凄いですね。しかも2月丸亀ハーフで61分台マーク、また最近では7月の函館ハーフで日本人トップ!目下、絶好調ですね。身体が長距離ロードになれている中、迎えるMGCが非常に楽しみになってきますね。

竹ノ内佳樹選手について

プロフィール
生年月日:1992年5月25日
出身地:大阪府八尾市
所属:日本大 ⇒ NTT西日本
身長:176㎝
体重:57㎏

自己ベスト
5000m13分56秒46
10000m28分36秒44
ハーフマラソン1時間3分08秒
フルマラソン2時間10分01秒

日本大時代は下級生時から長い距離に対応、駅伝・インカレで渋い走り

 高校は大阪府内で陸上をしていたが、全国区の選手ではありませんでした。日本大に入ると1年時から、箱根駅伝の予選会や全日本大学駅伝の出走メンバーに選ばれ、ロードで台頭してきます。全日本大学駅伝は7区6位の好走でシード権獲得に貢献し、日大ファンを沸かせました。

 箱根にも2年時に初登場し、10区10位と好走。長い距離はやはり得意でした。3年時に一気に主力化し、箱根予選会ではチーム3番手で60分台の好走、箱根では往路に回って3区7位の活躍。当時の日大は留学生以外の選手の主力の選手層に悩んでいたところ、非常に貴重な戦力でした。

 4年時は関東インカレ1部ハーフで驚きの7位好走。比較的気温が高い中で行われた大会なので、暑さとかスタミナ展開には強いのかもしれませんね。最後の箱根は前回と同じ3区で9位。この時はチームが大きく出遅れた中での走り、高い安定感を示しました。

マラソン2戦目でMGC出場権利獲得!以降、トラック・ハーフマラソンともにベスト

 実業団NTT西日本に入っても、やはり長い距離が主戦場。NY駅伝も最長距離区間の4区を任されています。マラソンは2017年びわ湖毎日マラソンが初挑戦で、2時間13分台とまずまずの結果を収めます。そして2度目のマラソンとなった2017年福岡国際マラソンで、非常に粘りある走りで2時間10分01秒の好記録!日本人3番手にも食い込み、MGC出場権利を獲得!非常に早い段階での獲得となりました。

 確かに大学生の頃から、長い距離でのクレバーさを見せていたのですが、ここまで早くマラソンでタイムを出せるとは!それに、全日本7区・箱根駅伝10区・さらに関東インカレハーフと、比較的気温が高い条件での好走が多いのも、MGC本番に向けてポイントですかね。

 竹ノ内選手は、その後マラソンでこそ結果が出ていないものの、2018年には1万m28分36秒と自己ベストを更新。2019年には、3月実業団ハーフ、5月仙台国際ハーフと立て続けに自己ベストを更新。スピード面での自信は深めたのではないでしょうか。成長した姿を見れるかもしれません。

福田 穣選手について

プロフィール
生年月日:1990年12月31日
出身地:福岡県
所属:国士舘大 ⇒ 八千代工業 ⇒ 西鉄
身長:166㎝
体重:51㎏

自己ベスト
5000m14分09秒18
10000m28分44秒67
ハーフマラソン
フルマラソン2時間9分52秒

国士舘大時代は全日本予選3組で好走、大学駅伝にも2度出場している

 高校時代は全国高校駅伝に2度出場、当時箱根駅伝出場のボーダーにいた国士舘大としては、大きな戦力だった。2年時あたりからレギュラーの座を掴み始め、全日本大学駅伝予選会で3組で一けた順位を獲得、2年時には久々の出場に貢献しています。チームがまさかの箱根予選敗退にショックを受ける中、5区9位と粘りの走りを見せます。

 3年時には、主力となっていて、箱根予選31位で3年ぶりの箱根本戦へ導く活躍。箱根駅伝は1区を任されます。この時は、ハイペースで引っ張る選手に全員が付いていく展開。厳しい展開ながら区間15位でまとめて、チームに流れを作りました。4年時は予選不出場、チームも本戦に進めず、箱根本戦の出場は1度きりでした。

2016年地元・西鉄に移籍が転機、マラソンでの実績を積み重ねていく

 2013年に卒業し、八千代工業へ入社。NY駅伝に出場するなど、経験を重ねていきます。2016年に地元となる西鉄に移籍しましたが、その後にマラソンで徐々に成績を残していくようになります。

 2018年7月ゴールドコーストマラソンで、先頭に追いすがる形で2時間9分52秒の3位でフィニッシュ。一気にMGC候補に名乗りを上げてきます。その年の、福岡国際マラソンで2時間10分54秒と再び好走。MGC出場権獲得済みの選手を除いて、日本人3番手に食い込み、MGCの出場権を得ます。

 今年のNY駅伝でもエース区間で区間中位でまとめる、直後の丸亀ハーフで62分25秒のベスト!確実に走力アップしてきていますね。東京マラソンは失敗していまいますが、7月ゴールドコーストハーフで63分台と復調。調子を戻してきたところ、MGCの走りが気になります。

谷川智浩選手について

プロフィール
生年月日:1989年3月4日
出身地:熊本県
所属:拓殖大 ⇒ コニカミノルタ
身長:161㎝
体重:46㎏

自己ベスト
5000m13分51秒09
10000m28分24秒31
ハーフマラソン62分17秒
フルマラソン2時間11分39秒

中学時代から駅伝で活躍、大学は主力に成長も故障で駅伝は一度の山登り5区

 谷川選手はかなり早くから、全国レベルで戦っている選手です。中学時代は全国中学駅伝でチーム2位に貢献、高校時代は5000mでIH出場しています。大学は拓殖大に進み、下級生時に1万m29分17秒を出して、将来を有望されます。

 2年時の箱根予選、谷川選手は欠場も、チームが本戦へ。何とか間に合わせた状態ながら山登り5区出場へ。のぼりを終えた地点で区間12位、最後は苦しくも何とか区間17位にまとめます。

 4年時に再び本戦出場へ。この時は谷川選手も出場。気温が高い中、主力選手として個人7位にまとめ、トップ通過に貢献。13年ぶりのシード権に向けて、復路の要の9区を予定します。

 ところが12月末に脚に痛みが走ります。精密検査の結果、疲労骨折が判明。走れないこともなかったものの、正直に監督に打ち明け、交代へ。最終的に大学駅伝出場は1度のみでした。

2015年長野マラソンで開花!冬場以外のマラソンで安定した結果を残し続ける

 実業団は強豪コニカミノルタへ。元々高かったポテンシャルは徐々に開花し、NY駅伝出場。しかも2014年はアンカー走り、優勝のゴールテープを!レベルが高い中での見事なレギュラーどりでした。

 長い距離も適応しはじめ、マラソン3戦目の2015年長野マラソンで2時間11分39秒で2位、さらに2016年シドニーマラソンでは2時間12分13秒のタイムで優勝!冬のマラソン以外で実績を積みます。

 MGCは北海道マラソン2018で2時間12分02秒で日本人2位になり、しっかり決めました。最近は、昨年末の甲佐10マイル、今年は7月函館ハーフで好走しています。上り・暑さという点でも実績があります。彼のポテンシャルは侮れない部分ですね。


 下馬評ではあまり名前は上がっていないかもしれませんが、駅伝で上りの区間での好走、暑さがある中での条件での粘りが目立つ選手が多いです。案外、こういうところから大穴が出てくるのかもしれません。