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第93回箱根駅伝を振り返る~7区編

区間賞石橋選手の定点間は2位-4位-9位、それでも4年生としてゲームチェンジャーへ
二宮から大磯までは城越・細川選手がトップ!作戦を生かす
大磯から中継所は兄から力水を得た太選手がトップ!1秒差で井戸選手!
その井戸選手から1分03秒で踏ん張った駅伝男・田村選手!

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第93回箱根駅伝【定点別分析・7区】

定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

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二宮11.6㎞

参考:88回設楽(東洋)33分51秒

1位田村(青学)34分17秒①
4位井戸(早大)35分01秒②2:52
5位小笹(東洋)35分05秒③5:22

15位難波(順大)35分52秒④5:24
5位中平(神大)35分05秒⑤6:12
9位海老澤(中学)35分12秒⑥6:31
7位城越(日体)35分09秒⑦6:49
11位細川(法大)35分21秒⑧7:41
3位岩佐(帝京)34分58秒⑨8:14
14位伊勢(駒大)35分30秒⑨8:14
2位石橋(東海)34分42秒⑪9:32
18位石垣(日大)36分07秒⑪9:32
16位苅田(拓大)35分59秒⑬9:40
16位橋立(上武)35分59秒⑭9:53

20位古場(創価)36分20秒⑮11:03
13位久保(山学)35分23秒⑯11:23
12位鈴木(大東)35分22秒⑰13:53[17]12:09
8位磯口(明大)35分11秒⑱14:26[18]13:29
9位内田(國學)35分12秒⑲17:00[19]13:53
OP藤井(連合)36分14秒(20)21:59[20]15:59
19位戸澤(国士)36分19秒⑳30:52[21]19:40

トップ、青学大は出雲と全日本と連続で区間賞を獲得した田村選手を一般的に繋ぎ区間と言われる7区で起用してきた。12月30日に発熱した影響で万全ではなかったものの、走り出したらさすがの走り。ここまでは断トツの区間トップ、区間記録にも近いタイムだ。田村対策として早大が急遽回した井戸選手をみるみる突き放す。前回9区区間賞の選手だが、それでも及ばないようだ。10㎞地点の給水で水分が逆流してくる異変はあったらしいが、二宮のフリーザのダンスにニヤリとする余裕があった。原監督も「楽勝」というのもわかる感じだ。

 その後ろでは順位変動が起きていた。東洋・小笹選手が小田原の地点で45秒差のあった順大・難波選手を逆転。伸びのあるストライドで一気に追い抜いて行った。再び東洋がトップ3に浮上だ。5位神大・中平選手と6位中学・海老澤選手の差は10秒前後を行き来し7位日体・城越選手もしっかりついてきている。

 シード権争いは激しくなっており、8位法大・細川選手の後ろに25秒差があった駒大・伊勢選手が5㎞地点10秒差に詰め寄った。ただ、その後はじりじり開き、逆に帝京・岩佐選手がハイペースを刻み続け、伊勢選手に追いつく健闘ぶりだ。その次になる11位は1分以上差があいた。1分以内だった日大・石垣、拓大・苅田、上武・橋立選手がペースが上がらなかったためだ。それを一気に交わした選手がいる。東海・石橋選手だ。2年生の時は7区昨年は4区といずれもこの区間を走り区間上位で走っている。道を知り尽くしている彼がここまで区間2位。くすぶっていた東海大がついに追い上げを開始している。

 他、下位の選手がある程度踏ん張っていて、山学・久保、大東・鈴木選手がまずまずのタイムで通過後、明大・磯口選手と國學・内田選手が区間一桁となるタイムでやってきた。大東以下はシード権は厳しい状態だが、総合力で勝負するタイプのチームなだけに、このあたりの区間は何とか追い上げる区間にしたいところ、必死の走りが続いている。

大磯18.1㎞-11.6㎞=6.5㎞

14位田村(青学)20分54秒①
5位井戸(早大)20分26秒②2:24
9位小笹(東洋)20分34秒③5:02
3位中平(神大)20分12秒④5:30
15位難波(順大)21分00秒④5:30
1位城越(日体)20分09秒⑥6:04
10位海老澤(中学)20分36秒⑦6:13
1位細川(法大)20分09秒⑧6:56
11位岩佐(帝京)20分42秒⑨8:02
11位伊勢(駒大)20分42秒⑨8:02
4位石橋(東海)20分21秒⑪8:59
7位苅田(拓大)20分31秒⑫9:17
17位橋立(上武)21分08秒⑬10:07
20位石垣(日大)22分18秒⑭10:56
15位久保(山学)21分00秒⑮11:29
18位古場(創価)21分20秒⑮11:29
7位鈴木(大東)20分31秒⑰13:46[17]11:46
6位磯口(明大)20分29秒⑱14:01[18]13:04
13位内田(國學)20分50秒⑲16:56[19]13:49
OP藤井(連合)21分11秒(20)22:16[20]16:16
19位戸澤(国士)21分43秒⑳31:41[21]20:29

田村選手に異変が起こった。12㎞地点で内臓が体にブレーキをかけるような感覚に襲われていた、このあたりから1㎞のラップが3分05秒~10秒程へ。15㎞過ぎから表情が非常に険しくなると、16㎞-17㎞が一気に3分22秒まで落ちた。前半に大量にかいた汗が向かい風邪で冷えて、脱水と低体温の症状にかかってしまったそうだ。体調不良の影響もあっただろう。後ろの早大とはまだ2分以上の差をキープしていたが、ラスト数㎞でどうなることかと思われた。

 3位争いは一時難波選手が粘りを見せていたものの、小笹選手が抜け出し決着。難波選手はこの間3番目のタイムで走破した中平選手に捉えられる。小笹選手の姿も見えており、神大が再びトップ3まで戻る可能性も出てきた。なお、1番良いタイムで走っていたのは日体・城越選手と法大・細川選手。城越選手は海老澤選手を捉えて6位へ浮上、細川選手は後ろの9位争い伊勢・岩佐選手を大きく突き放す。もともと力を持っている2人が実力を出している。

 さて気になる11位石橋選手はついに前2人を57秒差。何とかすれば前が見えるかもしれないというところまでやってきた。全日本以降良い練習ができておらず、前日まで起用を悩んだそうですが、ここまではいい走りとなっている。後ろは苅田選手は踏ん張っているが、上武大以降はちょっと苦しくなってきた。

 後ろは、大東・鈴木選手や明大・磯口選手は相変わらずいいペースだ。内田選手はちょっと引き離されたか。後ろ、1年生ながら連合入りした藤井選手は何とかペースをキープしているが、国士・戸澤選手はなんと見た目20分半まで広がってしまった。長い距離が得意な選手なだけに何とか押し戻したいが、果たしてどうなるか。

平塚中継所21.3㎞-大磯18.1㎞=3.2㎞

19位田村(青学)10分29秒①
2位井戸(早大)9分26秒②1:21
8位小笹(東洋)9分37秒③4:10
9位中平(神大)9分39秒④4:40
3位城越(日体)9分27秒⑤5:02
16位難波(順大)10分03秒⑥5:04
1位海老澤(中学)9分24秒⑦5:08
5位細川(法大)9分31秒⑧5:58
6位伊勢(駒大)9分36秒⑨7:09

12位岩佐(帝京)9分42秒⑩7:15
9位石橋(東海)9分39秒⑪8:09
4位苅田(拓大)9分30秒⑫8:18
17位橋立(上武)10分13秒⑬9:51
11位久保(山学)9分41秒⑭10:41
13位古場(創価)9分43秒⑮10:43
6位鈴木(大東)9分36秒⑰12:37[16]10:53
20位石垣(日大)10分30秒⑯10:57[17]10:57
15位磯口(明大)9分52秒⑱13:24[18]12:27
14位内田(國學)9分49秒⑲16:16[19]13:09
OP藤井(連合)9分51秒(20)21:38[20]15:38
18位戸澤(国士)10分23秒⑳31:35[21]20:23

田村選手が懸命に前へ進んでいく。2年前から任意の給水が禁止され、脱水症状等のアクシデントの場合は止まってからでないと給水できないルールとなっているのをこの時初めて知った。非常に苦しい状況だったが、1㎞3分30秒をオーバーしないのは普段からの積み重ねか、襷やチームに込められた思いの力なのか。すべてを振り絞って、8区下田選手へ”笑顔”で襷リレー。大磯以降を区間2番目のタイムで走破し懸命に追い上げた井戸選手を1分21秒までに止めたといっていいだろう。総合でも区間11位、これもまた駅伝男として新たな1ページを刻んだと言っていいだろう。

 3位は小笹選手が繋ぎ、30秒後には中平選手がやってきた。2年連続7区だったが、前回からの上積みがしっかりあった。その後ろは難波選手…を城越選手が抜いて中継所に飛び込んできた。区間トップと1秒差の区間2位で往路13位から2区間で5位にあげてきた。日体大が持ち味をしっかり発揮しただろう。その後ろは太選手が再度追い上げた。なんと大磯以降はトップのタイムだった。10㎞地点で兄・剛選手からもらった力水が最後に活きたのだろう。

 8位は細川選手がしっかりキープ。前回5区の彼を平地に回して稼ぐ作戦だったそうだが見事に役割を果たした。9位争いは伊勢選手が制し9位駒大、10位帝京となった。11位石橋選手はさすがに息切れしていたが、それでも1分以内はキープ。さらに、前半の貯金が生きて区間賞も獲得。田村選手の失速の情報も耳にしていたそうでアシストとなったか。4年生がゲームチェンジャーとなりそうだ。直後にやってきた苅田選手も粘り、拓大も昨年とは違う展開に持ち込もうとしている。後ろは1分半離れ、ひとまずはシード権争いが絞られたとみていいか。

 13位上武・橋立選手のあと選手がやってこない。1分ほどあいてやってきたのは創価・古場選手…を直前で久保選手が交わして飛び込んできた。久々に山学が順位をあげる展開にできたようだ。直後には10秒差で一斉スタートだった鈴木選手が終盤に粘りの走りを見せてやってきた。その後ろは11位だったはずの日大・石垣選手が見た目6番順位を落としてやってきた。二宮以降は全くペースを上げられなかったようで、日大の懸念された選手層がここで露呈してしまった。

 そのあと、ポツンポツンとした感じで磯口選手、内田選手、藤井選手が繋いだ。ここで見た目トップとの差15分38秒だったが、直後に出てきた国士大の8区の選手は繰り上げ用襷を付けていた。それくらい後れを取ってしまっていた。トップがアクシデントあっただけに何とかと思ったが、無念の繰り上げスタート。戸澤選手も大磯からトップを6秒しか追い上げられなかった。どうにも負の連鎖を止められなかった。様々なドラマがあった中、箱根路は終盤に入り始める。

参考サイト:
スポナビ
日テレサイト
【第93回箱根駅伝・区間・測定点別成績】