“山オタク”8秒の上積みはどこで/青学と神大の終盤の伸び/無欲の58分台1年生
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第93回箱根駅伝【定点別分析・6区】
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位
芦之湯4.8㎞
参考:92回秋山(日体)15分53秒
参考:92回小野田(青学)15分58秒1位小野田(青学)16分02秒①
8位石田(早大)16分29秒②1:00
7位橋本(順大)16分28秒③2:50
13位堀(東洋)16分38秒④3:16
11位物江(駒大)16分37秒⑤4:36
4位鈴木(神大)16分18秒⑥4:42
17位樋口(中学)16分55秒⑦5:28
14位馬本(上武)16分39秒⑧6:05
19位作田(創価)17分02秒⑨6:40
2位秋山(日体)16分03秒⑩6:45
6位横井(帝京)16分26秒⑩6:45
11位町井(日大)16分37秒⑩6:45
5位佐藤(法大)16分24秒⑬6:55
3位馬場(拓大)16分10秒⑭6:59
10位中島(東海)16分34秒⑮8:31
15位秦(山学)16分42秒⑯8:51
9位浦野(國學)16分30秒⑲13:35[17]10:28
OP桜庭(連合)16分30秒(20)16:28[17]10:28
16位鴇澤(大東)16分48秒⑱12:30[19]10:46
18位田中(明大)16分56秒⑰11:51[20]10:54
20位福田(国士)17分12秒⑳22:22[21]11:10
先頭でスタートした青学・小野田選手は、前回1年生で58分半ばの衝撃の走りをしたランナー。全日本で区間賞を獲得するなど平地の走力もあがった中、上位陣の中では非常に抜けている存在だ。芦之湯では2位との差は1分、3位とは2分50秒へ。早大・石田、順大・橋本選手もまずまずだが、抜けている。このまま開き続けるものと思われた。
次に登りの部分で飛ばしているのは、区間記録保持者の秋山選手は勿論だ。すでに3人抜きを果たしている。帝京・横井選手や法大佐藤選手も早い入りだし、日大・町井選手は昨年の経験者なのだが、しっかりととらえて言っているあたり本当に強い。その後ろ、拓大の実力者の馬場選手も少しずつ追い上げ始めている。
他では神大・鈴木選手も早い入りで、早くも駒大・物江選手の背後に迫っている。昨年は失敗した選手だが、ここでプラスになるようならとても大きいがどうか。逆に鈴木選手のすぐ後ろにいた中学・樋口選手が昨年より1分スローのタイム。故障明け7割ほどということだが、やや慎重な入りとなっている。最後の一斉スタートでは1年生の國學・浦野選手と日本薬科大として初出場となる連合・桜庭選手が飛ばしている状況だ。
小涌園前9.0㎞-芦之湯4.8㎞=4.2㎞
参考:92回秋山(日体)10分38秒
参考:92回小野田(青学)10分50秒5位小野田(青学)10分52秒①
6位石田(早大)10分54秒②1:02
7位橋本(順大)10分59秒③2:57
13位堀(東洋)11分08秒④3:32
18位鈴木(神大)11分20秒⑤5:10
19位物江(駒大)11分26秒⑤5:10
2位樋口(中学)10分41秒⑦5:17
12位馬本(上武)11分07秒⑧6:20
1位秋山(日体)10分37秒⑨6:30
3位町井(日大)10分47秒⑩6:40
4位佐藤(法大)10分51秒⑪6:54
8位横井(帝京)11分01秒⑪6:54
16位作田(創価)11分11秒⑬6:59
10位馬場(拓大)11分05秒⑭7:12
9位中島(東海)11分01秒⑮8:40
17位秦(山学)11分19秒⑯9:18
14位浦野(國學)11分10秒⑲13:53[17]10:46
14位鴇澤(大東)11分10秒⑱12:48[18]11:04
11位田中(明大)11分05秒⑰12:04[19]11:07
OP桜庭(連合)11分48秒(20)17:24[20]11:24
20位福田(国士)11分38秒⑳23:08[21]11:56
下りに入り、まずまず飛ばしている小野田選手だが、実は7㎞付近から差し込みがきたらしい。それでもこの定点間、昨年の自分とは2秒遅れただけ。2位石田選手や橋本選手あたりこのあたりは差は依然として離している状況となっている。
差が詰まっていた5位争いは6㎞過ぎに鈴木選手が物江選手を捉える場面があったものの、驚くことに下り始めてからはかなりスロー。むしろ、登りがスローだった樋口選手が大幅にペースを上げてきて、いつのまにかすぐ後ろに迫っていた。また大混戦の8位から14位だが、先ほど並んでいた秋山・町井・横井選手の順番に分かれ、9位から11位へ。秋山選手は上武・馬本選手の背後に迫る。また、横井選手には佐藤選手が追いつくという健闘ぶり、何気に速いタイムだ。そのすぐ後ろには中々ペースを上げられない創価・作田選手が9位から13位と早くもシード権外へ弾き飛ばされている。常連校がさすがに前に出始めている。
大平台13.4㎞-小涌園前9.0㎞=4.4㎞
参考:92回秋山(日体)11分34秒
参考:92回小野田(青学)11分32秒13位小野田(青学)11分55秒①
5位石田(早大)11分39秒②0:46
5位橋本(順大)11分39秒③2:41
9位堀(東洋)11分47秒④3:24
3位樋口(中学)11分32秒⑤4:54
13位鈴木(神大)11分55秒⑥5:10
17位物江(駒大)12分08秒⑦5:23
2位秋山(日体)11分26秒⑧6:01
1位佐藤(法大)11分18秒⑨6:17
7位町井(日大)11分44秒⑩6:29
16位馬本(上武)12分04秒⑩6:29
11位横井(帝京)11分50秒⑫6:49
11位馬場(拓大)11分50秒⑬7:07
19位作田(創価)12分11秒⑭7:15
8位中島(東海)11分45秒⑮8:30
15位秦(山学)12分00秒⑯9:23
4位鴇澤(大東)11分38秒⑱12:31[17]10:47
10位田中(明大)11分48秒⑰11:57[18]11:00
18位浦野(國學)12分09秒⑲14:07[18]11:00
OP桜庭(連合)12分41秒(20)18:10[20]12:10
20位福田(国士)13分06秒⑳24:19[21]13:07
この定点間にある宮ノ下と大平台でおや?と思ったファンも多かっただろう。1位小野田・2位石田選手の差が45秒前後に縮まっていた。一番傾斜がきつくなる場面でさすがに小野田選手もスローダウンせざるを得なかったか。4㎞少しで前回の自身のタイムより23秒遅い。元々昨年ほどの状態ではなかったことも影響していたか。後ろの橋本選手や急遽6区を走ることになった東洋・堀選手も詰めてきており、ここもちょっとヒヤッとするポイントだった。
5位争いはやはり樋口選手が先ほどの定点の直後に交わしていき、浮上している。さすがの好走だ。鈴木選手はそれにある程度ついて言っているが、7位に下がった物江選手が苦しい。年末にインフルエンザにかかったそうだが、やはり影響しているだろうか。後ろは山下りの名人が走っているが、差が気になってくる。
8位には馬本選手をすでに交わしている秋山選手がやってきたが、とても快調でこの定点間から昨年の自分を上回り始めている。ここまでやや区間記録からは遅かったものの再び期待がかかってくる。ところが、この定点間、その秋山選手がトップのタイムではない。法大1年生の佐藤選手が最も早いタイムで秋山選手を詰める形となっている。11月中旬に6区候補に選ばれて61分を切れればというところだったそうだが、これは驚きの走り。秋山選手が5人抜き、佐藤選手も3人抜きの好走だ。
逆に往路初の一桁順位ターンとなった上武大と創価大は定点間下位の走りが続き、順位意を下げ続け、11位と14位へ。シード権獲得のためにはここから少しでもあげたいがどうだろうか?その後ろ、逆転シード権をかける強豪校は明暗が分かれ始め、東海・中島選手がまずまずのタイムで下っており、望みを繋げる。山学・秦選手は昨年よりはいいものの、区間15番前後のタイムとなっており、じりじりとタイム差が開いている。彼も故障明けらしい?が、山学大がここでも波に乗れない。
一斉スタート組では、前回60分前半でまとめた大東・鴇澤選手がここで大幅にペースアップ、前に行っていた明大・田中選手や疲れが見え始めた國學・浦野選手を捉えて前を追っている。その後ろは完全にしっそっく、登りが得意という連合・桜庭選手はそこから1分以上遅れ、国士・福田選手もそこから1分近く後ろ、かなり厳しい状況となった。
函嶺洞門17.0㎞-大平台13.4㎞=3.6㎞
参考:92回秋山(日体)9分26秒
参考:92回小野田(青学)9分29秒2位小野田(青学)9分28秒①
14位石田(早大)9分53秒②1:11
13位橋本(順大)9分52秒③3:05
10位堀(東洋)9分44秒④3:40
6位樋口(中学)9分36秒⑤5:02
3位鈴木(神大)9分30秒⑥5:12
1位秋山(日体)9分22秒⑦5:55
18位物江(駒大)10分05秒⑧6:00
3位佐藤(法大)9分30秒⑨6:19
8位町井(日大)9分38秒⑩6:39
16位馬本(上武)10分04秒⑪7:05
12位横井(帝京)9分46秒⑫7:07
9位馬場(拓大)9分42秒⑬7:21
16位作田(創価)10分04秒⑭7:51
5位中島(東海)9分34秒⑮8:36
10位秦(山学)9分44秒⑯9:39
7位鴇澤(大東)9分37秒⑱12:40[17]10:56
15位田中(明大)9分56秒⑰12:25[18]11:28
19位浦野(國學)10分24秒⑲15:03[19]11:56
OP桜庭(連合)10分31秒(20)19:13[20]13:13
20位福田(国士)12分00秒⑳26:51[21]15:39
一時ファンがざわざわしたトップとの差だが、ここで一気に開き始めた。差し込みが治ったという小野田選手が走りが戻って、昨年の走りとなってきた。そして石田選手は14番目のタイムへ。足裏の皮がむけてかなりカーブでの踏ん張りが利かなくなってきたとのこと、やはり予想通り差は開いてきそうな感じだ。
この定点間は再び秋山選手がトップで、更に累積でも前回の自分を3秒上回った。前半やや抑え目にしていのがここから活きそうな予感だ。物江選手も交わしてすでに7位にあがっている。その前を走っている神大・鈴木先週がここにきて一気にペースアップ。一旦開いた樋口選手との差を詰めにかかっており、どうやら昨年のようなことはなさそう、むしろ貯金しそうだ。
シード権争いは町井選手が頑張って再度単独10位へ浮上、馬本・横井・馬場選手をじりじり引き離しにかかっている。7区8区が1年生なだけに何とか貯金を作りたい。作田選手は苦しく失速。後ろの中島選手が急追し始めている。
小田原中継所20.8㎞-函嶺洞門17.0㎞=3.8㎞
参考:92回秋山(日体)10分38秒
参考:92回小野田(青学)10分42秒1位小野田(青学)10分31秒①
13位石田(早大)11分28秒②2:08
11位橋本(順大)11分15秒③3:49
12位堀(東洋)11分25秒④4:34
4位鈴木(神大)10分43秒⑤5:24
8位樋口(中学)11分05秒⑥5:36
2位秋山(日体)10分33秒⑦5:57
5位佐藤(法大)10分49秒⑧6:37
14位物江(駒大)11分32秒⑨7:01
6位横井(帝京)10分57秒⑩7:33
16位町井(日大)11分34秒⑪7:42
9位馬場(拓大)11分08秒⑫7:58
17位馬本(上武)11分37秒⑬8:11
19位作田(創価)11分40秒⑭9:00
7位中島(東海)11分02秒⑮9:07
10位秦(山学)11分09秒⑯10:17
3位鴇澤(大東)10分39秒⑰12:48[17]11:04
18位田中(明大)11分38秒⑱13:32[18]12:35
15位浦野(國學)11分33秒⑲16:05[19]12:58
OP桜庭(連合)11分20秒(20)20:02[20]14:02
20位福田(国士)12分30秒⑳28:50[21]17:38
下りの部分よりラストの平地の方が差がつくとよく言われるが、今回のワンツーは如実に現れた。小野田選手が最後の平地が昨年の自分よりも大幅に短縮しトップ。差し込みがなくなって体力が有り余っていたようだ。最終的には58分台出したのはやはり力がある。対して、足の皮が垂れていた石田選手は悪いなりにはまとめたものの、この間だけで57秒差。一気に2分以上の差がつき、早大から青学が視界に消えた。総合優勝は青学がかなり有利になったと言えそうだ。
その後、中盤まで健闘し下りの適性を見せた3位橋本選手、急造6区で61分を切った堀選手を挟んで、大混戦の5位以下。大平台からギアを変えた鈴木選手が樋口選手を再度交わして5位へ浮上、タイムも59分台で12年ぶりシード権へとてもいい流れを作った。樋口選手も7割程度ながらさすが職人と癒える走りだった。
さて、その後ろだ。ほぼ区間記録更新は確実となった秋山選手がやってきた。夢の57分台が出せるかどうか注目が集まり、それには後わずかに届かなかったものの、1年かけて8秒捻出。何度かコースの変更があった中、その歴代ランナーを含め”下りオタク”が史上最も早く6区を走ったランナーとなった。チームとしても6人抜きで7位へ進出。一気にシード権争いで優位に立った。8位にはこちらも4人抜きを果たした1年生がやってきた。法大・佐藤選手が58分台をマーク。しかも、本人は足裏に痛みを感じていたのに血豆は一切できていなかったとか。法大は躍進するときは6区が想定外にいい時が多いような??秋山選手も凄いがこちらも拍手ものだ。
ここからシード権争いが本格化する。最後9位まで落ちてしまった駒大・物江選手、ラストで10位に浮上してきた帝京・横井選手がシード権内。先ほどの定点で10位に差を付けた日大・町井選手が最後に勿体ない失速で11位へ。鬼門の6区を後半足が痙攣しながらも59分台で走破した拓大・馬場選手が12位、何とかシード権が見える位置にとどまった上武・馬本選手が13位。このあたりはまだ混戦だ。
その後ろやや引き離された創価・作田選手に、東海・中島選手がすぐ後ろに追いつく。1年生が苦しんだこの大会だったが、6区はあまり関係ないのか。シード権が少し近づいた。その後ろ、ラストの平地は踏ん張った山学・秦選手。ただ、一人旅になってしまった印象だ。果たして追いつくことが出来るか。
そこから後ろは一斉スタート。大東・鴇澤選手が終盤に猛チャージして59分台。他の選手には惑わされず緻密な作戦を感じる。明大・田中、國學・浦野選手が何とか61分台。そこから1分遅れて連合・桜庭選手。登りと平地は区間10番ほどであり下りを走れる選手がいなかったとみるべきか。その直後にCMが挟まってびっくりしたが、国士・福田選手が66分かかった。大平台からは下りだが1㎞3分ペースを大幅にオーバーしており、非常に厳しいレースとなった。早くも繰り上げを気にするタイム差となった。