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第93回箱根駅伝を振り返る~4区編

本当の下克上の序章/4年生の友情

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第93回箱根駅伝【定点別分析・4区】

定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

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二宮8.9㎞

5位森田(青学)26分53秒①
3位鈴木(早大)26分35秒②1:04
1位櫻岡(東洋)26分23秒③1:13
7位東(神大)27分02秒④1:39
4位畔上(帝京)26分43秒⑤1:42
6位中谷(駒大)27分00秒⑥1:54

8位セルナルド(創価)27分03秒⑦2:47
2位栃木(順大)26分34秒⑧3:03
12位清水目(日大)27分23秒⑨3:46
17位川澄(大東)27分43秒⑩4:06
13位新井(中学)27分27秒⑪4:40
15位土井(法大)27分33秒⑪4:40
16位松尾(東海)27分37秒⑬4:48
14位富安(日体)27分28秒⑭4:55
18位上田(上武)28分01秒⑮5:18
11位上村(山学)27分19秒⑯5:22
9位宇田(拓大)27分04秒⑰5:29
10位阿部(明大)27分14秒⑱6:30
19位稲毛(國學)28分06秒⑲7:01
OP小山(連合)27分00秒(20)9:05
20位多喜端(国士)28分08秒⑳12:23

トップ青学は箱根初出場ながら全日本6区区間賞の実力者でもある森田選手が淡々と刻んでいく。5㎞通過は15分ジャストでその後も堅実に刻む。後ろの早大・鈴木選手はともに4年生の実力者、さすがに速いペースで走っていくが、まだ1分以上の差は保っている。その後ろはすぐに東洋・櫻岡選手が迫っていた。前哨戦での苦しい姿が見られず、ここまではトップのタイムで急追、神大・東選手は3㎞でパスし、早大のすぐ背後に迫る活躍だ。

 後ろではちょっと心配な出来事があった。駒大復活のエース中谷選手が最初の1㎞を2分48秒で突っ込み、一気櫻岡選手に追いついたものの、3㎞過ぎについていけなくなる。更に帝京・畔上選手にも交わされ、それにもついていけず下がっている。最初の3㎞を8分50秒で入っているので定点間7番だが非常に苦しそうな表情で大量に汗もかいていた。12月記録会ではまだちょっと苦しそうな姿があったが、まだ本調子ではないのかもしれない。持ち味の粘りが出せるかどうか気になるところだ。

 中位では10位スタートした順大・栃木選手が非常に調子よく、2㎞で日大・清水目、大東・川澄選手をとらえるとガンガン前を追っていく。前回4区で区間2位の好走を見せていたが、アップダウンの続くこのコースが得意なのかもしれない。他の中位の選手は比較的スローペース、区間15位付近の選手が多いか。

 その後ろが頑張っており、山学・上村、拓大・宇田選手、明大・阿部選手が頑張って追い上げる。宇田選手は全日本4区2位など実力があり、やはりというところ。上村選手は長い故障から急遽の準エース区間だったが、ここまでは奮闘といったところ。逆に國學・稲毛選手がやや苦しく、中位争いからも脱落加減となった。

小田原本町17.7㎞-二宮8.9㎞=8.8㎞

1位森田(青学)26分28秒①
3位鈴木(早大)26分47秒②1:23
4位櫻岡(東洋)26分49秒③1:34
7位畔上(帝京)27分23秒④2:37
9位東(神大)27分35秒⑤2:46
2位栃木(順大)26分38秒⑥3:13
5位セルナルド(創価)26分54秒⑥3:13
20位中谷(駒大)29分31秒⑧4:57
8位土井(法大)27分24秒⑨5:36
10位新井(中学)27分35秒⑩5:47
16位清水目(日大)28分44秒⑪6:02
6位宇田(拓大)27分04秒⑫6:05
11位富安(日体)27分45秒⑬6:12
12位松尾(東海)27分52秒⑬6:12
17位川澄(大東)28分55秒⑮6:33
13位上村(山学)27分54秒⑯6:48
14位上田(上武)28分09秒⑰6:59
15位阿部(明大)28分32秒⑱8:34
19位稲毛(國學)29分02秒⑲9:35
OP小山(連合)27分39秒(20)10:16
18位多喜端(国士)28分56秒⑳14:51

森田選手がやはり堅実にペースを刻んでいっていた。トップの利序盤はやや抑えて中盤以降に備える走りを見事に行った。結果、この定点間でしっかりとトップの走りをしていた。なので、早大と東洋の差は平塚中継所付近の差まで押し戻していた。往路優勝を狙うチームとしては残りの距離で何とか青学との差を詰めたいところだがどうだろうか。なお、2位早大と3位東洋の差は最小3秒まで詰まったが、ここではやや空き始めている。

 他、上位争いも順位変動があり、畔上選手が二宮定点の直後に東選手を捉えると、小田原本町までに差をつけた。その後ろに下がった中谷選手は10㎞30分40秒・14㎞43分36秒とガタッとラップが落ちてしまいかなり苦しい走りとなった。なお、この間に一つ印象に残るシーンが生まれた。あっという間に追いつてきた創価・セルナルド選手が13㎞過ぎに捉えたとき、背中をポーンと叩きエールを送った。合宿で一緒だったため、思うことがあったようだ。中谷選手もその時はもがく動きは見られた。4年生の熱き戦いだった。それでも苦しい戦いは続き、この定点間では最下位。15㎞地点では大八木監督が「そのペースでいいよ。襷をつなごう。」と声をかける場面もあった。

 その後ろでは法大・土井選手と中学・新井選手が2人でペースをあげてきてそれぞれ清水目、川澄選手を捉え9位10位に浮上、特に法大はここまで非常にうまく戦っている印象だ。川澄選手は逆に順位を落としていって、同じ一年の松尾選手や、宇田、日体富安選手らに捉えられていく。なお、15㎞過ぎでは上村選手が、富安・松尾選手らと競っている場面も見られたが、本町ではやや失速気味で抜き返されいた。後ろ、上武・上田選手が何とか持ちこたえまだ見える位置。また、学連が単独走ながらここでも頑張って小山選手が個人順位では中位につけていた。

小田原中継所20.9㎞-小田原本町17.7㎞=3.2㎞

2位森田(青学)10分22秒①
4位鈴木(早大)10分28秒②1:29
6位櫻岡(東洋)10分40秒③1:52

7位畔上(帝京)10分45秒④3:00
1位セルナルド(創価)10分20秒⑤3:11
3位栃木(順大)10分24秒⑥3:15
10位東(神大)11分00秒⑦3:24
8位土井(法大)10分48秒⑧6:02
19位中谷(駒大)11分43秒⑨6:18
5位宇田(拓大)10分36秒⑩6:19
12位新井(中学)11分05秒⑪6:30
9位富安(日体)10分53秒⑫6:43
14位清水目(日大)11分09秒⑬6:49
16位松尾(東海)11分18秒⑭7:08
17位川澄(大東)11分24秒⑮7:35

13位上田(上武)11分05秒⑯7:42
20位上村(山学)12分20秒⑰8:46
11位阿部(明大)11分05秒⑱9:17
15位稲毛(國學)11分17秒⑲10:30
OP小山(連合)11分08秒(20)11:02
18位多喜端(国士)11分41秒⑳16:10

森田選手は終盤に待ち受ける上りでさすがに苦しそうな表情となったが、しっかり乗り切って最終的に個人順位でも鈴木・櫻岡選手を上回る結果に。ただ、鈴木選手も最初最後の箱根準エース区間だったし、櫻岡選手も序盤かなり飛ばした中の走りだった。それぞれ力を出し切っているように感じた。

 後ろは1分少し開いたのち、大混戦となっていた。4位と5位はチームとして大健闘の帝京と創価大。畔上選手が堅実な走りで4位、直後に終盤にかなり追い上げたセルナルド選手が東選手や一旦追いつかれた栃木選手をラストで突き放した。個人でもこの定点間ではトップ、有終の美を飾ったといっていいだろう。また、4区全体では10位から6位にあげた栃木選手が区間賞。順大は”下剋上”のスローガンを掲げていた。2区のあとがどうなるかと思われたが、ここは非常にいいムードで山に入った。神大もここまで大健闘だ。

 後ろは2分半離れた中谷選手の前に、法大土井選手が入ってきた。4区で予選4位の法大がシード権内は誰も予想していなかっただろう。中谷選手は何とか走り切り、同じ4年生の大塚選手へ。苦しかったが襷は繋ぎ切った。その後ろは大混戦となったが、宇田選手の充実ぶりが光り7人抜きの10位へ。再び拓大が10位以内へあがってきた。その他の大学も事前に山登りの名前が挙がっていた選手が上っていき、混戦の中大きな順位変動がありそうだった。

 親子鷹が話題になっている大東大と山学大はその混戦からやや後方。川澄選手はこの4区が実力不足だったか。上村選手は下り基調の9区を準備していた中、急きょ上り基調の4区のコースに苦しみ、最後は低体温症に陥り、襷を掴む握力も奪われていた。どうにも流れを引き寄せられないでいた。

 他、1年生ながら奮闘していた明大・阿部選手も山学の背後、連合小山選手も國學大が見える位置に追い上げていた。一方、最下位の国士大はここでも区間最下位となってしまい、前の連合とは5分、大差の最下位で山に入ることになってしまった。

参考サイト:
スポナビ
日テレサイト
【第93回箱根駅伝・区間・測定点別成績】
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