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第90回箱根駅伝を解剖しよう!【9区編】

第90回箱根駅伝2014の定点間分析をして、詳しく見ていっています。
 
今度は9区となります
 

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第90回箱根駅伝2014【定点間分析・9区】

 
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位 21位22位23位
 
繰り上げスタート続出、3位争いとシード争いに変動
 
9区

権太坂7.8㎞
記録:篠藤(中学)22分30秒(2分55秒3)
当時は権太坂7.7㎞、計算は現在の距離表示に準拠

3位上村(東洋)22分41秒①
1位窪田(駒大)22分33秒②3:32(2分53秒5)
10位田口(早大)23分20秒③8:32
2位矢野(日体)22分39秒④9:51
8位前野(明大)23分18秒⑤10:39(2分59秒3)
5位藤川(青学)22分48秒⑥12:46
4位熊崎(帝京)22分47秒⑫17:22[7]15:12(2分55秒3)

6位竹内(農大)22分57秒⑭20:01[8]15:35
7位吾妻(國學)23分00秒⑮21:04[9]15:41(2分56秒9)
12位松田(法大)23分25秒⑧17:08[10]16:35
15位田中(中学)23分30秒⑬19:40[10]16:35
17位大隅(大東)23分42秒⑦17:04[12]17:04
11位林(日大)23分21秒⑩17:12[13]17:12
13位多田(中大)23分27秒⑯22:26[13]17:12
14位奥谷(拓大)23分28秒⑨17:12[13]17:12
16位山下(東海)23分38秒⑪17:14[16]17:14(3分01秒8)
8位田中(順大)23分18秒⑰23:46[17]17:29
OP:阿部(山学)23分04秒[18]17:44
21位寺田(城西)24分06秒⑲25:44[19]18:30
22位岡部(神大)24分33秒⑱25:00[20]20:17(3分08秒8)

18位大西(上武)23分57秒⑳27:37[21]21:16(3分04秒2)
20位小原(専大)24分04秒㉑32:00[22]21:16
18位岡崎(国士)23分57秒㉒41:24[23]21:16

★駒大・窪田選手、区間記録に近いペースも…詰められず
 総合優勝は非常に厳しくなったが、駒大・窪田選手の個人記録に注目は集まっていた。ここまでは区間記録から3秒遅れているだけで、一見タイムは良さそうだったが、見た目なんとなく好調ではなさそうだなというのは感じてはいた。驚いたのが東洋・上村選手。初駅伝が箱根9区の重要区間の選手だが、この時点で僅か8秒しか詰められない走りをしていたのだ。飛ばし過ぎにも見えなかったので、好調だったのだろうと思われる。
★見た目7番争い、帝京・熊崎、農大・竹内、國學・吾妻選手が速いペース
 壮絶な争いになっているシード権争いだが、総合ではそれより後ろで見た目はシード争いの前の3選手、総合12位帝京・熊崎選手、総合14位農大・竹内選手、総合15位國學・吾妻選手がそれぞれ突っ込んで入っています。特に熊崎選手が4番目の走りを見せている。残り2区間ですがまだ46.3㎞あるのは事実。少しでも手繰り寄せようと必死の走りだ。
★シードを挟んだ争い、拓大・奥谷、日大・林、東海・山下選手が並走
 その1分近く後ろ、並走の総合9位法大・松田選手に総合13位中学・田中選手、30秒後ろの総合7位大東・大隅選手の後ろが4チームによる並走となっている。拓大・奥谷選手&中大・多田選手&日大・林選手&東海・山下選手だが、奥谷&林&山下選手で総合9位から11位で並んでいるという凄まじい状況だ。ただ、この時点で東海・山下選手がやや遅れ気味?であった。
 
 

横浜駅前14.7㎞-権太坂7.8㎞=6.9㎞
記録:篠藤(中学)19分52秒(2分52秒8)
 
4位上村(東洋)20分15秒①
2位窪田(駒大)20分00秒②3:17(2分53秒9)
5位田口(早大)20分18秒③8:35(2分56秒5)
1位矢野(日体)19分43秒④9:20(2分51秒4)
13位前野(明大)20分38秒⑤11:02
3位藤川(青学)20分02秒⑥12:33
12位竹内(農大)20分35秒⑭[7]15:56
19位熊崎(帝京)20分59秒⑫[7]15:56(3分02秒5)
10位田中(中学)20分32秒⑬[9]16:52(2分58秒6)
15位松田(法大)20分48秒⑩[10]17:03(3分00秒9)
21位吾妻(國學)21分37秒⑮[11]17:03
6位林(日大)20分21秒⑦[12]17:18
6位多田(中大)20分21秒⑯[12]17:18
6位奥谷(拓大)20分21秒⑦[12]17:18
11位大隅(大東)20分34秒⑨[15]17:23
OP:阿部(山学)20分10秒[16]17:39
9位田中(順大)20分25秒⑰[16]17:39
18位山下(東海)20分56秒⑪[18]17:55
22位寺田(城西)21分39秒⑲[19]19:54
20位岡部(神大)21分36秒⑱[20]21:38(3分07秒8)
14位岡崎(国士)20分45秒㉒[21]21:46
16位大西(上武)20分53秒⑳[22]21:54
17位小原(専大)20分53秒㉑[22]21:54

★日体・矢野選手が早大を猛追しこの間トップ 青学・藤川選手も快調
 少しずつ1位と2位の差は詰まったものの、依然3分以上もの大差がついていることに変わりはない。駒大・窪田選手が区間記録からやや遅れ始めているようだ。それより、3位と4位の差、それと5位と6位の差の詰まり方が激しいようだ。
 
 4位の日体・矢野選手がこの間区間トップの走りで猛然と前を追っている。早大・田口選手も徐々にペースアップをしているが、区間記録に迫るペースで2分あった差が1分以内となってきている。矢野選手としては、全日本アンカーで、自分のせいでシード権を逃してしまっただけに、総合3位は何とか取りたい所。残り10㎞弱でどこまでいけるか。
 
 また、それより差は開いているが、6位青学・藤川選手が5位の明大・前野選手を追い上げている。藤川選手は勝手にスピード型と思っていましたが、単独走も得意のようで、ガンガン前を行く。記録会で絶好調だった前野選手はややスピードに乗ってこないだろうか。強豪校の争いがにわかに激しくなってきている。
 
★日大・林&拓大・奥谷選手らが好調、大東・大隅選手を突き放し7位タイへ
 競り合いが続く日大・林&拓大・奥谷&中大・多田選手が好調でこの間6番目のタイム。これに追いつかれた大東・大隅選手が横浜駅前で既についていけず総合9位に後退。林&奥谷選手は7位タイにあがる。見た目15秒前に見えてきた法大・松田選手は、一斉スタートの分、総合10位と後退している。
 
★東海・山下選手が苦しくなり、好走の山学・阿部選手らに交わされていく
 後退しているといえば、苦しい走りになってきたのは東海・山下選手。箱根6区の補欠だったが、前日に急遽この区間に入ったが、力不足は否めずじわりじわり後退。走行順では順大・田中選手を引き連れた山学・阿部選手に追い抜かれた。総合10位法大とはまだ13秒差だが、先ほど待ていた集団からはじりじり引き離されていっている
★城西・寺田、神大・岡部、専大・小原選手が新たに繰り上げ候補に
 国士と上武が先ほどの中継所で繰り上げになったが、東洋・上村選手の好走により、更に多くの繰り上げ校が出そうな様相になっている。ギリギリ襷を繋いだ専大・小原選手は国士・岡崎&上武・大西選手と並走で22分近い差、その前、これまた急きょ配置された神大・岡部選手が力及ばず21分半オーバー、この間最下位の走りの城西・寺田選手は20分以内ではあるが厳しそう。その前は18分以内だが、まだ油断ならなさそうだ。このあたりも注目となってきた。
 
 

生麦20.2㎞-横浜駅前14.7㎞=5.5㎞
記録:篠藤(中学)17分14秒(3分08秒0)
 
4位上村(東洋)17分35秒①
2位窪田(駒大)17分31秒②3:13
8位田口(早大)17分53秒③8:53(3分15秒1)
1位矢野(日体)17分24秒④9:09(3分09秒8)
14位前野(明大)18分22秒⑤11:49(3分20秒4)
3位藤川(青学)17分32秒⑥12:30
9位熊崎(帝京)17分56秒⑩18:27[7]16:17
9位竹内(農大)17分56秒⑭20:43[7]16:17
5位多田(中大)17分42秒⑮[9]17:25
12位田中(中学)18分08秒⑬20:30[9]17:25(3分17秒8)
7位奥谷(拓大)17分48秒⑦17:31[11]17:31
13位松田(法大)18分09秒⑨18:10[12]17:37
OP:阿部(山学)17分33秒[12]17:37
11位林(日大)17分59秒⑧17:42[14]17:42
5位田中(順大)17分42秒⑯24:03[15]17:46(3分13秒1)
18位大隅(大東)18分41秒⑪18:29[16]18:29(3分23秒8)
20位山下(東海)18分44秒⑫19:04[17]19:04
22位吾妻(國學)19分36秒⑰24:27[17]19:04(3分33秒8)
21位寺田(城西)18分46秒⑲28:19[19]21:05
14位小原(専大)18分22秒㉑33:25[20]22:41
17位岡崎(国士)18分30秒㉒42:49[20]22:41
16位大西(上武)18分29秒⑳29:09[22]22:48

19位岡部(神大)18分43秒⑱27:31[22]22:48
 

★帝京・熊崎選手、総合順位浮上 大東・大隅選手とのタイム差差し引いても10位
 往路12位で折り返した帝京大が熊崎選手の粘りでついに総合10位に浮上してきた。序盤飛ばし、いったんペースが落ちたものの、農大・竹内選手と競り合ってペースを保っていた。東海・山下選手だけでなく大東・大隅選手を僅か2秒差ながら交わしている。両者のペースの違いからあと3㎞でまだ差が開きそうだった。

 
★中大・多田選手が集団を崩す 法大・松田選手が巻き込まれ割り込む山学・阿部選手
 その後ろは争いは7校が約120mに入るカオス状態に。中大・多田選手が拓大・奥谷&日大・林選手を突き放して、前を追う。法大・松田選手を交わして、思った程に伸びていなかった中学・田中選手に追いつき見た目9番争いに。
 
 後ろからは、その多田選手よりも速いペースで山学・阿部選手が猛追。この間4番目相当のタイムで迫ってきている。多少区間ごとの凸凹はあるが、オープン参加となってからも見せ場を作っているのには恐れ入る。彼に離されたものの、いい動きの順大・田中選手も合わせてこのあたりの争いはまだまだ激しそうだ。
 
★國學・吾妻選手が大ブレーキ 見た目17番争いで19分オーバー
 ところで紹介していない選手がいる。序盤、農大・竹内選手のすぐ後ろで飛ばしていた國學・吾妻選手が、オーバーペースからの脱水症状で転がり落ちるようにして後退。苦しい走りとなっている東海・山下選手に捉えられ、走行順17番争いとなってしまっている。
 

 

鶴見中継所23.2㎞-生麦20.2㎞=3.0㎞
記録:篠藤(中学)8分25秒(2分48秒3)
 
4位上村(東洋)8分53秒①
3位窪田(駒大)8分52秒②3:12
1位矢野(日体)8分42秒③8:58(2分54秒0)
9位田口(早大)9分02秒④9:02
16位前野(明大)9分16秒⑤12:12
7位藤川(青学)9分01秒⑥12:38(3分00秒3)
5位熊崎(帝京)8分54秒⑩18:28[7]16:18
6位竹内(農大)8分55秒⑭20:45[8]16:19
11位田中(中学)9分04秒⑬20:41[9]17:36
14位多田(中大)9分11秒⑮22:57[10]17:43
OP:阿部(山学)8分59秒[10]17:43
2位田中(順大)8分51秒⑯24:01[12]17:44(2分57秒0)
8位松田(法大)9分01秒⑨18:18[13]17:45
12位奥谷(拓大)9分07秒⑦17:45[13]17:45(3分03秒3)
15位林(日大)9分15秒⑧18:04[15]18:04(3分05秒0)
20位大隅(大東)9分42秒⑪19:18[16]19:18(3分14秒0)
21位吾妻(國學)9分56秒⑰25:30[17]20:07(3分18秒7)
22位山下(東海)10分02秒⑫20:13[18]20:13(3分20秒7)

18位寺田(城西)9分38秒⑲29:04[19]21:50
10位岡崎(国士)9分03秒㉒42:59[20]22:51
13位小原(専大)9分09秒㉑33:41[21]22:57
17位大西(上武)9分33秒⑳29:49[22]23:28(3分11秒0)
19位岡部(神大)9分38秒⑱28:16[23]23:33
 

★日体・矢野選手が区間歴代2位の走りで区間賞!早大・田口選手交わし総合3位に
 途中から完全に区間賞争いの主役となっていた日体・矢野選手が、中継所寸前でついに早大・田口選手を捉えて総合3位に浮上。史上2人目となる68分30秒切の激走だった。全く予期していなかったという田口選手も何とか4秒差に留めてアンカーへ。まだもう一波乱あるかどうか。うしろの5位争いも青学・藤川選手が区間3位の走りで明大・前野選手を150m程の差に追い詰め、ブランド校同士の争いも面白くなってきた。

 
★東洋・上村選手が69分前半の好走 駒大・窪田選手は27秒しか詰められず
 トップは、東洋・上村選手が最後まで堅実な走りを見せ、トップ中継。散々当て馬扱いされていたが、結果69分前半と歴代でもかなりのタイムで駆け抜けて見せた。まだ2年生の選手でこれから主力化していくか。最低でも区間新と思って走っていた駒大・窪田選手は、69分を何とか69分を切った所。定点ごとに差はつめていたものの、27秒縮めるにとどまり、3年生4年生共に箱根で力を出し切れない悔しい走りとなってしまった。
★順大・田中選手がこの間区間2番目、秒差の見た目9番目争いに割って入る
 帝京・熊崎&農大・竹内選手の後の見た目9番目争い。最後に意地を見せた中学・田中選手が9番目で襷リレーするとトップ差17分43秒~45秒で5チームが雪崩れ込んだ。最後田中選手に離された中大・多田選手と追い上げ続けた山学・阿部選手が同時でリレー。その1秒後に何と順大・田中選手が駆け込んできた。区間5位、この間2番目のタイムで走破。今秋伸びた選手とはいえ、いつの間にか上がってきたの!?と思うくらい驚きだった。
 
★拓大と日大と法大と帝京が固まる 11位大東・大隅選手との差は50秒
 更に1秒後に法大・松田選手と拓大・奥谷選手が同時に襷リレー。終盤に少し話された日大・林選手が100m差で見た目15番目、終盤疲れた大東・大隅選手がそこから更に400m後方での襷リレーとなった。
 
 総合順位上では7位拓大の後ろ19秒で8位日大。拓大と同時だった法大は一斉スタートの分後ろで日大から更に14秒後ろで総合9位。その後ろ10秒差で上げてきた帝京が10位。4つ順位を落とした大東が11位で50秒。前も後ろも少し離れた単独走となっているが、追い上げられるかどうか。注目が集まる。
 
★國學・吾妻&東海・山下選手 終盤の失速響き繰り上げに
 その後ろ、今度は繰り上げスタートなるかどうか。國學・吾妻選手と東海・山下選手が中継所の長い直線に入ってきたのは残り20秒付近。この直線はだいたい30秒ほどかかるものなので、これでは間に合わない。吾妻選手が何とかラスト切り替えるも残り7秒届かず。東海大と共になんと7チームが繰り上げスタートの餌食に。復路一斉スタート以外でこれだけ繰り上げを見るのはちょっと記憶にない感じだった。5年前の85回大会は8区で棄権したチームも含めて間に合ったのだが…
 
 特に國學院は大学史上初の繰り上げとなってしまいかなり悔しいところ。中々寺田選手以外の主要区間を走れる選手が出てこなかったのがこういう形で響くことになってしまった。東海はタイム差的にまだギリギリシード権を狙えるところにいるので、何とかめげずに追い上げたいところだ。
 
★終盤に粘り、国士・岡崎選手と専大・小原選手
 以下、続いてやってきたのは城西・寺田選手。繰り上げから2分近く経過していた。確か6区菊地選手の好走で結構いいスタートだったはずなのだが、チームの総合力不足か。その1分後に国士・岡崎選手と専大・小原選手。共に終盤粘り区間順位はそこそこ。国士大は復路は下級生主体に切り替えながらも岡崎選手だけは変えなかったがやはりまずまずか。専大はギリギリリレーで凌いできたがここで力尽きた格好だ。
 
 最後、3区まで健闘もそこからじりじり下がっていた上武・大西選手、完全にコマ不足という印象だった神大・岡部選手が見た目最下位で中継所へ。悔しい思いを抱えながら見た目と総合順位の争いは最後まで続いていく。