限界を打ち破れ!#箱根駅伝 #城西大学 #GGN pic.twitter.com/MaVcHfYqxL
— 城西大学男子駅伝部 (@josai_ekiden) 2019年4月26日
第95回箱根駅伝2019が終わり、卒業生の進路、新入生の情報が発表され、
なにより、在校生が次の箱根駅伝2020に向けて動き出しています。
…というか新年度に入ってますね。
箱根駅伝2019の簡単な振り返りと、箱根駅伝2020への現時点での戦力分析をしていきたいと思います。
今回は城西大学です
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城西大学の【箱根駅伝2019まとめ】
20位城西大学11:19:57
1区鈴木勝彦④16位63分55秒[16]1:20
2区金子元気④20位70分55秒[19]4:44
3区中島公平④21位66分39秒[19]8:52
4区西嶋雄伸③15位64分32秒[19]12:22
5区服部潤哉④10位74分09秒[19]13:39
往路19位5:40:10
6区松尾鴻雅①21位61分34秒[19]17:01
7区雲井崚太②22位67分11秒[20]20:27
8区大石 巧④21位67分54秒[20]24:28
9区中原佑仁③15位71分44秒[20]26:36
10区大里凌央②4位71分24秒[20]27:48
復路18位5:39:47
1区鈴木選手…元々前哨戦で実質エースだった荻久保選手を入れる予定が無念の故障。それでも今の勢いであればと思いましたが…大きく計算が狂うことになりました。
代わりに4年目で急成長した鈴木選手を抜擢しましたが、六郷橋のやや手前で遅れる展開。64分以内で出走しますが、微妙に前のチームからは離れた位置となってしまいました。
2区金子選手…これがロードのエース金子選手に響きました。不利な単独走をするうことになり、更にすぐ後ろにいた3チームがいずれも大砲と言える存在の選手。少し巻き込まれる形ともなり、本来の力を出せませんでした。
3区中島選手…負の連鎖は続きます。中島選手はトラック型で、競り合いの強さで関東ICで入賞した経験もある選手。ただ、非常に長い直線でも全く前のチームが見えない展開。前回よりも大きくタイムを落としてしまいました。
4区西嶋選手…ここから何とかもがこうとするのですよね。スピードのある西嶋選手が突っ込んで前を追います。64分半ばでまとめて区間15位。まだ前のチームは遠かったですが、流れを立て直します。
5区服部選手…前回登りで大きく目立った服部選手で追い上げたいところでしたが、この位置からはややきつかった。それでも、前回失速した下りであげてきて区間10位。このあたり、4年生の意地が見えたところです。
6区松尾選手…秋になってから記録会で主力に近い自己ベストを出して伸び盛りだったルーキー松尾選手。6区抜擢されるも中盤以降に大きく失速してしまい区間21位。至近3大会連続で山下り鬼門になってますね…。結果的に復路も出遅れます。
7区雲井選手…上尾ハーフで63分台半ばをマークした雲井選手を7区に起用。ただ、初主要大会や単独走ということもあってか、その時のような走りをすることは叶わず。悔しい区間最下位となってしまいました。
8区大石選手…前回区間4位の実力者、故障するも11月記録会自己ベストで間に合わせてきました。ただ、この区間も本来の走りから遠かったですね。3連続区間20位台で、繰り上げの憂き目に。本当に流れに乗れませんでした。
9区中原選手…前回もこの区間を走っている経験者。中原選手は何とか走れた感じですかね。繰り上げからある意味気持ちも切り替えられたか、単独走の慣れもあったでしょうか。崩れることなくラップを刻み区間15位と粘りを見せます。
10区大里選手(個人的MIP)…もう収穫と言えば、ここでしょう。2年大里選手の激走。昨年春の成長株で、全日本予選は一部の主力選手の欠場もあり出場へ。周囲の予想を覆す3位通過のメンバーに。全日本で初駅伝も経験していました。
繰り上げスタートで複数のチームと同時スタートでしたが、早い段階で一人で抜け出して単独走へ。上尾ハーフで63分台と、力はついていることは実感してましたが、ここまでぐいぐいいけるとは。区間4位の戦績は大きな手応えを持てたのではないでしょうか。
2019年城西大長距離・主な卒業生と進路
大石 巧29分01秒87≪19:箱8区21位、18:箱8区4位、17:全6区9位、予85位、16:予100位≫ ⇒ スズキ浜松AC
鈴木勝彦29分08秒01≪19:箱1区16位、18:全7区5位、出3区9位、17:予240位≫ ⇒ SGHグループ
金子元気29分10秒04≪19:箱2区20位、18:全8区5位、箱4区4位、17:全1区14位、予24位、箱8区14位相当、16:予26位≫ ⇒ ヤクルト
峐下拓斗29分18秒47≪18:全6区14位、17:予143位、16:予184位≫ ⇒ NTN
服部潤哉29分26秒39≪19:箱5区10位、18:全4区12位、出6区7位、箱5区7位、17:全8区16位、予100位、16:予214位≫ ⇒ トーエネック
今思うと中々の4年間だったと思います。シード校で始まるも1年目シード落ち、2年目はまさかの予選落ち、3年目は一転全日本も箱根も本戦出場、箱根は久々のシード権獲得へ。
4年目は勝負の年で出雲全日本は過去最高の成績で、全日本初シード権獲得!ところが箱根は惨敗…。本当にジェットコースターのような成績でした。その中にあった6選手が全員実業団で陸上を続けるのは興味深いです。
この世代は予選落ちとなった2年目から力になり始めた選手が多かったですかね。金子・大石・中島・峐下・服部選手のなんと5名が箱根予選出走しています。鈴木選手もエントリーはされているのですよね。
この時26位に入り、学生連合8区で出走した金子選手が一番活躍しています。3年時以降は関東IC上位入賞し、ロードの逞しさを見せます。
駅伝もずっと長距離タフな区間でした。ハイライトは4年時全日本アンカー、残り1㎞での逆転でのシード権獲得は大きな話題を呼びました。ヤクルトでまたその力を見せてほしい。
ロードに対して、トラックは中島選手でしたね。関東IC1部5千で2年時3年時2年連続入賞、4年時もあと少しのところでゴールしています。
長距離はやや不得手でしたが、3年時の箱根で粘りを見せています。NY駅伝の方が距離は合っているので、カネボウで活躍してくれるでしょうか。
箱根で光ったのは服部・大石選手。服部選手はやはり山登り5区ですね。登りでも大きなストライドで飛ぶように疾走する姿は印象的、3年時のシード権獲得へ大きな立役者となりました。スピードで有名なトーエネックを選んだのはちょっとびっくりですが、これからどういう成長をするでしょうか。
大石選手は、高校時代はサッカー部。高3の終わりに、一度記録会に出走。15分半ばのタイムで、箱根駅伝常連校に片っ端から電話し、櫛部監督の興味を引いた話は有名ですね。3年時以降は主力、4年時全日本予選4組の実績もありますね。スズキ浜松ACで個人競技に専念となります。
あとは4年になってからレギュラーを獲得した鈴木・峐下選手がいますね。鈴木選手は4年次の全日本予選3組での好走で一気に株を上げました。初大学駅伝の出雲は主要区間の3区抜擢、その後も全日本7区、箱根1区と主要区間を担い続けました。SGHグループでその経験が役に立つか。
峐下選手は、トラックの記録では主力選手とほぼ変わらない成績を残していました。4年時全日本でついにレギュラー獲得で6区出走を果たしました。長距離ロード対応に時間がかかりましたが、NTNに進んでから開花なるでしょうか。それぞれ濃いメンツでした。
城西大・新チームの持ちタイム上位16名
※2019年4月30日現在
5000m持ちタイム | 10000m持ちタイム | ハーフ持ちタイム |
西嶋雄伸④13分53秒87 荻久保寛也④13分55秒53 菅原伊織③14分05秒23 砂岡拓磨②14分14秒75 中原佑仁④14分14秒86 中谷貴弘④14分15秒31 雲井崚太③14分18秒07 菊地駿弥③14分20秒87 大里凌央③14分23秒75 山本 嵐②14分23秒83 |
荻久保寛也④28分37秒66 西嶋雄伸④28分44秒15 菅原伊織③29分16秒50 大里凌央③29分28秒67 中原佑仁④29分33秒40 藤井正斗①29分36秒87 松尾鴻雅②29分39秒53 中谷貴弘④29分40秒07 宮沢真太④29分45秒12 野上亮祐③29分46秒69 |
西嶋雄伸④63分27秒 雲井崚太③63分38秒 大里凌央③63分39秒 菊地駿弥③63分54秒 野上亮祐③64分25秒 松尾鴻雅②64分26秒 中原佑仁④64分27秒 宮沢真太④64分32秒 荻久保寛也④64分38秒 栗屋直斗④65分08秒 |
上位10人平均:17位14分12秒9 | 上位10人平均:15位29分26秒3 | 上位10人平均:16位64分13秒4 |
松尾鴻雅②14分23秒99 佐藤礼旺①14分24秒91 麻生勇介④14分27秒84 福島正訓②14分28秒99 熊谷 奨①14分31秒80 梶川由稀③14分31秒92 |
雲井崚太③29分48秒13 砂岡拓磨②29分50秒23 佐藤忠俊④29分59秒22 伊藤大喜④30分03秒48 吉川幸紀④30分03秒64 田部雄作③30分06秒87 |
志賀颯太③65分23秒 原田建史郎④65分24秒 梶川由稀③65分26秒 佐藤忠俊④65分51秒 田部雄作③65分51秒 菅原伊織③65分52秒 |
5000mは17位、10000mとハーフは16位。データ上は、次回の箱根駅伝は出場可能な範囲内だが油断は禁物というところでしょうか?最も、その時の勢いにより結構浮き沈みもあるので、大学駅伝での順位予想は結構バラつきが出るかも?
トラックに関しては、スピードランナーがはっきりといて、4年荻久保・西嶋選手。関東ICなどでも入賞を狙っていけるレベルです。荻久保選手はロードもしっかり走れますね。全体的に、ひとまず1万mは29分半ばくらいで走れる選手は結構います。
ハーフに関しては、昨年の上尾ハーフで一度記録を残しているメンバーが多く、安定感や強さという面ではまだ未知数な選手も多いかな?この半年間がまず勝負になってきそうです。
城西大駅伝部2019・新4年生以下の主力選手
荻久保寛也④28分37秒66≪18:全2区1位、出1区3位、箱10区9位、17:予115位、16:予188位≫
西嶋雄伸④28分44秒15≪19:箱4区15位、18:全1区16位、出2区12位、箱1区18位、17:全2区18位、予37位、16:予396位≫
中原佑仁④29分33秒40≪19:箱9区15位、18:全5区12位、箱9区15位、17:全7区10位、予94位≫
宮沢真太④29分45秒12
原田建史郎④half65分24秒
菅原伊織③29分16秒50
大里凌央③29分28秒67≪19:箱10区4位、18:全3区12位≫
野上亮祐③29分46秒69
雲井崚太③29分48秒13≪19:箱7区22位≫
田部雄作③30分06秒87
菊地駿弥③30分44秒72≪18:箱6区17位≫
志賀颯太③half66分30秒
梶川由稀③half67分57秒
松尾鴻雅②29分39秒53≪19:箱6区21位≫
砂岡拓磨②29分50秒34
北村歩夢②30分14秒57
宮下璃久②30分24秒05
山本 嵐②30分54秒74≪18:出5区9位≫
福島正訓②half67分17秒
4年は駅伝経験者が3名いますが、それぞれタイプが違いますね。エース格は荻久保選手、兵庫リレカで復活したばかりですがさっそく引っ張れそうか?西嶋選手はトラック5000mが非常に得意なスピードランナー、中原選手は単独走でも走れますね。あとは地道に積み上げてきた宮沢・原田選手も加われるかどうか。
3年は力関係の変動がここにきて起きているのですよね。箱根好走の大里選手が一人抜け出したかと思われましたが、高校時代力のある菅原選手がトラックで一気にこの世代トップへ、また1年時に箱根走った菊地選手が長い距離中心に逞しくなって帰ってきています。
他は、大里選手は勿論、雲井・野上選手も持ちタイム上は非常に争っていますし、田部選手らもじわりじわり上がってきています。頭数も増えてきて注目の学年になっています。
2年生は昨シーズン2名出走しているのですよね。3障など比較的短い距離が得意な山本選手が出雲で出走、また秋以降長い距離で結果を出した松尾選手が箱根出走しています。他、実績ある砂岡選手に、北村・宮下選手らも距離に少しずつ対応中です。いずれ一気に伸びる時期がくるかな?
城西大学駅伝2019・新入生情報
熊谷 奨①14分25秒19
藤井正斗①14分31秒40
土子将輝①14分41秒31≪18:IH3障10位≫
小島 拓①14分42秒72
上位5名平均:20位14分33秒10
伊藤駿人①14分48秒08
古川道斗①14分49秒65
新入生に関しては、大きく目立った実績は少なかったですかね。持ちタイムトップは佐藤選手の14分24秒、熊谷選手の14分25秒。4番手の土子選手が3障で実績が高いほか、駅伝での実績も少ない方ですかあね。
ただ、城西大は育成でどんどん積み上げてくる大学なので、これからが楽しみですかね。私立五大学などでデビューしているルーキーたちもいますが、大きな成長曲線を描いてくれるかもしれません。
[追記]と言っている間に、ノーマークだった藤井選手が、いきなり1万m29分30秒台と高いレベルの走りをしてきましたね。こういうところ、”意外性の城西大”は継続、また楽しみなチームになっていくかもですね。
城西大学【箱根駅伝2020へ向けて】戦力分析
未知数な面も多いチーム構成?
こうみると卒業生の層が厚かっただけあって、まだチーム構成としては未知数な面も多いのですよね。大舞台で確実にしっかり走れそうなのは、4年荻久保選手。あとは3年大里選手が少し結果を残しつつありますが、他の大学駅伝経験者5名は全て区間二けた順位というところ。
その大学駅伝経験者と、持ちタイム上はほとんど彼らと変わらない選手は結構な人数はいますが、中堅・レギュラー争いはまだまだ誰になるか分からない状況。多くの選手が、秋になって活躍する可能性も秘めています。
とはいえ、それほど準備期間があるわけではなありません。強さと言う面では、未知数な面は否めないのだろうなと思います。全日本予選でどのくらい戦えるかどうかはポイントになってくるでしょうか。
今年の箱根未出走の荻久保・菅原・菊池選手が引っ張る!?
そう思っていた中、4月下旬になってまた面白くなってきましたよ。まずはエースの荻久保選手が復活。兵庫リレーカーニバルで、苦しみながらも上位集団で粘り切り入賞へ。前年度で見せた競り合いでの強さは健在でした。
さらに、3年菊地・菅原選手がここにきて覚醒!菊地選手は長い故障から、ハーフを中心に長い距離が強くなって戻ってきています。菅原選手は長い冬眠からついに目覚め、各種目で自己ベストを更新中です。
こう見ると、今年の箱根駅伝を走れなかった3名が今チームを引っ張っているということですね。一度はレギュラーを掴んだ選手たちも、いい刺激になるのではないでしょうか。また、一気に上向きになってくるかもしれません。
再びシード権へ、3年生に強さがどこまでついてくるか。
平均タイム16位前後も、潜在能力としてはもっと上でもおかしくはないチーム。その中で、しっかりと箱根予選を突破して、本戦でシード権争い以上を戦えるチームにしていく必要があります。
強さを如何にして身につけていくかとなりますが、3年生がカギになってくるのではないでしょうか。故障から上がって今活き活きとしている菅原・菊地選手。アンカー激走の大里選手、レギュラー掴むも跳ね返された雲井選手、あと一歩だった野上・田部選手ら。この1年が大事という人材が揃っているのではないでしょうか?
勿論、4年の西嶋・中原・宮沢選手らもうひと伸び、2年もこの年度で松尾・砂岡選手ら大きく伸びるはず。1年も先の藤井選手がポンと出てきました。新たな戦力で、再び駅伝ファンを沸かす活躍なるか、目が離せなくなってきました。