第95回(2019)箱根駅伝/往路を終えて・復路の展望&予想、優勝争いは?シード権争いは?

第95回箱根駅伝往路が終わりましたね!

復路まで時間があるので、

往路の簡単な感想復路の展望と予想をしてみたいと思います。

ページコンテンツ

第95回箱根駅伝往路を終えて

スポンサーリンク

1区東国・モグス選手に振り回された

3㎞9分20秒、5㎞15分20秒、10㎞30分03秒(14分43秒) その次は14分30秒台?

独特のペースアップの仕方をしましたね。
最初の3㎞はかなりのスロー、ここから1㎞3分ペースにあがり、5㎞以降平均は14分40秒前後のペースに。しかもモグス選手が何度か抜け出そうとしてペースの上げ下げがありました。

これに耐えられた選手と耐えられなかった選手とはっきりしました。16位以下の城西・日大・拓大・順大・上武・山学・連合はついていけず。その中で2区に大砲がいた日大・拓大・順大が上位~中位に入りなおすことができた感じでした。

なお、上位に付いたうえで大砲がいた国士館が46年ぶり2区トップ中継、ここの所苦しかった中大2区3位中継という見せ場がありました。

旧2区4区の日本人区間記録破られる!

追い風でいい気象条件だなと思いましたが
75回大会
2区三代直樹(順大)66分46秒
4区藤田敦史(駒大)60分56秒

95回大会
2区塩尻和也(順大)66分45秒
4区相澤 晃(東洋)60分54秒
いやぁ、これが同時に破られますか!?塩尻選手も、調整してペース配分考えたとはいえ、66分45秒!1秒でも上回ったのは、あっぱれ!そして、青学を突き放すべく4区に入った東洋・相澤選手が、旧4区の記録を2秒更新する60分54秒!

しかも相澤選手は11月末に腓骨筋痛めた影響で2区回避となったそうで。それでこれだけ圧倒するのですから、箱根への集中力が凄まじいものがあります。また4区で優勝争いも大きく動いた感があります。

見えないプレッシャーか…優勝争いまさかの展開に

3区までの攻防は面白かったですね。その中でやっぱり一時は青山学院大なのかなと思いました。2区代役梶谷選手が順位を落としたものの、3区森田選手が復調しまさかの区間新記録!東海と東洋大を交わしてトップに立ちます。

ところがここから一転します。東洋・相澤選手があっという間にトップに立つと、どんどん突き放す!2位にあがった東海大に2分48秒、青学大には3分30秒の差を付けます。相澤、館澤選手は力を出しましたが、青学・岩見選手は身体堅かったですねぇ…。

秋以降絶好調だったとはいえ、いきなり準エース区間を任され、東洋大にどんどん突き放されるのは苦しかったでしょうか。最終的に低体温症にも陥ったようで、往路優勝には黄色信号がともりました。

そして勝負の5区。東洋田中選手は昨年通り堅実に、東海西田選手は噂に違わず、71分18秒の好走区間2位で1分14秒差に追い上げました。東海としてはまだ復路にコマが残っていて、初の総合優勝も見えています。

問題は青学。竹石選手が登り部分で全く自分の思い通りに身体を動かせず失速…身体は山に向けて鍛えていたと思いますが、少し跳ねていたような??夏からずっと「山の神」言われ続けていて、プレッシャーもあったのかなぁ。

下りは、有り余っている体力で無理やり動かして僅かに差を詰め、全く逆転優勝不可能とは言い切れない5分30秒差。最も、選手層厚い青学とはいえ、一人1分以上…厳しい、箱根は本当に分からないですね。

大東・新井選手の激走は…

そして、ここは話題にせざるを得ないですよね。スタート僅か30秒も経っていなかったと思います。大東・新井選手が、他の大学の選手の足を踏んで転倒してしまいました。すぐ起き上がったのですが、この時からすでに足を引きずる状態に…

絶句してしまいました。こんな形で最後の箱根路が終わってしまうのかと…。ただ、一時少し痛みが引いたのか、バランスが悪い走りながらも、先頭集団にとりつきました。

ただ、やはり一番最初に遅れ始めると、14㎞地点から再び明らかに足を引きずるような走りに…。直前に奈良監督から「大丈夫なら手を上げろ」⇒「仕方ない、仕方ないから襷を繋ごう」と声をかけられていただけに心が痛かったです。

冷静に見て『止めたほうがいい』と思いつつも、でも…『行けるだけ行くしかない』…ですかね。競技としての駅伝だと、途中交代ってできないですから…。その新井選手は71分かかり、トップと9分近い差ながらも執念の襷リレー。

結果、チームメイトが頑張り、2区戸塚で繰り上げに合うも、往路総合でトップと16分半の差で抑えて、総合21位に浮上しています。結果的に意味があったとはいえば意味があったのかな…。

順位変動表

東洋大は本当に箱根は強いですね。1位もしくは秒差の2位で留めていた中で、一気に流れを作りました。東海大・駒大もうまく戦っていますし、国学院大の全体的な躍進も光ります。法大・順大はやはり山が良かった!

そしてもう一つ、シード権争いの観点で見ると、中央学院大のしぶとさが光るなぁと思います。なんだかんだじわじわシード権ラインに挙げてくるという…。やっぱりこのままいくのでしょうか?

第95回箱根駅伝復路展望・予想

優勝争い・3位争い・シード権争い上・シード権争い下・それ以外と分けます。

優勝争い~東洋大に東海大が追いつく場面があるか

1位東洋大
2位東海大1分14秒差

東洋大…してやったりの展開でしたね。西山選手は復調&1区は得意、あとはやりたいことは全部やれた感じです。

往路で主力ランナーはほぼ起用しているのが気になりますが…。ただ、6区7区今西③・小笹④選手と復路出足で流れを作れそうなのはいいですね。補欠には鈴木①選手が残っている状況。復路終盤は手堅くいく中村④などなので、何とかして追いつかれないようにしたいところです。

東海大…ついに箱根路にも対応してきましたね。2区と5区にスピードタイプではなく位、ロードで1年間準備をしてきた選手が入り、しっかりとハマったのも大きかったと思います。

復路まず追いつきたいですよね。6区中島③7区阪口③は非常に強力だと思います。これは追いつく大チャンス!その後もエントリーの松尾③・郡司③選手に、補欠の東④、湊谷④とハーフ走れる選手がいますので、もしかするともしかしますかね??

3位争い~駒大VS青学大はどこまで突き抜けるか

3位國學院大2分44秒差
4位駒澤大3分28秒差
6位青山学院大5分30秒差

 国学院大…平地の層が薄くなるのではと思った私の判断はどうやら間違っていたようです。1区藤木2区土方選手が予想以上のレース、その後も堅実につなぎ、5区浦野選手が区間新で躍進!往路3位はいまだに信じられません…。

往路に主力を集中させているので、さすがに強豪校相手に3位キープは難しそうですが…、6区江島④7区臼井②でどれだけ流れを作れるかでしょうか、あとは安定感ある4年生でまとめるはず。過去最高10位は大幅に上回るはずです。

 駒澤大…襷リレーのトラブルがありつつ、常に3位争いあたりをしての往路4位はほっとしたのではないでしょうか。最も、後輩の前田監督のチームに初め先行されたので、大八木監督の心中やいかに?

総合優勝はさすがに厳しいでしょうが、ここまできたら3位は確保したいですね。6区大成選手の準備に期待。平地ハーフ63分前半の走力はあるのでハマれば面白いはず。伊勢・堀合選手4年生に勢いある2年生小原選手らで流れを継続し、青学を前に生かせないようにできるか!?

 青学大…優勝諦めない、ですがまずは2分先の駒大を捉えられるかどうかでしょう。小野田・林選手が、前回並みの走りをしたらと思いますが、全く見えないトップの背中を追う中で、それができるかどうか??

まず2人で駒大に追いつくまではいけるでしょうが、結構食い下がられるような気も…。監督の言う9区終了時で「1分半」にするのもそう簡単ではないです。明日は気温高く、向かい風予報。追うのは非常に酷です。その中での最後まで追い上げる走りに注目したいです。

シード権争い~12位以下が意外と開いてしまった

【シード権で見る往路順位】
タイムは速報値
5位法大-1分56秒
7位順大-1分27秒
8位拓大-1分24秒
9位帝京-2秒
10位中学大
11位明大+42秒
12位中大+1分55秒
13位日大+2分06秒
14位国士+2分21秒
15位早大+2分34秒
16位日体+3分02秒
17位東国+3分44秒

9位帝京、10位中学大、11位明大以外は結構差が付きましたが、逆転はあるのでしょうか??

5位から11位のチーム展望

法政大…5区青木選手はやっぱり頼りになるなと思いました。12位からの7人抜きです。シード権に関しては7区土井、そして補欠大畑選手が9区に入れれば、まずは盤石ですかね。6区坪井選手も多分落ち着いて走れるはず。

目標としてはあくまで5位ですので、こちらをどう達成するかでしょうかね。6位青学にはさすがに抜かれるでしょうから、2分21秒前の國學院をターゲット、法大の選手層からすると抜けない差ではないはずです。どこまであげられるか?

順大…1区と4区主力選手が置けなかった中で、2区5区のエースに助けられた感じでしょうか。これ以上故障者がなければ、復路は吉岡・金原選手ら堅実に走れそうな選手は揃っています。6区清水選手が決まれば、シード権確保はいけそう?

拓大…1区がスピードアップに対応できませんでしたが、2区以降はじわりじわりと順位アップできました。6区硴野選手が昨年以上の走りができれば、7区吉井選手ら堅実な走りをしてくれるはずです。

帝京大…スタートダッシュは簡単ではないですね。3区4区で盛り返していよいよ来たかと思いましたが5区がうまくいかず結局シード権争いに。山を変えるのはリスク思った以上に高かったです。6区も行けるのか…

ただ7区以降の選手層は抜けています。岩佐・小森・星選手に、平田選手もいます。ひとまず往路5位の法大とは1分56秒差。まずはここをターゲットに、強い気持ちで前を追っていきたい。

中学大…しみじみしぶといなぁ(2回目 5区高砂選手よく合わせてきました。シード権真っただ中に最後に割り込んできました。怪我明けの選手など状態が分かりにくい選手もいますが…

6区樋口選手が58分台出せるようならいいですね。12位以下はやや離れていますので一気にライバル校は減らせるはずです。あとは廣・石綿・市山選手らシード権争いを制する面子は残っています。

明治大…中々面白い作戦でしたね。3区阿部選手で流れを作って、一時往路一桁が見えましたが…5区ラスト2㎞平地の大失速が勿体なかった。

言っても仕方ないので追い上げたい。6区河村選手(or前田選手)がどんな走りをするか。とはいえ、10位のチームが6区で一気にいきそう。9位のチームは7区以降は強そう。

とはいえ、こちらも小袖・角出・佐々木・坂口選手とオールスター、諦めたくはないですね。自分の走力を信じて、追い上げていきたい。

12位から17位チーム展望~チャンスあるとすると早大?

12位以下がかなり離れてしまい、11位以内は結構選手層が厚い。厳しいですが、打破できるチームはあるのか??

中大…2本柱を並べてスタートダッシュ、4区までは昨年以上だったのですが、5区が予定の選手が組めず一気に後退してしまいました…。控えに三浦・舟津選手が残ってはいますが、多く中堅選手が控えに残っていて、果たして出場できるのかどうか…。昨年はじりじり後退したので、まずは順位キープからか。

日大…相変わらず3区が苦手ですが、他の区間は2区ワンブイ選手以外も健闘していたように思います。5区順位あげたのはびっくり!何とか復路に繋げたい。阿部選手が控えに残っていますが、9区に入るのかな?選手層は厚くないので、6区で勢いを付けたい。

国士…2区でトップ!ただ3区4区で大きく後退してしまったのは勿体なかったかなぁ。5区鼡田選手はさすが順位はあげましたね。復路は厳しいですが、高田・藤江選手がいるはずですので、しっかり流れに乗っていきたい。

早大…分かってたけど厳しい。ただ、ルーキー中谷選手と清水主将の好走で、連続シード権は首の皮一枚繋がった形。この中では復路一番強いはず。6区は59分台狙える宣言有、そして4年小澤・永山選手が入るはず。彼らの調子次第では12位以内への浮上は十分可能なはずです。

日体…2区山口5区室伏選手が力走しましたが、前哨戦活躍の岩室・廻谷選手がまさかの不発でした…。復路は軸となる選手はいないですが、9区林田選手を中心に、ここ数年のようにじりじり浮上していきたい。

東国…4区まで大健闘でした!モグス選手は不発ながらもシード権上で戦っていました。ただ予定の選手で走れなかった5区で7人抜かれてしまいました…。最も、選手層は過去最強。アクシデント無ければ過去最高タイ17位以内はいけます。気にせず相性がいい6区から自分たちの走りができれば…過去最高行けるはずです。

下位チーム争い~大東・城西の追い上げは

【シード権に対して】
18位神大+6分09秒
19位城西+6分38秒
20位上武+8分54秒
21位大東+9分35秒
22位山学+10分44秒
OP連合+10分45秒

シード権はちょっと厳しいけど、一つでも順位を上げていきたいチーム

神大…3区まではシード権が見える位置にいたのですが、4区5区が力不足でしたかね…。ただ荻野・安田選手のどちらかが往路に入ると思ったのですが…。復路で出番があれば攻める区間は作れるので、しっかり前を追っていきたい。

城西…上位有力校の中で完全に1区モグス選手にやられてしまいましたね…。しかも2区金子選手は拓大日大順大に次々交わされるのも不運の展開だったかなぁ。往路19位とは思わなかった。ただ、荻久保選手が往路はいらなかったのは何かあったかもですが…

それでも復路は昨年シード権確保メンバーの大石・中原選手や勢いある大里選手らが入るはずです。少しでも勢いを取り戻して箱根路を終えたい。

上武…最下位通過と考えると、連合を含めて3チーム上回ったのは健闘かな?4区石井選手の力走が光りました。復路は誰か主力でない可能性ありますが6区佐々木選手から結構強いはずです。一斉スタート組を絡めて、駅伝で戦っていきたい。

大東…よく戦い抜きました。予期せぬアクシデントで1区でトップから8分40秒付いた中、往路総合で16分36秒差で抑えて、気づけば2チーム交わしていました。3区で流れを変えて4区奈良5区佐藤選手大健闘でした。

選手層が厚い方ではないですが、谷川・三ツ星選手らまだ戦える選手はいます。6区藤岡選手も密かに自信があるとか。ひとまず18位までは3分26秒差。終えるところまで追っていきたい。

山学…ニャイロ選手走れないなら厳しいかなと思いましたが、やはりほとんどの区間で戦えませんでした。気持ちを切り替えましょう、6区池田選手は自信ありますし、スタミナ展開なら戦える区間もあるはずです。

連合…5選手それぞれ力を出し切りましたが、今年のチームではスピード面で対応が利きませんでした。復路6区のスタートがどうなるかわかりませんが、食らいついて復路で好走区間を出していきたいですね。

第95回箱根駅伝復路展望まとめ

優勝予想:東海大、2位東洋大、3位青学大

シード校:順番はともかく往路10位以内で変化なし

それでも何が起こるか分からないのが箱根駅伝です。

明日に注目です!

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

Share
Published by
hakonankit