さて、そろそろ続きにしますかね。
前回の箱根は予選落ちしてしまい、不出場。次こそ本戦の出場権を狙う代表的なチームをいくつか紹介します。
本日、日本大学の入学式がありました。
4年間頑張って参りますので応援のほどよろしくお願い致します。 pic.twitter.com/9Far1YnuGl— 日本大学陸上競技部特別長距離部門 (@N_ekiden) April 8, 2018
今回は、
戦力低下を止められず、出場権に手が届かなかった前回。関東ICポイントで出場はほぼ手中にある中、どうチームを導いていけばいいか
日本大学
卒業生特集
シード校となった中、入学した世代です。2年時にかなりの選手の台頭があり、結構期待された学年でした。ただ、最終学年で苦しみ最後は出場権も得られない悔しい結果となってしまいました。
※関東ICは1部
高野千尋④(1万m:29分31秒96) 進路:トヨタ紡織 | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 4区20位 | |||||
2年 | 補欠 | 6区12位 | 106位/補欠 | ハーフ | ||
3年 | 3区14位 | 補欠 | 250位 | |||
4年 | 65位/3組33位 | 1万 |
最終的に一番伸びたのは高野選手でしたね。1年の箱根前にスルスルと伸びてきて記録会で1万29分台を記録。そのまま箱根4区で起用されます。この時は区間最下位となりエースを控えた5区の前で足踏みしてしまいました。
そのあとは、長い距離を中心に少しずつ伸びてきますかね。関東ICハーフで出走すると箱根予選は106位、全日本でも起用されます。箱根は補欠に終わると、そのあとは暫く苦しみましたかね。3年時の箱根予選は250位に終わり、戦力になれませんでした。
その苦しみの期間が終わった3年の箱根前から復調し始めます。そして3区に起用され、区間14位ながら総合一桁順位で戦い抜きます。その後丸亀ハーフで63分台、4年生になって1万のベストを久しぶりに更新するなど、成長が見えました。関東IC・全日本予選も主力として戦います。
最後の箱根予選は、チーム力が厳しいと囁かれる中力走。途中、転倒し血染めの中、個人65位と奮闘します。残念ながら箱根で見ることはできませんでしたが、最後の成長は、チームに光るものを残せたと思います。実業団でさらに伸びるはずです。
川口賢人④(1万m:29分54秒82) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | 補欠 | 217位 | ||||
3年 | 5区6位 | 4区8位 | 92位/3組8位 | ハーフ | ||
4年 | 116位/3組31位 | ハーフ |
長い距離で頼もしくなった選手ですね。2年時になってから名前を見るようになり、箱根予選出走のメンバーに選ばれ、箱根でも16人の中に入りました。一気に主力の一員となったのは3年時の全日本予選。3組に抜擢され、組8位と大健闘します。この年は非常に暑くなり、全体的にペースが上がらない中で、タフさがあるのかなという印象でした。
箱根予選もチームが全体的に崩れ、10位とギリギリの突破中、92位と粘り切ります。直後、大学駅伝デビューとなった全日本は、主要区間の4区で出走し区間8位。長いロードでの強さを見せると、箱根は5区山登りに抜擢され区間6位と奮起。ガッツポーズが印象に残っていますね。この時は1区2区においた主力が不発となった中、川口選手の活躍で往路10位とシード権争いに戻しています。
主力として引っ張りたかった4年時はちょっと波がありましたかね。その中、2年連続となった全日本予選3組では前回より大きく順位を落とし個人31位。箱根予選も三桁順位、共にスピード展開になったところ、目立つ成績とはいなかったでしょうか。箱根でもう一度見たかった選手でした。
町井宏行(1万m:29分57秒76) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 8区16位 | |||||
2年 | 6区5位 | 補欠/ | ||||
3年 | 6区11位 | 155位 | ||||
4年 |
そして一番箱根駅伝の出走回数が多く、チームに貢献したと言えば、町井宏選手ですかね。1年時に箱根本戦に抜擢され、8区間16位と当時の力としては粘ったと言える結果を残します。
その後は中々主要大会には選ばれず、箱根予選は補欠、全日本はエントリー漏れする状況でちょっと伸び悩んでいるなと思っていました。それが、箱根山下り6区に起用され、区間5位の好走をしたのはびっくり!シード権獲得へ向け、大きく前進させる走りでした。
翌年も出走し、区間11位ながら前回とほぼ同じタイムでまとめ、激しいシード権争いの中、踏みとどまる成績でした。最後にもうひと伸びしてほしかったですが、最終学年は主要大会にエントリーすることはありませんでした。
山崎一輝④(1万m:29分52秒88) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | 10区14位 | 5区10位 | 46位/1組17位 | ハーフ | ||
3年 | 9区20位 | 8区10位 | 76位 | |||
4年 | 補欠/ |
イーブンペースを維持するのが非常に得意な選手でしたね。2年時に関東ICハーフに選ばれ出走を境にぐっと伸びてきました。全日本予選は1組17位と健闘すると、箱根予選は個人46位!ちょっとびっくりするくらいの急成長でした。全日本で大学駅伝デビューすると箱根は満を持して10区出走しました。シード権のかかる11位でタスキをもらいましたが、繰り上げスタートの中力を出し切れず区間14位、悔しさの残る箱根デビューとなります。
3年時、箱根予選は2年連続で二けた順位でまとめると、長い距離の安定性を買われて、箱根アンカーに抜擢。区間10位としっかり走り切ります。箱根は9区で活躍を期待されますが、全く自分の走りをすることができずに区間最下位に…。ここを境に中々調子を上げることができず、最終学年は主要大会で出走することはできませんでした。
岡野佑輝④(1万m:29分20秒66) 進路:八千代工業 | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | 8区19位 | 7区20位 | 74位 | |||
3年 | 3区22位 | 127位/3組27位 | 1万15位 | |||
4年 | 148位/4組34位 | 1万 |
ある意味すごく印象に残るランナーだったかもしれません。なぜか駅伝に弱いという…。初の主要大会となった箱根予選は74位と結果を残します。直後の全日本は7区20位と大失速。この時は調整不足かなと思われましたが、箱根8区でも区間19位と逆噴射。シード権が手中に入りかけた中、大きく足を引っ張ってしまいました。
それでも3年時には5千14分一桁をマークするなどスピードをつけてきました。関東ICでも健闘し、全日本3組に抜擢。全日本は4年時は4組を走るなど、主力として走ります。長い距離はもう少しでしたが一定の安定感はありましたかね。ただ、やはり駅伝が鬼門でした。3年時全日本3区は区間22位と他の結果からすると信じられない成績。いずれも最初の数㎞はいいのですが、中盤からかなり苦しいレースになってたのは??とまず、勢いのある八千代工業でトラック&駅伝で頑張ってほしいですね。
石井健登④(1万m:29分43秒32) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | ||||||
2年 | 7区18位 | 補欠 | 132位 | |||
3年 | 5区17位 | /1組25位 | 5千,1万 | |||
4年 | 160位 | 5千 |
石井選手もスピードランナーでしたね。彼も2年時からぐっと伸びてきて箱根予選で出走します。本当に2年生から力になった選手が多いです。全日本は補欠となりますが、その後の記録会で好走し、箱根は10人のメンバーに入ります。ここは区間18位と苦しい走りとなりました。
3年時の春に能力が開花し、5千14分一桁を記録。関東ICも2種目出場するなどチームを引っ張る存在になります。ただ、夏に故障してからが苦しみましたかね。全日本5区に起用されるも区間17位と出し切れませんでした。その後、いくつか主要大会に出場するも目立つ結果は残せませんでした。
新関涼介④(half:65分39秒) | ||||||
学年 | 箱根 | 全日本 | 出雲 | 予選(箱/全) | 関東IC | 他主要大会 |
1年 | 補欠 | /1組35位 | ||||
2年 | 補欠 | 125位/1組15位 | ||||
3年 | ||||||
4年 |
もう一人紹介します。最も早く主要大会で出走した選手がいて、新関選手が1年時に全日本予選に抜擢され、1組35位という成績でした。その後ハーフでも65分台を出して、箱根本戦のメンバーに選ばれています。2年時の春が良くて全日本予選で前年と同じ1組にエントリーされ15位とリベンジ。箱根予選も出走し、いよいよ主力に…と思われましたが、全日本の本戦のエントリーを最後に、主要大会へのエントリーは叶いませんでした。
その他、
金森純丸④29分56秒14
藤原篤史④30分16秒57
町井孝行④30分29秒26…4年時箱根予選エントリー
田中 健④30分30秒40…1年関東IC3障エントリー
でした。
新チームの戦力分析
P.M.ワンブイ④27分49秒96≪17:予4位、箱2区7位、16:全2区4位、予1位≫
加藤拓海④29分03秒68
竹元亮太②29分23秒47
野田啓太②29分33秒31≪17:予168位≫
武田悠太郎②29分35秒74≪17:予119位≫
松木之衣③29分37秒48≪17:予110位、16:全7区14位≫
阿部 涼③29分38秒52≪17:予92位≫
金子智哉③29分42秒20≪17:予195位、16:予220位≫
伊藤直輝③29分50秒39
佐藤玲偉④30分00秒02≪17:予175位≫
上位10人平均ランキング:15位29分25秒4
【その他、有力選手】
小坂太我③30分03秒70≪17:予215位、箱8区20位≫
高橋佐介②30分08秒78
池田亜久里②30分11秒13
横山 徹②30分14秒40
山田拓斗③half65分31秒
岡田慶一郎④half67分28秒
関沼和曉②half68分04秒
【新入生】
八重畑龍和①14分08秒77≪17:高1区6位≫
北野太翔①14分12秒71≪18:全1区12位、17:高1区3位≫
大池竜紀①14分16秒02
天野竜汰①14分22秒30
粠田健司①14分31秒03
新入生上位5人平均:5位14分18秒1鈴木康平①14分33秒41≪17:高3区32位≫
上村洋介①14分37秒01
山本起弘①14分38秒84【今から考える全日本予選オーダー】
ワンブイ・野田/武田・北野/八重畑・金子/阿部・竹元
中々ない状態になっている。前年箱根予選落ちしているチームが、現時点でほぼ箱根本戦を手中に収めている(関東IC成績により)。その中でしっかり向上心を持って年間通してトレーニングをしていくことになる。やはりまずは関東IC・全日本予選と一つ一つ戦って他校との差を確認したい。そして全日本予選を突破して駅伝を一つ経験したいところですが…。
まずワンブイ選手がもうひと伸びしたい。2年時に最速ランナーになったものの、2本の駅伝は不本意な成績。3年時は他の留学生ランナーの台頭もあった。その中で、もう一つ強さがつければと思います。そして正直中々名前が上がらない2番手~5番手の存在だ。力的には4年加藤選手があるが怪我続きで中々主要大会を走れていない。
そうなると若い力が大事になる。連合で箱根を出走した阿部選手は勿論、新2年になる武田・野田・竹元選手あたりが本格化するか。順調なのは野田選手、武田選手も一定の水準で好走、竹元選手も試合で走れるようになってきている。また力あるルーキーがやってきて、5千14分一桁の八重畑選手、駅伝でそれを上回った北野選手ら。順調なら即戦力になってもおかしくない選手たちだ。彼らの成長は楽しみだ。
そして、彼らだけに負担がかからないように。駅伝・予選の経験がある松木・金子・小坂選手ら新3年、そして、地道に積み上げてきた4年佐藤選手らに安定感が出てくるか。ここのところ下り坂ですが、成長できる余地はかなりあるはず。もう一度、成長を図っていきたいところだ。
コメント
4年生はビッグネームはいなかったものの、地道に競技に取り組んできた世代だったのかなと感じています。暗黒時代の4年間分の経験?を、実業団で活かしてもらいたいです。
新チームについては、正直あまり期待していません。まず、加藤キャプテンが競技面でチームを引っ張ることができるのか。今の4年生のなかでは入学時は最も実績があったものの、ケガがあまりにも多いために、潰してしまえば成田高ー日大ラインも無くなる可能性も。
近年は予選会の常連校になってしまいましたが、有力な高校生が入学しても、今の状況は変わらないでしょう。ワンブイが卒業→新しい外国人が入ってくるという外国頼みの悪循環が続く限り、予選会通過すらも難しいでしょう。
ポイントは東京国際の伊藤選手、創価の米満選手、国士舘の住吉選手のように予選会ボーダーラインの大学でも留学生に負けじと取り組む選手がいるので、そのような選手が台頭する事だと思います(もちろん選手の成長を左右する指導者のレベルの問題は言うまでもありませんが・・・)。
>たけぽっぽさん
そうですね。チームの2番手~5番手あたりは、他の予選会に出場する大学からはかなり劣るのが今の印象ですよね。総合力が高くなければ、予選会も通らない時代になってきています。素質ある選手は何人も入部しているはずなのですが、最近の育成を見ていると不安になってしまいます。
この世代はもがき苦しんだ世代だったと思います。怪我やスランプが多く戦力になったと思った瞬間姿を消したりでした。高野選手だけが一定レベルで活躍していたのでなんとも言えないですね。
チーム状況としてあるのは、ワンブイ…ではありません。彼は今年苦しみそうな気がしてます。日本インカレで負けて以降元気がないんですよね。ただそんな事より、そんな事より選手層。大事なことなので二回言いました。日本人エースを作る前に日大の武器はスポーツの強い大学を活かした選手層です。本来東海大学のようにならないといけない大学なのです。しかし今の選手層は日本人だけだと予選会にボードに載らないレベルだと思います。
武者監督がどうやるかはわかりませんが箱根がほぼ内定しているのであれば非情かもしれないですが東洋のように4年生は切り捨てて下級生で戦う方がいいと思います。
上級生でも阿部選手や松木選手がいい味を出せる選手になれば中間層が上がりますし、また新入生の八重畑選手や北野選手がチームを引っ張れば全体のレベルアップにつながると思います。
関東インカレポイント枠…、別記事で内容を確認しましたが、こういう形で復活したのですか。
予選会での一発勝負の方が、分かりやすくて好きなんですけどね。
新入生は強い二人が入りました。
八重畑、北野の高校駅伝1区の走りはとても良かったです。
>さすらいの巨匠さん
なんかよく分からない制度ですよね(^^;
新入生は八重畑・北野選手はいい走りをしますよね。大学になってから磨きがかかるといいのっですが…
近年伸びる選手が少なくて寂しいですよね・・・クロカンコースが整備されるなど、昨年から練習環境がよくなったと聞きますが、どうなるか・・・
八重畑選手が日大を選んだのも環境がよくなったというのもあるのかな?
金栗記念ではワンブィ選手が他の大学の留学生ランナーを全員撃破しましたし、なんだかんだで去年の秋以降は自己ベストを更新するランナーも出てきているので、チームとしては少しずついい方向に向かっているといいんですが・・・
>ユーポンさん
そういえば、クロカンコース設備のニュースがありましたね。ひとまず全体的にまとまって走れるようになったのかなぁという印象もあります。いい流れに乗っていけるようになればいいですよね。