スポンサーリンク

【日本体育大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 4月新年度になりましたが、箱根駅伝出場チームの振り返りが終わっていないので、続けていきます。

2年連続で復路は好走!
日本体育大学です

スポンサーリンク

ページコンテンツ

【日本体育大学】第100回箱根駅伝2024振り返りと、次年度へ向けて

 連続出場継続の重圧の掛かる中、毎年箱根予選を突破してきている日本体育大。前年の箱根予選はエース不在の中、見事な集団走で本戦出場を決めました。箱根本戦は例年中々通用しない状況が続いていましたが、復路で善戦して一斉スタート組で一番前でゴールしました。

 2023年度は、山崎・山口選手らエース格の台頭はありつつも前半戦はやや苦戦。全日本駅伝予選は2年連続で予選落ちとなり、今回も箱根駅伝のみにかける形に。記念大会で枠が多かった中、15㎞付近までボーダー圏外だったところからの圧巻の捲り。いつの間にか安全に4位通過となりました。

 その後、1万m28分台が増えて、往路平地に目処が立ち、エース格の山崎選手を5区山登りに回せるのではないかという選手層になっていましたが…29日区間エントリーで、その山崎選手が3区に…今年も往路で苦戦することになりました。

スポンサーリンク

第100回箱根駅伝2024振り返り

16位日本体育大学11時間06分30秒

区間 区間順位 名前学年 区間タイム 通過順位 トップ差
1区(21.3㎞) 23位 平島龍斗② 63分36秒 23位 2分34秒差
2区(23.1㎞) 22位 山口 廉③ 70分54秒 23位 7分08秒差
3区(21.4㎞) 12位 漆畑徳輝④ 63分45秒 23位 10分44秒差
4区(20.9㎞) 20位 大森椋太④ 64分20秒 23位 13分54秒差
5区(20.8㎞) 12位 三好紘生④ 73分00秒 21位 17分22秒差
6区(20.8㎞) 14位 富永椋太③ 60分30秒 22位 19分38秒差
7区(21.3㎞) 9位 田島駿介② 63分44秒 22位 20分36秒差
8区(21.4㎞) 2位 分須尊紀③ 64分40秒 19位 21分16秒差
9区(23.1㎞) 20位 田中槙梧④ 72分04秒 20位 24分29秒差
10区(23.0㎞) 6位 住原聡太③ 69分57秒 16位 25分05秒差

1区平島選手…2年連続箱根予選を二けた順位でまとめていた2年平島選手。集団走からの上りもかなり凄かった選手ですね。今回は予選後に1万m28分台を出したこともあり、1区に抜擢されました。ただ、最初からハイペースに進む集団に追走に苦しみ、11㎞付近で先頭から脱落。最後は併走した選手にも振り切られ、まさかの区間最下位。それでも玉城監督「タイム的には十分なんだ!」声掛けの通り、63分36秒とタイム的にはまとめて中継しました。

2区山口選手…日体大新たなエースの一人となったのが3年山口選手。2年生まで怪我が多く試合出場も苦労していましたが、3年になって覚醒。関東ICハーフ7位に入ると、箱根予選は単独走を任され、全体19位と好走し通過に貢献しました。とはいえ、最下位から追い上げるエース区間2区は厳しく、ほとんど前方の選手が視界に入ることはありませんでした。70分54秒の区間22位で、前と1分38秒差の最下位でのリレーとなりました。

3区漆畑選手…主将の漆畑選手が2年連続で3区へ。前回は、中盤の順位でタスキをもらい区間10位の好走をして駅伝ファンをびっくりさせた選手。このおかげで前年は3区までシード権争いできたのですよね。今回の箱根予選は集団層のPMに徹してチーム12番手でしたが、その後1万m28分台。調子を戻していました。前が全く見えない状況でしたが、中盤に区間順位を上げる意地。前年よりタイムは落とすも、63分45秒の区間12位と単独走でも粘りました。

4区大森選手…4年間かけて長い距離の力をつけてきた選手。前回の箱根10区好走後、一気に力を伸ばしてハーフ62分台・1万m28分台を出すなど主力の一人となっていました。とはいえ、この時点で前とは1分53秒差の最下位。中々リズムに乗れない走りが続きましたが、最後の最後で失速していた明大の選手が視界に入り、懸命の力走。区間20位ながら64分20秒とまとめました。

5区三好選手…過去2年走っていた選手でもなく、一時出走予定だったエース格の選手ではありませんでした。これまで主要大会などの実績はほとんどなかった4年三好選手が山登りに抜擢。11月世田谷ハーフ65分19秒と1万m29分50秒ベストを出していましたが、箱根を走る選手としては目立っていませんでした。

 そんな三好選手でしたが、本格的な山登りに入ると、冷たい雨が降りしきる中、少しずつ区間順位が上がり始めます。前方、苦しんでいた明大を小涌園過ぎで、神大を芦之湯で捉えて総合21位に浮上、そのまま振り切って往路21位でゴール。個人として73分00秒の区間12位、苦しんだ往路で一矢報いました。

6区富永選手…シード権は苦しくなりましたが、前年は好走した復路でもう一つ成果を上げたいところ。山下りは前回59分台で走った選手がエントリーできませんでしたが、12月に入ってから、関東IC3障経験して今回の箱根予選114位で走っていた3年富永選手に決まりました。一斉スタートで序盤の上りを思い切って実績ある選手に付きましたが、結果的に下りで切り替えが効かない走りに…。それでも何とか60分30秒の区間14位に留めて、見た目15番目でのリレーとなりました。

7区田島選手…2年連続箱根予選で二けた順位で走っていた2年田島選手が、初の大学駅伝へ。昨年は全日本予選でも1組13位の好走があり、飛躍候補の一人でした。前が見えない位置でしたが、帝京大の選手と併走しペースを作ります。途中で相手が区間賞ペースになって、引き離されますが、その後も区間中位のペースをキープ。見た目15番のままでしたが、区間9位63分44秒の好走でチームを流れに乗せます。

8区分須選手…ここでナイスランを見せたのが3年分須選手。過去2年の箱根は4区を走っている主力選手の一人。1年時に、1万m28分台を出して、区間15位ながら63分台で走り切り、チームの柱になることを期待されましたが、その後苦戦。前回の箱根は区間最下位と大きく失速してしまっていました。昨年も、箱根予選で135位でしたが、一つ意地を見せました。

 単独走ながら、序盤から区間中位のペースで追走すると、難所の遊行寺坂に差し掛かるあたりで区間4位のペースに浮上!一気に前を追い上げていきます。遊行寺坂を超えても勢いは衰えず、中大・大東大らを捉えて見た目12番目に浮上。最後はこちらも区間一桁だった東海大を追い上げながらリレー。なんと64分40秒の区間2位の力走!総合でも19位に浮上し、今年も復路で力を発揮し始めます。

9区田中選手…4年目で初の箱根出走となる田中選手が復路エース区間9区へ。3年時に頭角を現し、箱根予選で80位に入る成績を残し、4年目も箱根予選に出走していました。前を追っていきたいところですが、少しずつ引き離されます。権太坂の地点で区間20位ペース。そこから単独走もあり、追走することができず。最後に国士大に交わされ見た目13番目、総合20位でのリレー。個人としても72分オーバーの区間20位と悔しい走りになりました。

10区住原選手…アンカーには、今年の成長株の一人3年住原選手が起用。昨年の春先に1万m28分台を出して、全日本予選では最終組にも抜擢されていました。序盤、国士大と中大の併走になりましたが、蒲田を過ぎてからこの2人を突き放す走り。そのまま区間一桁のペースで押し切り、区間6位69分57秒と、復路3つ目の区間一桁!さらに、総合で4つ順位を上げて16位でゴール。今年も復路でやれるところを見せました。



 今回は、総合力チームということで、往路で何とか食ら付きたいところ、エース格の選手が走れなくなってしまったところ厳しかったですね。2区を走った山口選手も、本来は1区希望だったとか。

 4区まで総合最下位の大苦戦となりましたが、5区三好選手の健闘から少しずつ波に乗りましたね。7区田島選手8区分須選手10区住原選手が区間一桁、特に分須選手の区間2位はびっくり!前哨戦でも目立っていなかった中でした。

 これで復路は2年連続で好走、少しずつチームの総合力が上向いてきていますので、何とか往路で戦えるエースが出てきてほしいところです。

次年度へ向けて

残る今年の箱根メンバー
平島龍斗③28分44秒74≪24箱1区23位、23予86位、22予87位≫
住原聡太④28分54秒69≪24箱10区6位、23予109位≫
分須尊紀④28分59秒82≪24箱8区2位、23予135位、箱4区20位、22予138位、関東IC3障2位、箱4区15位、21全7区12位、予157位≫
富永椋太④29分02秒67≪24箱6区14位、23予114位、全予2組24位≫
山口 廉④29分26秒96≪24箱2区22位、23予19位、関東IChalf7位≫
田島駿介③29分27秒52≪24箱7区9位、23予88位、全予1組13位、22予86位≫

残る補欠メンバー
山崎 丞③28分23秒69≪23予80位、関東IC1万13位、箱1区9位、22予60位≫
杉本訓也④29分13秒50≪23全予1組30位≫
浦上和樹③29分15秒24≪23関東IChalf5位≫
植松孝太④29分21秒86≪23予126位、22予264位≫
吉田黎大②29分39秒34
石川龍芽④29分26秒80

その他有力選手
二村昇太朗③29分04秒88
溝上賢伸④29分24秒49≪23全予3組39位≫
渡野幹大③29分25秒07
山下大毅④29分28秒89≪23予103位、22予99位≫
瀬戸雅史②29分43秒02
永見進之介≪23高校3区37位≫
山上勇希≪23高校5区5位≫
吉岡斗真≪23高校6区1位≫
安田大翔≪23高校7区21位≫
佐藤大和≪23高校3区43位≫
樋村銀河≪23高校4区27位≫
國井飛慎≪23高校7区18位≫

 今年度は、その箱根で好走した分須選手が主将としてチームを引っ張っていくことに。日本クロカンで結果を残していましたが、関東ICでは3障で戦っている選手でもあります。前半戦はまずはトラックでその脚力での活躍が期待できますね。

 その4年生はやはり中心になってきますね。エースに成長した山口選手に、スピードのある住原選手に富永選手が往路で戦えるだけの力をつけたいところ。この世代は頭数は多く、他にも箱根駅伝16人メンバーに入った杉本・植松・石川選手がいますし、2年連続箱根予選を走っている山下選手がいます。長い距離は、走れる選手多くなっていますので、最後にまとめていけるか。

 3年生以下では、エースの山崎選手が試合復帰。前年の今頃1万m28分23秒を出していましたが、今年はさらに伸ばしていきたいところ。なお、この世代は強く、箱根駅伝1区を担当した平島選手、7区を担当した田島選手もいますし、

 他にも、前年の関東ICハーフ5位に入って、駅伝ファンを驚かせた浦上選手もいます。その後、中々調子が上がっていませんが、彼もエース格の候補。他にも1万m29分04秒まで伸ばした二村選手がいますし、走りで引っ張るのは、この世代になりますかね。

 2年生以下は、育成の日体大らしくまだこれからですが、吉田選手がロードで覚醒気味で、ハーフ64分台で2度走っていて、箱根出走候補にも挙がりました。1年生は、佐久長聖高校から高校駅伝で活躍した吉岡選手が入るなど、例年以上に全国舞台経験のある選手が多くなっていますね。育成力は確かなものがありますので、今後楽しみになってきます。

まとめ

・往路4区間まで大苦戦も
・代役5区山登り4年三好選手の好走から
・7区田島8区分須10区住原選手が区間一桁!
・8区分須選手区間2位躍進!2年連続復路健闘!
・山崎平島選手ら新3年生が中心に、シード権を目指す!

 100回記念大会に、見事76年連続76回目の出場を果たした日体大。このプレッシャーは見事にはねのけました。エース不在の総合力チームになって、本戦は序盤苦戦。4区まで最下位でしたが、5区山登り三好選手の走りから、少しずつ流れが変わります。

 復路は平地区間3区間で区間一桁!特に8区分須選手が区間2位のナイスラン。総合の争いは最後まで激しい中、10区住原選手の区間一桁で、総合16位!往路22位のゴールから大きく順位を上げました。

 今年度は、77年連続出場を目指しつつ、往路で戦ってシード権を獲得できるチームを目指していくことになります。幸いなことに新3年が育ってきていて、エース山崎選手が復帰、箱根1区平島選手に、復路7区好走の田島選手らが本格化してくると思います。

 新4年にも分須選手だけでなく、箱根2区を走った山口選手がいますし、下級生もルーキー吉岡選手らが計算できます。復路を走れる選手は出てきています、往路で戦える選手が揃えられるかどうか、1年間注目です。