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箱根駅伝2024(第100回)へ向けて【神奈川大・中央学大】~予選の振り返りとともに

出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。

各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。

そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。

続いて、
2年ぶり出場!4年生中心で虎視眈々復活シード権を
神奈川大学

予選で苦難続くも…エース中心に、逆転シード権なるか
中央学院大学

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【神奈川大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

 力はありながら、中々チームとして乗り切れていなかったのですよね。昨年度は全日本予選トップ通過。箱根予選も上位通過候補に挙げられながら、直前のエースの故障や体調不良などが響いて、まさかの予選落ち。

 その時の主力が4年生になり、今年はいざ勝負の年でしたが、全日本予選は序盤で躓きがあり、流れに乗れず予選落ち。チームとしても地団駄を踏んだ場面ではないでしょうか。次の箱根予選だけは失敗できない、そういう中で箱根に臨みました。

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箱根駅伝2024予選会振り返り

START-5km 5-10km 10-15km 15km-FINISH
19位小林篤④14分31秒 18位小林篤④29分20秒 13位小林篤④44分07秒 13位小林篤④62分12秒
19位宇津野④14分31秒 18位宇津野④29分20秒 19位宇津野④44分08秒 32位宇津野④62分38秒
59位宮本②14分48秒 48位宮本②29分38秒 49位宮本②44分42秒 49位宮本②63分09秒
120位佐々木④15分06秒 146位佐々木④30分19秒 138位佐々木④45分36秒 81位佐々木④63分46秒
120位巻田④15分06秒 146位巻田④30分19秒 138位巻田④45分36秒 120位巻田④64分05秒
120位大岩④15分06秒 146位大岩④30分19秒 138位大岩④45分36秒 123位大岩④64分06秒
120位三原①15分06秒 146位三原①30分19秒 138位三原①45分36秒 141位三原①64分14秒
120位酒井②15分06秒 146位酒井②30分19秒 138位酒井②45分36秒 146位酒井②64分20秒
120位高橋④15分06秒 146位高橋④30分19秒 143位高潮②45分37秒 148位高潮②64分21秒
120位中西③15分06秒 146位中西③30分19秒 143位大泉④45分37秒 162位大泉④64分29秒
129位高潮②15分07秒 161位高潮②30分20秒 143位中西③45分37秒 255位高橋④65分23秒
129位大泉④15分07秒 161位大泉④30分20秒 239位高橋④46分04秒 274位中西③65分37秒
上10名計6位2:29:32 11位5:00:31 8位7:32:11 7位10:37:20
LAP 11位2:30:59 6位2:31:40 6位3:05:09

 最終的に7位通過となった箱根駅伝予選会。序盤ある程度のペースで入って、5km-15kmあたりは比較的抑えて、最後に懸命に上げていく。予選突破の王道パターンに持っていくことはできたのではないでしょうか。

 フリーで走るのは、4年小林篤・宇津野選手。小林選手は1万m28分21秒チームトップの実力者。宇津野選手は、箱根予選4年連続出場で、過去3度とも50位前後でまとめている実力者です。日本人上位集団の中でレースを進めて、小林篤・宇津野選手とも5㎞14分31秒・10㎞29分20秒とハイペースで進めていきます。次いで、エース候補の2年宮本選手も3番手で追走。5㎞14分48秒・10㎞29分38秒で次の集団で走って行きます。

 その他のランナーが集団走でまとまっていきます。前回は序盤で崩れてしまったので、4年生で長い距離の実力のある佐々木・巻田選手がまとめ役として引っ張っていく形になりました。5㎞15分06秒で120位付近、10㎞はペースを落として30分19秒で150位付近へ。5-10km間が11番目で順位と落とし、総合11位。ヒヤリとしますが、今年はまとまっていました。

 15㎞で上位グループに付けている中では、小林篤選手が順調そのもので44分07秒で13位争いに浮上、宇津野選手が少し遅れ加減ですが、まだ19位と上位です。宮本選手は50位付近の集団にばっちりとどまっていて、ほぼキープの49位44分42秒。

 後方の集団は、佐々木・巻田選手らが引っ張り続けて140位前後の45分36秒で通過。4年高橋選手が遅れる誤算はありましたが、チーム11番手まではまとまって通過していますので、まずまずだったでしょうか。チームも総合8位に浮上して、少し余裕が出てきました。

最後のゴール、最後まで勢い衰えなかった小林篤選手が、全体の13位でゴール。日本人3位でもありますね。つまり最初に抜け出した中学吉田選手と15㎞で抜け出した農大前田選手の次にゴールしたというかなりの良内容でした。タイムも62分12秒と、箱根2区も楽しみになって決ます。

 続いて、15㎞まで上位集団に食いついた宇津野選手が、32位62分28秒でゴール。過去4年間で最高だけでなく、上位で勝負した意味でも、一番充実していますね。続いて、宮本選手もある程度ペースをキープ。49位63分09秒でゴールしています。3人の稼ぎはまずまずでしたかね。

 続いて大集団から上がってきた選手。集団を引っ張っていた4年佐々木・巻田選手が揃って上がってきたのは見事。特に佐々木選手が凄く、63分46秒の好タイムで81位まで進出!15㎞まで併走したチームメイトを20秒以上突き放して見事。1年時の箱根10区2位の快走が記憶に残っていますが、調子を上げていますね。

 そして、先の巻田選手と大岩選手が120位台の64分一桁でゴール。2人とも2年時にぐっと記録を縮めて、特に巻田選手は箱根も走りました。しばらく足踏みでしたが、今回は力になりましたね。

 さらにランナーが続々ゴールに到着。1年生で唯一出走の三原選手、さらに伸び盛りの2年生酒井・高潮選手が64分20秒前後の140位台に固まってゴール。2大会前箱根8区出走の4年大泉選手も、162位64分29秒で差なく駆け込んで、ここで10番手。

 順位を上げた選手も多く、15㎞以降は全体の6位。総合も7位に浮上して、とにかくほっとした通過。今回は実力者もペースメーカーで抑えていたので、稼ぎは少なかったものの、中堅どころがペースを保ってゴールしましたね。後方も、早くに遅れた4年高橋選手なども65分台で留まって、箱根も目処が立った感じです。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 主力が4年生の年なので、いざ勝負といきたいですね。勢いは昨年もあったのですが、選手層に厚みは増してきましたかね。他校と戦うエース選手もいたり、ケガによる長期離脱から復活した選手もいます。今の神大は、予選会よりも駅伝本戦の方が面白い気も…?戦力をまとめ直します。

エースの強さ

 エースは強いですね。4年小林篤選手が他校と戦えるエース選手となっています。春先に1万m28分21秒を叩き出すと、箱根予選では日本人3位となる13位と好走!さらに全日本駅伝に選抜で選ばれると、スピードエース区間3区で区間3位激走!後方からの追い上げで順位を上げていったのは、痺れた駅伝ファンも多かったのではないでしょうか。

 2大会前の箱根9区を走ってから、ぐんぐん成長していますよね。当時からトラックよりロードの方が強かった印象もあります。箱根駅伝2区を走っても67分台は十分ターゲットにできそうです。上位の流れに乗っていきたい。

 続くのが、箱根予選で2番手3番手で続いた4年宇津野2年宮本選手になるでしょうか。宇津野選手は、箱根予選4年連続出走、箱根本戦も2度出走していてチーム内で一番経験豊富な選手とも言えます。過去は6区と3区とスピード区間で区間中位で活躍しています。下りはいけますので、今回も3区か。直近、28分49秒とベストを出していますし、総合力で1区もいいかも。

 2年宮本選手は、京都洛南高出身で、高校駅伝4区1位の実力者でもありますね。大学に入ってからは各主要大会安定している印象ですね。前回の箱根予選は132位でしたが、今年は上位で勝負して49位と実力は上がっていますね。単独走はある程度自信があるそうなので、3区4区とあたりとなるか。

 あと1人往路が必要ですが、一気に調子を上げてきた4年巻田選手が候補でしょうか。2年時に1万m28分台を出すなど成長を見せていて、この時は箱根1区を担当して区間11位とまずまず。しばらく足踏みが続いていましたが、直近1万m28分39秒と2年ぶりベストを更新!この勢いなら、往路いけそうです。平地は十分上位校に食らいつけるメンツになってきたのではないでしょうか。

山登り・山下り

 2年ぶりということもあって、ここは分かりにくいですね。その中で、激坂最速王に2人選手が参戦。箱根予選チーム7番手で走り切った1年三原選手と、全日予選で一度出走メンバーに食い込んでいる3年飯塚選手がチャレンジ。結果としては、三原選手が2分半勝利して57分26秒。そのまま走るかはともかく候補の一人になっていますね。

 また、月陸の希望では、同じ1年滝本選手も5区山登り希望。高校時代から5千m13分56秒を出していて、インターハイや高校駅伝3区でも活躍していた選手。大学に入ってからは7月に1万m29分32秒をマーク。秋になってから試合出場ないのが気になりますが、走れるなら面白いですね。

 山下りはどうなるでしょうか。主力の一人宇津野選手が1年時に走っていますが、さすがに回す余裕はないでしょうか。その中で、1500mでも通用するスピードのある3年中原選手が希望の一人のようですね。上尾ハーフで64分40秒で走り切っていて、長い距離も対応しつつありますね。走れるならこれ以上ない選手です。

 他にもスピードランナーは、4年尾方選手や、大岩選手ら何人か箱根予選以降、姿を見せていない選手もいますので、候補になってくるのであれば面白いです。とにかくいい復路のスタートを切れたら復路の選手層はあります。

選手層の厚さ

 こちらも4年生が中心になりますね。楽しみなのが4年佐々木選手。1年時に箱根10区2位と快走した印象はまだ残っています。その後、故障長期離脱がありましたが、今年関東ICハーフ6位入賞と復活!箱根予選は、集団走のまとめ役をこなして、チーム4番手に大きく浮上しています。トラックも29分07秒ベスト!箱根4区もありますが、やはり復路のエース区間9区で臨戦態勢でしょうか。

 この4年生世代は層が厚く、出走候補は他にもいますね。1年時に9区を走っている高橋選手は、好不調の波があるも、直近1万m28分53秒ベスト。箱根予選チーム11番手でしたが浮上あるか。勝負をかけて7区や10区でどうか。ロードで安定感あるのが4年大泉選手。100位台ながら予選も3年連続安定しています。登場するなら8区以降となるか。

 他にも、今年になって大きく飛躍しそうな大岩選手がいますね。2年時箱根前に1万m29分台を記録したものの、惜しくもエントリーならず。その後故障していましたが、今年箱根予選でチーム6番手になるなどついに戦力化。最後の箱根に備えています。あとは、昨年トラックで伸びた尾方選手や、試合に出ていないのできつそうですが、2大会前箱根4区好走の小林政選手らも待っています。

 3年生以下も上がりつつあって、箱根予選出走した中西選手や、全日本予選出走の飯塚選手のほか、石口選手が上尾ハーフで64分16秒とまずまず走っていて出走候補に。其田選手も1万m29分台で浮上気配です。

 2年生も箱根予選8番手9番手の酒井・高潮選手に、世田谷ハーフ65分きりの中野選手がいます。1年生は上尾ハーフ64分05秒の花井選手に、64分20秒の新妻選手が出てきています。出走候補は多い。やはり山を乗り越えると、神大じわりと浮上してきそうな気がします。

まとめ

・4年小林篤宇津野巻田選手に2年宮本選手、往路平地揃ったか
・復路は、ロードに強い4年佐々木選手ら出走争い激しく
・山がどのくらいで回ってくるか

 2年ぶりの箱根路ですが、4年生中心に戦力が揃っているのですよね。他校のエースと堂々と戦えるほど実力をつけてきた4年小林篤選手に、2大会前箱根往路を走ったメンバーで宇津野・巻田選手が直近1万m28分台自己ベストを出すなど非常に調子を上げてきています。2年宮本選手を入れて、往路平地は非常に好調です。

 他にも、ロード巧者の佐々木・大泉選手に、4年目に戦力になった大岩選手や、爆発力のある高橋選手がいます。勿論、他にも3年中西2年酒井選手に、1年生も何人か16人に入ってきそうですが、基本的には4年生総決算になるでしょう。彼らが万全なら往路8区間はなかなかに楽しみ。実際、3大会前と2大会前は前評判そこまで高くない中シード権に迫っています。

 あとは、2年ぶりの箱根路ということで山がどうなるか。山登りは1年三原・滝本選手、山下りは神大屈指のスピードランナー中原選手が候補に挙がっていますが、どこまでくるか。この区間の仕上がり次第では、今度こそ復活シード権がありそうです。

【中央学院大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

 中央学院大も、ここのところ予選がうまくいっていなかったのですよね。前年は全日本予選は突破したものの、箱根予選は12位と予選落ち。一部主力選手が走れなかった影響と、気象条件がそれほど良くない中、5㎞あたりから急遽ペースを上げた反動で、15㎞から大きく失速した選手が多くなってしまいました。

 今年度も、全日本予選で苦難。予選通過ライン上で戦って、通過目前に迫っていました。最終組終盤に、エース吉田選手が脱水症状で失速。何とかゴールして、通過できるタイムでしたが、足元がフラついて何度もトラックの内側に入ってしまったことで失格に。こちらも負けられない箱根予選になっていました。

箱根駅伝2024予選会振り返り

START-5km 5-10km 10-15km 15km-FINISH
5位吉田③14分17秒 9位吉田③28分33秒 7位吉田③43分23秒 11位吉田③61分59秒
39位伊藤④14分32秒 34位伊藤④29分21秒 23位伊藤④44分11秒 27位伊藤④62分32秒
66位近田②14分49秒 60位飯塚④29分42秒 51位近田②44分45秒 53位近田②63分15秒
66位飯塚④14分49秒 65位近田②29分43秒 64位飯塚④44分57秒 74位工藤③63分39秒
158位工藤③15分09秒 137位工藤③30分18秒 106位工藤③45分21秒 76位飯塚④63分42秒
158位黒岩②15分09秒 137位黒岩②30分18秒 111位黒岩②45分22秒 94位黒岩②63分52秒
158位柴田③15分09秒 137位柴田③30分18秒 125位柴田③45分30秒 149位永野③64分21秒
271位永野③15分15秒 212位永野③30分29秒 173位永野③45分45秒 150位柴田③64分23秒
271位坂本②15分15秒 212位蒲田③30分29秒 202位坂本②45分53秒 205位坂本②64分49秒
271位蒲田③15分15秒 224位坂本②30分30秒 226位黒谷②45分55秒 214位黒谷②64分55秒
271位前新城④15分15秒 231位前新城④30分31秒 236位蒲田③46分03秒 258位蒲田③65分27秒
289位黒谷②15分16秒 243位黒谷②30分32秒 248位前新城④46分12秒 320位前新城④66分06秒
上10名計10位2:29:39 4位4:59:41 5位7:31:02 9位10:37:27
LAP 6位2:30:02 4位2:31:21 10位3:06:25

 とにかく無事に通過したかった箱根予選。ある程度早めのペースでいき、10㎞で総合4位に浮上したのが最高、後半少し足取りが重くなった選手もいつつ、僅差の中総合9位での通過となりました。

 やっぱりまずはエース吉田選手ですよね。留学生選手が1㎞2分48秒、5㎞14分13秒で先導する中、唯一食らいついた日本人ランナーが吉田選手でした。5㎞14分17秒、10㎞もまだ先頭と僅差の9位28分33秒で通過します。丸亀ハーフで60分31秒のビッグパフォーマンス、学生ハーフも途中で靴紐が解けるアクシデントがあった中、2位とユニバ代表枠を確保していました。その力はやはり本物ですね。

 他に3人の選手が上位で勝負。箱根経験者の4年伊藤選手が、日本人上位集団に位置。5㎞14分32秒、10㎞29分21秒の34位の位置。さらに、4年間かけて成長した飯塚選手に、早くからハーフに対応した2年近田選手が次の集団。60位台の10㎞29分42秒で通過。彼らが貯金を作りに行きます。

 それから、集団走が2つとかなり分けましたね。主力の一人3年工藤選手に、1万m28分台マークの3年柴田選手、主力候補の2年黒岩選手の3人が前方の集団。その他6名が後方の集団でした。

 それぞれ、5㎞158位15分09秒と270位台15分15秒、10㎞137位30分18秒と220位付近の30分30秒程で通過。後方集団が5㎞以降に大きく順位を上げたので、この5㎞間は6番目とまずまず。ここで総合4位に進出します。

 15㎞付近、吉田選手はさすがに留学生から遅れは取りましたが、それでもまだ1㎞3分切のペースはキープして、通過は43分23秒。まだ全体の7位で留学生並みの大きな貯金を気づいていました。

 伊藤選手も上位集団内でレースを進め44分11秒、次の集団は近田選手がまだ食らいついていて51位44分45秒に浮上。飯塚選手は後れを取りましたが、64位の44分57秒ということで、順位はキープし知恵ます。

 集団走では、前方も後方もバラけつつありました。実績ある工藤選手が106位45分21秒と浮上し、1秒差で黒谷選手が続きます。柴田選手は45分30秒と遅れますが、順位は125位に浮上。後方集団は、173位3年永野選手45分45秒と浮上、続いて2年坂本・黒谷選手が45分50秒台で続き、ここで10番手。蒲田・前新城選手は46分台通過と後退加減です。

 この5㎞間は、以外と順位を上げている選手が多く、4番目相当とかなり追撃していました。総合では、大東大があげてきていたため、総合5位となりますが、かなり通過が見えてました。

 最後の絞り出し、ここまで大きく貯金をしていた吉田選手は、終盤は伸び切らず、全体の11位となる61分59秒。日本人トップも20km手前で譲ったり、やや悔しかった面も。川崎監督は、”暑さに弱い”面があると庇いつつも、”このままでは箱根2区で戦えない”と手厳しい評価も。とはいえ、昨年も上位集団から大きく落ちたところ、大きく貯金を作れたのは見事でした。

 2番手は4年伊藤選手が好走。62分32秒で全体の27位。昨年は走れなかったところから彼も大きな成長です。3番手は関東ICハーフ入賞している近田選手がやはり粘って53位63分15秒でゴール。長い距離の安定感は高いものがありますよね。

 続いて、集団から上がってきた工藤選手が、飯塚選手を交わしたところでゴール。74位63分39秒。ほぼベストに近いところにまとめてきました。下り区間好走がありますが、やはり早い。直後の飯塚選手も、76位63分42秒。15㎞手前でペースが落ちた中で踏ん張ったと言えます。さらに2年黒岩選手も94位63分52秒。6番手までは上々でした。

 ただ、7番手からはやや苦しかったか。永野選手が後方集団から浮上して、149位64分21秒とまずまずも、少し前と差が空きました。前方集団にいた柴田選手150位64分23秒を捉えたところでゴール。9番手坂本選手64分49秒205位と10番手黒谷選手64分55秒の214位は、順位キープが手一杯でした。15㎞以降は、全体の10位。僅差の中、総合9位となりましたが、それでも増枠分は使いませんでした。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 川崎監督は、箱根予選は、全体的にロードで安定している選手を選んだそうです。とはいえ、これではシード権獲得は厳しいということで、できればスピードランナーももっと起用していきたいそう。

 今回は、1万m28分台のランナーが3人欠場していたので、入れ替えがあるかもしれません。また、このところ箱根本戦では8区以降は、向かい風に強い・単独走に強い選手を選抜しています。大きくメンバーを入れ替えるかもしれません。それも踏まえて、戦力分析を行います。

エースの強さ

 エースは言わずもがな吉田選手になりますね。冬に行われた丸亀ハーフの60分31秒の衝撃は忘れられません。暑さにやや弱いので、安定感の面でもう少しという印象がありますが、冬はめっぽう強いということ。箱根予選後は、11月に1万m28分02秒!2年連続の27分台到達はなりませんでしたが、箱根本戦の練習の最中なので、かなり状態は上向いてきたでしょう。

 2大会前の1年時にも、箱根本戦2区にチャレンジしましたが、1区が区間最下位と出遅れたことも影響し区間18位。でしたが、今回は留学生とも勝負できる力をつけてきました。66分台は十分にターゲットになります。久々に中央学院大が上位に顔を出す区間になるかもしれません。

 勿論、前回のように1区が出遅れてしまっては大変勿体ないことになります。往路は慎重に人選することになります。箱根予選で好走したのは4年生伊藤・飯塚選手。特に伊藤選手は複数回1万m28分台をマークするなど、スピードがついています。箱根予選も上位集団で勝負で来ていたので、1区候補に挙がってきそうです。

 飯塚選手は、4年かけて力をつけた選手で、箱根予選も3年時が初チャレンジ。前年の168位から今年76位とジャンプアップ。トラックでも、全日本予選3組15位から3組4位になるなど確実に成長しています。大学駅伝は、走れば初挑戦になりますが、往路候補です。

 ここにできれば、箱根予選を走っていない1万m28分台をもう一人入れたい。最悪、3年工藤選手がいますが、彼は山下りで活きる選手。できれば6区に回したい。候補に挙がるのが1年稲見選手。春に1万m28分台を出した期待のルーキーです。全日予選も3組9位と好走。箱根予選は夏合宿の疲労が抜けず飛ばしましたが、10月平国大記録会1万m28分45秒で復帰速ベスト。上尾ハーフも62分46秒まとめていて、やはりチーム内で力がありそうでした。

 あとは3年堀田・安藤選手が間に合うかどうか。堀田選手は、昨年の全日本3区を走るなどスピード主力として期待が高い選手。上尾ハーフ65分15秒を記録。16人にはおそらく入ってくるか。安藤選手は昨年箱根予選95位好走し、その後1万m28分台を記録し、昨年の成長株。今年の丸亀ハーフ62分17秒を記録して以降試合出場がないですが、間に合えば大きな戦力アップです。

山登り・山下り

 とにかくまずは山下りに大きな自信を持っていますね。2大会前当時1年生ながら区間3位58分47秒を記録した工藤選手が3年生になって、力をつけてきています。箱根予選もチーム4番手の74位と、平地でもいける走力をつけていますが、得意な下り区間に力をかけてきそうです。

 上りも、目途が立ちつつありますかね。激坂最速王に、3人の選手が挑み、その中で2年黒岩選手がチームトップ。箱根予選もチーム6番手の63分52秒で駆け抜けていますので、平地の走力も高い選手なんですよね。彼がそのまま走れるのであれば、オーダー編成が楽になりそうです。

 他では、箱根予選チーム11番手でしたが、1万m29分11秒の走力がある3年蒲田選手がどちらも希望していて、ある程度力のある選手でまかなえそうな感じ。山登りまで上位陣に食いつくことができれば、下りは区間賞候補の区間。面白くなってきます。

選手層の厚さ

 復路は、単独走を得意とする選手らになりそうです。中心になるのはおそらく2年近田選手でしょう。1年時の頃からハーフ64分台をマークしていましたが、関東ICハーフ5位入賞。全日予選も1組で好走していて、高い気温や単独走に強みはありそうです。往路4区でもいいですが、彼が復路エース区間9区に回るようなら、中央学院大強いオーダーになります。

 このほか多くの選手が候補になってきますかね。箱根予選では新戦力候補3年永野選手が64分21秒、同じく3年柴田選手が64分23秒、2年柴田選手が64分23秒、同じく2年黒谷選手が64分55秒を記録し、チーム7番手~10番手に入りました。予選の成績は永野選手ですが、1万m持ちタイムは28分54秒の柴田選手がよく、直近では黒谷選手が29分18秒ベスト。このあたりの争いは激しいですね。

 また、予選メンバー外では、4年井澗選手が候補になりそう。2大会前も1万m30分07秒だけが実績ながら箱根本戦メンバーに入ってきて、10区にエントリーされていました(当日交代)。箱根予選は走っていませんが、10月に1万29分48秒後、上尾ハーフで64分39秒と調子を上げていますね。8区以降で十分候補に挙がってきそうです。

 7区あたりはスピードランナーの可能性もあり、先の堀田選手らも候補に挙がるか。あとは、全日本予選を走っている1年前原選手も、上尾ハーフで65分14秒を記録するなど復帰してきています。10区間ある程度穴の無いオーダーは組めるのかなという印象です。

まとめ

・エース吉田選手を、伊藤選手ら活かすことができるか
・山下り巧者工藤選手が好位置でスタートできるか
・復路は近田選手を中心に手堅くいけるか

 1万m27分台・ハーフ60分台のベストを持つエース3年吉田選手は、冬の時期にめっぽう強い選手。箱根予選は15㎞以降で少し落ちましたが、正月箱根2区は最後まで勢いある走りをしてくれるはずです。

 その吉田選手をまず活かせる往路オーダーを組めるか。箱根予選上位集団で走り切った4年伊藤選手に、4年間かけて力をつけて初駅伝に挑む飯塚選手ら候補はいますかね。これに1万m28分大記録のルーキー稲見選手らがあがってくるとハマるオーダーを組めるでしょうか。

 山登りを凌ぐことができれば、下りは2大会前58分47秒で区間3位で走り切っている工藤選手が3年生になりさらに力をつけています。シード権が狙える位置で、往路を終えていれば面白くなってきます。

 その後は、ロードで手堅く走れる選手を配置して、粘って順位を上げてくるか。予選チーム上位の2年近田選手を9区にして、他井澗選手や箱根予選上位の永野・柴田選手らで組めるか。1万m28分台の3年堀田・安藤選手の復帰が間に合えば層が厚くなってきますね。

 要、2区吉田選手は勿論、往路でも走れる力のある3年工藤・2年近田選手を、一番の適性がある6区と9区に配置したうえで、穴の無いオーダーを組めるかどうか。そうできた時、中央学院大の復活シード権が見えてきます。