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箱根駅伝2024(第100回)へ向けて【駿河台大・山梨学大】~予選の振り返りとともに

出雲駅伝・全日本大学駅伝が終わって、いよいよ箱根駅伝モードになってきますね。

各関東地区の大学の、
前哨戦(出雲・全日本・箱根予選)を振り返っていきたいと思います。

そのうえで、今季のチームの特徴や、山など箱根に向けて
駅伝ファンとして思うことを記載していきます。

続いて、
ブランク1年で箱根に戻ってきた!2度目の出場はどんな色?
駿河台大学

僅か3秒差で繋いだ箱根駅伝出場!前回14位以上の健闘なるか
山梨学院大学

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【駿河台大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

 98回大会に箱根駅伝に初出場を果たした駿河台大。総合19位ながら、楽しく疾走する姿は、多くの駅伝ファンが印象に残っているでしょう。ただ、経験者が多く残っていた99回大会は、チーム全体が”バーンアウト症候群”に陥り予選大敗してしまいます。

 その後、もう一度チームの雰囲気を整えるため、改革を断行。かなり多くの部員が退部になり、箱根出場を見て入学した若い世代が中心になります。それでも中々整わなかったチームの雰囲気が9月半ばあたりから引き締まったそう。前評判は高くない中、増枠分でもなんとか滑り込みたい思いでした。

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箱根駅伝2024予選会振り返り

START-5km 5-10km 10-15km 15km-FINISH
1位レマイヤン①14分16秒 6位レマイヤン①28分32秒 6位レマイヤン①43分21秒 10位レマイヤン①61分56秒
19位新山④14分31秒 46位新山④29分23秒 44位新山④44分26秒 29位新山④62分35秒
51位古橋①14分33秒 46位古橋①29分23秒 46位古橋①44分35秒 63位古橋①63分34秒
158位早稲田②15分09秒 161位東泉②30分20秒 143位東泉②45分37秒 100位東泉②63分54秒
168位東泉②15分10秒 181位岡崎②30分21秒 151位岡崎②45分38秒 130位岡崎②64分10秒
168位倉島②15分10秒 181位倉島②30分21秒 155位倉島②45分39秒 156位倉島②64分26秒
182位藤井②15分11秒 181位加藤③30分21秒 155位塩路②45分39秒 165位加藤③64分31秒
201位岡崎②15分12秒 181位早稲田②30分21秒 158位加藤③45分40秒 185位早稲田②64分41秒
201位加藤③15分12秒 181位藤井②30分21秒 161位早稲田②45分43秒 199位塩路②64分46秒
223位塩路②15分13秒 194位塩路②30分22秒 191位藤井②45分50秒 229位藤井②65分07秒
223位佐々木③15分13秒 212位山内④30分29秒 230位山内④45分56秒 264位山内④65分29秒
244位山内④15分14秒 331位佐々木③30分49秒 412位佐々木③47分27秒 436位佐々木③68分16秒
上10名計9位2:29:37 5位4:59:45 7位7:32:08 12位10:39:40
LAP 7位2:30:08 13位2:32:23 14位3:07:32

 10㎞地点で総合5位につけ、そこから粘り倒して15㎞で総合7位、最終的に、予選落ちとなる14位に10秒差の、総合12位。本当に懸命の前残りになりました。

 稼ぎ頭は、新留学生のレマイヤン選手。しかも9月入学で、駅伝ファンみんなびっくりしたのではないでしょうか。1万m27分56秒ベストで、早速日本IC1万m4位!同大留学生2年ゴットフリー選手の8位を上回ったこともあり、箱根予選でも走ることになっていました。留学生集団についていき、5㎞14分16秒のハイペース。10㎞は少し遅れ加減ですが、6位タイ28分32秒の好タイムで稼いでいきます。

 日本人は、4年新山選手と1年古橋選手が、日本人上位集団の少し後方。新山選手は、2大会前初出場唯一の経験者。徳本監督が、箱根予選経験者は1名になるかもとの話でしたが、この新山選手になります。これに入学早々1万m29分12秒ベストの古橋選手もチャレンジ。10㎞29分23秒の46位タイで並んで通過していきます。

 さて、後方の集団。2年生の実力者の東泉・藤井選手らが、15分10秒~12秒程の集団。数秒違うだけで160位~230位くらいまで順位が変わりますので、本当に多くの選手が刻んだペースですね。だいたい200位前後くらいはる程度攻めていっているでしょうか。

 10㎞でもだいたい1㎞LAP3分02秒ほどのペースをキープして、180位付近の30分21秒ほどで通過。全体的に順位があがっていて、200位以内に全員が入っていました。非常に僅差とはいえ、総合5位に入り、完全に逃げ切りに入りましたね。ここで駿河台大が上がってきたことに、おおっと思った人も多かったのではないでしょうか。

 なお、この時点で、4年山内選手が30分29秒、3年佐々木選手が30分49秒のタイムでついていくことができず。7人となった4番手グループは、3年生は加藤選手一人、残り6名は2年生の集団となりました。

 15㎞の地点で、貯金を作るレマイヤン選手は43分21秒の6位付近。日本人先頭の中学大吉田選手と競っていましたね。いきなり他の留学生程ではないにせよ、何とか走れています。日本人2名は、新山選手が日本人第2集団につけ44分26秒。ここから古橋選手が少し落ちて44分35秒。ここから踏ん張れるかがカギでした。

 後方の集団は、ややバラけてきていて、45分38秒~45分43秒で、チーム4番手~9番手。2年生実力者の東泉選手が143位45分37秒と浮上した一方、藤井選手が191位45分50秒と後退加減です。

 それから、その東泉選手に秒差で、2年岡崎・倉島・塩路選手に3年加藤選手が食いつき、9番手に2年早稲田選手が161位45分43秒とやや遅れていますかね。順位を上げた選手は多かったですが、後方から捲ってくるチームも多く、この5㎞間は13番目。総合7位になりました。

 ここからその捲るチームが多くなってきます。17.4kmの速報では総合8位に、しかも9位山学11秒差、10位農大16秒差、11位日体大22秒差、12位日大28秒差、13位東海大36秒差!14位拓大とは1分25秒ありますが、ゴールまで予断を許さない状況になりました。

 フィニッシュ地点、エースのレマイヤン選手は最終的に10位。日本人トップとなった農大前田選手の少し後ろの61分56秒でゴール。日本ICの結果からするともうすこしいきたかったところですが、何とか粘ってくれたのかなと思います。

 日本人は、新山選手が15㎞以降から上位日本人集団から落ちてきた選手を捲っていき、29位62分35秒でゴール。ここはさすが4年生エースだったでしょうか。古橋選手は、15㎞以降は苦しみましたが、63位63分34秒。上位に食らいついてのタイムなので、今後が楽しみになる選手。

 後方からの上がり…は上位通過校ほではなかったか。どちらかというと前半は攻めています。その中で東泉選手が100位63分54秒まで浮上。ここで4番手。130位64分10秒の岡崎選手も、15㎞から順位を上げています。ほぼキープが2年倉島選手64分26秒156位と3年加藤選手165位64分31秒で、ここで7番手。

 8番手からはやや番手を下げました。185位64分41秒で早稲田選手、199位塩路選手が64分46秒、10番手で藤井選手が229位65分07秒…。15㎞以降は14番目のタイムでした。最終的に14位次点となった東国大との差は10秒差にまで接近しましたが、何とか総合12位通過。

 それでも、この1年間の不振から脱出、有望な選手も若手が多く、稼ぐ選手も多かったわけではなかった。徳本監督の「増枠分でもいいから勝ち取りたかった」箱根切符。見事に2年ぶり2度目の出場にこぎつけました。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 最終的に、上位とは少し差がついてしまい、ギリギリで通過したというところ。2度目の箱根駅伝も、決して戦力は高くはありません。その中で、徳本監督は「今回も楽しむ」というところを大事にして2度目の箱根路に臨みます。一旦、戦力をまとめ直します。

エースの強さ

 エースは、まずは留学生ということになりますね。9月入学のレマイヤン選手が、一気にエースに君臨。初のハーフマラソンとなった箱根予選は、日本人トップ争い付近に留まりましたが、こけから日本に慣れていっての箱根2区が楽しみになります。

 勿論、ひと学年上のゴットフリー選手も諦めていないでしょう。11月上旬の日体大記録会では、5千m13分40秒と相変わらず高いスピードを見せています。11月下旬は、主力選手のPMとなりましたが、しっかり務め上げています。強力なライバルが、チーム内に突如現れましたが、懸命に順応しようとしています。このあたりどちらになるか。

 日本人は箱根予選でチーム2番手となった4年新山選手が中心。2大会前箱根7区を出走。往路を走るプランもありましたが、繰り上げ回避も考え、敢えての復路でした。その後、主力卒業してから、温い雰囲気を変えようと、懸命のチーム改革も監督と行っていました。

 走りでも関東IC本番で1万m28分台を出すなど、他校の主力と戦う力を身につけて、箱根予選でも62分半ば好タイム。激坂王に出た後、5千m13分59秒ベストと総合力をつけました。まずは上位でタスキを渡したいので、1区かそれ以外になるか…。

 エース候補と言える1年生古橋選手も候補。入学直後に1万m29分12秒ベストを出すと、関東IC5千・全日予選4組で戦いました。箱根予選は15㎞手前まで新山選手と一緒に走って、63分台中盤でゴール。上位と勝負していますし、往路で起用したくなる選手。

 そして、往路に並べたい2年生もいます。東泉選手と藤井選手です。前年入学直後だった全日本予選でも1組で流れを作るなど、早くから主力候補として期待が高かった2人。でしたが、故障で箱根予選走れなかった後、暫く足踏みが続きました。

 今年の箱根予選で、予選初挑戦。東泉選手がしっかり上がっていってチーム4番手でゴールしました。藤井選手が10番手で苦しみましたが、11月日体大記録会で1万m29分08秒自己ベスト!ようやく本来の調子に戻ってきました。彼らが往路でも起用できるようなら、オーダー編成が楽になってきます。

山登り・山下り

 2年ぶりの出場で、ともに経験者が卒業しています。主力の多い2年生以下で候補を探していきたいところ。激坂最速王に、箱根予選でハーフ64分半ばで健闘していた2年倉島選手が出場。全体5位のタイムでまとめていて一つ候補になっていますね。

 もう一人、箱根予選メンバー外から2年長田選手あたりも候補でしょうか。ハーフも65分少しがベスト、直近で、ゴットフリー選手のペースに食らいつき29分19秒のベストを記録。山登り候補だけでなく、自力で10人に入ってきてもおかしくないくらい勢いがあります。

 ちなみに、主力の4年新山選手も激坂挑戦王を走っていて、もしかすると彼が走る可能性も?往路を、例えば古橋-レマイヤン-東泉-藤井-新山選手と全部並べる可能性もあるんですかね。これも面白いですが果たして??

 下りは、前任者の58分台の衝撃がまだ抜けませんね。希望者で言うと、箱根予選チーム9番手で走り切った塩路選手が候補の一人。11月1万m2本走り、29分52秒と29分23秒と調子を上げています。

 さらにもう一人注目選手がいて1年久保選手。11月に1万m29分51秒ベストを出していましたが、その後小江戸川越ハーフに挑戦!63分40秒の好記録で走り切っています。アップダウンもあるので、この記録は本当に山下りあるかも…?彼らで乗り切れれば、復路も流れに乗れます。

選手層の厚さ

 復路は、箱根予選メンバーがまず中心でしょうかね。順当なら、往路候補で紹介した選手が一人復路に回る可能性もありますかね。往路を主力選手に任せるならなおさら。7区あたりに主力を起用して、流れに乗り遅れないというのは、今回もありそうです。

 他では、箱根予選チーム6番手で走っている岡崎選手、山登り候補の倉島選手も8区あたりなら可能性ありますかね。8番手に入った早稲田選手も、トラックよりロードみたいなので、メンバーに絡むか。

 また、数は少ないですが上級生も頑張っています。予選11番手の山内選手もロード型ですが、ここにきて初29分台、3年加藤選手も食らいついています。青学大からやってきた長嶺選手は4年生最後のチャンス、小江戸川越ハーフ66分06秒の記録で望みをつないだでしょうか。

 11月日体大では他にも選手が出てきていて、2年坂本選手が29分35秒、沖選手が29分39秒、伊藤選手が29分49秒など、29分台を出せる選手が増えてきています。箱根予選で失速した3年佐々木選手も29分58秒と意地を見せています。

 試合に出れていない主力選手では2年小池選手や1年大橋選手もいます。2年生以下がかなり層が厚く、16人くらいはある程度メンバーが出てくるのかなという印象です。

まとめ

・レマイヤン選手と古橋選手の1年生に4年新山選手
・東泉&藤井選手ら2年生もあがってきたか
・山は箱根予選以降の新戦力もあり?

 大きくメンバーが入れ替わって挑む2度目の箱根路。留学生は新加入のレマイヤン選手が箱根予選出走し、62分切で貯金を稼ぎました。もう一人のゴットフリー選手も健在ですね。まずは68分切あたりまでいきたいところ。

 日本人主力選手も、箱根路を決めて上がってきていますね。前回の箱根路を知っている4年新山選手がエースとしてけん引。箱根予選62分半ばの好タイムで、往路序盤で勝負できそうなところ。

 そして、前回の箱根路を見て入ってきた2年生1年生の学年から主力が出てきています。2年東泉・藤井選手が調子を上げてきました。箱根予選では東泉選手が63分台で走ると、11月日体大で藤井選手が29分08秒ベスト。調子が上がっています。

 山は、箱根予選を走っている2年倉島・塩路選手らが候補となっていますが、2年長田1年久保選手といった箱根予選出走メンバー以外も候補になっていますかね。いずれにせよ、ここはうまく調整できた選手で乗り切りたい。

 復路は、まだかなり選手争いになっているのではないでしょうか。箱根予選出走の岡崎選手や、坂本・沖選手ら直近1万m29分台のランナーもいます。もしかすると、前回のように一人主力選手が入って、流れに乗る作戦もありかな?

 また、箱根エントリーとなったら、どう楽しんでいくか見えてくるかもしれません。

【山梨学院大学】箱根駅伝2024(第100回)へ向けて

 ここのところ、3年連続で箱根駅伝出場を決め、新たな歴史を創り始めていた山梨学院大。前回は総合14位に入る健闘を見せていました。

 今年度、その流れを継続していきたいところでしたが、全日本予選はボーダーから差が離れての予選メンバー落ち。箱根予選は仕上げてくると思われましたが、最後に際どい思いをすることになりました。

 ムトゥク選手や北村選手ら、エース級の快走と、徳田選手ら一部新戦力の台頭はありましたが、主力選手の何人か伸び悩み、失速があったのかなあと思います。

箱根駅伝2024予選会振り返り

START-5km 5-10km 10-15km 15km-FINISH
5位ムトゥク②14分17秒 1位ムトゥク②28分27秒 1位ムトゥク②42分41秒 3位ムトゥク②60分46秒
39位北村④14分32秒 15位北村④29分19秒 21位北村④44分10秒 18位北村④62分23秒
99位村上③14分58秒 92位徳田③29分59秒 71位徳田③45分04秒 71位徳田③63分37秒
105位新本④14分59秒 92位村上③29分59秒 71位村上③45分04秒 87位村上③63分48秒
105位砂川③14分59秒 92位新本④29分59秒 75位新本④45分07秒 98位新本④63分53秒
116位徳田③15分00秒 200位砂川③30分26秒 202位髙木④45分53秒 169位髙木④64分33秒
201位髙木④15分12秒 224位髙木④30分30秒 202位塚本②45分53秒 206位塚本②64分49秒
201位髙田③15分12秒 224位平八重②30分30秒 202位平八重②45分53秒 209位平八重②64分53秒
201位横山④15分12秒 224位横山④30分30秒 248位大西③46分12秒 257位大西③65分26秒
223位大西③15分13秒 224位大西③30分30秒 312位横山④46分29秒 277位髙田③65分39秒
244位塚本②15分14秒 231位塚本②30分31秒 325位髙田③46分35秒 307位横山④65分56秒
244位平八重②15分14秒 281位髙田③30分38秒 363位砂川③46分54秒 435位砂川③68分09秒
上10名計8位2:29:34 10位5:00:09 9位7:32:26 13位10:39:47
LAP 9位2:30:35 11位2:32:17 12位3:07:21

まずは、エースのムトゥク選手が、先頭集団で勝負しにいきましたね。5㎞14分17秒・10㎞28分27秒のトップ集団で進んでいきます。このあたりは、さすが1万m27分台のランナー、昨年も走っていることも大きかったでしょう。この時点で、最大の貯金を持っています。

 日本人エースの4年生北村選手も、日本人上位集団についていく展開。10㎞29分19秒の15位タイで、好ペースの集団の中にいました。このあたり自信がついていましたかね。2大エースは非常に順調にスタートを切っています。

 後方は、2つの集団でしたね。前集団は、4年新本、3年村上・砂川・徳田選手の4名。前回往路の主力の新本・村上選手だけでなく、長期離脱から復帰した砂川選手に、新戦力候補の徳田選手がいるのも特徴ですね。5㎞14分59秒の100位付近につけます。後方集団は、チーム7番手の集団になりますね。主力の4年髙木・3年髙田選手らがいるのが特徴です。5㎞は15分13秒ほどで、200位台に位置しています。

 このまま推移していきたいところでしたが、10㎞地点で早くも集団に変化が出ます。前のグループは、10㎞29分59秒の90位台でしたが、そこから砂川選手が脱落。200位30分26秒と失速し、すぐ後ろに後方集団が220位付近30分30秒と迫ります。

 その集団も、髙田選手が後退。髙田選手は2年連続予選二けた順位で通過に貢献している選手。つまり、3年生主力選手がこの時点で計算通りにいかず。総合10位でしたが、この後を考えると、ギリギリの戦いになることが予想されました。

 15㎞でムトゥク選手が、トップ集団内を維持し42分41秒の好タイム!この時点で、留学生集団もだいぶバラけていて、先頭集団は3人になっていましたが、その中に入っています。北村選手も、日本人上位集団の位置を保持。21位44分10秒で通過、エースの貯金はバッチリですね。

 前方集団は、3年村上・徳田選手が71位45分04秒。1㎞3分のペースを維持しながら、前を少しずつ追っていく態勢です。新本選手が少し遅れ加減ですが、75位45分07秒でまずまず。ここで粘れれば、2人稼いだうえで100位以内に5人が入ります。ここまではまずまずですかね。

 次の集団が上がりたいところでしたが、まだ202位45分53秒。しかも、4年髙木・2年塚本・平八重選手の3選手のみ。前回予選経験者3年大西選手が248位46分12秒、ハーフ63分18秒ベストの4年横山選手が312位46分29秒と後退しここで10番手、しかも、髙田・砂川選手がさらにその後方。

 この地点で総合9位と順位こそ浮上しましたが、実はここから上がる要素が少なく、後方から追撃を受ける状況に。17.4kmで9位を維持しましたが、集団走が上手くいっている農大・日体大・日大・東海大が秒差で続いている状況でした。

 フィニッシュ地点、ムトゥク選手が全体3位の60分46秒!気象条件が良かったとはいえ、60分台はなかなか出せないタイム。ナイスランでした。北村選手も概ね日本人集団内で最後までバトルする展開で、全体18位の62分23秒。この2人が万全だったのは、最後の最後に効きましたね。

 少し間あいて、チーム3番手はやや意外な選手。3年徳田選手が入りました!夏前に29分17秒を記録して、新戦力候補となっていましたが、71位63分37秒と見事なタイム。とはいえ、このタイムだともう少し前に何人か入れたはずの選手がいましたが…。同じ集団で走っていた村上選手が87位63分48秒、新本選手が63分53秒の98位に堪えてゴール。5番手まではまずまずでしたか。

 後方集団では、前回箱根9区の髙木選手が上がってきて169位64分33秒のチーム6番手。夏前までの勢いがなかったですが、ここは意地を見せた格好ですかね。15㎞まで一緒だった塚本・平八重選手が64分50秒前後の200位台。大西選手が9番手65分26秒の257位。気象条件が良かった中では、苦しんだ選手が多かったですかね。

 そんな中、10番手が変わっていました。横山選手ではなく、早くに脱落していた髙田選手が浮上。325位から、277位65分39秒のチーム10番手へ。チームの状況を知っていたかは分かりませんが、調子が悪いなりに懸命に粘ったのかなと思います。

 結果的に、14位猛追してきた東国大を3秒差で凌いで、最後の切符をつかみ取りました。エースの貯金と、10番手の粘りが何とか4年連続の箱根路に繋がりました。

箱根駅伝2024(第100回)へ【エース・山・選手層】

 ムトゥク選手や北村選手ら、エース級の快走と、徳田選手ら一部新戦力の台頭はありましたが、主力選手の何人か伸び悩み、失速があったのかなあと思います。

 箱根本戦に向けて、上がり目は多いですが、それでも、厳しい現実を突き付けられたのは確かです。その中で、何とかシード権を目指していく戦いになりますかね。戦力分析してみます。

エースの強さ

 エースは、まずは2人いる留学生の出場争いになりますね。2年ムトゥク選手と1年キピエゴン選手が春先から1万27分50秒台をマークするなど、ハイレベルな出場争いが繰り広げられています。

 ハーフマラソンも、ムトゥク選手が箱根予選で、60分46秒の好タイム。キピエゴン選手も負けじと上尾ハーフで61分07秒。どちらも好パフォーマンスですが、勝負レースで留学生も多い中だったムトゥク先週が、ちょっとだけ優勢かな?

 どちらが走るにせよ、67分切りは充分に狙える力はありそう。大きく山梨学院大の順位を引き上げてくれそうです。

 日本人は、2年連続箱根予選で他校のエースと戦っている4年北村選手が好調。前回は、駅伝に自信がなく、抑えた入りでしたが、今年は攻めていけるか。集団走より単独走のほうが、走りやすいとのことなので、今回も4区あたりになるか。

 その場合、留学生の脇となる1区と3区をどうするか。今年の箱根も主要区間を走っている4年髙木選手と3年村上選手が候補となりそう。今年、大きくトラックのベストを更新しているのもポイントです。

 村上選手は、5千m13分48秒日本人トップ。髙木選手は1万m28分51秒となっていますね。彼らが1区や3区を担う事ができれば、2区ムトゥク・4区北村選手とそれぞれ強みが活きるオーダーになりますね。これだと箱根予選から見違えるようになるはず。

山登り・山下り

 山もどう乗り越えていくか。4年新本選手が前回チャレンジしましたが、脚の痙攣で途中で立ち止まるなど苦戦。ここでシード権獲得は実質難しくなりました。とはいえ、今年は箱根予選二桁順位で走るなど、経過は昨年より順調で、再登板も考えられるか。

 その新本選手など、複数の選手が、11月の激坂最速王にチャレンジ。2年弓削選手が全体の2位に入る好走!一躍箱根5区候補となりました。こうなると、新本選手を平地に回せるので、いいオーダーになってくるかな?

 山下りは、前回59分53秒の区間10位で走っている3年髙田選手がスピードに磨きをかけています。今年1500mにチャレンジし、関東IC1500m6位とまずまず成果を残しています。箱根予選の不調が気になりますが、ここから仕上げてくるでしょうか。

 もう一人、候補がいて、4年生主力の一角島津選手もありえるのですよね。箱根予選は走っていませんが、上尾ハーフで64分32秒と復調気配。1年時に箱根3区を走っていますし、一定のスピードはあります。山学大は、前々回と3大会前は4年生が59分台で走っているのですよね。このあたり、エントリーから注目です。

選手層の厚さ

 調子が整っていないのが心配ですが、頭数は予選最下位通過と思えないほどいるのですよね。まずは、箱根予選71位と新戦力として頭角を現した3年徳田選手ですかね。1㎞3分ペースを維持していますし、復路後半どうでしょうか。

 先の4年新本選手も候補の一人。日体大記録会では1万m29分19秒と調子は上々。山登りではなく8区あたりで力になるかもしれません。これに2年連続箱根予選出走の3年大西選手が29分23秒とまずまず。彼らが往路に回る可能性もありますが、復路8区9区10区あたり並ぶことができれば、十分中位争いに加わることができるはずです。

 あと1枠の争いが激しいですね。箱根予選では11番手と沈んでしまった4年横山選手が、上尾ハーフで63分18秒と復調。これが本番でもできるなら10区候補になります。同じ4年生では瓦は選手も64分02秒で走り、下りで名前を上げた島津選手もいますね。

 若手では、前半戦に1万m29分10秒台を出していたルーキー和田選手は激坂王に出走、占部選手が64分39秒で走るなどここにきて仕上がりつつあります。11月日体大1万m29分台を出していた2年勝山・溝永選手では、勝山選手が上尾ハーフで64分54秒で一定の目途が立っているでしょうか。

 全日予選・箱根予選と、勝負レースで連続して結果がもう少しだったのが気になりますが、心身ともに充実していれば、十分シード権争いに絡める選手層があります。

まとめ

・エース留学生ムトゥク&キピエゴン選手に4年北村選手絶好調!
・新戦力3年徳田選手に、4年新本島津選手ら浮上気配
・前回出走者4年髙木、3年村上髙田選手の状態が上がるか

 最下位通過ですが、上がり目はかなりあるはずです。エースのムトゥク選手(とキピエゴン選手)に、4年北村選手と、エースは絶好調。箱根予選は彼らの貯金で通過したと言えっても過言ではないくらいの頑張りでした。彼らが2区と4区あたりに入ることができればいいオーダーになるはずです。

 これに、新戦力の3年徳田選手らで往路を…といいたところですが、シード権を考えると、できれば彼らを復路に温存しておきたい。前回箱根3区3年村上選手に9区4年髙木選手が、箱根予選から状態を上げてこれるか。彼ら2人が往路平地区間に入れれば、結構強力なオーダーになってくるはずです。

 山に関しては、前回経験者の4年新本3年髙田選手がいますが、山登りは弓削選手が激坂王で好走するなど候補選手が出てきています。そうすると平地でも好調の新本選手を他の区間に回せるので、オーダーに厚みが増します。

 このほか、先の徳田選手に3年大西選手、4年横山選手ら箱根予選はうまくいかなかった選手が調子を上げてきて、若手もハーフ64分台のランナーが出てきています。昨年総合14位にまとめた実績もあります。十分に浮上する要素はあるでしょう。


コメント

  1. L 原田 勝春 より:

    山梨学院、日本全国に意地を見せろ!
    1970年優勝から30年、この節目に是非シード権をとってください。
    選手のメンバーが体調万全で走る雄姿を期待し、お正月テレビの前で大応援します。
    学院が元気だと私も元気になれます。
    是非是非 ・・・ 勝運をお祈りいたします。 

    学院OB haranfoより

    • hakonankit より:

      >L 原田 勝春さん
      23番目の位置づけですが、本当に上位と差は少ないと思います。留学生が2区でつくるだろう流れを活かしていきたいですね。