箱根駅伝2024予選会【展望&戦力分析③】初の全国化!非関東地区チームの紹介!

箱根駅伝2024予選会のエントリーも発表され、日に日に緊張感が高まってきています。

当サイトでも、6つに分けて、
各大学の紹介や戦力分析をしていこうと思っています。

非強化校の100回記念予選応援
強化中堅&下位チームの現況は!?
③初の全国化!非関東地区チームの紹介! ☜
④トップ通過するのはどこか!?
⑤連続出場繋げられるか!?
⑥初出場or伝統校復帰はあるのか!?

今回は、初の全国化!箱根予選に参戦、本戦にチャレンジする非関東地区チーム11校紹介します。

ページコンテンツ

箱根駅伝2023予選会【展望&戦力分析③】初の全国化!非関東地区チームの紹介!

なお、展望&戦力分析するにあたり、

ハーフマラソンの狙えるタイムに分けた

独自のランキングを行っています。

ランキング
JOKER(10点)~60分19秒(84回:1位)

SSS(9点)60分20秒~60分59秒(99回:1位、96回:なし、95回:1位)

SS(8点)61分00秒~61分39秒以内(99回:なし、96回:1-2位、95回:2位)

S(7点)61分40秒~62分19秒(99回:2-5位、96回:なし、95回:3-8位)

A(6点)62分20秒~62分59秒(99回:6-13位、96回:3-5位、95回:9-15位)

B(5点)63分00秒~63分39秒(99回:14-36位、96回:6-10位、95回:16-43位)

C(4点)63分40秒~64分19秒(99回:37-69位、96回:11-24位、95回:44-79位)

D(3点)64分20秒~64分59秒(99回:70-126位、96回:25-49位、95回:80-129位)

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)

G候補

上位10名得点:

参考:過去3年間(99回、96回、95回)
トップ通過:36点、27点、54点
10位通過:28点、14点、31点
13位通過:23点、8点、27点
※95回例年より涼しい、96回は酷暑、99回はやや蒸し暑い条件

コースが同じ99回・96回95回を参考にして作成しています(97回98回はコロナ禍の影響で、コース変更)。

スポンサーリンク

京都産業大学

【過去3年間の成績】
23年度:全日予選5位
22年度:丹後駅伝3位、全日予選6位
21年度:丹後駅伝2位、全日予選4位
20年度:丹後駅伝4位、全日本21位

C(4点)63分40秒~64分19秒(99回:37-69位、96回:11-24位、95回:44-79位)
中村光稀③28分55秒22≪23日本IC1万11位、関西IChalf1位1万3位、22全3区20位≫
小嶋郁依斗③28分58秒03

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
山口太誉③30分09秒10
多田颯太③30分16秒12≪23関西IC1万10位≫
庵地祐希②30分17秒40
木下太成②30分18秒60≪23関西IChalf8位≫
杉本和己③30分45秒92≪22関西IC5千16位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
粟井駿平③30分27秒47≪23関西IC1500m1位、22日本IC1500m≫
藤田大暉①30分32秒33
桒田大樹②30分39秒77
武内里賢②30分40秒90

G候補
米田勇輝②31分11秒95
久保明央人②31分20秒52
倉松 健②32分00秒99

 古豪・京都産業大が箱根予選にエントリー!とはいえ、ここ近年は苦戦。2020年の全日本大学駅伝出場を最後に、全国駅伝の優勝からは遠ざかっています。伝統的に行われている丹後駅伝は毎年意地を見せていて、一昨年は2位・昨年は3位と、全日予選で敗れたチームに一部勝利しています。また、記録会出場も最近は多く、1万m上位10人平均は、関東地区以外では、最も良い成績でした。

 もともと京都産業大は、昨年の全国化の発表になったタイミングで、箱根予選に出場する意向はなく、出雲・全日本駅伝に、丹後駅伝に力を注ぐ予定でした。しかし、関西地区予選で5位(出雲3位以内・全日本4位以内)と敗れてしまいました。その中での、部内でもう一度話し合い、箱根駅伝本戦への挑戦をチームで決意しました。夏合宿は、長い距離を見据え、例年より走り込み中心のメニュー。部員数が多くない中、登録できるかどうかという場面もあったそうですが、無事14人フルエントリーとなりました。

 エース選手は、1万m28分台を持っている中村・小嶋選手の3年生。特に中村選手は、昨年選抜チームで全日本駅伝3区を出走し、今年は日本IC1万mに出場(結果は11位)、全国舞台の経験が多い選手。ハーフマラソンも、関西ICハーフでも優勝していて、ロードも徐々に走れるようになった。小嶋選手は、今年1月の大阪ハーフで63分43秒でチームトップの成績、全日予選も唯一29分台、この2人でチームを引っ張っていきそうです。

 チーム3番手以降が、1万m30分台がベスト記録となっていて、このあたり選手層に不安はあるものの、それでもチーム10番手で30分40秒となっていて、3番手~10番手までは差が少ない印象です。自己ベスト上では、3年山口選手が30分09秒ですが、他に主要大会で結果を出している選手もいます。

 2年木下選手が、大阪ハーフで66分台で走り切り、関西ICハーフでも8位入賞。ロードで結果を出しつつあります。3年杉本選手は、今年4月に5千m14分25秒ベストを出して、関西IC5千にも出走。他には、持ちタイム上は30分10秒台の3年多田・2年庵地選手に、1500mで日本IC経験のあるスピードランナー粟井選手がエントリー、1年では9月末に30分32秒を出した藤田選手も主力選手の一人として期待です。それ以外の選手は、試合に一切出ずに調整。京産大が、関西地区トップとなる可能性は十分ありそうです。

立命館大学

【過去3年間の成績】
23年度:出雲15位
22年度:丹後2位、全日本18位、出雲12位
21年度:丹後1位、全日本18位、出雲11位
20年度:丹後1位、全日本15位

C(4点)63分40秒~64分19秒(99回:37-69位、96回:11-24位、95回:44-79位)
山﨑皓太③28分54秒55≪23出雲6区13位、関西IC5千9位、22全日8区20位、出6区12位、21全6区20位、出6区15位≫
大森駿人③29分04秒91≪23出雲3区13位、関西IC5千2位、22全日1区14位、出1区12位、21全3区17位、出2区12位≫

D(3点)64分20秒~64分59秒(99回:70-126位、96回:25-49位、95回:80-129位)
中田千太郎③29分52秒79≪23出雲2区18位、関西IChalf3位、22全日7区19位、21全7区19位≫

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)
尾上陽人②30分05秒61≪23出雲1区16位、関西IC1万5位≫

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
中山柊太①30分19秒00
長澤悠太②30分23秒75≪22全日6区20位≫
倉橋 慶②30分41秒41≪22全日5区23位≫
北辻巴樹④31分07秒54≪23出雲4区15位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
清水隼人②30分03秒84≪23出雲5区19位、日本IC3障9位、関西IC3障1位、22出5区19位≫
田部 央②30分48秒27≪23関西IC3障7位≫

G候補
金高哲也②31分21秒37
橋本和希①31分32秒60
藪田虎志朗①32分58秒30≪22IH1500m16位≫
髙木大翔①33分01秒50

 関西の雄・立命館大が箱根駅伝予選会に参戦します。近年の駅伝は知っての通り、2019年度の出雲駅伝・全日本駅伝では6位と12位の成績を残し、関東地区の中で割って入った、いわゆる関東地区以外での強豪校となります。近年は、その時の主力の入れ替わりの過渡期の中で、2年連続全日本駅伝で18位となっていますが、注目チームとは変わりない。

 当初は、箱根予選出場には消極的でしたが、昨年10月就任の早大OBの田中コーチが、丁寧に部員の聞き取りをして、「”日程上の厳しさ”や”関東地区との力の差”などの条件を除けば、挑戦したい選手が多かった」ということで、今年2月に参戦を表明。慎重に練習を行ってきました。

 エースは3年生トリオと言われる山崎・大森・中田選手の3人。1年時から大学駅伝を走っていて、いわば主力選手。山崎選手は、1万mでチームトップの28分54秒をマーク。出雲駅伝や全日本駅伝でのアンカー起用も多く、チームの主軸の選手です。大森選手も1万m29分04秒でハーフマラソンは63分53秒チームトップ。今年は大森選手の調子が良く、関西ICは5千m2位、さらに全日予選は29分22秒の好成績でチームを出場に導いています。

 また、中田選手は、1万m29分52秒に留まるも、長い距離に安定感があり、全日本駅伝で2年連続7区で区間19位と安定した成績。大阪ハーフでは65分18秒と主力に肩を並べています。出雲駅伝には3選手とも出場し、中田選手が2区18位、大森選手が3区13位、山崎選手が6区13位の成績でした。連戦になりますが、箱根駅伝出場のため、少しでもチームに貯金したいところです。

 このほか、2年生や1年生が中心にエントリーし、若いチーム構成となりました。出雲駅伝にも出場している中では尾上・清水選手が出場。尾上選手は、9月に5千m14分18秒80の自己ベストを出して、出雲駅伝1区に抜擢されるなど中心核になりつつある選手。清水選手は、関西IC3障で優勝、日本ICにも出場し9位と実力者。長い距離でも力を発揮できれば面白い。

 他では、昨年の全日本駅伝で5区6区でタスキを繋いでいた倉橋・長橋選手、さらに直近1万m30分48秒の田部選手も無事エントリー。大阪ハーフでは長澤・田部選手が67分台で走り切っていて、箱根予選で貴重な戦力になるのは間違いない。部員23名のの中、2年生が一番人数が多いので、総合力はこの世代が引き上げたい。

 1年生も多く、1万m30分19秒ベストの中山選手が今後主力となれるか。この中山選手とともに、全日本予選に出場している橋本・薮田選手らもエントリー。薮田選手は、昨年のインターハイで1500m決勝で戦っているスピードランナー。長い距離は分かりませんが、挑戦していく形だ。

 その中で、4年生でエントリーとなった北辻選手。4年生は2人しかいない中で、出雲駅伝4区出場、そして箱根予選へ。全力で任務を全うしたい。こうみると、ハマった時に一番予選通過ラインに迫ってきそうなのは、やはり立命館大。日程の厳しさはあるが、全力での挑戦を応援したい。

札幌学院大学

【過去3年間の成績】
22年度:全日本19位
21年度:全日本20位
20年度:全日本23位

C(4点)63分40秒~64分19秒(99回:37-69位、96回:11-24位、95回:44-79位)
I.ワング③30分11秒44

D(3点)64分20秒~64分59秒(99回:70-126位、96回:25-49位、95回:80-129位)
渡邊隼翼③30分05秒18≪23出3区16位、22全7区17位、出6区15位、21全6区19位≫

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)
山田陽翔②29分48秒69≪22全3区18位、出3区15位≫
大栁達哉④30分36秒08≪23出6区17位、22全4区20位、21出2区20位、20全6区23位≫

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
山崎樹羅③30分52秒19≪23出2区14位、22全1区22位、出2区12位≫
佐藤 匠③31分09秒19≪23出4区13位、22全2区23位、出雲4区14位、21全2区26位、出1区17位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
村上一大④30分17秒71≪21全3区21位、出6区18位、20全3区24位≫
佐藤魁良寸③30分52秒57

G候補
宮野勇太①31分01秒55
中嶋光柾④31分04秒46≪23出5区20位≫
伊藤 徹②31分07秒54
中野大輝①31分16秒14

 札幌学院大も、近年強化が進んでいるのですよね。特に今の3年生世代からリクルートを強化していて、全日本駅伝でも徐々に順位を上げています。昨年は、留学生が走っていない中で総合19位。特に7区まで繰り上げスタートなくタスキを繋げ、地区枠にも絡んだのはレベルが上がってきているなと感じました。箱根予選参戦を表明したのは、9月頭。部内で慎重に議論を重ねて、”果敢に挑戦をしたい”とのこと。

 直近の出雲駅伝に選抜チームとして、4年大柳・中嶋、3年渡邊・山崎・佐藤選手の5名出走。それぞれ山崎選手が2区14位、渡邊選手が3区16位、佐藤選手が4区13位、中嶋選手が5区20位、大柳選手が6区17位の成績。この中で、長い距離の実績があるのが渡邊選手。学生ハーフ65分02秒はなかなか長い距離も楽しみでは?4年大柳選手も同大会で67分少し、高校時代5千15分59秒から伸ばしてきた選手。どこまで通用するか楽しみ。ちなみに1500m3分46秒60のスピードもあります。他、山崎・佐藤選手も、駅伝ロードの経験は豊富。出雲から中4日ですが、彼らが主体となるでしょうか。

 また、留学生イブラヒム選手がここにきて復活。9月に5千m14分16秒62のタイムを出して復調をアピール。出雲駅伝は出場しませんでしたが、間違いなく起爆剤になる選手。他にも主力選手がいて、2年山田選手は、前年も出雲3区全日本3区主要区間出走、学生ハーフ66分台で走り切り楽しみな存在。下級生時に3度駅伝を走っている村上選手も、9月頭に5千m14分48秒を出して調子を上げつつあります。

 他にも、9月5千m14分43秒ベストを出した佐藤選手に、1年生ながら1万m31分台前半マークの宮野・中野選手ら、各学年主力選手がいて、年々戦力は充実してきています。勢いとしては、このチームも関東地区以外の中で、トップになる可能性もありそうです。

環太平洋大学

【過去3年間の成績】
23年度:出雲12位
22年度:全日本22位、出雲13位
21年度:全日本22位

D(3点)64分20秒~64分59秒(99回:70-126位、96回:25-49位、95回:80-129位)
谷末智哉②30分12秒94≪23出1区12位、22全1区19位、出1区11位≫

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)
脇 健斗④29分45秒78≪23出6区12位、22全2区22位、出2区13位、21全2区19位≫
林本 涼④30分35秒50≪23出3区14位、22全8区21位、出3区13位、21全6区18位≫

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
勝部 遼③31分23秒30≪22出5区14位、21全7区25位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
中川大智④31分16秒95≪23出5区12位≫
山﨑大空④31分33秒50≪22全5区27位、21全5区22位≫
本河里玖斗②31分35秒73≪22全6区23位≫
佐野泰斗①31分38秒19≪高校3区31位≫

G候補
高山輝太④32分04秒55
山田歩輝①32分06秒94
横山雄也②32分08秒54
近藤理暉②32分14秒94
阿食亮太③32分37秒40
武田一晟①32分50秒04

 個人的にはびっくり環太平洋大も参戦します。昨年800mで日本記録タイの記録が出るなど、中距離などスピード種目の強化を図っているイメージの強かった環太平洋大。とはいえ、出雲駅伝も2年連続で地区枠獲得など、長距離も勢いが出始めたところでした。直近の出雲駅伝は12位。関東地区以外のチームでは、最も出雲駅伝の順位が良かったチームとなります。

 主力となるのはは、やはり出雲駅伝に出場している選手になるでしょうか。出走者中6人中4人がエントリーしていて、しかも1区3区6区と主要区間を走っている選手がいます。注目としては各駅伝1区を務めている谷末選手。出雲駅伝1区では昨年は11位と今年は12位と、関東地区にも食らいつく成績を残しています。ロード力はあるので、長い距離でも通用するようなら楽しみ。

 駅伝で長丁場の区間を務めた経験のある選手も注目。4年林本選手は、出雲駅伝は2年連続エース区間3区・全日本駅伝は昨年アンカー8区を担当。出雲駅伝は区間13位・14位と結果を出していますね。同じ4年脇選手は、2区など前半区間が多かったですが、今年は出雲駅伝アンカーへ。IVYリーグとの競り合いにも勝利して、勢いに乗っています。

 このほか、出雲メンバーの4年中川選手に、前年の全日本駅伝を走っている勝部・山崎・本河選手あたりもエントリー、走る予定だった選手はある程度エントリーできたかな?なお、ハーフの参戦は少ないものの、勝部選手が66分04秒と持ちタイムトップです。このほかにも全国高校駅伝経験のある有力ルーキーの佐野選手や、9月に高山・山田選手ら初1万mで32分少しにまとめた選手がずらり。ここから調子を上げて、いい状態で箱根予選を迎えられそう。やはり楽しみな地方チームになってきていますね。

皇學館大學

【過去3年間の成績】
23年度:出雲18位
22年度:全日本21位、出雲15位
21年度:全日本17位、出雲14位

C(4点)63分40秒~64分19秒(99回:37-69位、96回:11-24位、95回:44-79位)
松野颯斗④30分22秒11≪23出6区10位、21全7区14位≫

D(3点)64分20秒~64分59秒(99回:70-126位、96回:25-49位、95回:80-129位)
岩島昇汰③29分48秒64≪22全5区14位≫

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)
畠山大輔③30分11秒18
浦瀬晃太朗③30分16秒06≪23出5区15位、22全3区23位、出2区16位、21全5区21位、出4区11位≫

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
芝辻晴裕③30分13秒57

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
藤川 創③30分50秒59≪23出3区20位≫

G候補
神部大希②31分28秒76
大井飛翔②31分57秒26
中村颯太③32分07秒00
森下 楓②32分18秒12
田中瑞輝①32分48秒90
前野皓士①32分49秒00

 近年、大学駅伝界を賑わせていた皇学館大も、箱根予選参戦を表明。かなり早い段階で表明していましたが、3月末に日比監督が退任。指導者不在の状態で、春シーズンを送り、全日本予選は久しぶりに通過ならず。箱根予選挑戦も宙に浮いた状態になっていました。でしたが、7月から就任した寺田夏生監督から、改めて箱根予選参加を表明。通過は現実的に厳しいけど、強くなるために必要なステップになると、力説されたそうな。

 4年松野、3年浦瀬・藤川選手の3選手が、出雲駅伝から中4日での出場となりますが、その中で4年松野選手がエース格。4年生唯一の部員でもあるのですが、ロードでずば抜けた戦績を誇っています。学生ハーフ65分36秒と結果を残し、さらに出雲駅伝ではアンカーで区間10位!関東地区の中に割って入ったのは、駅伝ファンも驚いたのではないでしょうか。連戦になるとはいえ、ちょっと楽しみな選手です。

 学生ハーフでは、今回出雲駅伝を走った浦瀬選手も66分04秒、藤川選手も68分台で走っていて、長い距離の経験は比較的多い方。学生ハーフでは70分以内に11名が走り切っていますが、メンバー自体は結構入れ替わっていますかね。それでも、9月末の全日本駅伝選抜選考会で、29分54秒で走った岩島選手や、30分24秒の畠山選手らもメンバー入り。主力はある程度走ってきそうな気配があります。あとは記録上では30分18秒の芝辻選手も有力ですかね。

 あとは31分台・32分台の若手中心になりますが、ロードの練習は、先のように皇学館大はある程度長けている印象があります。監督に注目が集まりますが、選手たちの力走にも、大きく注目ですね。

愛知工業大学

【過去3年間の成績】
22年度:全日本20位
21年度:
20年度:

E(2点)65分00秒~65分39秒(99回:127-172位、96回:50-97位、95回:130-180位)
苅谷真之介④29分57秒29≪22全1区24位≫
吉田椋哉③30分09秒16≪22全7区20位≫

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
山本駿太④30分09秒83≪22全3区21位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
端野光将④30分26秒99≪22全5区20位≫
岩田玄弥①30分51秒24
ジャムバルドルジ③31分38秒80

G候補
土方悠暉③31分19秒09
金尾凌太②31分57秒21≪22全6区22位≫
大迫汰希①32分06秒52
加藤 晨①32分16秒94
佐々木斗羽③32分19秒32

 前年、全日本大学駅伝に久々に出場した愛知工業大も、箱根駅伝予選会に参戦。東海地区からも2チーム出場するのですよね。学生ハーフに多く出場し、その時監督が参戦表明しています。昨年、全日本駅伝に出場した際に走った主力選手は全員エントリーしていて、ここまではある程度順調に推移しています。

 トラックの持ちタイムでは、4年苅谷・山本・端野選手に3年吉田選手が抜けていますかね。全日本駅伝でも区間20位付近にまとめている選手が多いです。その中で、学生ハーフでは吉田選手が65分20秒と一人いい記録を持っています。全日本7区も区間20位で走っていますので、基本的に稼ぎ頭は彼になるでしょうか。

 学生ハーフでは、苅谷選手も66分台、山本選手も67分台で走っていますので、コースの感覚もある程度掴んでいるでしょうか。主力以外ではドルジ選手も70分切をしていましたね。他、選手層は決して厚くないですが、1年生岩田選手が9月末に30分51秒好記録。着実に強化が進んでいます。学生ハーフは70分台も多かったですが、確実にレベルアップして、予選会に挑みます。

中京大学

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
鶴田燿也②30分40秒60
鵜飼雄矢③30分43秒30≪21全7区26位≫
田中海吏③30分54秒42
木山敬士郎②31分27秒44

G候補
渡邉健志郎③31分28秒33
山岡琉希也③31分50秒84
大谷亮陽①31分58秒30
柴田望海①32分14秒33
窪田亮太①32分16秒55

 かつての全日本大学駅伝常連校だった中京大、近年はなかなか全日本本戦に参加できていませんでしたが、1万m30分台~31分台の選手を揃えて、箱根予選参加を表明しました。エース格は2年鶴田・3年鵜飼選手。1万m30分40秒台ベストを持っていて、全日本予選では、彼らが最終組を担っていました。なお、鵜飼選手は1年時に選抜で全日本駅伝に参戦していて、7区を走っています。久々の全国舞台ですね。

 直近では、1万m30分54秒ベストの田中選手もまずまず。全日予選ではチームトップの31分40秒、9月末の全日本選抜選考会ではチームトップの31分27秒をマーク。今季は一番好調としてもいいかもですね。他、木山選手らも主力候補ですかね。また、1年生も頑張っていて、全日予選を走っている大谷選手が、9月に31分58秒自己べエスト。他にもベストをまとめている選手もいますので、長い距離の練習は地道に積み上げてきている模様。一つ全国舞台で力試しとしたい。

日本文理大学

【過去3年間の成績】
21年度:出雲20位
20年度:全日本24位

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
渕上裕太③30分40秒16≪21出2区17位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
森賀竜斗③30分25秒85≪21出3区20位≫
中前吉広②30分40秒58

G候補
松尾健介④31分15秒71
小西壮太郎③31分16秒07
田中秀紀①31分20秒56
森田琉斗②31分34秒53
西浦雄真①31分56秒35
塩月雄稀①32分06秒83
林 駿甫②32分16秒84
浅田悠太④32分36秒19

 九州地区からは唯一日本文理大も参戦!一時は全日本駅伝常連校になりましたが、エースが強かった2020年度の全日本駅伝、その時に島原駅伝優勝で出場した2021年の出雲駅伝を最後に、チームとしての全国舞台は遠ざかっていました。

 その時に、当時1年生で出雲駅伝を走っていた森賀・渕上選手が順調に成長。森が選手が30分25秒、渕上選手が30分40秒のベストをマーク。九州インカレでも渕上選手が3位、森賀選手が6位とチームをけん引しています。また、全日本予選ではこれに並ぶベストを持つ中前選手が、チーム唯一の31分台をマーク。このあたりがチームの主軸になっていますね。

 このほか、1万m31分台・32分台でずらり。実は5月の大分ナイターで、1万mの記録会に大挙出場。もしかすると、箱根予選も意識し智慧たかもしれません。この時、31分15秒・31分16秒の自己ベストを出した4年松尾、3年小西選手らがエントリー。1年も田中選手らがこの時に記録を出していますね。しっかり調整で来ていれば、この時の記録会の再現で、一つずつ順位を上げていけるか。久々の全国舞台で思い切り走りたい。

信州大学

【過去3年間の成績】
21年度全日本25位
20年度全日本22位

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
田中悠貴②30分39秒61

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
菅沼直紘④31分12秒77
古石浩太郎③31分35秒78≪21全6区25位≫

G候補
飯山 翔②31分44秒91
佐藤 匠②32分20秒75
出澤周大②32分26秒89
森田克馬③32分38秒27
原崎仁貴②32分41秒00
内田善登①32分44秒15

 信州大も参戦はびっくり!ここ2年間、北信越地区は新潟大に惜しくも、全日本駅伝に阻まれていたところ、箱根予選でその姿が見れるように。といっても、出雲駅伝北信越選抜で出走した松林・上甲・三林選手は、エントリーなし。それ以外のメンバーの全国舞台の機会での参戦のような感じですかね。

 主力というと難しいですが、全日本予選最終組に抜擢された4年菅沼・2年田中選手あたりとなってくるでしょうか。田中選手は4月日体大記録会で1万m30分39秒をマーク。これは、エントリー選手中トップ。菅沼選手は、2年時に31分12秒ベスト、全日予選では32分15秒のタイムでチーム4番手とまずまずの結果を残しています。

 その他にも、3年古石、2年飯山・佐藤・1年内田選手など、7月全日本予選で32分台と粘っていたメンバー、今年5月に32分台を出した2年出澤選手ら、1万m32分台には走力が乗っている選手は多いですね。全日本駅伝を目指す過程で、間違いなく総合力は上がっています。一つでも上の順位を目指していきたいですね。

大阪経済大学

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
平野幸季③30分32秒67≪22全6区25位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
寺谷光汰③30分51秒17≪21全6区22位、出5区16位≫
須田真央②30分53秒84≪23関西IC1万2部half9位≫
妹尾楓真②31分10秒05
寺谷壮汰③31分19秒10≪23関西IC1500m2部3位≫
樹 亮太②31分21秒64≪23関西IC1万2部6位≫

G候補
岡田拓海②31分48秒24
楳田知己①32分09秒36
橋本友樹①32分18秒14≪23関西IC1500m2部12位≫
上田康平①32分18秒53≪23関西IC1500mhalf≫
木本悠翔④33分04秒70

 近年、関東地区以外の駅伝チームで存在感を増している大阪経済大。全日本予選も伝統チームを抑えてトップ通過を果たすなど、力をつけています。9月になってから箱根駅伝予選会を参戦を表明しましたが、これはあくまで”練習の場”と捉え、出雲駅伝メンバー以外でのエントリーになりました。それでも1万m30分台~32分台前半で10人揃えてくるわけですから、関東地区以外としては一番選手層が厚いチームです。

 さらに、昨年全日本大学駅伝6区を走っている3年平野選手、一昨年大学駅伝出走の寺谷光選手ら全国駅伝経験のある選手もいますね。彼らは大阪ハーフも走っていて平野選手は67分台・寺谷光選手は68分台。まずまず結果を残しています。彼らは個人としても期待できそうですかね。

 他にも関西IC2部で1万mを走っている2年樹・須田選手に、1年生ながら関西IC参戦している橋本・上田選手ら若いメンバーもエントリーしましたね。1万m31分台なら妹尾・岡田選手ら他にもいます。エントリーは11名とギリギリですが、しっかりとハーフマラソンを走り切って、次に繋げていってほしい。

放送大学関西

【過去3年間の成績】
22年度:丹後駅伝21位
21年度:丹後駅伝19位

F(1点)65分40秒~66分19秒(99回:173-220位、96回:98-140位、95回:181-222位)
山口雄也④31分25秒00≪23関西IChalf3位≫

G(0点)66分20秒~66分59秒(99回:221-266位、96回:141-193位、95回:223-248位)
阿賀康生④31分22秒40≪23関西IChalf≫
日野裕貴①31分35秒42

G候補
篠原亮太②31分45秒88≪23関西IC1万m≫
衣斐俊彦①32分30秒68≪92回予518位、91回予478位≫
外村 翼①32分43秒06≪23関西IChalf≫

 ある意味一番話題になったのではないでしょうか。関西学連所属で、働きながら、大学で学習を行う放送大学が箱根予選にエントリーとなりました。一般的には、社会人の選手の集まりのため、平均年齢は28.8歳。30代のランナーも珍しくありません。基本的には、丹後駅伝で上位入賞を目標に掲げて、活動しているのですが、第100回箱根駅伝予選会の全国化決定の方を受け、チャレンジを決定。また、出場検討の報を受け、2023年になってから入学し、学習しながら走ることを決意した選手もいるくらいです。

 エース格は、1万m31分台で4年生の阿賀・山口選手は、基本的には主力選手。特に山口選手は、2部関西ICハーフで69分台のタイムで3位表彰台に食い込む健闘、その後の記録会でも31分39秒77をマークするなど走力キープ。1500m3分59秒97と放送大記録樹立もあったり、競技力は一番高そうです。阿賀選手も、関西ICハーフ出場後に32分29秒を出すなど、こういう環境の中で結果を出していますかね。

 他では、2年篠原選手は、1万mで関西ICチャレンジ。さすがに上位とはいきませんでしたが、若い選手の間で奮闘しています。日の選手は、入学後もコンスタントに15分10秒台付近をマーク、こちらもチーム内の走力としては高そうです。このあたりはハーフ70分少しでまとめられるかというところでしょうかね?

 また、ニュース報道通り色濃い選手がいます。34歳最年長エントリーとなった外村選手は、清風高で全国高校駅伝に出場、日本大で箱根駅伝を目指していた選手ですので、名前を知っている方も多いのではないでしょうか。今は、GRlabというランニングクラブで活動していています。衣斐選手は、東京農工大時代に箱根予選に出場、91回92回予選に名前があります。当時との記録と勝負していく形になるでしょうか。

 勿論、働いて、家庭がある選手もいて、練習時間はかなり限られている選手も非常に多いです。数人集まっての練習もあまりなく、自分で何とか時間を捻出し、早朝や深夜前に走り込んでいるという状況。現実的には11人でエントリーで、10人以内既定の84分以内完走ができるかどうかでしょう。その中で、”1秒を削りだそう”の精神での懸命の力走は楽しみ。戦い抜いた後の光景は、とても気になりますね。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

Share
Published by
hakonankit