2月・3月上旬は、箱根駅伝出場チームの振り返りや、次年度への簡単な分析をしていきたいと思います。
続いて、
新戦力も活躍!手応えある4着!
國學院大學です
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今シーズン開始時から、ダークホース候補と注目されていました。実業団ハーフで山本選手が好タイム、日本学生ハーフで平林選手が優勝すると、関東ICハーフでは伊地知選手が優勝、4年生エース中西大選手が日本IC5千m2位など、エースが大活躍!
出雲駅伝では、これにルーキー青木選手を1区に配置、エース中西大選手を向かい風が予想された4区に投入。これが的中し4区で2位争いに浮上すると、5区初駅伝藤本選手が粘り、6区伊地知選手が単独2位浮上し、最後まで追いかける構えを見せた。見事な準優勝だった。
全日本大学駅伝では、1区で遅れるも、2区山本3区中西大選手の主力で上位争いに巻き返してくる。5区青木選手が区間賞を獲得すする好走!一気に2位まで浮上します。他校が恐れた7区平林8区伊地知選手も、好走し総合2位。両駅伝ともに準優勝します。
その後の上尾ハーフでは新戦力選手が62分台~63分台前半で好走、甲佐10マイルでは主力選手が好走。絶好調と思われましたが、その後、主力選手に故障者が出て、万全のオーダーが組めない中で迎えました。
4位國學院大學10時間55分01秒
往路4位5時間27分10秒・復路8位5時間27分51秒
区間 | 区間順位 | 名前学年 | 区間タイム | 通過順位 | トップ差 |
1区(21.3㎞) | 12位 | 青木瑠郁① | 63分16秒 | 12位 | 0:32 |
2区(23.1㎞) | 7位 | 平林清澄② | 67分32秒 | 6位 | 1:24 |
3区(21.4㎞) | 5位 | 山本歩夢② | 62分07秒 | 4位 | 1:40 |
4区(20.9㎞) | 4位 | 藤本 竜④ | 61分48秒 | 5位 | 2:18 |
5区(20.8㎞) | 7位 | 伊地知賢造③ | 72分27秒 | 4位 | 4:00 |
6区(20.8㎞) | 12位 | 島崎慎愛④ | 59分59秒 | 4位 | 5:37 |
7区(21.3㎞) | 6位 | 上原琉翔① | 63分21秒 | 3位 | 5:40 |
8区(21.4㎞) | 13位 | 高山豪起① | 65分32秒 | 3位 | 6:35 |
9区(23.1㎞) | 10位 | 坂本健悟④ | 69分14秒 | 7位 | 7:23 |
10区(23.0㎞) | 4位 | 佐藤快成② | 69分45秒 | 4位 | 7:50 |
1区青木選手…1年生ながら出雲駅伝に引き続き、2度目の1区となった青木選手。全日本5区で突っ走って区間賞も魅力でしたが、他選手の兼ね合いもあり、再び大役を担いました。
スローで進む大集団の中での走り。18㎞付近の六郷橋を過ぎる所まではしっかりついていきます。ただ、残り1㎞手前から少しずつ遅れます。トップと32秒差の区間12位にまとめますが、マークするチームからは少し後方になりました。
2区平林選手…前回裏の9区で区間2位の好走を見せていた平林選手が、今度はエースとして華の2区に登場しました。学生ハーフ優勝から、力をつけていて、出雲駅伝3区全日本駅伝7区で他校のエースと戦っていました。
追い上げる展開でしたが、横浜駅前10位権太坂9位と少しずつ順位を上げていました。権太坂以降を定点間5位にまとめて、順大や法大など実力ある選手をも追い抜いて、6人抜き総合6位浮上!
実は12月上旬に怪我をしていて、万全ではなかったのですが、それをも感じさせない走り。個人としても67分32秒の区間7位で、追い上げムードを作ります。
3区山本選手…2年連続3区となった山本選手。前回当時1年生ながら区間5位好走、その後実業団ハーフで60分台を出したのは衝撃でした。今年度も全日本駅伝2区で、1区の出遅れをリセットする走りを見せていました。
前を追いかけるため、突っ込んでいき、山学創価を瞬く間に交わして総合4位に浮上。先頭争いの3校を追いかけます。とはいえ、1分以上前の相手を詰めるのは簡単ではありませんでした。粘りますが、区間5位62分07秒は、ちょっと悔しい走りとなりました。
4区藤本選手…元々過去2度この区間を走っている中西大選手が、出走予定でした。4年間主力選手として引っ張り、直前の甲佐10マイルでも実業団選手に交じって好走。でしたが、その後に故障、年末まで様子を見ましたが出走を断念。
代わりに、最初で最後、そして現役ラストランとなる4年生藤本選手が抜擢。4年目にぐっと力を付けた選手で、出雲駅伝5区全日本駅伝4区で、準優勝に貢献していました。
単独走となりますが、区間上位の走りをキープします。東国大の留学生にこそ交わされますが、後方は寄せ付けません。61分48秒区間4位は、過去の中西選手とほぼ変わらないくらいのタイムで走り切ります。
5区伊地知選手…総合優勝に向けて勝負をかけての配置でした。前回はエース区間2区を担当、その後関東IC2部ハーフ優勝、出雲・全日本ではともにアンカーを走り区間2位の好走を見せていました。前田監督も「パワー型」と期待は高かった。ただ、11月中旬に故障して、強い練習は踏めていませんでした。
そんな中、序盤はさすがの走力の高さを見せて、あっという間に東国大を交わして4位に浮上します。でしたが、宮ノ下を過ぎてから脚色が鈍ります。汗で体が冷えてしまい、思うように動かせません。
下りに入ってから、何とか切り替えて往路4位でゴールしたものの、区間7位72分27秒は、予定通りとはいかず。トップとの差も4分開いてしまい、目標の総合優勝は厳しくなります。
6区島崎選手…5年生の島崎選手が3度目の山下りに挑みます。前回は1区の予定でしたが直前に故障。実業団が決まっていましたが、箱根出場権がもう一度あり、留年を決意。今年は調子が上がってませんでしたが、経験ある特殊区間になりました。
本格的な下りに入って、区間賞ペースの早大の選手に抜かれますが、暫く秒差をキープ。道中で青学大も交わします。ですが、途中で脚にアクシデントがあり、耐え忍ぶ走りに。倒れ込みながら、何とか総合4位でリレーします。
7区上原選手…沖縄県出身ランナーが久々に出場。しかも、高校時代県勢初の5千m13分台を出して、國學院大としてもエース候補として期待。満を持しての初出場でした。
序盤から、区間一桁のペースで走り始めると、中盤で早大を捉えます。そこから激しい3位争い。二宮~大磯間は3番目の走りをします。終盤に振り切り総合3位に浮上!個人としての区間6位63分21秒の上場のデビューでした。
8区高山選手…ここで1年生リレーをしたのですね。箱根駅伝では、あまりいいとされない配置なのですが、上尾ハーフで62分台を出してた高山選手。実力で選ばれました。
区間中位のペースをキープして単独3位を走行。遊行寺坂付近から早大に並びかけられますが、ここで粘りを見せ、最後のスパートで3位をキープします。ただ、区間13位だったため、後方にはかなり詰め寄られます。
9区坂本選手…全日本大学駅伝6区で2年連続堅実な走りをしている選手。箱根は最終学年の今年9区で掴み取りました。最も、前日に痙攣を起こすなど色々大変だったそう。それでも、走れなかった同期中西大選手のサングラスをかけて、意気込んで臨みました。
後方の選手が次々追いついてきて5人による3位集団を形成。それを青学大が追い抜いていき一気にペースアップ。区間2位争い程のペースに15㎞まで食らいつきます。最終的に区間10位69分14秒とまずまず。ただ、総合7位まで順位が下がります。
10区佐藤選手…元々、中西選手がこの区間で何とか調整を続けていたそうです。ですが、31日に痛みが悪化して断念。抜擢となったのが2年佐藤選手。
高校時代からロードの走りの評価は高く、前田監督「本来なら5区山登り」と言うほど。怪我が非常に多かったですが、上尾ハーフで63分少しの成績。調子をあげつつありました。
思い切って突っ込んでいき、ほぼ同時スタートの早大を振り切り6位、勢いのまま法政大にも追いつきます。新八ツ山橋までには突き放して、総合5位へ。失速気味の創価大を交わして4位に浮上します。終盤はさすがに苦しくなりましたが、根性で粘り切って総合4位キープしてゴールします。
出雲・全日本2位からの、箱根駅伝4位。悔しさもありますが、直前で大黒柱が故障した、2区平林5区伊地知選手も、練習を外れていた期間があったことを考えると、かなり粘ったのではないでしょうか。
何より、主力が懸命の走りをしながらも、往路4位。後ろもちらつく中で、7区上原8区高山選手と1年生が続いた場面で総合3位に浮上、9区で後退するも、10区新戦力佐藤選手が総合4位に浮上した。
主力選手と新戦力の選手と噛み合っての成績と言うのが、大きな収穫と言えるでしょう。前田監督が”101回目プロポーズ大作戦”と称して、平林世代が4年生になる第101回箱根駅伝で総合優勝を狙っていく宣言をしていますが…
次年度の大学駅伝も國學院大は、優勝候補の一角として扱われてもおかしくはないかもしれません。
その次年度のメンバー、かなり強力ですよ。
残る今年の箱根メンバー
平林清澄②28分12秒16
≪23箱2区7位、22全7区4位、出3区6位、関東IC1万6位、箱9区2位、21:全7区3位、出6区5位≫
伊地知賢造③28分29秒95
≪23箱5区7位、22全8区2位、出6区2位、関東IChalf1位、箱2区12位、21:全8区1位、出5区2位、箱8区9位、20:全6区10位≫
山本歩夢②28分41秒59
≪23箱3区5位、22全2区7位、出2区6位、関東IC5千9位、箱3区5位≫
高山豪起①29分39秒31≪23箱8区13位≫
青木瑠郁①5千13分48秒61
≪23箱1区12位、22全5区1位、出1区7位≫
上原琉翔①5千13分56秒84≪23箱7区6位≫
佐藤快成②half63分12秒≪23箱10区4位≫
残る補欠メンバー
嘉数純平①28分58秒44
鶴 元太②29分07秒53≪22関東IChalf8位≫
瀬尾秀介③29分13秒24
木村文哉②29分17秒84
その他有力選手
沼井悠斗②29分19秒33≪21:全5区11位≫
三潟憲人②29分20秒81≪22関東IC1500m≫
板垣俊祐②29分21秒44
鈴木景仁③29分22秒10≪22関東IC1500m4位≫
原 秀寿②29分26秒05≪22関東IC5千、箱6区17位≫
後村光星(仙台育英)≪23全国4区8位、22高校1区9位、国体16位≫
野中恒亨(浜松工)≪23全国5区36位、22国体17位≫
山田雅貴(八頭)≪23全国1区26位、22高校1区25位≫
廣瀬弘汰(今治北)≪23全国1区42位、22高校1区38位≫
田中愛睦(八千代松陰)≪22高校7区1位≫
吉田蔵之介(埼玉栄)≪22高校7区4位≫
まずは、今回往路を走った選手が中心核になってきますね。エース区間2区を経験している平林・伊地知選手は、非常に強力。平林選手は早くも67分半ばまで走力アップ。次年度さらに短縮するはず。
伊地知選手は、箱根こそ調整不足でしたが、長距離ロードの実力は屈指。どちらかが2区か5区に配置できるでしょうし、今から楽しみになってきます。
これに2年連続3区好走している山本選手も柱として数えられるでしょう。三大駅伝全て序盤区間を走り続けている、チーム屈指のスピードランナーです。
面白い存在なのが、2年佐藤選手。怪我が多いですが、本来なら5区山登りに適性が高いという選手。前田監督も、ぶっつけとはいえ主力の伊地知選手がうまくいかなかったことは、考える所はあるという。彼が5区山登りいければ、主力を往路平地に固められるので、より強力な布陣を組めるようになるはずだ。
また現1年生の成長が目覚ましい。三大駅伝全て走っている青木選手は、1区でも別の区間でも走れる選手で、もうチームのエース格だ。箱根で7区8区リレーした上原・高山選手は将来有望。丸亀ハーフでは高山選手が61分42秒、青木選手が62分02秒好成績だ。これに、夏前に1万m28分台を出している嘉数選手がいますので、この世代からは目が離せない。
他にも力をつけている選手がいて、関東IC8位入賞していて、今回も走ってもおかしくなかった鶴選手、一度駅伝を走っている沼井選手に、ほぼ持ちタイムは変わらない木村選手。スピードのある鈴木・三潟選手らも距離対応しつつある感じ。
他、伊地知選手の世代が選手層薄いですが、瀬尾選手が2年連続で箱根エントリーと実力を付けつつあります。選手層と言う面では、だいぶ厚くなっている感はありますかね。
箱根駅伝は、ずっと三大駅伝を駆け抜けてきていた中西大選手が12月以降に故障してしまい走れず。平林・伊地知選手も一時故障離脱があった中迎えました。
1区青木選手が粘るも区間二けたでスタート。2区平林3区山本選手の2年生主力選手が簡明に追い上げます。平林選手で6位に、山本選手で4位に浮上します。
4区は、最初で最後となる藤本選手が区間4位と好結果で繋ぎます。5区山登りには、前回エース区間2区の伊地知選手が走りますが、思うような走りとはならず。トップと4分差の往路4位となります。
復路は、6区島崎選手が何とか繋ぐと、7区8区上原・高山選手の1年生リレーで見せ場。上原選手が前に追いつき総合3位、高山選手も区間二けたながら、順位をキープする粘りを見せます。
9区最初で最後となった坂本選手が混戦の中順位を落としますが、10区直前で決まった佐藤選手が快走。本来なら5区山登りもいける素質のある佐藤選手が、3人抜きで総合4位。直前でバタバタした中で、価値ある総合4位となります。
前田監督は、今の平林世代が4年生になる第101回箱根駅伝での総合優勝を狙っていますが、正直次年度もかなり楽しみなメンバーです。
箱根出走者で見ると卒業生は4区と9区の2人のみ。2区経験者は平林・伊地知選手に、往路は青木・山本選手がいます。素質高い佐藤選手が覚醒すると、それだけで往路は埋まってきます。
復路も、鶴・瀬尾選手ら長い距離で安定している選手が出てきていますし、何より現1年生世代が青木選手以外に、上原・高山・嘉数選手ら揃ってきています。
いうて、出雲駅伝・全日本大学駅伝の準優勝に貢献したメンバーも結構います。2位・2位・4位より、さらに高い順位を狙って取っていきたいところです。
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