そろそろ箱根駅伝2021の余韻が冷めつつありますかね。
レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。
続いて、首位争いが一気に絞られた6区山下り!
他の区間
【箱根駅伝2021】1区定点間分析~激しいペースの上げ下げを振り返る
【箱根駅伝2021】2区定点間分析~話題!駒大田澤選手の推移をみてみる?
【箱根駅伝2021】3区定点間分析~序盤駒大小林・中盤東海石原・終盤は…!
【箱根駅伝2021】4区定点間分析~山学オニエゴ選手以外で定点間トップ者は!
【箱根駅伝2021】5区定点間分析~東洋宮下VS帝京細谷選手も、下りは別の選手がトップ!
ページコンテンツ
走り出した順番と差、それぞれの実績を簡単にまとめています。
なお、時差スタートと一斉スタート注意!
トップ創価大濱野選手を初め、東洋九嶋・駒大花崎・帝京三原・東海川上選手ら、総合優勝を争うだろう上位5チームが大学駅伝初出場のランナー、神大・早大・城西あたりはルーキーとなりました。とはいえ、復路の出足の山下り大事になってきます。
他では、連続山下りを務める順大清水選手が7位、国学島﨑選手が9位スタート、前回平地からコンバートとなった東国芳賀・拓大佐々木選手らもシード権獲得へ向けて大事なポイントだ。
シード圏外からは、復路逆襲を狙う青学大は初出場の3年髙橋選手、明大は3年連続山下りの前田選手で一気に逆襲を駈けます。他にも国士大曽根・中大若林選手ら下位チームにも前回好走者の名前が。どんな走りをするか気になった。
芦之湯5.1㎞
参考:96回2位今西(東洋)15分33秒
山下りは、最初の芦之湯定点までは上りの区間トップを行く創価濱野選手はスピードランナーの2年生。上りはやや苦しそうだが、ストライド走法が下りに入って合うのではないかというのが1号車解説の評。16分06秒は最初は区間11位、ひとまずはここからというスタートとなった。
2位争いは動きがあり、駒大花崎選手が東洋九嶋選手に早くも追いつき2位浮上。定点間3番だが、15分56秒と差は10秒縮めた程度。やはりここも下りに入ってから、という形ですが、花崎選手のガタイの良さが非常に印象的でした。
その後ろ、56秒差があったはずの東海川上選手が上りの途中で帝京三原選手を逆転して4位へ。実況では川上選手が突っ込んだ入りとみたが、どうみても帝京三原選手が苦し気だった。2㎞地点でもう脚に違和感があったというが、この時は知る由もなし。区間順位断トツ最下位となる17分29秒での入りが非常に気がかりだった。
東国芳賀選手を挟んで、3年連続6区山下りの順大清水選手が猛然とダッシュする15分40秒の入りはここまで全体トップ。引き離された神大宇津野選手もまずまず、その後ろ経験者の國學島崎選手もいい入りだ。
その後方、シード権争いが一気に詰まって来た。10位拓大佐々木・11位早大北村選手が比較的スロー。ここに12位青学高橋、13位浮上の明大前田選手が15分台で突っ込んで入って来た。髙橋選手は定点前には北村選手に追い付き併走へ。そのまま前を追いかけていく。
17位国士大曽根選手の後方、一斉スタートでは中大若林選手も15分59秒のタイムで一気に前へ。食らいついた連合東経大大川選手をちょうど離したところで定点。若林選手は前年ルーキーながら区間10位。純粋に区間タイム順位が気になる選手だ。
小涌園前9.0㎞
芦之湯5.1㎞
定点間3.9㎞
参考:96回7位今西(東洋)10分49秒<3>26分22秒
下りに入って創価大濱野選手が切り替わった。ストライド走法が下りで空中での距離を稼げるとの解説通り、下りに適した走り方に見えました。この定点間は10分42秒で5番目のタイムと順位を上げてきました。創価大がまだ区間一桁順位がない苦手な区間ですが、ここはひとつ盛り上がったところだ。
それを凌ぐ走りをしているランナーが2位争いを制した駒大花崎選手。本人談、ガンガン攻めていったという談話が後にありましたが、トップとの差1分58秒になり、定点間10分29秒。これは前回の出走者の最高タイム10分34秒よりも早いタイムだ。
これよりも早く突っ込んだのが、前回10分34秒で入っている順大清水選手。10分27秒のタイムで、総合で区間記録に僅か1秒と迫る好走。ペースが上がらない東国芳賀・帝京三原選手を一気に捉えて順位を上げにかかる。とはいえ清水選手は過去2回も序盤は好タイムも、終盤で失速し区間二けた順位。この後がポイントだった。
抜かれたうち帝京三原選手がやはり非常に厳しい走りになっているのが気がかり。下りに入ってすぐに脚から”パキン”という音が聞こえたとのこと。痛みも伴い始めていて、慎重に走らざるを得なかったところ。ここは我慢のレースとなった。
後方、9位国学島﨑選手が単独走ながらしっかりペースを刻み総合区間3位で通過。10位争いは下りに入って早大北村選手が切り換えて、青学高橋選手を突き放していく。その髙橋選手の後ろ、なんと城西野村選手が拓大佐々木選手を捉えて迫って来た。この定点間はなんと3番となる10分33秒。山をルーキーで固めた城西大が追い上げています。
そして後方、すぐ来るだろうと思った明大前田選手が意外と追ってきていない。なんと定点間17番のタイム。今季はトラックを見る限り必ずしも上がってきてなかった中、最初の定点を前回より11秒早い入りはやや突込み過ぎたのか。ここもやや気に案る通過だった。
後方は、まだペース上がり切れていない日体菅沼・法大須藤選手らを挟んで一斉スタート組が次々に通過していく。ここは20番目以降の山学日影・専大南選手が頑張って定点間10番前後。ここは流れに再度入るチャンス、ここからあげていけるかどうか気になるところだった。
大平台13.4㎞
小涌園前9.0㎞
定点間4.4㎞
参考:96回4位今西(東洋)11分31秒<3>37分53秒
一番下りの傾斜のきつい宮ノ下を含む定点間、ついにここで駒大花崎選手が定点間トップに!11分21秒は、前年定点間トップだった青学谷野選手と全く同タイム、区間タイム37分46秒は歴代2位東洋今西選手を7秒上回るペースだ。創価濱野選手も定点間5番で走っていますが、1㎞数秒ずつ詰まっていきます。
それから4位東海三上選手もこの定点間は2番目と非常に早いタイム。5位順大清水選手を引き離し始め、3位やや失速気味の東洋九嶋選手を射程圏内に捉え始めていた。復路は全員初出走になる東海大ですが、総合優勝は諦めていません。
シード権争いは、10位早大北村選手がいいペースをキープ。青学高橋選手を寄せ付けない走りを見せる。城西野村選手がさらに追い上げてきていてなんと低手間2番!青学大に食って掛かる。後方、13位拓大佐々木選手が完全に引き離されシード権から1分後退。すぐ後ろにいる明大前田選手が追いかけきれない様子だった。
函嶺洞門17.0㎞
大平台13.4㎞
定点間3.6㎞
参考:96回1位今西(東洋)9分10秒<2>47分03秒
トップを行く創価大濱野選手の表情が険しくなってきた。定点間もここで9番目まで後退。2位駒大花崎選手が快調な走りで、トップまで1分半を切って来た。花崎選手定点間9分04秒は、前回定点間トップ東洋今西選手の9分10秒よりも早いタイム、ここにきて順大清水選手を区間タイム上で捉え区間トップのタイムに!下りは物凄いタイムだった。
東海川上選手も定点間2番目のタイム。一気に東洋九嶋選手を捉えていった走りは見事。本人が課題としている終盤の粘りは果たしてどうか。6位争いは脚を痛めている帝京三原選手が何とか頑張って、神大宇津野選手とバトル。故障明けの東国芳賀選手は連続定点間最下位に。8位國學島崎選手が迫ってきてどうやらシード権争いに巻き込まれそうな様相だった。
さて、下位のチームでここで定点間トップのタイムを出す選手が出てきました。山学日影選手が9分01秒と物凄いスピードで駈け下りてきました。法大須藤選手を捉え、さらに国士曽根・日体菅沼選手、区間一桁で下る中大若林選手までしっかり見える位置まで一気に浮上!2年ぶりの出場で準備が遅れている山で山学大が奮闘しています。
小田原中継所20.8㎞
函嶺洞門17.0㎞
定点間3.8㎞
参考:96回1位今西(東洋)10分31秒<2>57分34秒
創価大濱野選手が懸命に走ってきました。終盤は意識が遠のく程苦しくなったそうですが、トップは堅持。59分半が設定タイムだったところ、58分49秒の区間7位は出し切ったと思います。
そして遥かにしのぐ勢いを最後まで堅持した駒大花崎選手が凄かった!最後の平地も定点間2番目。「57分台が出る」「区間賞と秒差(実際は断トツ)」との檄も響いたみたいですね。57分36秒と歴代3位のタイムを叩き出し区間賞を獲得!
結果的に最後の平地で、創価大をさらに21秒詰めて、1分08秒差!駒大がついに優勝戦線に浮上しそうな勢いだ。
3位争いは、東海川上選手が最後はやや苦戦。と はいえ58分台の区間5位とまずまずの走りを見せました。4位東洋九嶋選手としては前が見える位置でとどまり、次の区間エース選手へ繋ぎました。
5位には順大清水選手。例年苦しむ終盤も、今回は凌ぎ切り58分06秒の区間2位の走り。本当は最後は9区予定も、不調選手が出て前倒し6区に。同学年の選手との入れ替えに、悩んだ時期もありましたが、出し切りました。
1分半近く開いて、6位からが一気に雪崩れ込んできました。神大宇津野選手が59分半ばでしっかり走り切り6位。最後の平地は切り替えた東国芳賀選手がすぐに7位、終始好調だった國學島崎選手が58分半ばのタイムで8位で飛び込みました。
そしてその後方まで下がった帝京三原選手。平地に入ってからは激痛となったらしく、懸命に完走した状況。すぐに病院の検査で疲労骨折が判明したということで…夢の3位表彰台は遠のきましたが、シード権内で繋いだのはよくやったと言えそうです。
その直後、10位まで浮上したのが青学・髙橋選手!最後の平地区間は断トツトップの10分32秒!一時離された早大北村選手に追いつき、さらに突き放してシード権内に!北村選手もラストは落ちていませんので相当なパフォーマンス。いつの間にか58分13秒の区間3位のタイムを残していました。
11位早大北村選手も58分55秒、続いて最後には失速してしまいましたが、12位城西野村選手も59分11秒と、次年度以降大きな収穫ですね。
続いて、最後何とか切り替えた明大前田選手が、拓大佐々木選手を捉えて13位で通過。とはいえ、シード権とは2分近い差がついてしまったが果たして…。
15位には最後の平地で定点間3位を記録する好走を見せた国士大曽根選手がトップと9分51秒差。本調子ではなかったものの、前年の経験者がタイムをしっかり短縮させています。終始安定していた中大若林選手がその直後で16番目、58分45秒区間5位と活躍しています。時差スタート選手を追い抜き、まずは復路好スタート。
続いて、ラストの平地はまとめた日体菅沼選手が17番目、総合は16位へ。続いて先ほど定点好走の山学日影選手、全体でも59分06秒とあげてきた。19番目に法大須藤選手が中継所へ、最低限59分台の自信はあったそうですが悔しい60分台。
見た目から11分少しで最後の2チーム。20番目で連合の東経大大川選手が駆け込んだ。中大若林選手に食らいつき息切れしましたが最後持ち直しました。最後に専大南選手、ここもしんがりになりましたが、南選手は60分少しでまとめていたので一斉スタート組のレベルが高かったですね。
・下りで圧倒的適性!駒大花崎選手が57分台区間賞!
・濱野選手が58分台でまとめ首位堅持の創価大
・順大清水選手、3年連続6区で激走区間2位!
・下りの青学さすが!髙橋選手が区間3位で10位へ
・早大北村&城西野村選手のルーキー光る
・6位から11位が1分01秒差の大混戦!
・下位では中大若林&山学日影選手の好走!
・疲労骨折も一人で駆け下りた帝京大三原選手
ここは駒大が一気に攻勢を仕掛けた区間ということになりましたね。満を持して起用された3年生花崎選手が、監督の想定を1分以上上回る57分台!3年かけて準備はさせていたそうですが、凄かったですね。
ここでトップとの差は1分08秒差に。かなり詰まりましたが、トップ創価大も濱野選手が大役を果たして58分台。後ろが追いやすくなるといわれる1分00秒は割らせませんでした。これもまた優勝争いが最後までもつれた遠因にもなったかな?
他でみると、東海大が3位に浮上、5位に順大が浮上。特に順大は清水選手が4年生主将として懸命の激走!今回の順大はギリギリでメンバー落ちした4年生も多かった中、想いを抱えた力走でした。
序盤で疲労骨折を起こしながら、何とか駆け下りた帝京三原選手も精いっぱいの走り。しかも6区は終盤まで監督車はつかないので、ほぼ自分の判断でのペースメイク。美談にはできないですが、チームを救う走りでした。
その帝京大を交えた大混戦となったシード権争い。青学高橋選手が素晴らしい走りで10位まで上げてきたことで、一気に盛り上がってきましたね。やはり復路は強そう。これに食いついた早大北村・城西野村選手のルーキー勢はナイス。
下位では、中大若林選手や国士曽根、山学日影選手がナイスな走り。往路とはまた違う流れにするきっかけづくり。見た目最下位でも11分少しでまとまっていて、全体的に僅差の中、勝負の復路に入っていきます。