新型コロナウイルスの影響は陸上長距離界にも大きな打撃を与えています。
出雲駅伝2020は本戦そのものが中止の方向で話が進んでいます。また、全日本大学駅伝2020、箱根駅伝2020は今のところ中止の話は出ていませんが、予選に関しては例年と違うところも出てきています。
全日本大学駅伝2020の関東地区の予選に関しては、各チーム書類選考での10000m上位8名の合計タイムの低い7校を選出。
物議をかもしたのが、2019年1月1日~12月31日の間の記録と限定されたこと。これにより、2020年春先に行われた記録会が反映されない(これにより、記録ラッシュの中央大が圏外に…)
また今年度の戦力を無視することになるなどありましたが…。公平性という観点からすると、ある程度仕方ない措置だったのかもしれません。自前の記録会が開ける開けないは大学によって差がありますから。
さて、駅伝ファンにより、合計タイムの低い7校は既に計算され、そのまま確定か…と思われましたが、ある選手の休部などでもう一波乱ありました。
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参照サイト:https://daigaku-ekiden.com/
1位日本大学3時間51分41秒33
チャールズドゥング②28分12秒34
樋口翔太②28分43秒88
横山 徹④28分44秒31
武田悠太郎④29分03秒91
野田啓太④29分07秒48
松岡竜矢②29分11秒82
岩城亮介②29分12秒69
若山 岳②29分24秒90
そんな中、トップ通過を果たしたチームはちょっと意外でした。日本大学が良かったのですよね。確かに、ドゥング選手が昨年の兵庫リレカで28分12秒を出していました。
それから4年生で箱根駅伝を経験している横山・武田・野田選手が29分前後の持ちタイム、それから新2年生期待の樋口選手らが昨年末の記録会でタイムを出してしましたが、トップ通過となるのはちょっとびっくりですね。
駅伝に関しては、箱根駅伝で繰り上げスタートになるなど苦戦していましたが、伸び盛りの選手は大勢。とてもいい力試しの機会になるはずです。
2位中央学院大学3時間51分56秒06
栗原啓吾③28分35秒00
髙橋翔也④28分36秒40
小島慎也②28分42秒41
小野一貴③29分01秒97
戸口豪琉④29分12秒88
青柳達也③29分14秒65
吉田光汰③29分15秒02
石綿宏人④29分18秒43
駅伝常連校が危なげなく通過といったところでしょうか。度の大会でも中位、シード権争いには安定して絡んでくるチームです。10000mの平均タイムも、昨年秋に複数回出場していてかなり高かったですね。
元々4年髙橋選手が実績では抜けていたのですが、その後多くの選手の自己ベストラッシュに沸きました。栗原・戸口選手も絶好調時はエース選手と言えるほどの走力をつけました。
他にも怪我さえなければ昨年から活躍しただろう2年小島選手、高いレベルでレギュラー争いを繰り広げる小野・青柳・吉田選手ら3年、箱根復路を走った4年石綿・2年武川選手と揃っています。全日本からしっかり戦えるチームです。
3位明治大学3時間52分06秒11
小袖英人④28分34秒33
手嶋杏丞③28分40秒72
鈴木聖人③28分48秒12
前田舜平④29分07秒47
小澤大輝②29分10秒82
長倉奨美④29分12秒11
金橋佳佑③29分13秒20
村上純大④29分19秒34
今季一気に表彰台以上の成績を収めてもおかしくない明治大。昨年の持ちタイムでもしっかりと3位の上位通過していますね。
エース級の選手が何人もいるのですよね。箱根往路の躍進を支えた4年小袖・3年手嶋・鈴木選手は勿論のこと、他にも29分少しで自己ベストをまとめている選手がずらり。
なお、今年の飛躍が楽しみな2年加藤・櫛田選手あたりがこのランキングに入ってきていませんし、新入生も力のある選手がいます。彼らスピードいランナーに、村上・金橋選手らロード型ランナーも。序盤から載れれば面白いチームです。
4位順天堂大学3時間52分28秒87
清水颯大④28分39秒54
原田宗広④28分56秒93
野口雄大④28分58秒97
吉岡智輝③28分59秒08
西澤侑真②29分11秒29
人見隆之③29分12秒51
近藤亮太③29分13秒93
小島優作③29分16秒62
昨年の全日本駅伝本戦で驚きのトップ中継~6区終了時総合2位の大健闘を収めていた順天堂大もしっかりと通過をしています。それを支えた選手も結構残っていますかね。
スピードのある野口・原田・清水選手の4年生3人が28分台でチームを引っ張っています。これに駅伝に強い2年西澤選手もいます。3年生は吉岡選手ら持ちタイムが上がっている選手もいて、出番があるかどうか。
他にも3月末の学内記録会では2年伊豫田・野村選手ら、西澤選手以外の2年生が躍進!チーム内は大きく様変わりしているかもしれません。昨年以上の継走なるか。
5位山梨学院大学3時間53分12秒57
ボニフェス ムルア②28分17秒36
森山真伍④28分52秒37
田矢聖弥④29分07秒44
松倉唯斗③29分10秒44
坪井海門③29分12秒02
瀬戸祐希④29分17秒41
吉田 巧④29分37秒26
渡辺晶紀③29分37秒85
うれしいですね。昨年度の駅伝は、箱根駅伝の連続出場が途切れという悪夢を味わった山梨学院大が、全日本の予選を通過します。ここ2年一気に戦力低下しましたが、全日本予選は健闘していたのでこちらのほうがチームとしては合っていたかも?
最近の記録会ではムルア選手が本格化し始め、さらに4年森山選手がエースに成長してきていました。戦える2本の柱が出てきているのですよね。
他にも田矢・松倉・坪井・瀬戸選手と言ったスピードランナーが多いですね。これに、箱根駅伝に連合で出場した渡辺選手といったロード型ランナーが合わさり、いいチーム状況になるか。上り調子のチームの勢いに注目です。
6位日本体育大学3時間53分22秒26
池田耀平④28分47秒05
亀田優太朗④29分01秒81
大内一輝④29分04秒21
野上翔太④29分08秒96
大内宏樹③29分15秒57
太田哲朗④29分16秒12
加藤広之③29分23秒81
嶋野太海④29分24秒73
昨年度、全日本駅伝・箱根駅伝ともに苦戦を強いられた伝統校日本体育大ですが、全日本の本戦の切符は今年も確保してきました。自前の記録会があるとはいえ、走力があがってきている選手は多いのですよね。
エースが4年池田選手。1万m28分台は素晴らしい成績ですが、ロードや駅伝でさらに+αが出てくる選手ですので、非常に楽しみなランナーの一人です。また、トップ8からは欄外ですが、2年藤本選手も期待の高いランナー。まずはこの2人が引っ張ります。
この他では駅伝は経験したけど、苦汁を舐めたランナーでしょうかね。今年の箱根を走った亀田・大内・野上・太田・嶋野選手ら新4年はそれぞれ区間下位で納得いく成績ではなかったでしょう。これらの力強さが日体大の浮沈のカギを握ります。
7位城西大学3時間53分27秒64
菅原伊織④28分31秒46
菊地駿弥④28分47秒75
砂岡拓磨③29分06秒55
松尾鴻雅③29分13秒27
梶川由稀④29分15秒22
雲井崚太④29分24秒91
宮下璃久③29分33秒95
貴田勇斗④29分34秒53
次点…と思われた城西大が、まさか最後の一枚の切符を勝ち取ることになりました。前回箱根駅伝予選落ち直後の中、序盤主導権を握る意地を見せていたチームです。
主力選手の名前を聞くと本当に楽しみなのですよね。城西大のスピードスター菅原選手に、ロードで逞しい走りを見せる菊地・松尾選手、新戦力候補としてあがってきた砂岡・梶川・宮下選手等々。
例年通り、勢いに乗れば一気に上位にきそうで、乗れなければ思わぬ下位に低迷しそうなチームなのは変わりないですが、調整さえあれば今年のチームは全日本駅伝向きのチームのような?
8位中央大学3時間53分34秒55
三浦拓朗③28分56秒44
池田勘汰④29分08秒30
川崎新太郎④29分08秒56
大森太楽④29分09秒35
森 凪也③29分09秒57
千守倫央②29分18秒56
助川拓海②29分21秒42
井上大輝③29分22秒35
ホクレンなど今年度行われた記録会で台風の目になっていた中央大が、2019年の成績では、残念ながら次点に泣くことに…。今年3月、1年生の吉居選手が28分35秒のチームトップの記録を出し、先日は5千mで13分26秒のU-20日本記録を樹立したばかりなだけに悔しさもひとしお…ですね。昨年も次点でしたし、全日本復帰には苦難が続きます。
チーム構成的には勝負をかけられる年なんですよね。3年三浦選手はじわじわ成長、エース級の森選手も状態が戻ってきました。2年千守選手も勢いがあります。そして池田・川崎・大森・三須・矢野選手ら経験豊富な4年生が多い。是非とも。箱根で爆発してほしいチームです。
9位創価大学3時間53分35秒77
フィリップ ムルワ②28分38秒32
原富慶季④28分49秒57
右田綺羅④28分52秒61
福田悠一④29分12秒34
中武泰希③29分26秒21
小野寺勇樹③29分27秒14
葛西 潤②29分32秒68
石津佳晃④29分36秒90
嶋津雄大③29分15秒71※休部
発表になった瞬間、駅伝ファンが一番びっくりしたのが創価大の予選落ちでしょう。タイム計算上では間違いなく、トップ7に入っているはずで。その後出てきた情報によると、箱根10区区間記録保持者となった3年嶋津選手が休部したとの情報が。彼を計算に入れないと順番が入れ替わってしまうようですね。こればかりは本人が将来を考えてのことなので致し方ないことです。能力は高い選手ですので、また帰ってくるこをと待っています。
それにしても全日本駅伝は4年前も手中からするりと出場権が零れ落ちたことがありますし、全日本駅伝の初出場が遠い…。チームとしてはムルワ・葛西選手ら伸び盛りの若手選手に、福田・原富・石津・右田選手箱根初シードのメンバーとなった4年がずらり。勝負年、箱根にかけてくるパワーがいかほどか目が離せないチームです。
10位神奈川大学3時間53分58秒43
川口 慧③28分48秒33
北﨑拓矢④28分57秒30
小笠原峰人④28分59秒71
呑村大樹③29分02秒58
安田 響③29分23秒68
井手孝一④29分25秒83
島崎昇汰②29分33秒42
横澤清己③29分47秒58
神大も惜しいところにきたのですよね。エースの井手選手が29分25秒にとどまっていますが、駅伝で+αが出るタイプ。是非とも箱根でもう一度光ってほしい。これに箱根で区間一桁で注目の存在となってきた川口選手あたりが主力でしょうかね。
他、4年北崎・小笠原、3年安田選手あたりがもう一つ走力が上がってくるかどうか。スピードのあるに西方・呑村・島崎選手らが一段と逞しくなってくるといいチーム構成になってくるのではないでしょうか。
11位駿河台大学3時間54分35秒65
ブヌカ ジェームス③27分45秒59
吉里 駿④28分54秒02
河合拓巳④28分57秒98
堀内弘輝④29分34秒07
町田康誠②29分46秒02
石山大輝④29分46秒61
阪本大貴③29分49秒22
小泉 謙②30分02秒14
箱根予選で、初出場にじわりと迫っていた駿河台大も、全日本本戦出場あと一歩に近づいていたのですよね。なお、トラック10000mでは19番目ということで、箱根出場圏内付近には付けました。
大エースのジェームス選手・スピードのある吉里選手が抜けている存在と思っていたのですが、そうでもなくなってきました。河合選手も1万28分台、他にもロードで結果を出した選手が複数います。ケニア合宿からコロナの影響で帰れないなどアクシデントもありましたが、そのあたりも力にして箱根初出場へむけて邁進しています。
12位大東文化大学3時間54秒36秒70
片根洋平③28分49秒33
倉田 蓮②29分13秒24
井田 春②29分15秒51
大野陽人②29分19秒67
蟹江翔太②29分21秒17
三ツ星翔④29分29秒19
吉井龍太郎④29分30秒28
久保田徹②29分38秒31
昨年の箱根予選で全く戦えず惨敗した大東大でしたが、1万平均持ちタイム上は、全日本本戦に近づいていました。なんといってもエースに成長した3年片根選手に、期待の成長株2年生がずらり。倉田・井田・大野・蟹江選手から抜け出すのはだれか。ホクレンを見る限りは倉田選手かな?
これにロードで手堅い走りをする4年生三ツ星・吉井選手がいますから、バランスは比較的取れているのですよね。箱根予選を思うと、選手層は決して厚くはないので、慎重にチームを整えていく必要がありそうです。
13位東京農業大学3時間54分42秒69
工藤 颯④28分50秒30
山口 武④28分51秒49
櫻井亮也④29分02秒77
平間大貴④29分26秒66
福脇昭也④29分27秒65
高橋光晃①29分32秒20
小山日颯④29分42秒68
杵渕竜弥②29分48秒94
久しく三大駅伝から遠ざかっている東京農業大が、全日本出場ラインに迫りました。まずは4年生がずらりと並びますね。箱根駅伝に連合で出場した山口選手のほか、1万m平均タイムでは前後する工藤・櫻井選手、平間・福脇選手も走力を伸ばしてきました。
さらに実業団経由のルーキー高橋選手も昨年29分32秒の結果を残していました。このあたりの記録も入れています。他にも有力ルーキーいるので注目のチームの一つなんですよね。ホクレンでは結果が出ませんでしたが、どこまで箱根予選本戦に合わせられるか注目です。
以上、合計タイム3時間55分以内のチーム
14位拓殖大学3時間55分22秒17
15位麗澤大学3時間55分58秒12
16位国士舘大学3時間56分17秒52
17位法政大学3時間56分32秒42
18位上武大学3時間57分09秒48
19位筑波大学3時間58分03秒51
20位亜細亜大学3時間58分33秒81
21位桜美林大学4時間01分32秒64
22位関東学院大学4時間03分38秒29
他の地区も9月頃に開催されるということで一致しましたね。関東地区に続いて参加チームが多い関西地区は書類選考で4枠のうち3校を決めて置き、9月に残り1枠を決めるそうです。
これだけ予選の開催の先行きが見えているということは、今のところ、伊勢路は開催の方向で話が進んでいるということでしょうか。
大学駅伝ファンにとっては、あまり入ってほしくないニュースが入ってきましたね。
出雲市の自治体側が、開催難色を示しており、中止の方向で話が進んでいるとのことです。地方の方が感染者の数が少ない…と一瞬思ってしまいますが…。
・感染者人数が少ないからこそ、できる限り住民を守りたい
・感染者は関東からの出張帰りなど、県外から持ち込まれていること
・大会役員が高齢者の方が多く、安全性の確保が難しい
・医療体制が脆弱なため
などなど理由があるようで…。
おそらくさらに人が集まるだろう全日本駅伝・箱根駅伝に対しても、
本戦は見通しが立っているわけではありません。
どう対策を立てていくか、予選は行うので、何とかして開催する方向で
調整しているのでしょうが、無事開催されるよう祈るしかありません。
さてその予選会に関しては箱根駅伝に関しても情報が入ってきました。
人の密集を避けるため、無観客試合で行うとのこと。その実現のために、駐屯地の周回コースにするとのことで。
それは名案!駐屯地のみにするなら、立ち入りは関係者のみにすることはできます。東京マラソンなどを見ていて思いますが、呼びかけても観客はどうしても集まってしまうでしょうから…。
そして、予選開催中の密集を避けるために、予選参加校を減らし、出走人数を抑えようとしていますが…。ここは何とかならないのかなぁとどうしても思ってしまいますが、致し方ない案か。おそらく非強化チームを中心に猛反対が起きているともいますが、ここは見守るしかないかな。
個人的には、開催を2レース、3レースにするなど、分けてリスクをそれほど増やさず開催することは可能とは考えますがどうなるでしょうか。
駅伝の場合、本戦に関しては速い段階でレース展開が縦長になっていくはずなので、選手の密は襷リレーや中継ライン付近で済むはずです。全国的な大会では宿泊が問題にはなってきますが、ここは各大学対策を練っていくとしか言いようがないでしょうか?観客が問題ですが…
個人的には、屋外に関しては今現状ではコロナコロナ言い過ぎでは…と思っています。基本的には密閉された空間で長時間しゃべる状態と思っています。外で観戦することで、どれだけコロナ感染のリスクがあるのか。このあたり開催の余地への議論にはありそうです。
あとは主催者・関係者・選手など、開催したいという熱意・努力・創意工夫ということになってくるのかなと思います。無事に駅伝・ロードシーズンが行われることを祈りましょう。