箱根駅伝2020が終わって時間がたちましたね。
今年も、区間ごとの定点間分析を行っていきます。
続いて、7区になります。こちらは、明治大阿部選手が当日変更で入ってきて、どのくらいの記録が出るかワクワクしましたよね。他、優勝争い・シード権争いともルーキーが試合を動かしました。
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中村(青学)①
木付(國學)②2:16
松崎(東海)③3:21
真船(東国)④5:25
阿部(明大)⑤6:25
小林(駒大)⑥6:53
蝦夷森(東洋)⑦7:15
中村(帝京)⑧7:37
吉田(中学)⑨8:08
右田(創価)⑩8:25
兒玉(拓大)⑪10:01
鈴木(早大)⑫10:03
松岡(日大)⑭11:40[13]10:03
宮田(麗澤)(17.5)14:25[14]10:47
清水(国士)⑲18:23[15]11:02
森(中大)⑬11:31[16]11:07
川口(神大)⑰14:07[17]11:12
小畠(順大)⑮11:56[18]11:20
大内(日体)⑱15:01[19]11:42
松澤(法大)⑯13:33[20]11:49
杉山(筑波)⑳19:29[21]12:52
トップ青学は、”やっぱり4年生は強かった”大作戦、最後の出走4年生中村選手。昨年秋になって伸びてきた選手、出雲駅伝で「駅伝力0点」と原監督より酷評を受けた中、這い上がってきた選手。最初で最後の箱根駅伝に挑む。
2位争い、國學院木付・東海大松崎選手は、11月以降に台頭があった選手。勢いでどこまでいけるか。後方も、1万m現役日本人学生トップタイムを持つ明大阿部選手に、駒大小林選手ら実力者が揃う。
シード権争いは、中学吉田・創価右田選手が逃げ、1分半以上の差を拓大兒玉・早大鈴木選手らが追いかける流れとなった。
参考:94回林(青学)33分36秒
序盤区間記録を上回った青学中村選手が定点間2位!
トップでもらった青学4年中村選手が飛ばしに飛ばす。最終学年の急成長、トラックは学連記録会1万mでチームトップ、駅伝力も徐々について、箱根駅伝出場を勝ち取った選手だ。
最初から2分50秒前後のラップタイムを刻み、4㎞は11分08秒。6㎞の地点で区間記録を5秒上回るペースだ。原監督「勝負は15㎞から」という声がかかるが、単独トップに立っても攻めていく青学スタイルは変わらない。
10㎞28分59秒で通過後、二宮定点では区間記録からは15秒遅れているが、定点間2位のタイム。2位争いも少し引き離していったようだ。
その2位争いは、國學木付選手に、東海ルーキー松崎選手が2㎞付近で追いついてから並走が続く。10㎞通過は29分20秒程、トップよりは遅いが7区であれば中々のレベル。二宮で2分37秒差に広がったが今後に注目だ。
区間記録ペース明大阿部選手の後ろも早かった!
この区間大きな注目は明大阿部選手。1万m27分台の持ちタイムは、現役日本人学生最速、ユニバーで世界と戦った経験も持ちます。ただ、夏に膝・腰・股関節・腸腰筋と次々に故障。復路に何とか間に合わせた格好だ。
それまで、走れるようになればやっぱり本物。1分あった前の東国真船選手との差を、8.5㎞で10秒差にまで縮める。ここから、真船選手が粘りを見せて、10.2㎞でも10秒差のアナウンス。
それでも二宮定点でちょうど阿部選手が追いついた格好だ。共に学法石川高出身の同級生。しかも、前年の箱根駅伝でも同じ3区で対決している仲。
試合前も「なんでお前が7区にくるんだよ」「こっちの台詞だ」と言いながらのアップだった。なお、阿部選手は、この地点で8秒区間記録を上回るペースだ。
その後ろも実力者が続く。調整に不安があったということで復路に回った駒大小林選手も懸命の走りでここまで定点間3位、初駅伝の東洋蝦夷森選手も駒大を追いかける形で定点間4位。往路で遅れたとはいえ、このあたりはやはり実力校といった印象だ。
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ゆったりのシード権内、11位以降急追中
帝京中村選手を挟んで、9位以降はシード権争いだ。2年連続7区出走の中学大吉田選手に、創価大右田選手がじわじわ接近してくる。中継所で17秒、8.6㎞地点で10秒、二宮定点で6秒となっている。
とはいえ、中学吉田選手が区間18位、創価右田選手が区間14位。逃げる側としては前半抑えて入っただろうか。
追う方はやはりかなり突っ込んで入っていて、特に早大ルーキー鈴木選手が区間5位タイの好走。この後ろ、ほぼ一緒に走り出しただろう拓大兒玉・日大松岡選手が少し突き放された形で二宮を通過。
10位と11位の差は55秒差。差はあるが、中継所で1分半以上の差があったことを思うとかなり追ってきているといって良さそう。このあたり、もっと注目したら面白かったですが…。現状の流れだ。
参考:94回林(青学)19分26秒<53分02秒>
2位争いに決着をつけた東海松崎選手が定点間2位!
二宮定点直後、2位争いに動きがあった。12㎞過ぎ、東海松崎選手がスパート。國學院木付選手も粘っていたが、14㎞あたりの映像ではかなり突き放していった。トップとの差も900mまで開いたのが、800mと詰まったというところ。
トップ青学中村選手は、この定点間はやや疲れていて、15㎞44分26秒。10㎞から15㎞は15分27秒かかっていた。竹石選手から力水を受けるも、お腹を押さえる場面もあり、1㎞3分10秒かかったところもあった。
1位と2位の差はぐっと縮まり2分00秒へ。東海松崎選手がこの定点間2位と素晴らしい走り。上尾ハーフで62分少しで走り切ったルーキーの勢いは伊達ではなかったというところだ。
3位引き離された國學院木付選手も給水で注目すると面白い。10㎞地点では浦野選手、15㎞地点では同部屋という土方選手から給水。いかにチーム内での期待が高いのかわかる。チーム目標の3位をひた走る。
早大ルーキー鈴木選手が総合10位浮上!ルーキー区間2位争い
俄然注目となって来たのがシード権争いだ。二宮定点を過ぎて、ついに中学吉田選手に創価右田選手が追いついた。15㎞45分40秒程の通過だっただろうか。
榎木監督が「後半強い中央学院大を利用しろ」と相手にも聞こえるような異例の指示。これに右田選手が、中学吉田選手に前に出るよう促す場面もあったとか。
この直後、吉田選手がやはりじわじわ上がって来たこともあり、再度吉田選手が単独9位、創価大が単独10位になる。そして、大磯定点直前だった。
18.1㎞地点で、なんと創価右田選手に、早大鈴木選手が追いついてきた。50秒の差を7㎞弱で詰めてきて、びっくりしたのだが、調べると東海松崎選手に次いで定点間2位タイの走り!
区間賞及び記録は明大阿部選手になりそうだが、区間2位争いはルーキー対決となっている。早大は10位とシード権内にアップ。伝統校として負けられないところだ。
28分台ランナー神大川口選手が定点間6位好走
後ろ一斉スタートの争いは、二宮定点ではまだ団子だったが、ここにきて抜け出したチームが出てきた。
神大2年川口選手がこの定点間6位の好走。直前の記録会で1万28分台を出していたが、力がついていた。中大の実力者、森選手らをも突き放したのは中々だ。前失速してきている日大松岡選手も間もなく捉えそう。往路苦戦の神大、今年も復路は善戦しそうな気配だ。
参考:94回林(青学)9分14秒<62分16秒>※当時は3.1㎞間?
青学中村選手、ラストは切り替え定点間3位!
トップ争いだ、中間疾走は苦しかったものの、トラックで元々強かった中村選手。原監督「(残り3㎞)8分40秒切っていこう」「(残り1㎞)2分40秒でお前ならいける。後ろ2分まで詰まって来たけど、突き放そう」という檄の元、懸命の切り替えだ。
後ろ東海松崎選手も、両角監督「先頭とは2分切っている。1分半で小松に渡せば優勝圏内に入ってくる」という檄の元、ハイスピードを維持し続ける。
両者の意地のぶつかり合い、大磯からは1秒開いた2分01秒差となった。全体では20秒東海大が詰めた形。ただ、3年春にマネージャー転向を進められるなど、苦しい思いをした青学中村選手、流れは引き渡さなかった。
3位は國學院木付選手が通過。実は以外にも、ラスト3㎞は定点間最下位と苦しんでいた。全体では区間11位で、単独3位での位置取りとなった。
明大阿部選手、全定点間トップ!見事な区間新記録
その後ろだ。明大阿部選手がしっかりとした足取りでやってくる。18㎞52分13秒で、区間記録より15秒早いというアナウンスがあった。
そして中継所、61分40秒と35秒も区間記録を上回る区間新。大磯定点が2年前より少しずれていることを差し引いても、ラスト3㎞で27分台のスピードランナーらしい走りをしていたということだ。苦しんだ4年目だったが、また一つ大輪を咲かせた。明大としても、どうやら5年ぶりのシード権は射程に逃げ込んだだろうか。
後ろは1分以上差があいて、東国真船選手。それでも5位中継だ。後ろは後半はやや伸びを欠いた駒大小林、東洋蝦夷森選手がそれそれ6位と7位。8位帝京中村選手は、ここで悪い流れは切ったか。自信のある復路終盤に望みをつなぐ。
早大鈴木選手が定点間2位!3人抜きシード権内9位!
シード権争いだ。大磯で早大鈴木選手が10位浮上していたが、残り1㎞のところで中学吉田選手のところまで上がって来た。中継所までに4秒突き放して、3人抜き総合9位で襷リレー。
定点間はここも2番目。全体でも62分55秒の好記録で区間2位。先ほど東海松崎選手が更新した1年生7区記録を、さらに更新した形となった。将来頼もしそうな選手が出てきたところだ。6区失速でヒヤリとした中、いい流れでシード権内に浮上した。
直後、シード権番人ともいえる中学大吉田選手が10位襷リレー。創価榎木監督の読み通り、後半浮上。ラスト3㎞は8番目浮上だった。その創価右田選手は最後やや勿体ない失速。37秒差でシード権次点でのリレーとなった。
12位は拓大兒玉選手。秋になってから記録会複数回1万29分台を出していた選手ですが、結構粘ったように思う。下馬評以上には戦っている拓大もまだシード権獲得のチャンスはあるだろうか。
4年生順大小畠・法大松澤選手が定点間一桁でラスト意地
復路一斉スタート組、混戦ながらもやはり神大川口選手が抜け出して13番目に浮上。一斉スタート組トップに挙がった。日大松岡選手は後半力不足で14番目に後退。さらに後ろ、箱根前に不調に陥ったと思われる中大森選手が15番目だ。総合13位の中大としては、もどかしい結果だろうか。
さらにその後ろ、ラスト3㎞で意地を見せた選手がやってきた。16番目順大小畠選手がラスト定点間7番目のタイム。秋になっていきなり1万m28分台を出して驚いた選手、総合14位で苦しむチームの中、懸命にもがいた。
直後、国士大清水選手が17番目。区間16位だが、流れに乗っている中、前とはあまり離れなかった。このあたりまでまだまだ前を追っていける差だ。
少し離れて3チームが雪崩れ込んできた。18番目でやってきた法大松澤選手が、定点間5番目の力走。二宮定点では区間19位だったのですが、ぐっと上がってきました。
松澤選手本人は2大会前に往路4区出走。このまま主力になるかと思われましたが、その後苦しみました。最後の最後で逆の7区出走、競技人生最後のレースとなった今大会、チームが乗っていけない中、まとめあげて、見た目2つ順位をあげています。
続いて、日体大内、連合の麗澤宮田選手は、終始ローペースとなってしまった印象。特に連合チームは6区の力走があった中、見た目20番目まで後退。66分台は、今後は完全にブレーキとみた方がよさそうだ。
最後、1分半ほど離れて、筑波杉山選手。区間最下位だが、65分38秒は悪くない。残り3㎞は定点間13位のタイム。ハーフの通過も自己ベストだったそうで、力は出し切った。この時点で見た目トップとの差15分07秒でのレースだ。
優勝争いは僅かに詰まったが、まだ2分差強。微妙な差で、中盤の難しい区間8区へ。ある程度流れが決まりつつある中、シード権争いは順位変動が大きく、まだ読み切れない状態となた。