箱根駅伝2020が終わって時間がたちましたね。
今年も、区間ごとの定点間分析を行っていきます。
続いて、6区になります。なんといっても、東海館澤選手の当日変更に沸きましたね。その中で青学大らとの優勝争いは大いに盛り上がりました。
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谷野航平(青学4年)①
島崎慎愛(國學2年)②1:33
大上颯麻(東国1年)③3:17
館澤亨次(東海4年)④3:22
前田舜平(明大3年)⑤5:55
島貫温太(帝京4年)⑥5:59
葛西 潤(創価1年)⑦6:18
中村大成(駒大4年)⑧6:25
半澤黎斗(早大2年)⑨7:32
玉澤拓海(拓大4年)⑩7:52
今西駿介(東洋4年)⑪7:59
武川流以名(中学1年)⑫8:01
若林陽大(中大1年)[13]10:00⑬10:24
清水颯大(順大3年)[13]10:00⑭10:36
宮崎佑喜(日大3年)[13]10:00⑮11:37
坪井 慧(法大4年)[13]10:00⑯11:44
森 淳喜(神大4年)[13]10:00⑰12:55
廻谷 賢(日体4年)[13]10:00⑱13:19
竹上世那(流経2年)[13]10:00(19)13:38
岩佐一楽(筑波1年)[13]10:00⑲16:37
曽根雅文(国士3年)[13]10:00⑳17:21
2年ぶり優勝を狙う青学大は、関東インカレ1500mで実績のある4年谷野選手を起用、スピードある選手で逃げにかかる。2位國學院大もスピードある島﨑選手。
そして注目は、復路4位スタートの連覇を狙う東海大は、1500mで日本選手権優勝の実績がある館澤選手を、当日変更でエントリー。故障明けで一体どれほどの力がせるか、非常に大事な場面だ。
他にも、明大前田、帝京島貫、駒大大成、東洋今西選手ら前回好走者を上位・中位スタートのチームが軒並み起用。一斉スタート組でも、順大清水・日大宮崎・法大坪井選手・日体廻谷選手ら経験者起用。
一転、1年生起用も5チーム。初シードがかかる創価大は期待の葛西選手、6年連続シード権を狙う中学大は、高校時代は野球部だった武川選手を、それぞれ当日変更で抜擢。チームに流れを作るにカギになる場面だ。
参考:95回小野田(青学)16分12秒
下りと平地で稼ぐ作戦、青学谷野選手はじっくり
トップを行く初駅伝4年谷野選手は、平地と下りでしっかりと稼ぐ作戦。その代り上りが苦手という。4㎞までのラップタイムを確認できたが、2分42秒-3分01秒-3分33秒-3分55秒。そして5㎞通過は16分31秒という。上りで突っ込む選手はもう少し行くか。
区間記録よりは4秒早いペースになっていますが、これは記録保持者が前半抑えて入ったと思った方がよさそう。実際、定点間12番目。多くの大学が詰めている状況だ。2位國學院大島﨑選手もここまではほとんど同じペースだ。
上りと平地で稼ぐ作戦の東海館澤選手、芦之湯で驚愕のタイム!
さて、注目の東海館澤選手だ。スタート後300mで、5秒前にスタートした東国大上選手を捉え、2.5㎞の映像では10秒以上突き放しているのが確認できた。
芦之湯の場面でまずびっくり。トップとの差が2分37秒に縮まっていることにびっくり。4.8㎞でなんと45秒もトップとの差が詰まった。通過タイムは15分23秒!この時点で区間記録を49秒も上回っていた。
勿論、芦之湯までのタイムは歴代で断トツに早い。上りに強く、スピードのある館澤選手とは言え、ちょっとびっくりなスタート。青学原監督もさすがに「焦った」という場面だ。今後経過に、駅伝ファンはかたずをのんで見守る事となる。
東洋今西選手早くも2人抜きで9位浮上
5位争いは、明大前田選手に一時帝京島貫選手が追いついて並走する場面があったが、芦之湯までに前田選手が突き放す。その後ろ駒大大成選手が、創価葛西選手を交わして7位に浮上している。
その後ろだ。前回区間3位の東洋今西選手が早くもやって来た。11位スタートだったが、2.8㎞地点で、拓大玉澤選手を後方へ、そして早大半澤選手を捉える映像が入ってきていた。
その今西選手の定点通過タイムは15分33秒。館澤選手の陰に隠れるがこれも凄まじいペース。飛ばしすぎと言えないのがこの2人の実力。57分台区間新記録はほぼ確実と思われる。
一斉スタート組、日大宮崎選手を中心に全体的に早め
一斉スタート組もいつになく速い。連合チームを含めて9チームが一斉スタートだが、6チームが区間一桁だ。その中で抜き出ているのが日大宮崎選手。確かに秋以降絶好調で要注目の選手だったが、こちらも15分44秒で早い。
そのあと、神大予選会個人トップだった森選手、中大ルーキー若林選手、逆転出走となった連合の流経大竹上選手が4位タイ、2年ぶり登板の日体廻谷選手と最初抜け出そうとした順大清水選手も8位タイだ。
故障明けとはいえ、前回区間4位の法大坪井選手が見た目19番目で通過というハイペースぶりだ。急きょ出走の筑波岩佐選手が一人大きく遅れたが、全体的に早くなっている。
参考:95回小野田(青学)10分36秒<26分48秒>
青学谷野選手、最初の下りの部分は実は区間二けた
青学谷野選手の5㎞以降のラップタイムが2分57秒、2分42秒、2分40秒。8㎞24分34秒となっている。下りに入って動きがぐっと良くなったかに見えるが、かなり時計を気にする仕草が目立っている。
解説者は「まだペースを掴めていない」とのことだが、実際芦之湯から小涌園の定点間は、青学谷野選手は13位。上位とは秒差の争いとは言え、この地点ではちょっと心配だった。
これには國學島﨑選手もじわりと追い上げ、下りはそこまでじゃないという館澤選手も2分24秒差とまた少し差を縮めている。東国大上選手が厳しく、この定点間最下位であった。
中学ルーキー武川選手が定点間3位の好走!
5位争いは、駒大大成選手がぐっとあげてきて、7.3㎞地点で帝京島貫選手を捉えて6位に浮上。島貫選手は、今年駅伝に出てきていなかったがやはり微妙な状態か、この地点で区間15位だった。
後ろのシード権争いが面白い。東洋今西選手は勿論まずまずだが、中学武川選手が大健闘で定点間3位。拓大玉澤、早大半澤選手を一気に交わして総合10位に浮上。
高校時代は5000mのタイムを持っていなかった選手が、大学駅伝エントリーされ続けていただけでもびっくりだったが、まさかの山下りの適性だった。中学としても、一部主力が欠場しただけに、いけるところでいきたい。早大・拓大は下りに入ってもペースが上がらず我慢の走りだ。
順大清水選手が、実は定点間トップ!日大宮崎選手区間2位へ
一斉スタート組、番組では日大宮崎選手の好走を中心にとらえていた。実際、この地点で区間2位に浮上して素晴らしい走りだった。
最も、実は定点間トップの選手はもう少し後方。昨年経験者の順大清水選手が10分34秒と最も早いタイムで駆け抜けていた。1万28分台を出すなど今年は走力アップしていたが、さすがの走り。見た目17番から14番へ、総合も13位に浮上した模様だ。
後ろでは、法大坪井選手が巻き返して見た目19番から17番目へ。逆に神大森選手が14番目から20番目へ急落、目立たない中、国士曽根選手が粘っていることも記録から確認できた。
参考:95回小野田(青学)11分17秒<38分05秒>
青学谷野選手、突如定点間トップに浮上!
10㎞手前でやや躓いたという青学谷野選手。不安な情報ばかり出てくるが、宮ノ下でおやというところ。ずっと詰められていた2位國學島﨑選手、3位東海館澤選手との差が開いたのだ。
そして大平台、全選手通過して驚いた。11分21秒で定点間トップ!ついに下りのペースをつかんだのか、快調な走りに変わった。全体としては区間8位だが、今後の推移次第では東海大との差を押し戻していく、優勝へ向けて流れを作っていけそうだ。
10位中学、11位早大の差が一気に開いていく
シード権争いは、10位中学武川選手と11位早大半澤選手の走りが好対照で一気に開いていく。武川選手はここも定点間3番で、区間も4位に浮上。逃げるどころか、前の東洋今西選手を追っていく走りとなっている。
対して、早大半澤選手は定点間なんと最下位。一気に50秒差まで開いていた。1500mのスピードランナーだが、夏に故障。急ごしらえながら、2年連続出走選手を差し置いての起用だったが、苦しい走りとなっている。
後ろ捉えたい拓大玉澤選手もペースを上げられない。実は序盤、東洋今西選手に交わされる際、食らいついてペースが乱れてしまったと後に述懐している。往路10位と予想以上の健闘の中、果たして粘っていけるか。
連合・流経大竹上選手が定点間3位好走!
日大宮崎選手の好走が続き、拓大の後方見えるようになってきた。その後ろだ。先ほど定点間トップだった順大清水選手を、連合の流経大竹上選手が捉えて見た目14番目に浮上していた。
この定点間はなんと3位相当のタイムと大健闘。竹上選手は連合チームの中では予選会で12番手。12月下旬記録会で29分18秒までタイムを伸ばしていたが、故障者が出た影響で急きょ出走。それがこの走りだ。なんとこの場面で区間5位相当だった。
そういえば、連合チームは昨年も故障者が出て急出走の選手が6区好走。年連続チームを率いる麗澤大の山川監督はどうも、6区と相性がいいらしい。今回もこの区間で、流れに乗っていけるか。
参考:95回小野田(青学)9分10秒<47分15秒>
東洋今西選手が定点間トップ!総合順位も8位へ
トップ谷野選手は後半の下りは完全に乗った走りでこの定点間も2位、國學島﨑選手はとはぐっと突き放していく。館澤選手は定点間3位前後を刻み続けているので、秒差で留めているが、逆転優勝に向けてもう一度詰めたい。
動きがあったのは8位争い。8位走行の創価葛西選手の後ろ、大平台あたりから東洋今西選手がチラチラ見え始めると、一気に詰まって来た。15.7㎞地点で鮮やかに交わして総合8位へ。これで3人抜き。今西選手自身も定点間トップの走りだった。
抜かれた創価葛西選手は苦しい。往路平地と思われた中、6区山下り起用にややびっくりしていた。どうも、山下り6区予定の選手の調子が上がらず、がギリギリまで決まらなかったらしい。
期待のルーキーに何とか繋いでもらう形となったそうですが、初シード権に向けて祈るしかない展開だ。細かい動きがある中で、ラストの平地の場面に移っていく。
参考:95回小野田(青学)10分43秒<57分57秒>
平地の戦いは東海館澤選手!57分17秒驚愕の区間新!
函嶺洞門を過ぎて、箱根湯本のあたりから、6区は監督者が合流する。ずっと声をかけられなかった中、監督の応援合戦も激化する。原監督は「2分50秒を切れば58分10秒台が狙える」両角監督は「57分30秒ペース」、あとは聞き取れないが、かなりの音量だった。
青学谷野・東海館澤選手とも1500mの経験もあるので、最後は叩き合いになったが、僅かに館澤選手が詰め寄った形。個人では57分17秒!歴代の山下りの名手が58分切に苦戦していた中、40秒も更新する衝撃的な区間新だった。
しかも最後は國學島﨑選手を5秒差までに追い詰める激走だった。実際、故障明け、完全に痛みなどが引いたわけではなかったそうだが、主将としての懸命の力走だった。逆転の総合優勝に向けてチームを勇気づける。
一方、最初で最後の箱根路だった青学谷野選手も最終的に58分18秒まで区間タイムを伸ばしてきた。あれだけの区間記録を出されながら、まだ2分21秒後方で凌いだと言える。青学大もやはり力を出し切って来た。
最後の平地も東洋今西選手が定点間トップ!走りも発言も締めた
4位東国大上選手はそこから3分以上後方に。60分半ばは、数年前までならしっかり繋いだと言えるが、今大会では失速気味となる。実際、5位争いが1分後方にまで迫って来た。
5位争いはテレビでは紹介されなかったが、タイム上は白熱していたことが分かる。明大前田選手を150m差で駒大大成選手が懸命に追う展開。ともに58分40秒台の走りでの決着だった。
その後ろ、7位で東洋今西選手が姿を見せる。帝京島貫選手も最後の平地でぶち抜いて、4人抜きの力走だ。最後の平地は10分31秒は全体のトップ、区間2位ながら57分34秒の素晴らしい走りだった。
「万年2位だ」とへこみながらも、2大会前ぶち抜かれた青学大小野田選手の区間記録を上回ったことを言われると、表情が変わった。「タイムは流れ。小野田さんが走っていたらもっと早かったと思う。小野田さんを超えたとは思っていない。小野田さんは、自分の中では永遠の憧れの選手です」
「人間じゃねー」から始まり、色々発言にも注目が集まった選手出したが、4年生最後の最後、走りも発言も見事な締めであった。
10位と11位は1分36秒差、日大宮崎選手がタイムスタート組を捉える
気になるシード権は、創価葛西選手がペースが上がらず10位に。ただ、後ろがもたつき予想以上に差がついた。
18.6㎞地点、総合12位の拓大玉澤選手に、一斉スタートの日大宮崎選手が追いつく場面があった。そこから玉澤選手が粘りを見せ、最後までペースを上げることができなかった早大半澤選手を交わして11位に。10位とは1分36秒差だ。
2秒後に早大半澤選手と日大宮崎選手がほぼ同時にリレー。総合では早大が見た目通り、日大は1分37秒後ろだ。そのあと、14番目でこの区間大健闘の連合の流経大竹上選手。区間9位相当の59分05秒は見事な走りだった。
国士大曽根選手が最後に力走、見た目15番目に浮上
続いて、多くの選手が点々とやってくる。一斉スタート組で大きく差が付かなかったところ。ただ、15番目にやってきた大学は驚いた。国士大曽根選手が最後の定点7番目のタイムの力走で2つ順位をあげてきた。国士大にしてもいいスタートだ。
わずかな差で中大ルーキー若林選手、何とか総合13位はキープした形。17番目で神大森選手。何度も20番目に下がる場面があったが、最後にあげてきた。このあたりで区間タイム59分30秒、やはり全体的に早い。
そのあと、苦しい足取りで順大清水選手。函嶺洞門では見た目14番だったが、最後の定点間が最下位で一気に18番目へ。昨年もラストの平地で脚が止まったが、このポイントが鬼門になってしまった。
続いて、個人タイム60分を超えて、日体廻谷・法大坪井選手。悪くないタイムだが見た目19番20番に。昨年58分半ばで走っていた法大坪井選手、怪我明けでは思ったよりも苦しかったか。非常に悔しそうな姿が印象的だった。
そこから約1分遅れてやってきた筑波岩佐選手に、最後にアクシデント。コースを間違えてしまった。こういうことも含めて経験か。往路の出だしは良かったが、復路は厳しい出足となった。
東海館澤選手が、序盤に大きく詰めて、一瞬騒然となった優勝争い。ただ、青学谷野選手が粘ってまだ2分以上。簡単には流れを渡さなかった。
他、全体的に高速化した中、シード権争いを含めて動きがあった印象。まだまだ混戦模様の中、復路平地の戦いに差し掛かっていく。