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【第75回箱根駅伝1999】7区を振り返る:拓大吉田VS山学大ワチーラの区間賞争い!

夏の間、更新できなかった企画ですね。11月の間に少しでも続けます。

第75回箱根駅伝1999を振り返っていきます。

今回は、7区になります。

トップ駒大は、現國學院大監督前田さんが出走です。また、拓大や山学大は故障明けエースが出走、みんなさすがの走りでした。

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第75回箱根駅伝1999【7区を振り返ってみる】

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7区走者・走順 

前田康弘(駒大3年)①
政綱孝之(順大3年)②1:32
野尻和秀(東海4年)③3:21
永井順明(中大2年)④5:39
飯島智志(神大1年)⑤5:52
岡田 徹(東洋2年)⑫13:41[6]9:20
橘 義昭(大東1年)⑦11:30[7]9:38
長谷川夏樹(法大2年)⑪13:31[8]9:56
占部信弘(日大2年)⑥10:13[9]10:13
玉目隆博(日体4年)⑨12:28[10]10:26
S.ワチーラ(山学4年)⑧11:50[11]10:48
加部順二(中学3年)⑭19:40[12]11:12
吉田行宏(拓大4年)⑬16:47[13]12:19
北島吉章(帝京1年)⑮20:26[14]12:44
酒井秀行(早大4年)⑩12:55[15]12:55

 トップの駒大は3年前田選手を起用。箱根ファン御存じの通り、現在、國學院大學の監督をされているあの前田さん、2年連続7区、前回は区間3位でした。

 上位チームは生きのいい若手が全体的に多い。中大2年永井、神大1年飯島選手は、後々チームを代表するランナーになります。それから、大東1年橘選手は、実業団でとても息の長い選手になっていますね。

 下位チームでは、怪我開けでエース区間を回避した山学4年ワチーラ選手、拓大4年吉田選手が注目の存在。7区でともに順位を上げる走りができるか。

 他、次年度より第一次ファイアーレッド旋風の一員となる帝京1年北島選手の名前があります。

二宮11.8㎞

3位前田(駒大)35分35秒①
5位政綱(順大)35分46秒②1:43
4位野尻(東海)35分38秒③3:24
6位飯島(神大)35分48秒④6:05
9位永井(中大)36分13秒⑤6:17
7位岡田(東洋)35分49秒⑩13:55[6]9:34
1位ワチーラ(山学)34分44秒⑥10:59[7]9:57
10位橘(大東)36分21秒⑧12:16[8]10:24
8位玉目(日体)36分01秒⑨12:54[9]10:52
12位長谷川(法大)36分45秒⑫14:41[10]11:06
14位卜部(日大)36分56秒⑦11:34[11]11:34
2位吉田(拓大)35分00秒⑬16:12[12]11:44
15位加部(中学)37分01秒⑭21:06[13]12:38
11位酒井(早大)36分40秒⑪14:00[14]14:00
13位北島(帝京)36分51秒⑮21:42[14]14:00

駒大前田選手ら上位は淡々と1㎞3分ペース
 駒大前田選手は、最初の1㎞は2分56秒。下っていることを考えると抑えて入っていましたが、その後はほぼ1㎞3分00秒~3分03秒イーブンで通過。2位順大政綱選手も同じペースながら二宮では僅かに差が開いた格好。なお、ともに2年連続2回目の7区だ。

 頑張っているが東海野尻選手。彼は前回8区でしたが、繰り上げスタートに間に合わなかった悔しい思いをしています。昨年よりはるかに上位で襷をもらって気合が入った走りだ。

 4位争いは、神大期待のルーキー飯島選手が、中大永井選手を捉えて4位浮上。スタミナ型が多い神大ですが、既に1万m28分台のタイムを持っています。もっとも、ここまでは6番手のタイムだった。

山学ワチーラVS拓大吉田選手で区間賞争い
 区間賞争いは、今回は一斉スタートのチームで行われていた。山学ワチーラ選手と拓大吉田選手。ともに怪我開けでエース区間回避で7区に回って来たのだ。

 ワチーラ選手はさすがのスピードを見せて、スタートから、日大卜部、日体玉目、法大長谷川、大東橘選手と4選手を交わしていき、見た目11番から7番に進出。タイムとしては1分半ほどはひっくり返ている形だ。

 続いて、拓大吉田選手。前が開いていたが、ここまで最下位ペースの中学加部選手は交わして、見た目12番に浮上。そして日大卜部選手も間もなく捉えそうな勢いだ。中継所で4分以上あるシード権との差もどこまで短縮できるか気になるところだ。

シード権争いは、10位東洋大浮上、早大11位へ
 そのシード権争い、9位は日体玉目選手が、中継所よりキープ。10位交代があり、見た目6番目を走っている東洋岡田選手が、この区間も序盤から快調。10位に浮上し、約1分差まで日体大を追い上げた格好。

 逆に下がったのが早大。見た目15番スタートの早大酒井選手が、眼前の帝京北島選手を捉えたものの、序盤は比較的スロー。定点手前で下がった格好だ。

 前年まで2年連続で山登りを担当。前回はトップで襷をもらうも、3位に順位を下げてしまった。悔しさで練習に励んだもののオーバーワークに陥り、何とか平地区間に間に合った形。ここから少しでも粘りたいところだ。

大磯18.1㎞~二宮11.8㎞=6.3㎞

1位前田(駒大)20分09秒<3>55分44秒①
4位政綱(順大)20分32秒<4>56分18秒②2:06
10位野尻(東海)20分45秒<6>56分23秒③4:00
4位飯島(神大)20分32秒<5>56分20秒④6:28
3位永井(中大)20分28秒<8>56分41秒⑤6:36
6位岡田(東洋)20分34秒<6>56分23秒⑩14:20[6]9:59
6位ワチーラ(山学)20分34秒<2>55分18秒⑥11:24[7]10:22
8位橘(大東)20分36秒<10>56分57秒⑧12:43[8]10:51
9位玉目(日体)20分40秒<8>56分41秒⑨13:25[9]11:23
2位吉田(拓大)20分18秒<1>55分06秒⑬16:09[10]11:41
15位長谷川(法大)21分36秒<14>58分21秒⑫16:08[11]12:33
12位卜部(日大)21分10秒<12>58分06秒⑦12:35[12]12:35
14位加部(中学)21分23秒<15>58分24秒⑭22:20[13]13:52
11位酒井(早大)21分03秒<11>57分43秒⑪14:54[14]14:54
13位北島(帝京)21分19秒<13>58分10秒⑮22:52[15]15:10

トップ駒大前田選手が定点間トップ!差を広げていく
 この間は、トップ前田選手の快走が光りましたね。元々安定感が高いと評価されていましたが、そういう選手がトップを走ると、中間走では手が付けられなくなるということがありますが、まさにそんな感じだ。

市立船橋高2年冬に、大八木コーチよりスカウト。名将の目に狂いなく、ロードで強い選手に年々なっていったところ。実況でも何度も「安定感がある」との話に。

 これには同じく安定感があった順大政綱選手も離されていき、トップとの差は2分以上に。3位東海野尻選手はぐっと苦しくなり、1㎞近くある後ろを振り返るなどペースダウン。流れは駒大に再び傾いた形になった。

区間賞争い、拓大吉田選手が浮上
 区間賞争いは、ここにきて山学ワチーラ選手が伸びなくなり、この定点間6位。日本インカレで足を負傷して以降、だましだまし駅伝を戦ってきたが、20㎞は厳しいか。

 ここにきて拓大吉田選手の高レベルの走りが光って来た。見た目でも日大卜部選手、そしてペースがガクンと落ちた法大長谷川選手も交わして、10番目に浮上。前、日体玉目選手も見えてきた形。ということはシード権もだいぶ追い上げた形、中継所での順位タイムに注目が集まった。

平塚中継所21.2Km~大磯18.1㎞=3.1㎞

6位前田(駒大)9分41秒<3>65分25秒①
1位政綱(順大)9分28秒<4>65分45秒②1:52
11位野尻(東海)9分50秒<8>66分18秒③4:14
4位飯島(神大)9分38秒<5>65分58秒④6:25
2位永井(中大)9分32秒<7>66分13秒⑤6:27
6位岡田(東洋)9分41秒<6>66分04秒⑩14:20[6]9:59
5位ワチーラ(山学)9分40秒<2>64分58秒⑥11:23[7]10:21
10位橘(大東)9分49秒<10>66分46秒⑧12:51[8]10:59
3位吉田(拓大)9分35秒<1>64分41秒⑫16:03[9]11:35
12位玉目(日体)9分57秒<9>66分38秒⑨13:41[10]11:39
9位卜部(日大)9分48秒<12>67分54秒⑦12:42[11]12:42
14位長谷川(法大)10分08秒<14>68分29秒⑬16:35[12]13:00
13位加部(中学)10分04秒<13>68分28秒⑭22:43[13]14:15
8位酒井(早大)9分45秒<11>67分28秒⑪14:58[14]14:58
15位北島(帝京)10分30秒<15>68分40秒⑮23:41[15]15:59

駒大トップリレー、順大政綱選手がラスト3㎞最速
 駒大前田選手、最後はやや苦しくなり、端正なマスクが歪み始めた。後ろに指をさして「後ろとの距離を教えてくれ」というジェスチャーも見られた。

 タイムを見ると、確かに伸び切らなかったようだ。それでも65分25秒の個人タイム、そして後ろとの差は開いたようとの情報に、小さくガッツポーズも見られた。まずは自分の役割ができたというところでしょう。

 その後ろですが、ラスト3㎞は順大政綱選手が踏ん張り、1分50秒まで差を押し戻した。全体でも一番早かった。澤木監督からは「一番素質がある」との評、長身細身で愛情を込めて「ヘロ」と呼ばれていたそう。

 この時は粘って、全体として20秒程で留めた格好。こう見ると、中々駒大に流れが行き切らなかったのは確かだ。

中大永井選手が中盤以降健闘
 3位は、苦しくなったものの東海野尻選手が粘り切り中継。4年生同士のリレーだった。

 その2分半後ろが大接戦。4位神大飯島選手に、抜かれて一旦は引き離された5位中大永井選手が大きく詰め寄って、中継所では僅か2秒差に。

 永井選手もなかなかのスピードの持ち主。神大飯島選手の期待のルーキーのスピードを持っていしても簡単には離れなかった。飯島選手は区間5位。

 最低でも復路優勝はもっていきたい神大だがここは少し開いてしまった形。飯島選手は今後、駅伝で”ミスター安定感”と言われるほど頼りな存在になっていきます。

拓大吉田選手が区間賞!
 大きく離れて6番目は、東洋岡田選手が最後まで6番目前後のタイムをキープ。山学ワチーラ選手が150m後ろになってからは、詰められなかった。

 ワチーラ選手は、懸命に足を動かし区間タイム64分台には乗せてきた。あとは拓大吉田選手を待つことになった。

 間に、大東ルーキー橘選手を挟んで、2選手やって来た。うち、前の方が拓大吉田選手。直前に日体玉目選手を交わして、見た目9番目まで浮上していたようだ。

 区間タイム64分44秒、ワチーラ選手の64分58秒よりも早かった。本来走る予定だった2区は走れなかったものの、エースとしてできる事は成し遂げた形だ。

シード権は日体大が東洋の猛追凌ぎ9位キープ
 その吉田選手、僅か4秒後、大磯の時点で総合9位の日体玉目選手がリレー。一斉スタート時のタイムを差し引きして、東洋からは39秒、見た目でかわされた拓大には2分24秒のリード。主将として、必死に耐え抜いたところだ。

 そこから1分遅れて日大卜部選手が襷リレー。見た目11番まで落ちた。西弘美コーチ「往路で貯金して耐えたい」とのことだが、復路連続区間二けたでやや暗雲といったところ。

 後ろ法大長谷川選手は厳しい走りとなったか。68分台ではおそらくシード権からは引き離されただろうか。予選最下位通過から、頑張って来たがここからどうだろうか。

 13番目中学加部選手。6区でルーキーが最下位脱出したところ、何とか14番目は、帝京大との並走に決着をつけた早大酒井選手。
懸命のロングスパート、少しでもシード権との差をとどめようとするところだった。

 最後に帝京北島選手が苦しそうにやって来た。2年連続で最下位で通過は喜多監督としても頭痛かっただろうか。北島選手は、来年爆発的な走りを見せたのを覚えている駅伝ファンも多いだろう。ただ、この時はまだ片りんは感じられなかった。

 見た目トップとの差約16分。まずは2年連続戸塚繰り上げは避けたいところだ。


 優勝争いは、駒大が逃げていきますが、順大も好走が続いて粘っている状況。どこかで決定打を打ちたいところだ。

シード権との差
7位日大-59秒
8位大東-50秒
9位日体
10位東洋+39秒
11位早大+1分27秒
12位拓大+2分24秒
13位法大+3分14秒

 シード権は、7位から12位までまだまだ混戦。日大・大東大も安全圏とはいないところ、そして拓大がエース吉田選手の激走で2分半も追い上げてきた。選手層的にはまだまだ面白いチームです。