夏の間、更新できなかった企画ですね。11月の間に少しでも続けます。
第75回箱根駅伝1999を振り返っていきます。
今回は、5区になります。
駒大、大型ルーキーの好走で初の往路優勝!
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トップ駒大は、前哨戦から活躍していたルーキー神屋選手を満を持して起用。他、1年生は3位東海柴田選手をはじめ4名も入っていますね。それぞれどうなるか。2位順大は昨年区間14位ブレーキの佐藤選手をもう一度起用しています。
後ろでは前回1位の山学横田選手が8位から、前回2位で往路優勝のテープを切った神大勝間選手が5位、前回4位の大東松下選手が11位と、後方スタート。それぞれどれだけ上がるかが注目。
他、日大渡辺・帝京小川選手あたりが1年生から2年連続の出走。それぞれの成長に注目ですね。
74回横田(山学)23分27秒
順調な上位陣、逃げる神屋選手
トップは駒大神屋選手はルーキーながら、力強いフォームで上っていく。西脇工業出身、駒大についに入ってきた大型ルーキーと言ってよかった。昨年の区間賞選手より速いタイムで駆け上がる。
2位順大佐藤選手は前回区間14位と苦しい走り。もう一度起用されて、どうなるかというところ。トップよりは遅いペースだったが、昨年より1分02秒も早く、ここは気合が入っている。
なお、一番早いタイムで走っているのは3位東海大のルーキー柴田選手。彼も力強い走りだ。この走りで離れたが、4位中大豊田選手も23分台で大平台通過。ここまでは順当だ。
中位陣上がって来ず
さて、その後ろだ。5位スタートの神大勝間選手。昨年通りの走りなら、そろそろ中大に追いつくはず…だったが、逆に開いた。24分20秒は、昨年よりも1分05秒も遅く、このあとが不安視された。
後ろ6位早大佐藤選手は最下位ペースで上位争いとはぐっと差が開いた。同じくここまではゆったりな7位日大渡辺選手が背後に迫っている。
さらに、前回区間賞の8位山学横田選手は、後ろ9位法大藤巻選手は突き放したものの、こちらも勢いは少ない。単独走で走りにくい位置ですが、26秒程昨年より遅れている。中位校はもう少しなところが多いか。
10位以降猛然追い上げ
順調なのは、11位スタートの大東松下選手。前回区間4位の実力者だが、こちらはここまで飛ばしていて23分24秒の3番目のタイム。前年より11秒早い。
早くも日体須藤選手を捉えて10位に浮上。須藤選手もここまでは悪くなく、この2人の追い上げはちょっと楽しみだ。
また、4区ブレーキの拓大からはルーキー天野選手が早い入り。東洋高久選手を捉えて12位浮上。最下位スタートの帝京小川選手も昨年より24秒早いタイムでまずまず。中学子早い選手が視界に入ってます。下位からは追い上げているチームがありますね。
74回横田(山学)17分34秒(41分01秒)
1位と2位の差が2分近く、東海柴田選手の勢いも!
神屋選手がしっかりとした足取りで山を登っていく。前年の区間賞タイムより14秒遅れているだけ、これでは早々後ろは追い上げてこない。
順大佐藤選手も昨年に比べて2分近く速いペース、この中でも区間4位のタイムで走っているが1分51秒差へ。往路優勝争いは、ほぼ決まったと言っていいだろうか。
最も、区間賞争いは、東海柴田選手が抜け出してきて、2位神屋選手を24秒リード。今年はルーキー同士で上位を取りそうな様相になってきた。
神大勝間&山学横田大苦戦、大東松下選手ら更に追い上げ
苦しいのは前回の1位2位選手。勝間選手が重い足取りで上っていく。前中大豊田選手は遠のくばかり。
むしろ後ろ早大を抜いてから快調になってきた日大渡辺選手が、小涌園の長い直線で見えるようになってきた。切り札が機能しないとなると、往路3連覇、そして総合優勝もつらくなってきそうだ。
もう一人優勝候補の山学切り札の横田選手が非常に苦戦。なんとこの間14番目と信じられないタイムを刻んでしまったのだ。左わき腹を抑える仕草もあり、状態が思わしくないよう。YKKのうち、駒大以外がまさかの山登りとなった。
後ろ、大東松下選手は順調、日体須藤選手を少しずつ引き離して、さらにペースの上がらない法大藤巻選手を交わして、ついにシード権内の9位浮上。やはり山の大東大だ。
12位以下も頑張って、東洋高久選手が、拓大天野選手を抜き返している。帝京小川選手も中学小林選手を捉えて14位タイ並走。思ったように戦えてないが、初出場から2年連続の最下位は避けたいところだ。往路終盤、まだまだ順位が動きます。
74回横田(山学)30分24秒(71分25秒)
駒大、初の往路優勝!2位以下に1分50秒貯金
駒大神屋選手、終盤はさすがに苦しそうに身体を揺さぶるようになったものの、大きなペースダウンはなし。昨年は残り1㎞を切ってから逆転され、惜しくも往路優勝を逃したが、今年は盤石。
ラストスパートもしっかり決めて、見事に初の往路優勝へ。昭和42年初出場してからずっと連続出場、33度目の箱根路だった。5時間32分24秒の往路タイムは、当時の歴代5位だった。なお、胴上げは、明日に取っておいたそうだが…
2位順大佐藤選手も後半の粘り素晴らしく、小涌園以降はトップとの差は開かなかった。前回よりも3分以上早いタイムで73分台。優勝候補には上がっていなかったが、”復路の順大”が嫌な位置に付けた。
そして区間賞は3位ゴールの東海柴田選手。72分台はこの年唯一だった。これは新居コーチどこまで予測したのか。毎年復路が弱いが、とにかく「大きな貯金が欲しい」目標は達成。個人としても今後が楽しみな選手だ。
4位は安定した走りを続けた中大豊田選手。4年生ナイスラン。やはり順当に安定した位置に付けた。その後ろ勝間選手のはずだが中々選手が来ない。
2分半経過して、先に日大渡辺選手が見えて5位ゴール。勝間選手はその後ろまで後退。気象条件は違うも昨年より5分半遅い区間10位は大誤算だった。勝間選手は2年だが、箱根はこれが最後に。一転、佐川急便で息の長い選手になったのはこれまた意外でした。
7位は早大佐藤選手。悪いなりに何とかまとめたところ。当時は往路に強いチームだったが、7位は復路に向けてどうかといったところ。なお、8位にいる横田選手が姿を見せないまま10分経過。8チームが明日の復路一斉スタートとなった。
下りで何とか復活の山学横田、9位と10位は10秒差
その山学横田選手はトップと11分差でやってきた。実は最高点の芦ノ湖の地点では、大東松下選手に9秒差まで迫られたのですが、下りで広げていった。
最後はわき腹も抑える様子もなく、何とか順位キープの8位で戻ってきたが、昨年より5分近く遅いタイムは最終学年悔しい走りとなった。
9位まで浮上した大東松下選手は、最後は苦しく、日体須藤選手に追い上げられたが、何とかキープ。山下りでさらに上がるか。ロードに強い須藤選手は最後10秒差まで詰めゴール。3年ぶりシード権へ懸命の追い上げだった。
そこから1分半離れて、法大藤巻選手。2区で4位まで浮上、主将として踏ん張りたかったが無念の交代だった。後ろ東洋高久、拓大天野選手の激しいバトルは最後は高久選手へ。
東洋大は復路の方が自信があるというところだが、シード権と2分半差は果たして。拓大も最も戦力充実の年、復路大逆転を狙う。
14位15位は最終的には経験の浅い大学に。帝京小川選手が最後に14位に浮上。2年連続の最下位は回避、自信も前年の区間最下位から浮上した。中学大は一時浮上のチャンスもあったが、4区5区の1年生が苦しんだ。
YKKのうち、本命と言われていた駒大が見事なレースで往路優勝!他2校は苦しみ、2位3位は優勝候補に挙がっていなかったチーム。
このまま、駒大が初の総合制覇を獲得するもの…と思われました。