最初で最後の大学駅伝はトップ疾走/鉄紺の箱根とは/藤色のプライド
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第93回箱根駅伝【定点別分析・9区】
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位
権太坂7.7㎞
1位池田(青学)22:51①
4位光延(早大)23:19②6:00
2位野村(東洋)23:08③6:55
9位大川(神大)23:44④7:37
6位聞谷(順大)23:27⑤8:37
13位室伏(日体)23:59⑥9:46
10位城越(法大)23:51⑦9:57
12位藤田(中学)23:58⑦9:57
5位片西(駒大)23:22⑨11:01
3位川端(東海)23:15⑩11:10
8位平田(帝京)23:43⑪11:40
11位三澤(創価)23:54⑫13:58
17位土師(拓大)24:13⑬14:27
7位谷川(大東)23:37⑮16:21[14]14:37
18位佐藤(上武)24:18⑭15:30[15]15:30
14位古賀(山学)24:01⑯17:09[16]17:09
15位國澤(國學)24:03⑲20:16[16]17:09
16位吉田(明大)24:09⑱19:41[18]18:44
20位山崎(日大)25:02⑰19:34[19]19:34
OP加藤(連合)23:50(20)26:22[20]20:22
19位餅崎(国士)24:31⑳39:33[21]21:40
9区を走る青学・池田選手は、関東IC2部ハーフ連覇している選手だ。暑さにも強いし、起伏にも強い選手だ。これだけの実績がある選手が今回が最初で最後の大学駅伝となるのが青学大の選手層である。まずは2番を17秒引き離す区間トップで走っているが、本人曰く緊張で突っ込んでしまったという。それでも快調な走りに見えた。
2番で走っているのは3位東洋・野村選手で4位すぐ後ろにいた神大・大川選手は突き放しており、2位のスピードランナー早大・光延選手との差が1分以内となってきた。ゲスト解説の服部勇さんが「絶好調と聞いている」とのことだったが、それに違わぬ走りを見せているようだ。
シード権争いはやはり東海・川端選手が力をあるところを見てジリジリと帝京・平田選手を突き放していく。平田選手も8番目のタイムと頑張っているが中継点で2秒だった差が30秒差となってしまった。その前も気になるが駒大・片西選手も5番目のタイムでまずまずの早いタイムとなっており、帝京大としてはちょっと辛い状況になってきた。
横浜駅前14.5km-権太坂7.7㎞=6.8㎞
2位池田(青学)20:19①
4位光延(早大)20:39②6:20
1位野村(東洋)20:10③6:46
8位大川(神大)20:56④8:14
5位聞谷(順大)20:39⑤8:57
10位城越(法大)21:01⑥10:39
12位藤田(中学)21:04⑦10:42
15位室伏(日体)21:25⑧10:52
6位片西(駒大)20:40⑨11:22
3位川端(東海)20:31⑨11:22
13位平田(帝京)21:05⑪12:26
9位三澤(創価)20:58⑫14:57
7位谷川(大東)20:55⑮16:57[13]15:13
17位土師(拓大)21:32⑬15:40[14]15:40
18位佐藤(上武)21:42⑭16:53[15]16:53
11位國澤(國學)21:02⑱20:59[16]17:52
14位古賀(山学)21:21⑯18:11[17]18:11
16位吉田(明大)21:28⑰20:50[18]19:53
OP加藤(連合)20:53(20)26:56[19]20:56
20位山崎(日大)22:17⑲21:32[20]21:32
19位餅崎(国士)21:46⑳41:00[21]23:07
池田選手は安定したペースで刻み続けているが、タイム上では東洋・野村選手が上回り始めていた。確かに昨シーズンの駅伝でロードにとても強いところを見せていた。ただ、今シーズンは全般的に不調だったので、どうなのかなと思っていたらいやはやここまであがっていたとは。区間上位で走り続けている光延選手との差がみるみる詰まっている。近づいてくるという状況で俄然元気になりそうだ。
大川選手を挟んで5位以下は、4年間10区か9区を走り続けている順大・聞谷選手が単独5位を完全に確保、6位から8位が僅差の勝負となっていて、その中で法大・城越選手と中学・藤田選手が頑張って順位浮上、室伏選手がややリズムに乗れず8位へ下がった。怖いのは9位と10位で、東海・川端選手が駒大・片西選手に追いつき、そこから牽制することなく区間5番前後のタイムを刻み続けており、6位争いとの差を詰めつつある。そして11位平田選手との差もぐんぐん開け1分以上後方に置き去りにしている。この9区が強いのはさすが優勝候補に挙がっていたチームだったとも言えそうだ。
12位もやはり差が離れつつあるが、創価・三澤選手と大東・谷川選手が頑張って12位と13番。拓大・土師選手と上武・佐藤選手はペースを上げることができずに引き離されて行った。その後ろ、権太坂前後で並走が見られた國學・國澤選手と山学・古賀選手は、横浜駅前で決着。國澤選手が前に出始めている。
また、池田選手の快走もあり、その後ろは差が開き始めている。この時点で連合・加藤選手と日大・山崎選手が20分をオーバー。加藤選手は健闘しているもののその前の区間までタイム差が開きすぎていたか、山崎選手は長距離得意な選手なのでびっくりしたが、定点間、連続区間最下位で何かしらアクシデントがあったのかと思える感じだった。
生麦20.2km-横浜駅前14.5km=5.7㎞
2位池田(青学)17:45①
1位野村(東洋)17:32②6:33
10位光延(早大)18:15③6:50
6位大川(神大)18:11④8:40
3位聞谷(順大)18:00⑤9:12
9位藤田(中学)18:14⑥11:11
12位城越(法大)18:20⑦11:14
5位片西(駒大)18:10⑧11:47
14位室伏(日体)18:44⑨11:51
11位川端(東海)18:16⑩11:53
6位平田(帝京)18:11⑪12:52
12位三澤(創価)18:20⑫15:24
4位谷川(大東)18:05⑬17:17[13]15:33
19位土師(拓大)19:49⑭17:44[14]17:44
6位國澤(國學)18:11⑰21:25[15]18:18
17位佐藤(上武)19:22⑮18:30[16]18:30
18位古賀(山学)19:40⑯20:06[17]20:06
16位吉田(明大)19:22⑱22:27[18]21:30
OP加藤(連合)18:27(20)27:38[19]21:38
20位山崎(日大)19:56⑲23:43[20]23:43
15位餅崎(国士)19:15⑳42:30[21]24:37
野村選手が本当に絶好調だ。17.5㎞でついに光延選手を捉えた。走りが全くブレない野村選手に対してやや肩がブレていた光延選手、19.2㎞地点で差が開き始め、1㎞語の生麦の時点では17秒も差がついてしまった。総合の区間タイムでもここで池田選手を逆転、区間トップに躍り出た。前哨戦が全く東洋らしくない戦いぶりで東洋大の順位予想を下げる駅伝ファンも多かったですが、ここはさすが東洋大であった。
4位争いが激しくなっており、聞谷選手が3番目のタイム、過去3年間は区間10番前後の成績であったが、最終学年に力を付けた。今シーズン就任した長門監督が4年間9区を走っている選手なのも関係あるかもしれない。ただ、大川選手もしっかり逃げている印象だ。6位争いは横浜駅前直後に藤田選手が城越選手に追いつき、その城越選手が脚が痙攣したこともあり、単独6位へ。その200m後方では8位から10位でバトルとなっており、あまりテレビに映っていなかったが、実は片西がスパート、室伏選手を交わして8位へ浮上、引き離された川端選手も室伏選手には2秒差にまで追い上げている状況だ。
後ろは繰り上げになりそうなチームが増えてきている。見た目15番の國澤選手は好調で大丈夫、上武・佐藤選手は悪いながらもペースを保っているか。先ほど國澤選手と並走していた古賀選手がガクンとペースダウンで一気に20分オーバー、明大・吉田選手も本来の走りとならずたすきを渡すのは難しくなっている。優勝候補と予選2位通過のチームがここまで下がるとは、本当に箱根は走ってみなければ分からないものである。
鶴見中継所23.1-生麦20.2km=2.9km
3位池田(青学)9:00①
2位野村(東洋)8:57②6:30
15位光延(早大)9:37③7:27
8位大川(神大)9:14④8:54
4位聞谷(順大)9:01⑤9:13
9位城越(法大)9:18⑥11:32
13位藤田(中学)9:24⑦11:35
1位片西(駒大)8:56⑧11:43
9位室伏(日体)9:18⑨12:09
12位川端(東海)9:19⑩12:12
5位平田(帝京)9:05⑪12:57
9位三澤(創価)9:18⑫15:41
6位谷川(大東)9:11⑬17:28[13]15:44
6位國澤(國學)9:11⑰21:36[14]18:29
19位土師(拓大)10:04⑭18:48[15]18:48
16位佐藤(上武)9:51⑮19:21[16]19:21
20位古賀(山学)10:29⑯21:35[17]21:35
OP加藤(連合)9:24(20)28:02[18]22:02
18位吉田(明大)9:59⑱23:26[19]22:29
17位山崎(日大)9:53⑲24:36[20]24:36
14位餅崎(国士)9:31⑳43:01[21]25:08
池田選手は最後まで安定した走り、序盤飛ばした分もあるのか、精神的にはずっと苦しい状況だったそうだが、見事有終の美を飾る走りでアンカーに繋いだ。2位野村選手もトップとは6分半もの差となったものの、最後に苦しんだ光延選手を57秒突き放した。来年こそチームの主力選手として引っ張ってくれそうな雰囲気だ。4位争いは大川選手が逃げ切って4位でアンカーへ。神大は9区放送中に過去10年間の総合順位のアナウンスがあったが、このままなら大きなジャンプアップだ。順大・聞谷選手も前を追い上げ、前回区間2位の選手へ、まだまだあげていけるかもしれない。
その後ろ、6位~10位の争いがとても激しい。6位先ほど足を痛めて後退したと思われた城越選手が巻き返した。遅れ始めたところで坪田監督から「4年生最後だ、出し切って終わろう。東福が待ってる。中央学院も苦しい、頑張ってくれ城越」と激励が飛んでいたがそれが効いたのか、6位法大7位中学でリレー。その後ろ驚いた、片西選手が間近に迫っていた。生麦からだけでみるとトップのタイムで駆け抜けた。結果的に駒大は本当に助かった走りだ。
9位10位は150m後方、室伏選手と川端選手が競い合いながら中継所に飛び込んできた。11位との差が気になるが、終盤に少し詰まった。平田選手がラストを5番目のタイムで駆け抜けて45秒差へ。横浜駅前からペースアップしており、1年生らしからぬ23㎞の走り方だった。事前に中野監督が「9区が楽しみ」と発言されていたが、しっかり走り切った。なお3チームもアンカーは前回の箱根で区間一桁で駆け抜けている4年生。箱根はやっぱり4年生頼みになるようだ。
12位以降は10位からは3分半空き万事休すか。ただ、創価・三澤選手が踏ん張って総合12位をキープ。2回目の出場で躍進がかなり濃厚になった。直後には見た目だけでなく総合13位にあげた谷川選手。大東大は6区から4連続区間一桁、このまま10区もまとめたいところだ。
その後ろは見た目で18分以上の差に。この区間好走し、見た目を14番・総合も17位にあげた國澤選手が間に合い、この区間はペースを上げることができなかった拓大・土師選手と上武・佐藤選手もそれまでの貯金で何とか繋ぎ切った。両校とも前回は早い段階で繰り上げにあっていた。シード権は遠のいたものの、ひとまずほっとできるところだろう。
ただ、その後ろは厳しかった。急ぎたかった山学・古賀選手がラストは無念の最下位のタイムであっという間に差が開いてしまった。痛め止めを飲んでの強行出走だったそうだが、襷を繋ぐにはいたらなかった。その後ろは見た目で2つ順位をあげる健闘を見せた加藤選手、玉突きで9区出走の吉田選手も間に合わなかった。
そこからさらに2分間があいて、ブレーキ気味となった日大山崎選手。総合も19位とブービーにまでダウンしてしまった。そこから30秒後ろで国士・餅崎選手が最後尾。ただ、区間16位と国士大が初めて区間18位以内に。両脚ともにガチガチにテーピングを巻いていて横浜駅前でかなり苦しそうだったのだが、粘ったといっていいだろう。そういえば、3年前国士大が初めて区間ブービー以下よりいい成績を取ったのも当時1年で8区出走した餅崎選手だった。これはこれで強メンタルなのかもしれない。