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【10区】第92回箱根駅伝を振り返る

第92回箱根駅伝を振り返っています。

いよいよ最終区です。

6個目の区間賞で締め/無名ランナーの激走

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第92回箱根駅伝【定点間分析・10区】

定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位

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【蒲田5.9㎞】

参考:83回松瀬(順大)17分27秒

1位渡邉(青学)17分31秒①
2位渡邊(東洋)17分40秒②6:47
18位中村(駒大)18分10秒③8:52
5位藤原(早大)17分47秒④13:07
17位小川(中学)18分09秒⑥16:27[5]14:03
4位小野木(日体)17分45秒⑦16:33[6]14:16
2位山田(明大)17分40秒⑫22:38[7]15:11
14位金子(東海)18分00秒⑤15:32[8]15:32
OP細森(学連)18分05秒(⑪)20:25[9]17:19
12位北村(大東)17分59秒⑱30:26[10]17:33
12位上村(山学)17分59秒⑧17:35[11]17:35
14位作田(順大)18分00秒⑨18:02[12]18:02
11位島口(帝京)17分58秒⑩20:17[13]19:36
6位小針(東国)17分55秒⑰28:50[14]20:24
6位東島(拓大)17分55秒⑮26:25[14]20:24
6位辻井(城西)17分55秒⑬23:45[14]20:24
6位坂本(上武)17分55秒⑳36:28[14]20:24
6位城越(法大)17分55秒⑲36:09[14]20:24

16位松原(中大)18分08秒⑯26:28[19]20:37
18位大川(神大)18分10秒⑭25:24[20]20:39
18位山崎(日大)18分10秒⑪21:24[20]20:39

前回3区で往路の速い流れに耐えた青学・渡邉選手が、1万28分30秒台の力を付けてこのアンカーに登場した。出雲全日本起用されなかったのが不思議なくらい力のあるランナーだ。決して無理して突っ込んでいる感じではないが、しっかりと区間トップのタイムで行く。また2位東洋・渡邊選手も2番目。3障のイメージが強いが、まずは早い入りだ。対照的に駒大・中村選手は18番目とスローだが、18分10秒はそこまで悪くはないか。しっかりと繋ぐ。

他に飛ばして入っているのは、明大・山田選手。逆転するには区間記録を目指すくらいでなければならず、突っ込むべきなのだろう。逆に飛ばして入ってほしい日大・山崎選手はスタート直後から神大・大川選手とともに繰り上げ組の最後尾を走る。監督車からは「5㎞から上げよう」という事でここからどう推移していくか注目された。なお、繰り上げ組の多く、スタート直後は上武・坂本と拓大・東島選手が、今は東国・小針選手を先頭に早い入り、サバイバルとなっている。

【新八ツ山橋13.3㎞-蒲田5.9㎞=7.4㎞】

参考:83回松瀬(順大)22分22秒

1位渡邉(青学)22分30秒①
4位渡邊(東洋)22分57秒②7:14
14位中村(駒大)23分20秒③9:42
13位藤原(早大)23分16秒④13:53[4]13:53
5位小野木(日体)22分59秒⑥17:02[5]14:45
19位小川(中学)23分54秒⑦17:51[6]15:27
3位金子(東海)22分54秒⑤15:56[7]15:56
18位山田(明大)23分29秒⑫23:37[8]16:10
7位上村(山学)23分04秒⑧18:09[9]18:09
OP細森(國學)23分20秒(⑪)21:15[9]18:09
2位作田(順大)22分51秒⑨18:23[11]18:23
17位北村(大東)23分28秒⑱31:24[12]18:31
6位島口(帝京)23分04秒⑩20:51[13]20:10
9位小針(東国)23分13秒⑰29:33[14]21:07
9位城越(法大)23分13秒⑲36:52[14]21:07
9位坂本(上武)23分13秒⑳37:11[14]21:07
8位大川(神大)23分04秒⑭25:58[17]21:13
9位松原(中大)23分13秒⑮27:11[18]21:20
16位辻井(城西)23分26秒⑬24:41[18]21:20
15位山崎(日大)23分25秒⑱22:19[20]21:34

20位東島(拓大)24分15秒⑯28:10[21]22:09

青学・渡邉選手は区間記録からはやや遅れているものの、堅実に出走。この定点間、2番目の選手を20秒以上引き離すのは力があるからなのだろう。2位との差を再び7分以上とした。

なお、2番目・3番目に良かった選手がここは無名の叩き上げだ。順大・作田選手が一気にペースアップ。失速気味の大東・北村選手を交わし更に山学・上村、國學・細森選手に迫る。また、東海・金子選手もいい。部の規定タイムに届かず同好会からスタートした選手。やっと部に入れたのは2年生の半ば。まだ1万も30分台、そんな金子選手に両角監督は「前の選手が近づいている、1万30分台のお前が28分台に勝ったら面白いぞ~、いいぞいいぞ~」と声かけ。おそらくこの定点で後ろにいる山田選手を追い上げ交わしたのだろう。その山田選手はかなり苦しい走り、大逆転のシード権は厳しくなった。

他、好走と失速の差が早くも激しくなっている。安定感を監督から期待されている日体・小野木選手は快調に5番手へ。6番手となった中学・小川選手は大幅ダウン。中学は昨日の5区での失敗があるだけに嫌なムードだ。また、帝京・島口選手がリズムに乗ってきた。日大・山崎選手は、この間にぐっとあげた大川選手につけずスローな入り。シード権は1分28秒と遠くなった。

その後ろに一気に落ちたのが拓大・東島選手、本来なら主要区間張るはずなのでおかしいと思っていたがやはり状態は良くないようだ。なお、現時点で法大・城越と上武・坂本選手が並んでるが、総合では18秒差で法大が19位。この後の両者の差が気になるところだ。

【田町16.5㎞-新八ツ山橋13.3㎞=3.2㎞】

参考:83回松瀬(順大)9分19秒

2位渡邉(青学)9分29秒①
3位渡邊(東洋)9分33秒②7:18
11位中村(駒大)9分52秒③10:05
5位藤原(早大)9分44秒④14:08
12位小野木(日体)9分53秒⑥17:26[5]15:09
5位金子(東海)9分44秒⑤16:11[6]16:11
18位小川(中学)10分13秒⑨18:35[6]16:11
19位山田(明大)10分18秒⑫24:17[8]16:50

1位作田(順大)9分28秒⑦18:22[9]18:22
4位上村(山学)9分42秒⑦18:22[9]18:22
OP細森(國學)9分42秒(⑪)21:28[9]18:22

20位北村(大東)10分23秒⑱32:18[12]19:25
10位島口(帝京)9分50秒⑩21:12[13]20:31
7位小針(東国)9分48秒⑰29:52[14]21:26
7位城越(法大)9分48秒⑲37:11[14]21:26

9位大川(神大)9分49秒⑭26:18[16]21:33
14位松原(中大)9分57秒⑮27:39[17]21:48
17位坂本(上武)10分10秒⑳37:52[17]21:48
15位辻井(城西)10分07秒⑬25:19[19]21:58[19]

13位山崎(日大)9分56秒⑪22:46[20]22:01
16位東島(拓大)10分09秒⑯28:50[21]22:49

ここで初めて作田選手が定点間トップのタイム。いいペースで走っていた山学・上村選手と國學・細森選手に追いつき引っ張ります。離れた大東・北村選手が完全に失速。元々状態が悪い上にロードの苦手さが合わさってしまったか。

また、繰り上げ組では、東国・小針選手と法大・城越選手がいいですね。小針選手はさすが箱根経験者、法大はここにきて初めて好走と言える区間ができるか?また、この間に上武・坂本選手が離されて、最下位の争いも決まりそうだ。

【御成門18.1㎞-田町16.5㎞=1.6㎞】

参考:83回松瀬(順大)5分02秒

1位渡邉(青学)5分10秒①
2位渡邊(東洋)5分11秒②7:19
9位中村(駒大)5分22秒③10:17
6位藤原(早大)5分19秒④14:17
14位小野木(日体)5分25秒⑥17:41[5]15:24
5位金子(東海)5分13秒⑤16:14[6]16:14
16位小川(中学)5分35秒⑨19:00[7]16:36
18位山田(明大)5分41秒⑫24:48[8]17:21
3位作田(順大)5分12秒⑦18:24[9]18:24
3位上村(山学)5分12秒⑦18:24[9]18:24

OP細森(國學)5分18秒(⑪)21:36[11]18:30
19位北村(大東)5分46秒⑱32:54[12]20:01
11位島口(帝京)5分23秒⑩21:25[13]20:44
11位小針(東国)5分23秒⑰30:05[14]21:39
11位城越(日体)5分23秒⑲37:24[14]21:39
7位大川(神大)5分19秒⑭26:27[16]21:42
9位松原(中大)5分22秒⑮27:51[17]22:00
8位山崎(日大)5分21秒⑪22:57[18]22:12
15位辻井(城西)5分28秒⑬25:37[19]22:16
20位坂本(上武)6分09秒⑳38:51[20]22:47
17位東島(拓大)5分36秒⑯29:16[21]23:15

今度はトップの2人が良かったですね。駒大・中村選手も徐々にペースアップしてきたか。中間少し落ち気味だった早大・藤原選手も持ち直してきていますね。後ろ詰め寄りかけていた日体・小野木選手を引き離しています。小野木選手は息切れ気味か。好調をキープする東海・金子選手は総合5位を確保できそうか。

日体大の総合6位はまだ分からない。というのも総合7位となった順大・作田、山学・上村選手が競り合いながら日体と43秒差。両者の勢いの差からするとまだ分からない。中学・小川選手がここで総合9位にまで落ちたが、悪いなりにもまとめており、10位帝京・島口選手よりは2分以上前だ。

総合11位日大・山崎選手はここにきてペースアップ。見た目も2つ順位を上げ、ようやく2秒詰めた。1分32秒差をここから追えるか。また心配なのが上武・坂本選手で一気に急落。先に落ちた中大・松原選手や城西・辻井選手にも交わされている。

【馬場先門20.1㎞-御成門18.1㎞=2.0㎞】

参考:83回松瀬(順大)6分17秒

1位渡邉(青学)6分05秒①
4位渡邊(東洋)6分07秒②7:21
8位中村(駒大)6分16秒③10:28
7位藤原(早大)6分15秒④14:27

12位小野木(日体)6分21秒⑥17:57[5]15:40
5位金子(東海)6分10秒⑤16:19[6]16:19
17位小川(中学)6分37秒⑨19:32[7]17:08
19位山田(明大)6分54秒⑫25:37[8]18:10
2位作田(順大)6分06秒⑦18:25[9]18:25
2位上村(山学)6分06秒⑦18:25[9]18:25

OP細森(國學)6分22秒(⑪)21:53[11]18:47
18位北村(大東)6分48秒⑱33:37[12]20:44
8位島口(帝京)6分16秒⑩21:36[13]20:55
6位大川(神大)6分14秒⑭26:36[14]21:51
10位城越(法大)6分17秒⑲37:36[14]21:51
11位小針(東国)6分18秒⑰30:18[16]21:52
14位松原(中大)6分27秒⑮28:13[17]22:22
13位山崎(日大)6分25秒⑪23:17[18]22:32
16位辻井(城西)6分33秒⑬26:05[19]22:44
15位東島(拓大)6分28秒⑯29:39[20]23:38

20位坂本(上武)7分52秒⑳40:38[21]24:34

先ほど縮まりかけたシード権はまた島口選手が突き放す展開。前から大東・北村選手が見えてきたのもいい目標になっているだろうか。また、繰り上げ組で神大・大川選手がここにきて一番元気で、城越・小針選手をとらえて前に出ようとしている。これはうまくペースメイクしていたと言えるか。また、坂本選手が更に急落、大失速している明大・山田選手より更に1分遅いタイムで、見た目も最下位に転落している。

【大手町23.0㎞-馬場専門20.1㎞=2.9㎞】

参考:83回松瀬(順大)8分32秒

3位渡邉(青学)9分22秒①
2位渡邊(東洋)9分12秒②7:11

8位中村(駒大)9分29秒③10:35
6位藤原(早大)9分24秒④14:29
10位小野木(日体)9分32秒⑦18:07[5]15:50
4位金子(東海)9分22秒⑤16:19[6]16:19
15位小川(中学)9分56秒⑨20:06[7]17:42
1位作田(順大)8分56秒⑥17:59[8]17:59
5位上村(山学)9分23秒⑧18:26[9]18:26
OP細森(國學)9分34秒(⑪)22:05[10]18:59
18位山田(明大)10分59秒⑭27:14[11]19:47
14位島口(帝京)9分42秒⑩21:56[12]21:15
7位大川(神大)9分28秒⑬26:42[13]21:57
12位城越(法大)9分33秒⑲37:47[14]22:02
13位小針(東国)9分39秒⑰30:35[15]22:09
19位北村(大東)11分05秒⑱35:20[16]22:27
11位松原(中大)9分32秒⑮28:23[17]22:32
9位山崎(日大)9分30秒⑪23:25[18]22:40
16位辻井(城西)9分58秒⑫26:41[19]23:20
17位東島(拓大)10分13秒⑯30:29[20]24:28

20位坂本(上武)12分05秒⑳43:21[21]27:17

トップ、青学・渡邉選手が大手町のゴールから見えてきた。69分台を狙えるペースだったが、残り3㎞で脱水症状にかかっていたそう。笑顔でゴールする為、最後は1㎞3分20秒とペースを落とし、大歓声の輪の中を進む。そして、ガッツポーズをしながら見事V2のゴールテープを切った。全日本敗戦で箱根も危うしかと思われたが、終わってみれば1区から独走の完勝。39年ぶりの往復完全優勝を成し遂げた。区間賞も6つ、とても強かった。まだまだこれからも青学大が大学駅伝界をリードする状況が続きそうだ。

2位でやってきたのは東洋・渡邊選手。彼も終始好ペースを維持し続けていた印象だ。直前に故障者なども出て、青学には力負けしてしまったが、前回より1つ順位をあげ、チーム力を示したと言えよう。次に駒大・中村選手。終盤にペースを上げたものの区間12位はやや不満か。ただ、チームとして久々にタイトル無冠で終わった事は悔しさとして心にとどめて置きたい所だろう。

そこから4分弱離れて早大・藤原選手がやってきた。優勝争いに加われないのを悔しがっていたがアクシデントもありながら押し上げていった印象もある。更なる高みにエースを育成したい。次に予選組から日体・小野木選手がやってきた。まだ総合順位は確定していないがおそらく大丈夫。エースの退部など乗り越えてジャンプアップしてきた。次にとてもいい走りを見せた東海・金子選手。ピンチな場面もあったが、4年生が働いた東海大が狙い通り5位と目標を達成した。

少し間があって、やってきたのは中学・小川選手。最初で最後の大学駅伝は非常に苦しい走りとなったが、何とか74分台。貯金でいけるか。その直後に駆け込んだのは見た目3つもあげた作田選手。この定点間ダントツのトップタイム。しかも総合でも日体大を交わし6位へ引き上げた。3年ぶりのシード権を無名選手が決めて見せた。直後、復路はやや不完全燃焼だった山学大。上村選手は区間5位と踏ん張った。ここで7位日体、9位中学も確定、シード権は残り1枠となった。

続いて、連合・細森選手。史上最速と言われていた中、終始中位でまとめてきて、2区などで見せ場もあって存在感を示した。その後、おぼつかない足取りできたのは明大・山田選手。往路でまさかの展開、復路踏ん張ったものの最後は力尽きた感じで何とかゴールラインに到達した。ターゲットとなっていた帝京・島口選手がその1分半後姿を現した。中野監督の「後は任せるぞ、ありがとう」の言葉の元、小さくガッツポーズしながらゴール。この瞬間、上位10校の総合順位が確定し、帝京大の2年ぶりシード権も決まった。見事な総合力であった。

すぐに姿が見えてきたのは3校による繰り上げ組のトップ争い。制したのは神大・大川選手、目の前で襷を受け取れない屈辱を味わいながらもしっかり走り切った。次に法大・城越選手、最後の最後でチーム初の区間一桁を獲得した。そして初出場の東国・小針選手。7区以降苦しかったが唯一の経験者がしっかり戻ってきた。初出場はブービーか最下位が定位置だったが、その前の地点で総合17位、よく戦ったと言える。

次に、大きく落としてしまった大東・北村選手。よろめきながら走っている。ただ、復路はそれまでの4区間は区間10位以内、存在感を示すことは何とかできたか。彼が安定すればまた来年面白い。直後に2校、まずは中大・松原選手がゴール。1区の好位置を活かせなず今回もシード落ち、まだ冬は続く。そして日大・山崎選手。最後に詰めてきたものの、1分29秒帝京大に届かなかった。最も、シーズンスタート時は3人しかいないという評価ながらよくあげてきたとも言えるか。くやしさを糧に来年こそ取り戻したい。

残り3チーム。見えてきたのは城西・辻井選手。下馬評通りシード権には手が届かなかったものの、往路はシード権の前で戦う善戦をしたともいえる。布陣からすると、来年が楽しみなチームだ。そして、こちらも往路は面白かった拓大。東島選手が疲れた表情でゴール。誤算はあったが6区を何とかしないとという所か。そこから2分半以上待って、ようやく見えた来た上武・坂本選手。主力選手だが万全には遠い状態だったか。最後はジョギングのペースにまで落ち込んでいた。8年連続8回目の出場で初の最下位。何らかの手を打ちたいところだ。

とても気温が高くなった今大会、体調管理が難しくなった。現に5区7区9区10区と明らかにアクシデントと思われる失速が出た。それでも、無事全チームがゴールを迎えたのは、選手本人やチーム全体の頑張りだろう。彼らの頑張りが次に繋がるよう応援していきたい。