第92回箱根駅伝を定点別に振り返っています。
今度は復路スタート6区です
本命消えた中、”下りオタク”会心の走り
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第92回箱根駅伝【定点別分析・6区】
定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位
【芦之湯4.8㎞】
参考:87回千葉(駒大)16分28秒
参考:91回三浦(早大)16分26秒
※ここからは通過順位順に並べてあります。3位小野田(青学)15分58秒①
1位口町(東洋)15分52秒②2:58
7位宮下(駒大)16分20秒③5:42
12位秦(山学)16分31秒④8:02
10位町井(日大)16分24秒⑤8:59
15位佐藤淳(早大)16分42秒⑥9:06
2位秋山(日体)15分53秒⑩12:12[7]9:55
5位森(順大)16分11秒⑦9:57[8]9:57
4位樋口(中学)16分10秒⑪12:36[9]10:12
10位國行(東海)16分24秒⑧10:16[10]10:16
6位谷本(中大)16分19秒⑯15:34[11]10:21
8位原(帝京)16分23秒⑨11:06[12]10:25
8位小川(明大)16分23秒⑰17:52[12]10:25
13位馬本(上武)16分38秒⑱19:22[14]10:40
14位鈴木(神大)16分40秒⑮15:23[15]10:42
15位田中(法大)16分42秒⑲20:43[16]10:44
OP吉村(学連)16分42秒(⑮)13:50[16]10:44
17位熊谷(東国)16分45秒⑬12:58[18]10:47
18位佐藤穏(城西)16分52秒⑫12:41[19]10:54
18位鴇沢(大東)16分52秒⑳23:47[20]10:54
20位大中(拓大)17分45秒⑭13:34[21]11:47
スタート前の衝撃だった。前回区間2位の青学・村井選手が気胸欠場で、1年小野田選手が代役を担うのは聞いていたものの、前回区間賞であり区間記録保持者であった早大・三浦選手が前日の練習で脚を痛め、急遽佐藤選手が出走。前回1位2位不在の中、どのようなスタートになるのか注目された。
結果、最初の登りは東洋・口町選手がトップ。ある意味一番エントリーで注目されていた。前哨戦連続区間賞で、全日本ではMVPを獲得した選手がまさかの6区エントリー。適性より勢いを買った采配だが、最初の登りは順調にクリア。トップと差を詰めた。もっとも、小野田選手も3番目の好タイムで通過しており、大きくは詰めさせない走りとなっている。
なお、2番目タイムの通過は、日体・秋山選手。前回区間3位の走りをしていて、上尾ハーフも63分台と好調。既に時差スタートの順大・森、東海・國行選手を交わして、見た目7番に浮上。また、区間新宣言していた樋口選手もいい走り。前回60分を切っている中大・谷本選手や秒差で追っている帝京・原、明大・小川選手も飛ばしている。少し離れて上武・馬本選手らの集団が続き、しんがり拓大・大中選手がこの時点で大幅に遅れ、まさかの17分45秒も経過。一気に総合順位も4つ落とし、不安すぎる出だしとなった。
【小涌園前9.0㎞-芦之湯4.8㎞=4.2㎞】
参考:87回千葉(駒大)10分38秒
参考:91回三浦(早大)10分40秒3位小野田(青学)10分50秒①
13位口町(東洋)11分06秒②3:14
8位宮下(駒大)10分58秒③5:50
5位町井(日大)10分53秒④9:02
5位佐藤淳(早大)10分53秒⑤9:09
20位秦(山学)12分05秒⑥9:17
1位秋山(日体)10分38秒⑩12:00[7]9:43
2位樋口(中学)10分39秒⑪12:25[8]10:01
11位森(順大)11分05秒⑦10:12[9]10:12
3位小川(明大)10分50秒⑰12:25[10]10:25
7位谷本(中大)10分54秒⑮15:38[10]10:25
9位國行(東海)11分00秒⑧10:25[10]10:25
10位原(帝京)11分01秒⑨11:17[13]10:36
12位熊谷(東国)11分05秒⑫13:13[14]11:02
OP吉村(東経)11分18秒(⑭)14:18[15]11:12
15位鈴木(神大)11分20秒⑯15:53[16]11:12
14位鴇沢(大東)11分14秒⑳24:11[17]11:18
17位田中(法大)11分32秒⑲21:25[18]11:26
16位佐藤穏(城西)11分22秒⑫13:13[19]11:26
18位馬本(上武)11分44秒⑱20:16[20]11:34
19位大中(拓大)11分55秒⑭14:34[21]12:47
下りに入ってからトップが再び攻勢に転じる。小野田選手が上下動がほとんどない素晴らしいフォーム。口町選手はやや詰まった走りになり、差がじりじり開き始めた。それよりも速いペースの駒大・宮下選手も引き離された。3障で大活躍しているが、それでも1年生に及ばない。ここでも、青学が優位に立つのか。
後ろでは4位争いが急を告げていた。6位スタートの日大・町井選手が絶好調で一気に4位にまで進出。復路は苦しいと思われた日大だがこれは予想外。逆に山学・秦選手がこの定点間まさかの最下位のタイムでブレーキ。1500mのスピードがあり更に1年生の頃から6区希望、3年の今回満を持しての起用だったが…。先ほどの定点でやや心配のタイムだった早大・佐藤選手が下りに入ってからいい感じになっている。
なお、この定点間、良かったのは秋山選手と樋口選手。ほぼ区間記録と匹敵するタイム。前にも追いつきそうだ。また、小川選手も下りに入ってチャージをかける。今まで山登りの控えというイメージで正直出走に驚いたのがここまではいい調子だ。
原選手の後は少し差が開き、東国・熊谷選手から続々とくるが、下がった馬本選手の苦しそうな走りがちょっと気になったか。それから1分以上も後ろとなった大中選手は下りでもペース上がらず。拓大は2年連続の悪夢に見舞われている。
【大平台13.4㎞-小涌園前9.0㎞=4.4㎞】
参考:87回千葉(駒大)11分23秒
参考:91回三浦(早大)11分29秒1位小野田(青学)11分32秒①
9位口町(東洋)11分55秒②3:37
12位宮下(駒大)11分59秒③6:17
4位町井(日大)11分48秒④9:18
7位佐藤淳(早大)11分49秒⑤9:26
3位秋山(日体)11分34秒⑩12:02[6]9:45
2位樋口(中学)11分33秒⑪12:26[7]10:02
19位秦(山学)12分29秒⑥10:14[8]10:14
4位谷本(中大)11分48秒⑮15:54[9]10:41
4位小川(明大)11分48秒⑰18:08[9]10:41
13位森(順大)12分05秒⑦10:45[11]10:45
11位國行(東海)11分58秒⑧10:51[12]10:51
13位原(帝京)12分05秒⑨11:50[13]11:09
8位熊谷(東国)11分53秒⑫13:34[14]11:23
OP吉村(東経)11分59秒(⑭)14:45[15]11:39
9位鴇沢(大東)11分55秒⑳24:34[16]11:41
15位鈴木(神大)12分18秒⑯16:39[17]11:58
16位田中(法大)12分24秒⑲22:17[18]12:18
17位佐藤穏(城西)12分24秒⑬14:05[18]12:18
20位馬本(上武)12分52秒⑱21:36[20]12:54
18位大中(拓大)12分27秒⑭15:29[21]13:42
ますます安定感を増した小野田選手がこの定点間トップのタイム。青学は1区3区6区が事前の不安要素だったが、全てハマっている。東洋と駒大はなすすべもなく引き離される。区間賞争いにも注目するとやはり秋山選手がトップ。100m離れた樋口選手と共にガンガン前を行く。既にペースの上がらない秦選手を後ろに置き去りにして、好走を続ける町井・佐藤選手の後ろにも迫る。
その後ろは、ややペースの落ちた森選手を、谷本選手と小川選手が捉えて前へ。シード権が遠のいた伝統校が必死に巻き返しにかかる。なお、谷本選手は15位に順位アップ。後半に入っても低調の神大・鈴木選手は更に後退している。また、東国・熊谷選手がここにきてペースアップ。登りで飛ばしたグループを追い始める。
【函嶺洞門17.0㎞-大平台13.4㎞=3.6㎞】
参考:千葉(駒大)9分15秒
参考:三浦(早大)9分19秒2位小野田(青学)9分29秒①
7位口町(東洋)9分46秒②3:54
9位宮下(駒大)9分54秒③6:42
6位佐藤淳(早大)9分43秒④9:40
8位町井(日大)9分51秒④9:40
1位秋山(日体)9分26秒⑨11:59[6]9:42
3位樋口(中学)9分31秒⑪12:28[7]10:04
11位秦(山学)10分02秒⑥10:47[8]10:47
13位森(順大)10分03秒⑦11:19[9]11:19
15位谷本(中大)10分07秒⑮16:32[9]11:19
15位小川(明大)10分07秒⑰18:46[9]11:19
13位國行(東海)10分03秒⑧11:25[12]11:25
5位熊谷(東国)9分42秒⑫13:47[13]11:36
11位原(帝京)10分02秒⑩12:23[14]11:42
4位鴇沢(大東)9分41秒⑳24:46[15]11:53
OP吉村(東経)9分50秒(⑭)15:06[16]12:00
18位鈴木(神大)10分17秒⑯17:27[17]12:46
17位佐藤穏(城西)10分13秒⑬14:49[18]13:02
19位田中(法大)10分18秒⑲23:06[19]13:07
10位大中(拓大)9分58秒⑭15:58[20]14:11
20位馬本(上武)10分53秒⑱23:00[21]14:18
4位以下の争いが騒がしくなっている。5位佐藤選手が頑張り町井選手と並走に持ち込む。しかし、すぐ後ろに秋山選手が迫るが逃げ切れるか…。
見た目8番争いは、秦選手がここにきて頑張ってキープ。谷本・小川選手が失速し、森・國行選手が追いつく。更に帝京・原選手をとらえた熊谷選手が近づいてくる。また、大東・鴇沢選手がこの間で一気にペースアップ。学連・吉村選手を交わすなど、原選手のすぐ後ろになってきた。また、大中選手が粘り、逆に大幅失速した馬本選手が見た目最下位に転落。終盤に入って、また少し動きが出てきたようだ。
【小田原20.8㎞-函嶺洞門17.0㎞=3.8㎞】
参考:87回千葉(駒大)10分27秒
参考:91回三浦(早大)10分37秒2位小野田(青学)10分42秒①
5位口町(東洋)11分02秒②4:14
12位宮下(駒大)11分33秒③7:33
1位秋山(日体)10分38秒⑦11:55[4]9:38
6位佐藤淳(早大)11分16秒④10:14[5]10:14
3位樋口(中学)10分54秒⑩12:40[6]10:16
8位町井(日大)11分25秒⑤10:23[7]10:23
12位秦(山学)11分33秒⑥11:38[8]11:38
8位谷本(中大)11分25秒⑮17:15[9]12:02
4位鴇沢(大東)10分58秒⑳25:02[10]12:09
10位國行(東海)11分28秒⑧12:11[11]12:11
7位熊谷(東国)11分18秒⑫14:23[12]12:12
18位森(順大)11分48秒⑨12:25[13]12:25
14位原(帝京)11分37秒⑪15:48[14]12:37
19位小川(明大)12分03秒⑰12:40[15]12:40
OP吉村(東経)11分27秒(⑭)15:51[16]12:45
11位鈴木(神大)11分32秒⑯18:17[17]13:36
17位佐藤穏(城西)11分41秒⑬15:48[18]14:01
15位田中(法大)11分40秒⑱24:04[19]14:05
15位大中(拓大)11分40秒⑭16:56[20]15:09
20位馬本(上武)12分07秒⑲24:30[21]15:48
小野田選手は最後までペースが落ちず、なんと1年生史上初となる58分台。しかも区間記録にも並んでしまった。とんでもルーキーが隠れていたものだ。1分は縮められても仕方ないと言われていた中、逆に1分以上差をつけ2位東洋とは4分以上に。口町選手は登戸平地はさすがの走りだったが、下りは足に合わなかっただろうか。宮下選手も後半ペースが落ち、差が開いた。
その後ろだ。最後まで表情もペースを崩さない日体・秋山選手が4番目まで順位を上げてやってきた。区間記録以上のペースでここまできた。そして次走者に襷を渡す。そのタイムは58分09秒!旧記録の千葉選手の記録まで超えて見せた。しかも足の皮は全く向けていない。まさに完璧な走りだった。6区を愛しており、渡辺監督からは『下りオタク』と異名をつけられたいた。区間賞は目指していたものの記録は想像以上に良かったようでレース後「千葉さん超えた!?嘘だろ!?」と話していたのが印象的だった。総合順位でも6つ上げて7位。再びチームを上昇気流に乗せた。
次に代役ながら4位に順位を上げた佐藤選手、後ろからやってきた樋口選手には抜かせなかった。樋口選手も1年生で58分台を出したものの、小野田選手に隠れてしまった。それでも立派な好走で4人抜きで総合10位まであげてきた。最後交わされた町井選手もまずまずのタイム。5区だけでなく6区でも貯金する事ができた。
1分以上離れ、秦選手が何とかリレー、そっからラッシュ。谷本選手のすぐ後ろ、ラストで爆走となった鴇沢選手が一気に見た目で順位アップ。國行選手と熊谷選手も抜いた。東国はなんと山がどちらも区間一桁。初出場とは思えぬレースぶり。総合12位もキープしている。また、最後で勿体ない走りとなったのが順大・森、明大・小川選手。特に明大は逆転シードに勢いづくと思ったのだが無念。また、帝京・原選手は悪くなかったが、日体中学の好走の憂き目にあい、総合11位転落。激しい争いが続く。
学連・吉村選手から1分近く遅れ、終始乗れなかった組。神大・鈴木選手が最後抜け出してリレー。予選の走りも良かったし、平地は基礎走力があったか。ただ2年連続山が良くなかったのはつらいところだ。また、城西・佐藤選手と法大・田中選手もずっと低調のまま終える。大中選手は更に1分後ろ。城西や拓大は10位11位とほぼ同時だったのだが、それぞれ13位14位で一気に後退してしまった。
最後になったのが馬本選手。足を引きずるような苦しい走りとなってしまい、区間タイム64分オーバー。上武は1度も6区の好走がないが今回もブレーキに。見た目の差も15分48秒となり、早くも繰り上げを心配しなければならないタイム差だ。全体的には58分台の好走もあれば、区間6位以下は60分オーバーと、チームによって変動が大きかった印象だ。復路スタートからかなりレースが動いたと言えよう。