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第90回箱根駅伝を解剖しよう!【3区編】

第90回箱根駅伝2014の定点間分析をして、詳しく見ていっています。
 
 
続いて、3区となります
 
 

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第90回箱根駅伝2014【定点間分析・3区】

3区
 定点間色分け:1位 2位3位 4位5位6位 7位8位 15位16位17位 18位19位20位 21位22位23位
遊行寺坂5.4㎞
記録:コスマス(山学)14分52秒(2分45秒2)
1位油布(駒大)15分19秒①(2分50秒2)
1位設楽(東洋)15分19秒②0:26

3位武田(早大)15分28秒③0:38(2分51秒2)
11位八木沢(明大)15分51秒④1:46(2分56秒1)
5位石田(青学)15分43秒⑤2:20
13位勝亦(日体)15分52秒⑥2:52
20位金森(拓大)16分07秒⑦3:44
10位佐藤(上武)15分49秒⑧4:18
14位植木(大東)15分53秒⑧4:18
22位竹ノ内(日大)16分08秒⑩4:55(2分59秒3)
20位稲田(順大)16分07秒⑪5:00
11位土屋(東海)15分51秒⑫5:03
16位沖守(國學)15分56秒⑬5:20
17位黒山(法大)15分59秒⑬5:20

4位塩谷(中学)15分42秒⑮5:23(2分54秒4)
7位難波(帝京)15分46秒⑯5:36
19位町澤(中大)16分04秒⑰7:27
18位横田(城西)16分03秒⑱8:05(2分58秒3)
9位戸田(農大)15分48秒⑲8:32
5位西山(神大)15分43秒⑳9:49
OP兼子(山学)15分47秒[21]10:28
8位武藤(国士)15分47秒㉒12:38[21]10:28

15位澤野(専大)15分54秒㉑10:28
★上位3チームが抜けてる ただ、設楽悠選手はやや抑え気味
 タイム見ていると通過順位の1位駒大・油布、2位東洋・設楽悠、3位早大・武田の3人が最初は抜けていますね。油布選手はスピードランナーですし、序盤からある程度いったと思います。この地点では設楽悠選手とほぼ同じペースですが、設楽悠選手は少し遅めに入っているでしょうか。その後の推移を見ていると、遊行寺坂以降は区間記録と全く同じペースで走っています。全日本後に少し故障していたということでいきなり追わなかったように思います。
 
 少しずつ離され始めていた武田選手ですが、これを見ると4番目のタイムの選手は突き放していますので、設楽悠選手めがけてかなり突っ込んでいるように見えますね。最後も大きな失速にはならかったですので、オーバーペースギリギリにはとどめているようです。4位の明大・八木沢選手は中位あたりですが、過去2年の箱根も最初は抑え気味でしたので、予定通りでしょうか。
 
 
★2区までに出遅れていたチームで飛ばしている選手がちらほら
 その他区間上位選手を見ると、青学・石田選手を除いて、序盤に出遅れているチームが前を必死に追っている様子が見受けられます。中学大・塩谷選手と、それを追う帝京・難波選手が、その前の法大・黒山&國學・沖守選手までもう少しという位置に。
 
 それと、20番目以下の選手も早いですね。箱根5区を直前に断念した神大・西山選手が完全に単独走ながら、5番目のタイム。繰り上げスタートの山学・兼子選手が国士・武藤選手を引き連れて、7秒前にスタートした専大・澤野選手に追いついてる様子があります。逆に中位の選手は割と抑えています。総合10位11位争っている日大・竹ノ内選手と順大・稲田選手が非常にスローです。
 
 
茅ヶ崎14.5㎞-遊行寺坂5.4㎞=9.1㎞
記録:コスマス(山学)25分53秒(2分50秒7)
コスマス選手の時は茅ヶ崎14.4㎞、計算は現在の距離表示に準拠
なお、ここまで
コスマス(山学)40分45秒
竹澤(早大)40分50秒
設楽(東洋)41分15秒

1位設楽(東洋)25分56秒①(2分51秒0)

3位油布(駒大)26分46秒②0:24(2分56秒5)
5位武田(早大)26分56秒③1:12
2位八木沢(明大)26分34秒④1:58(2分55秒2)
9位石田(青学)27分22秒⑤3:20(3分00秒4)
18位勝亦(日体)27分58秒⑥4:28
15位金森(拓大)27分36秒⑦4:58
12位佐藤(上武)27分27秒⑧5:25
13位植木(大東)27分32秒⑨5:28(3分01秒5)
4位塩谷(中学)26分47秒⑩5:48
6位土屋(東海)27分07秒⑩5:48(2分58秒8)
8位竹ノ内(日大)27分15秒⑩5:48
7位稲田(順大)27分14秒⑬5:52
14位難波(帝京)27分33秒⑭6:47
20位黒山(法大)28分10秒⑮7:08
21位沖守(國學)28分29秒⑯7:28(3分07秒8)
16位町澤(中大)27分45秒⑰8:50(3分02秒9)
11位戸田(農大)27分26秒⑱9:37
19位横田(城西)28分09秒⑲9:52(3分05秒6)
10位西山(神大)27分24秒⑳10:51
OP兼子(山学)27分10秒[21]11:16
17位澤野(専大)27分52秒㉑11:58[22]11:58
22位武藤(国士)28分46秒㉒15:02[23]12:52(3分09秒7)
★トップに立った東洋・設楽悠選手の独壇場へ
 遊行寺坂を超えたあたりから急激にトップとの差が詰まり、9㎞地点で並走に。3回目の3区で前回区間賞の設楽悠選手がトップギア全開にすると油布選手はじわりじわり引き離され始めた。遊行寺坂以降は区間記録ペースで走り始められてら誰もかなわない。3番目のタイムで走っている油布選手も50秒(26秒ひっくり返され24秒ビハインド)、ペースを上げ始めた明大・八木沢選手でさえ38秒もこの間に離されている。いかに強かったか分かる。
★中学・塩谷選手が邁進 10番前後が激しいバトルに
 その次を見ると先ほどの定点で総合15位だった中学・塩谷選手が10位争いまで浮上しているのが目を張る。沖守・黒山選手をぶち抜き、竹ノ内選手と稲田選手に東海大・土屋選手を巻き込んで集団(稲田選手が遅れ加減)。さらにその前の上武・佐藤、大東・植木選手の姿も見え始めている。昨年はこのあたりから失速し始めているが、今年は違う姿を見せている
 
★日体・勝亦選手が波に乗れず、大きく後退 法大・國學等も苦しい
 その塩谷選手に抜かれて全く対応出来なかったのは法大・黒山選手と、國學・沖守選手で、この間決して良くなかった帝京・難波選手にも交わされた。特に沖守選手が非常に苦しい走りになってきているのが分かる。他、城西・横田選手が農大・戸田選手に抵抗できず交わされ後退、先ほど山学・兼子選手に食らいついていた国士・武藤選手も完全に息切れしている感じだ。
 
 また派遣を狙うチームでは日体大・勝亦選手がリズムに乗れずこの間18番目のタイム。後に別府監督から「消極的過ぎ」とダメ出しされていたが、遊行寺の時点でも12番目のタイムだったが、抑え過ぎてうまくリズムに乗れなかったパターンだったか。いつまにかトップとの差も4分半近くなり辛くなってきている。
 
 

湘南大橋18.2㎞-茅ヶ崎14.5㎞=3.7㎞
記録:コスマス(山学)11分19秒(3分03秒5)
記録:竹澤(早大)11分23秒(3分04秒6)

1位設楽(東洋)11分19秒①(3分03秒5)

5位油布(駒大)11分40秒②0:45(3分09秒2)
7位武田(早大)11分41秒③1:34
2位八木沢(明大)11分27秒④2:06(3分05秒7)
9位石田(青学)11分45秒⑤3:46
15位勝亦(日体)12分00秒⑥5:09(3分14秒6)
8位金森(拓大)11分42秒⑦5:21
13位佐藤(上武)11分55秒⑧6:01
3位塩谷(中学)11分33秒⑨6:02
3位竹ノ内(日大)11分33秒⑨6:02
12位植木(大東)11分54秒⑪6:03
6位土屋(東海)11分40秒⑫6:09
17位稲田(順大)12分02秒⑬6:35
10位難波(帝京)11分51秒⑭7:19(3分12秒2)
19位黒山(法大)12分16秒⑮8:05(3分18秒9)
21位沖守(國學)12分23秒⑯8:32
11位町澤(中大)11分53秒⑰9:24
16位戸田(農大)12分01秒⑱10:19
18位横田(城西)12分10秒⑲10:43
14位西山(神大)11分56秒⑳11:28
OP:兼子(山学)11分31秒[20]11:28
20位澤野(専大)12分22秒㉑13:01[22]13:01

22位武藤(国士)12分36秒㉒16:19[23]14:09(3分24秒3)

★設楽悠、八木沢、兼子、塩谷選手が完全に勢いに乗っている
 先ほどの定点で波に乗っていた選手がそのまま、更に他選手との区間タイム差を開けていますね。設楽悠選手は相変わらずで、油布選手が視界に入りづらい位置に。八木沢選手もどんどんペースを上げ始めて、少しずつ苦しくなってきた武田選手がそろそろ視界に入りだしただろうか。
 
 それから塩谷選手と竹ノ内選手の接戦が凄いことになっていてこの間3番目のタイム。好走しているはずの土屋選手を引き離して、佐藤・植木選手もついに巻き込み始めた。このあたりからバイクも付き始めていますが、かなりの争いになっていた。
 
 ただ、それより上回っていたのがオープン参加となってしまったが、山学・兼子選手。専大・澤野選手も大きく突き放して、更にちょっと息切れし始めた神大・西山選手にも追いついてしまった。全日本4区で一気に評価が上がった選手だったが、逞しいです。
 
 
 

平塚中継所21.5㎞-湘南大橋18.2㎞3.3㎞
記録:コスマス(山学)9分34秒(2分53秒9)
記録:竹澤(早大)9分27秒(2分51秒8)
 
2位設楽(東洋)9分39秒①
3位油布(駒大)9分49秒②0:55(2分58秒5)
9位武田(早大)9分55秒③1:50(3分00秒3)
1位八木沢(明大)9分35秒④2:02(2分54秒2)
10位石田(青学)9分57秒⑤4:04
7位金森(拓大)9分53秒⑥5:35
12位勝亦(日体)10分06秒⑦5:36
3位竹ノ内(日大)9分49秒⑧6:12
6位佐藤(上武)9分52秒⑨6:14
7位塩谷(中学)9分53秒⑩6:16
10位土屋(東海)9分57秒⑪6:27
18位植木(大東)10分19秒⑫6:43
17位稲田(順大)10分18秒⑬7:14
14位難波(帝京)10分14秒⑭7:54(3分06秒1)
18位黒山(法大)10分19秒⑮8:45
20位沖守(國學)10分23秒⑯9:16
12位町澤(中大)10分06秒⑰9:51(3分03秒6)
16位戸田(農大)10分17秒⑱10:57
15位横田(城西)10分16秒⑲11:20
OP:兼子(山学)9分38秒[20]11:27
5位西山(神大)9分51秒⑳[21]11:40
22位澤野(専大)10分42秒㉑[22]14:04
21位武藤(国士)10分36秒㉒17:06[23]15:06(3分12秒7)

★東洋大・設楽悠選手が、2位に駒大に55秒、3位以下に2分近い差を
 最後までペースが落ちなかった設楽悠選手がダントツの区間賞を獲得。それだけでなく最大のライバルの駒大に55秒の貯金を作った。駒大を抜くときに一気にペースアップし、油布選手のスピードを活かせる展開にしなかったのがこの差に繋がった。区間記録よりも、貯金を優先した結果だと感じる。3位以下も勿論引き離して、大きく優位な展開にして、ここもターニングポイントとなった。
★それを上回ったのは明大・八木沢、山学・兼子選手
 ただ、ラスト3.3㎞に関しては設楽悠選手を上回ったランナーが2人。スピードのある八木沢選手が最後の最後一気に追い上げています。これで早大・武田選手が完全に視界に入る12秒差へ。明大もいよいよ乗ってきたなとこの時は思った。山学・兼子選手も粘る西山選手を突き放し、遠く離れていたはずの城西・横田選手を秒差まで追ったのは、本当に執念や意地を見せたと思います。
 
★8位争いは日大・竹ノ内選手が制す、塩谷選手は5人抜き
 バイクの斜め前からの映像で熾烈な様子が非常によくわかった8位争いですが、最後に抜け出したのは日大・竹ノ内選手。序盤がそこまで早くなかった分力は余っていたかもしれないが、それでも3区タイプとは思っていなかった中、区間一桁で走ったのは驚いた方多かったと思われる。佐藤選手を挟んで10位の塩谷選手は最終的に5人抜き。シードラインに食らいついて見せ、中学大のシード確保を一時予感させるような展開だった。
 
★拓大・金森選手が後半浮上、日体・勝亦選手をとらえる
 4位から5位が少し離れたが青学・石田選手は中位程のペースを維持で5位キープ。その後ろで動きがあった。最後までペースを上げきれなかった日体・勝亦選手を、拓大・金森選手が捉える展開に。本当に大健闘と言える。逆に日体大は今季の不安要素が2区3区で出た格好だ。
 
 その他、11位以下では東海・大東・順大・帝京が点々と続いた後、最後までうまく走れなかった法大と國學院大。法大は主力欠場の中、昨年好走した黒山選手が失速たのはちょっと痛かった。沖守選手は今年も足引っ張る無念のレースに。うしろからハチマキ姿で単独走ながら頑張った中大・町澤選手がだいぶあげてきた印象だ。下位2チームとなった専大と国士舘は完全に取り残されてしまった。